建設業におすすめの勤怠システム管理7選|2024年から変わること

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  • 建設業においては、従来の勤怠管理方法ではカバーしきれない課題がある
  • 2024年からの働き方改革により、建設業界も働き方を見直していかなくてはいけない
  • 勤怠管理システムを導入することで、これまでの課題や働き方改革に対応できる

直行直帰の多い建設業界は、勤怠時間の管理や勤務状況の把握が難しいといった課題があります。本記事では、建設業における勤怠管理の課題や、2024年からの働き方改革に伴った建設業の労働上限について解説し、勤怠管理システムを導入するメリットとおすすめの製品を紹介します。

目次

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  1. 建設業界で注目されている勤怠管理システムとは
  2. 建設業界の勤怠管理に関する課題
  3. 建設業界における労働時間の上限規制は2024年4月から
  4. 建設業で勤怠管理システムを導入するメリット
  5. 建設業の勤怠管理にアプリ活用が有用
  6. 建設業におすすめの勤怠管理システム9選
  7. その他の勤怠管理システムの選び方
  8. まとめ
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建設業界で注目されている勤怠管理システムとは

勤怠管理システムとは、従業員の日々の勤務状況を把握するために必要なシステムです。中でも建設業界で注目されている理由として、会社に行かなくても端末を利用することで、正確な出勤・就業時間を記録しておけることが挙げられます。

建設業界にはさまざまな職種があり、勤務地とは異なる場所で就業する場合も多いです。そのため、以前から就業時間の正確性が問題視されてきました。2014年の法改正以来、その目はさらに厳しいものになってきています。

勤怠管理システムを利用して、いつでもどこでも出勤・退勤の打刻ができる環境を作ることは、建設業界には大変メリットがあります。他にも、深刻な働き手不足の中、勤怠管理を自動処理してくれるシステムによって、作業効率のアップも期待できます。

建設業界の勤怠管理に関する課題

ここでは、建設業界の勤怠管理に関する課題について解説しています。主に3つの課題を取り上げており、どれも建設業界の労務課題となっています。

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勤務時間管理の難しさ

建設業界で勤務時間を管理するのが難しい理由は、働く場所が会社ではなく現場であることが多いからです。また、職種によっては、通常勤務が現場への直行直帰であることが多く、現場で勤務時間を管理できるシステムが整っていません。

そのため、当日の勤務状況は手書きで行われることが多く、後日日報などにまとめて提出されがちです。管理側もリアルタイムでの確認はせず、過去の記憶を基にして日報を書く場合も多く、正誤性の有無も問われています。

勤務状況の把握の難しさ

建設業では、職種によって複数の現場を掛け持ちして業務を行う場合もあります。そのため、1つの業務における勤務状況の把握が難しく、工数管理が機能しづらいです。

現場で働いている従業員の勤務状況は、後日まとめて日報などの形で提出されますが、複数人の複数日の日報をまとめる作業は、事務員にとって大変な作業です。また、業務が終わってからデータを集計する作業もあり、工程を把握できるのがさらに後日になります

法改正への対応

2019年4月「働き方改革関連法」が施行され、客観的な記録による労働時間の把握を法的に義務づけられました。客観的な記録とは、タイムカードによる記録やPC等の電子計算機の使用時間の記録等やその他の適切な方法で勤怠管理を行うことです。

正確性、客観性を認めさせるため、手書きでの申請は受け付けません。法的義務のため、以前は手書きで行われていても、特に罰則等はありませんでしたが、2019年4月以降は、罰則はないものの、法令違反として是正勧告処分を受けてしまうため、注意が必要です。

参考:働き方改革|厚生労働省

建設業界における労働時間の上限規制は2024年4月から

建設業界における労働時間の上限規制は2024年4月からです。ここでは、働き方改革の内容や、これまでとどのようなことが変わるのかなどを解説します。

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建設業界における労働時間の上限規制は2024年4月から

  1. 働き方改革とは
  2. 建設業の時間外労働の上限

働き方改革とは

働き方改革とは、2019年4月に施行された「働き方改革関連法」を指します厚生省によると、「働き方改革」は、働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、 自分で「選択」できるようにするための改革で、以下の2つの柱があります。

  1. 労働時間法制の見直し
  2. 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

中でも、労働時間法制の見直しは、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月より、時間外労働の上限規制が施行されています。特別な状況下以外には「原則として月45時間、年360時間」の残業時間を超えてはいけなくなりました

建設業界は、すぐに法の規制を行うのが難しいと判断され、5年間の猶予期間を設けられ、2024年4月1日から時間外労働の上限規制が適用されることになっています。建設業にとって長時間労働の禁止は、労務課題のひとつです。

参考:「働き方改革」の実現に向けて|厚生労働省

建設業の時間外労働の上限

建設業の時間外労働の上限は、大企業や中小企業と同じく、原則として「月45時間、年360時間」以上の残業時間を認めない、というものです。臨時的な特別の事情があり労使が合意する場合にも下記の特例措置があります。

  1. 時間外労働が年720時間以内
  2. 時間外労働と休⽇労働の合計が⽉100時間未満
  3. 時間外労働と休⽇労働の合計について、「2カ月平均」「3カ月平均」「4カ月平 均」「5カ月平均」「6カ月平均」が全て1⽉当たり80時間以内
  4. 時間外労働が⽉45時間を超えることができるのは、年6か⽉が限度

以上の項目に反した場合には、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰⾦という罰則が科される場合もありますので、注意しましょう。

参考:働き方改革関連法等について – 法の概要・時間外労働の上限規制|厚生労働省

建設業で勤怠管理システムを導入するメリット

ここでは建設業で勤怠管理システムを導入するメリットを紹介します。メリットは下記の7つです。法改正により改善すべき課題をフォローする機能も多くあるため、自社に必要な機能を見つけ、メリットを確認しましょう。

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勤怠管理の負担を軽減できる

建設業は、社内勤務より現場への直行直帰が多く、会社でのタイムカード打刻が難しいのが現状です。そのため、勤務状況の報告は日報の記入が主となっており、後日提出することになります。

さらに勤務状況の管理は、取りまとめられた日報から、従業員の勤務時間を打ち込む作業が必要です。勤務時間の入力が終わった時点で、ようやくデータ化や集計ができるようになるため、リアルタイムで情報が得られず、事務員にとっても大きな負担になっていました。

しかし、スマホやタブレットなどの持ち運び可能な小型端末に勤怠システムを導入できれば、現場での入力作業が可能になります。また、個々の労働時間は自動的にデータ化され、自動集計されるため、後日労働時間を入力する業務時間が大幅に減らせます。

複雑な勤務体系に対応できる

個人によって、シフト制やフレックス制など、働き方の違いがありますが、会社によってもさまざまな就業ルールがあります。勤務体系や個々の勤務状況によって変わる場合もあるため、事務員は個々の働き方を確認しながら、入力業務を行わなければいけません。

従来のエクセル(Excel)などを使用した勤怠管理では、管理に限界があり、手入力による入力ミスといったヒューマンエラーによる業務負担も発生します。

勤怠管理システムを利用すれば、あらかじめ設定したルールで入力が行われるため、確認する時もさほど手間がかかりません。また、複数現場での作業や日を跨いで行われた場合などにも対応しているため、今まで入力業務に戸惑っていた方も楽に作業ができ、ミスも軽減します。

勤務実態をリアルタイムで把握できる

建設業界では、従業員の過重労働や残業過多なども離職の原因となっています。しかし、従来のような日報を使用した手書きの報告書では、リアルタイムでの勤務時間の把握は難しく、フォローができない状態です。

そのため、小型端末による勤務時間の入力は、現場でのリアルタイムの勤務時間把握に大変便利です。また、端末数をある程度揃えておけば、複数の現場にも持ち運びもできます。

不正打刻を防止できる

小型端末に勤怠管理システムを導入できれば、各現場で従業員に出退勤の打刻をしてもらえます。出勤している従業員のみ出退勤の入力を促せるため、不在の人間の代わりに打刻したり、遅刻しているのに始業からの出勤を装ったりするなどの不正な行為を防げます

勤怠管理システムの機能の中には、指紋認証やICカード認証など、自分でしか入力できない機能を搭載しているものもあります。不正打刻は真面目に就業している方のやる気を削ぐ、悪質な行為です。不正が発生しないための強固なシステム作りも必要です。

シフト管理を効率化できる

従来の勤怠管理では、建設現場が複数ある場合、どの従業員がどこの現場に行っているかをすぐに把握することが難しいです。しかし、勤怠管理システムを導入すれば、シフト管理を効率化できる機能を備えているため、一目で確認できます

例えば、就労時間をグループ管理することによって、リアルタイムで「誰がどこでどのくらいの時間働いているか」が分かります。グループ管理機能は、あらかじめ設定したグループを指定するだけで、簡単に知りたいデータを抽出してくれるため、大変便利です。

法改正に対応できる

2024年4月からの法改正により、規定の労働時間を超えると罰則が与えられることになりました。勤怠管理システムには、あらかじめ労働時間の基準値を設定しておくことで、超過するとアラートを表示させる機能が搭載されているものもあります。

そのため、日々の労働時間の把握だけでなく、時間外の労働時間を把握し、超えないように調整しなければいけません。また、年次有給休暇管理や在宅管理機能なども搭載されていれば、従業員の労働環境の把握がさらに楽になります。

工数管理や予実管理ができるものもある

各現場やプロジェクトには、必ず工数が割り当てられています。現場は工数を守るよう、作業に当たらなければいけませんが、従来の手書きの日報や、タイムカードの打刻記録のみでは、正確性の把握も困難です。

また、各従業員の勤務時間や工数を把握しないと、それぞれの勤務の実態が分からず、工数が守られているかどうか管理ができません。勤怠管理システムの中には、工数管理や予実管理ができるものもあります。うまく使って効率よく業務を進められるようにしましょう。

建設業の勤怠管理にアプリ活用が有用

直行直帰が多い建設業では、デスク上でのPCによる作業ではなく、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末で勤怠管理ができるアプリの活用がおすすめです。ここではアプリがおすすめな理由を解説します。

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建設業の勤怠管理にアプリ活用が有用

  1. 迅速な情報共有ができる
  2. コミュニケーションの改善に役立つ

迅速な情報共有ができる

建設現場では常に移動していることが多いため、アプリであれば現場内で手軽にアクセスして勤怠情報を入力できます。これにより、従業員はリアルタイムなデータ入力が行え、管理者はそれを即座に確認できます。

例えば、現場での勤務開始や終了時刻、休暇申請、残業の有無などが即時に把握できます。これにより、管理者は労働力の状況を把握し、リソースを最適化することや、急なスケジュール変更や緊急事態にも対応しやすくなります。

コミュニケーションの改善に役立つ

アプリを利用することで、従業員と管理者とのコミュニケーションが大幅に改善されます。従業員はアプリを通じてシフトの変更や休暇申請を行い、管理者はそれをリアルタイムで確認・承認できます。

これにより、従業員と管理者の間での不確実性やミスコミュニケーションが減少し、円滑に業務を行えます。また、アプリを介したコミュニケーションでは、情報が明確に伝わるため、誤解や混乱を避けることができます。

建設業におすすめの勤怠管理システム9選

ここからは、建設業におすすめの勤怠管理システム9選を特徴別に紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

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GPS機能搭載の勤怠管理システム4選

jinjer株式会社

ジンジャー勤怠

正確な労働時間の管理や働き方改革の促進をお考えの方に

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ここがおすすめ!

  • 初期設定から定着まで電話・チャット・WEBなどでサポート
  • 24時間365日お問い合わせ可能
  • スマホアプリ対応で場所を問わず簡単に打刻ができる
  • 月末の締め日に見直すだけで簡単に勤怠管理ができる
  • 個人だけでなくチーム全体の勤怠管理ができる

MORE
ここが少し気になる…

  • スマホアプリだと申請や修正画面がわかりにくい

株式会社 スマレジ

スマレジ・タイムカード

豊富なプランから自社にあった契約をしたい人事におすすめ

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ここがおすすめ!

  • 4種類のプランがあり、自社にあった勤怠ルールや人数から最適なプランを選べる
  • 使える機能が多く、申請から給与計算まで無駄なく把握・管理できる

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ここが少し気になる…

  • 対応端末がiOSアプリのみで「Android」には対応していない

株式会社NTTドコモ

KING OF TIME

従業員・管理者が使いやすいシステムを求める方におすすめ

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ここがおすすめ!

  • 画面が見やすく従業員・管理者どちらも操作性がいいように工夫されている
  • サポートが手厚く、チャット・メール・電話サポートだけでなく「画面共有」にて不明点を解消できる

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ここが少し気になる…

  • 企業の契約や使用状況によっては通常の「KING OF TIME」でも問題ない

IEYASU株式会社

HRMOS勤怠 by IEYASU

機能制限ありでも無料で使いたい30名以下の企業におすすめ

料金の詳細や利用イメージは
「サービス詳細はこちら」をチェック!

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ここがおすすめ!

  • 初期費用や月額料金が安く、30名以下であれば無料で使える
  • 日々の勤怠管理だけでなく給与明細や賞与なども一括管理できる
  • シンプルなUIでわかりやすく複雑な部分がない
  • メモ欄があるため、休暇理由やテレワーク勤務など管理者側に伝えやすい

MORE
ここが少し気になる…

  • 各種申請後の通知や打刻漏れ等の通知機能がない
  • 法改正に対しての機能が少ない
  • 有給・休暇関係は一部有料プランになる

シフト管理に強みを持つ勤怠管理システム

freee株式会社

freee勤怠管理Plus

低コストで人事労務全般をカバーしたい小規模法人・中小企業に

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ここがおすすめ!

  • 小規模法人や中小企業向けのシンプルな機能を不自由なく使える
  • 1時間1分単位での時間休取得が可能
  • GPSの勤怠管理に対応し直行直帰やテレワークでの打刻にも
  • 給与計算もできるfreee人事労務と連携することで人事労務全般がカバーできる

MORE
ここが少し気になる…

  • 低コストで導入できるが初期設定に手間がかかる
  • 連携できるサービスが少ない

工数管理や予実管理もできる勤怠管理システム2選

ソニービズネットワークス株式会社

AKASHI

工数管理ができ多彩な打刻方法から選びたい企業におすすめ

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ここがおすすめ!

  • 機能に応じて3種類のプランから選べ、テレワークやシフト・工数管理まで対応している
  • 自社にあった就業条件を踏まえて設定してくれる「初期設定サポート」がある

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ここが少し気になる…

  • シフトや工程管理まで使いたい場合は400円と割高になる

株式会社DONUTS

ジョブカン勤怠管理

必要な機能を必要なだけ選びたい人事におすすめ

料金の詳細や利用イメージは
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ここがおすすめ!

  • プランが豊富で「出勤管理・シフト管理・休暇申請管理・工数管理」の4つの機能から組み合わせて選べるカスタマイズ性の高さ
  • 「工数管理機能」を備えており、自社にあった納期の把握と共有の簡素化ができる
  • Slack対応で打刻と合わせて始業や就業のタイミングを把握できる
  • 医療機関の業種に特化した打刻方法を搭載

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ここが少し気になる…

  • 打刻ミスの修正は管理者側で行う必要がある
  • シフト変更の管理が難しい

その他の勤怠管理システムの選び方

勤怠管理システムを選ぶ際には、以下のようなポイントに注目することがおすすめです。重要なポイントは下記の3つです。

【重要なポイント】

  1. 自社の業務や企業規模・勤務形態と合っているか
  2. 自社に最適な打刻方法か
  3. 必要な機能が搭載されているか

いくら便利な機能とは言え、自社の業務や勤務形態に合っていなければ必要ありません。自社に最適な打刻方法かどうかは、どのような勤務状態になっているかで異なります。自社に必要な機能はなにかを把握しておくことは重要です。

【その他の比較ポイント】

  1. 複数言語に対応しているか
  2. 担当者・従業員が使いやすいか
  3. 料金体系を確認
  4. サポート体制が充実しているか
  5. 無料トライアルがあるか

また、昨今の人手不足の事情で、外国人の雇用を進めている会社も多いでしょう。他にも、使う側が使いやすいものを選ぶというのも重要です。導入前に無料のトライアルがあるものを選ぶと、間違いが少なくなります。

まとめ

建設業界では、長時間労働と、人材や働き手の不足、という2つの課題があります。特に現場への直行直帰や残業・休日出勤の過多という厳しい環境に馴染めずに、離職してしまう方も多いです。

また、建設業界は、さまざまな勤務形態や勤務場所などの問題から、正確な労働時間の把握が難しい職種でもあります。

勤怠管理システムの導入は、労働環境を整えるために有効な手段です。自社に適切な機能を搭載したツールを選び、労働環境を整え、業務効率のアップを図りましょう。

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