【最新版】派遣社員向けeラーニングシステムがおすすめな理由|派遣法も解説
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- 派遣社員の教育にeラーニングを導入することで、コスト削減や教育の質の均一化が可能
- 派遣社員の教育にeラーニングを導入する際は、モチベーション維持の工夫が必要
- 派遣社員向けeラーニング導入の際は、利用目的の明確化やコンテンツの多さを確認
2015年の労働者派遣法の改正で、派遣社員のキャリアアップが義務化されました。派遣社員の教育には、eラーニングの導入がおすすめです。本記事では、派遣社員への教育にeラーニングがおすすめな理由や注意点、おすすめの派遣社員向けeラーニングシステムを解説しています。
目次
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2015年の改正以降「労働者派遣法」が大きく変化
労働者派遣法とは、立場の弱い派遣労働者の保護や雇用の安定化を促進するための法律です。1986年に施行されてから何度か改正が行われていますが、特に2015年の改正は大きな変化をもたらしました。
派遣労働者を適切に取り扱うためにも、労働者派遣法の改正に伴う変更点について概要を理解する必要があります。
参考:派遣で働く皆様へ〜平成27年労働者派遣法改正法が成立しました〜|厚生労働省
<労働者派遣法 改正年表>
2012年 | ・日雇い派遣の原則禁止 ・グループ企業内派遣の8割規制 ・元直接雇用の離職者の1年以内の派遣受け入れ禁止 ・派遣会社のマージン率公表 |
2015年 | ・派遣労働者の雇用安定措置(キャリア形成支援制度) ・有期雇用派遣の上限期間が原則3年に一元化 ・労働契約の申し込みみなし制度の制定 |
2020年 | ・同一労働同一賃金 ・派遣社員への説明の義務化 |
2021年 | ・雇い入れ時の説明を義務化 ・労働者派遣契約書の電磁的記録を有効化 |
派遣社員のキャリアアップの義務化
2015年の労働者派遣法の改正による大きな変更点の1つが、キャリア形成支援制度の制定です。人材派遣会社に対し、派遣労働者のキャリアアップの後押しを目的とした教育訓練・能力開発の実施が義務づけられました。
労働者派遣法の改正に伴い、キャリア形成支援制度を用意していない人材派遣会社については、労働派遣事業の運営が認められなくなりました。なお、キャリア形成支援制度の具体的な施策には、たとえば次のようなものがあります。
教育訓練の実施
法改正により、人材派遣会社の事業運営の要件として、教育訓練の実施が義務づけられました。教育訓練はキャリアアップ訓練とも呼ばれており、派遣社員のキャリアアップを目的として人材派遣会社が実施するものです。
教育訓練は実施だけでなく報告の義務もあり、派遣社員が受講を拒否することは基本的にできません。ただし、受講料は無料で給料も発生するため、受講によるデメリットは生じません。教育訓練は、以下のような条件を満たす必要があります。
- 1年以上雇用の見込みがある派遣社員(基本的にはすべての派遣社員が対象)
- 実施は年8時間以上
- 無償・有給で実施する
- 派遣社員のキャリアアップに役立つ内容である
- 入職時に必ず実施する
- 長期的なキャリア形成を目的とする
キャリアコンサルティングの実施
人材派遣会社には教育訓練の実施とともに、派遣労働者のうち希望者に対するキャリアコンサルティングの実施も義務づけられました。
キャリアコンサルティングとは、職業選択やキャリア形成のためのスキル・能力開発についてアドバイスを行うことです。たとえばカウンセリングや就職・転職活動のサポート、履歴書の添削など、キャリア形成に関わる業務全般を指します。
キャリアコンサルティングの具体的な施策としては、キャリアコンサルティングの相談窓口の設置が代表的です。なお、相談窓口には、次のような条件のいずれかを満たす担当者の設置が義務づけられています。
- キャリア・コンサルタント関連の資格保有者
- キャリア・コンサルティングの実務経験がある
- 派遣先との連絡調整を行う営業担当者
キャリアアップにつながるフォロー
キャリアアップが見込める派遣先の選定や派遣後のフォローは、キャリア形成支援の代表的な施策です。派遣先の選定はキャリアアップに影響するため重要視されますが、派遣後のフォローも忘れてはなりません。
派遣先での経験や成果をもとにしたフォローアップは、さらなるステップアップに期待ができ、派遣社員自身も経験したからこそ今後のキャリアの方向性が派遣前よりも明確になっている可能性があります。
派遣先選定後の定期的なフォローアップは、派遣社員の成長を促す重要なキャリア形成支援の1つと言えるでしょう。
派遣社員の教育にeラーニングを導入するメリット
労働者派遣法の改正により、人材会社には、希望者に対してスキルアップ・キャリアアップのための教育の場を設けることが義務付けられました。派遣社員への教育法として注目されているのが、eラーニングによる学習です。
派遣社員にeラーニングを実施するメリットをご紹介します。
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派遣社員の教育にeラーニングを導入するメリット
時間や場所を問わず学習ができる
eラーニングの導入により、派遣労働者には時間・場所にとらわれず学習できるというメリットが生まれます。
従来の集合型の研修では、研修が行われる日時に研修会場まで足を運ぶ必要がありました。しかし、派遣労働者の勤務日時は派遣先によって大きなバラつきがあり、日時や場所が決まっている研修には参加できないこともありました。
一方、eラーニングは、インターネット上に用意されたコンテンツ(教材)を利用しながら、自主的に学習するスタイルです。
基本的にはパソコンやスマートフォンなどの通信端末及び通信環境さえあれば学習できるため、集合型の研修のように時間・場所に制限されず自分のペースで学習を進められます。着実なスキルアップやステップアップが見込めるでしょう。
教育訓練のコストを削減できる
eラーニングによる学習は、人材派遣会社にとって教育訓練コストの削減という大きなメリットがあります。
従来の集合型の研修では、人材派遣会社は研修会場や講師の確保・設営・資料の作成および配布といった手間がかかりました。これらに伴い、会場費用・印刷代などの金銭的コストも発生します。場合によっては、講師の交通費や参加者のスケジュール調整も必要でした。
一方、eラーニングの多くは、録画した講義を配信し、参加者が各自で視聴します。資料やテキストも、インターネット上にアップロードされたものを受講者が各自で閲覧します。
従来のように会場の確保や設営・資料準備・講師の手配が不要のため、時間・手間・お金のコストを大幅に削減できます。また、参加者のスケジュール調整も必要ありません。
教育の質が均一になる
eラーニングは動画視聴が主な学習スタイルとなるため、教育の質が均一化されます。従来の集合型の研修の場合、会場のキャパシティや参加者のスケジュールの関係から、同じ講義を複数回に分けて行うことが少なくありませんでした。
従来の集合型の研修の場合、会場のキャパシティや参加者のスケジュールの関係から、同じ講義を複数回に分けて行うことが少なくありませんでした。たとえ同じ講師がすべての講義を担当したとしても、その内容は毎回少しずつ異なります。
つまり参加する回によって教育の質や内容にムラが出やすく、全ての参加者に同じクオリティの講義を提供できない点が課題でした。
eラーニングの多くは、録画した講義を対象者に向けて配信します。全ての受講者が同じ講義を視聴できるため、集合型研修のように、参加する回によって内容が違うということはありません。
学習状況を管理できる
eラーニングには学習管理機能が搭載されており、派遣社員一人ひとりの学習状況を把握できます。テストの結果からスキルの習得レベルも可視化でき、個人ごとに適したキャリアアップのフォローが可能になります。
人材派遣会社が派遣社員のスキルを把握する方法は、自己申告や派遣先企業からの報告が基本のため、人材派遣会社が各派遣社員のスキルを正しく把握することは困難です。
しかし、eラーニングを使用することで人材派遣会社も学習状況を把握でき、スキルレベルに見合った派遣先の選定が行えるといったメリットにも繋がります。
派遣社員の教育にeラーニングを導入する際の注意点
eラーニングによる派遣社員の教育にはさまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。eラーニングによる教育効果を高めるためにも、あらかじめデメリットを理解し、適切な対策を講じましょう。
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派遣社員の教育にeラーニングを導入する際の注意点
モチベーションの維持が難しい
eラーニングは、学習へのモチベーションの維持が難しいという点が大きな課題です。従来の集合型の場合、同じ目的意識を持った参加者が一堂に会するため、帰属意識・ライバル意識などが刺激されて自然とモチベーションが保ちやすくなります。
一方、eラーニングは、時間・場所にとらわれない自主学習であり、他の参加者との交流はほとんどありません。集合型研修ほどの緊張感がないため、モチベーションが下がりやすい環境と言えます。
対策としては、管理者側からの適切なアプローチが大切です。eラーニングシステムの多くは学習の進捗管理機能を備えており、各学習者の履修状況や各科目の理解度・習熟度を一目で把握できるようになっています。
学習が進んでいない学習者に対し、ピンポイントでのアドバイスやフィードバックが容易に行えるため、学習者にとっても励みになるでしょう。あるいは、学習者同士が交流できるチャット機能・掲示板機能を備えたシステムもおすすめです。
実技を伴う研修には不向き
eラーニングは基本的に配信の講義を視聴する学習法であり、その性質上、座学にのみ対応しています。
そのため、実技研修や他の参加者との協力が必要なディスカッション・グループワークには適していません。ただし、プログラミングなどの一部の実技には対応可能です。
近年は、VRやARを利用した実技研修コンテンツも増加しているため、必要ならば導入を検討してみましょう。グループワークについては、ビデオ通話ツールやチャットツールを併用する方法もあります。
派遣元管理台帳への記録が必要
派遣社員への教育訓練は「無償・有給」が原則です。研修であっても賃金が発生するため、人材派遣会社は研修の内容や実施時間を派遣元管理台帳に記録する必要があります。
一方、eラーニングはカリキュラムが細分化されていることが多いです。複数のカリキュラムを受ける場合、それらをすべて派遣元管理台帳に記録しなければならないため、ある程度の手間と時間がかかります。
また、基本的に研修用のeラーニングの視聴中は教育訓練中となる点にも留意しましょう。たとえば派遣社員が休憩時間を利用して自主的に復習する場合も、その時間や内容について派遣元管理台帳への記録が必要です。
記録漏れが起こらないよう、教育訓練への取り組み方について、あらかじめ派遣社員・人材派遣会社の双方でルールを決めておきましょう。また、履修履歴を管理できるeラーニングを導入することで、履修科目や学習時間の把握が容易になります。
派遣社員向けeラーニングシステムを選ぶポイント
派遣社員向けのeラーニングを選ぶ際は、利用目的の明確化・コンテンツの内容や種類・対応端末の3つのポイントに注目しましょう。それぞれのポイントを理解し、最適なeラーニングシステムの導入につなげましょう。
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派遣社員向けeラーニングシステムを選ぶポイント
利用目的を明確にする
eラーニング導入の際は、あらかじめ利用目的を明確にしておきましょう。利用目的が曖昧なままでは、どのような機能・コンテンツを備えたシステムを導入すべきか絞り込めないためです。
たとえば、自社の派遣社員に求めるスキル・知識・経歴を明確にすることで、それらの実現に役立つシステムを選定できます。併せて、自社の派遣社員に対し、どのようなキャリアを形成してほしいかを明確に提示することで、eラーニングの積極的な利用を後押しできます。
コンテンツが豊富か
コンテンツの数・種類はeラーニングシステムによって異なります。自社が派遣社員に求めるスキル・知識を磨けるかを考慮しながら、選定しましょう。併せて次のような条件を満たすかどうかも、重要な選定ポイントとなります。
- カリキュラムが細分化されており、段階的・体系的な教育が可能である
- 動画・音声・パワーポイントなどが利用されており、飽きずに学習を進めやすい
多くのeラーニングでは既存のコンテンツを提供しており、一般的な職務スキルや知識がカバーできます。しかし、特殊な業種で利用したいケースや、より深いレベルでの教育を施したい場合、既存のコンテンツでは対応しきれないこともあるでしょう。
このような場合は、オリジナルコンテンツの作成ができる、あるいは既存のコンテンツをカスタマイズできるeラーニングシステムが望ましいです。
モバイル端末に対応しているか
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末への対応可否も、システムの重要な選定ポイントです。モバイル端末でコンテンツを視聴できるものは、派遣社員が通勤時間や休憩時間などの隙間時間を活用して学習に取り組めるため、利便性が高いでしょう。
なお、モバイル端末対応のシステムであっても、実際にコンテンツを視聴してみると、画像が粗い・画面が見切れるといったトラブルが起こるものも多いです。
このような場合は、オリジナルコンテンツの作成ができる、あるいは既存のコンテンツをカスタマイズできるeラーニングシステムが望ましいです。
おすすめの派遣社員向けeラーニングシステム4選
業界最安値とも言われるリーズナブルな価格設定で、誰でも使いやすくカスタマイズ性の高いeラーニングシステムなら、LearnOの導入がおすすめです。
GOOD
ここがおすすめ!
- 企業の規模に合わせた料金体系があり、どれだけ費用が掛かってくるか予算を立てやすい
- 年に4回以上のアップデートが行われており、PCの最新のOSにも対応できる
- デザインの選択やロゴの登録が可能で、オリジナル感ある資料が作れる
MORE
ここが少し気になる…
- 教材は自社で作成する必要があるため、1から始める場合は時間や労力が掛かる可能性も
学修記録をシステムのクラウド上で可視化し、さまざまな教育現場・企業研修で煩雑化する作業の利便性を高めるなら、Phollyの導入がおすすめです。
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ここがおすすめ!
- 共有機能やコミュニケーション機能なども備え、オールインワンで使える
- 100ユーザーまで月額2万円からと、低コストで導入できる
- 学生から教員まで、年齢問わず扱いやすいシンプルな機能と画面
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ここが少し気になる…
- 動画配信はオプション扱いで、ライトプランでは一部利用できない機能がある
株式会社FCE
Smart Boarding
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ここがおすすめ!
- 内定者・新人教育からリーダー・管理職育成まであらゆるシーンで活用
- 属人化を防いでいつでも何回でも学習できる環境を実現
- 自社オリジナルコースの作成や学習進捗管理も行える
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ここが少し気になる…
- 電話やメール相談、教育プログラム設計といった手厚いサポートを受けられるのは「充実サポートプラン」のみ
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ここがおすすめ!
- デモアカウントで「無料体験」することができ、導入前に使用感を確かめられる
- スマホやタブレットにも対応
- 理解しているか確認できる「習得度チェックテスト」機能を備え、エビデンスとしても使える
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ここが少し気になる…
- 自社教材も扱えるが、有料オプションとなる
おすすめの英語学習向けeラーニングシステム
派遣社員向けに英語学習を行いたいと考える場合には、こちらのeラーニングシステムがおすすめです。
株式会社EdulinX
Reallyenglish
ネイティブ英語教師によるオンラインレッスンなど幅広いコースから選択し、グローバル人材の育成を行うなら、Reallyenglishの導入がおすすめです。
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ここがおすすめ!
- 「総合力向上」「スピーキング」「ライティング」「TOEIC対策」など、コースが充実!
- 個々の英語レベルに合わせてカリキュラムを自動で生成するため、効率よく学べる(一部のコース)
- オンライン英会話は業界内で評判のいい「QQEnglish」が提供
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ここが少し気になる…
- 期間内にコースを修了しなければならない(別途料金を払えば延長可能)
その他の派遣社員向けeラーニングシステムの選び方
派遣社員向けeラーニングは、人材派遣会社・派遣社員の両方にとって使いやすいものを選ぶことが大切です。たとえば次のようなポイントに注目しましょう。
【重要なポイント2つ】
- 対象人数を確認
- 学習を進めやすいか
【その他の比較ポイント】
- 提供形態を確認
- カスタマイズ性が高いか
- セキュリティ対策は万全か
まとめ
労働者派遣法の改正により、人材派遣会社には、派遣社員のキャリアアップを後押しするキャリア形成支援制度の実施が義務づけられました。派遣社員の教育訓練法として注目されているのが、派遣社員の教育向けのeラーニングです。
派遣社員の教育向けのeラーニングには、時間や場所にとらわれず学習できる・教育コストを削減できる・均一レベルの教育を実施できるといったメリットがあります。
一方でモチベーションの維持が難しい・実技やグループワークには適さない・派遣元管理台帳の記載や管理が煩雑といったデメリットがあります。対策としては、各自の学習状況の管理機能やコミュニケーション機能を備えたシステムの導入がおすすめです。
派遣社員向けのeラーニングシステムの導入に際しては、利用目的の明確化・コンテンツの豊富さ・モバイル端末への対応可否などを確認することが大切です。
派遣社員・人材派遣会社双方にとって使いやすいeラーニングを導入し、派遣社員の着実なステップアップを実現しましょう。