※2024年5月自社調査。調査方法はこちら
オリンパスは90周年記念事業として「オリンパス・スペース・プロジェクト」を実施。JAXA宇宙飛行士の若田光一さんが撮影した「宇宙から見た地球」をウェブサイト上においてギャラリー感覚で公開し、企業ブランドの構築につなげている。
サイトではシャトル打ち上げの瞬間などもムービーで公開されており、訪れたユーザーは若田さんの体験をリアルに感じられる。
今年、創立90周年を迎えるオリンパス。「オリンパス・スペース・プロジェクト」は、JAXA宇宙飛行士の若田光一さんが同社のデジタル一眼レフカメラを使用し、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験機から地球の映像を撮影、帰還後に宇宙で撮影された写真をウェブサイトや写真展等で公開するものだ。 「当社では環境活動の一環として、動物写真家である岩合光昭さんの作品を公開しながら地球環境について考える『地球温暖化の目撃者』という取り組みを行っています。これは地上から地球環境を撮影するものですが、これを宇宙まで広げ、地球を見つめてみようというのがこのプロジェクトのスタートでした」とブランド宣伝部企画グループ課長 柴田敏治氏。 若田さんの写真を公開するウェブサイトでは、同プロジェクトに関する解説や、実際に使用されたデジタル一眼レフカメラ「E-3」、レンズ群「ZUIKO DIGITAL」の性能が語られている。オリジナルドメインを取得し、別サイト化した背景として、同部ホームページ戦略グループ課長代理 岩間郁朗氏は「2010年3月までの期間限定サイトとし、その後アーカイブ化していくことを予定しています。オフィシャルサイトとは違い、写真や映像を中心に見せていきたいと思いました」と語る。
左から、オリンパス 経営企画本部ブランド宣伝部企画グループ課長 柴田敏治氏、同部ホームページ戦略グループ課長代理 岩間郁朗氏
また、同サイトはウェブサイト以外の展開の受け皿としての役割もある。テレビCMは「宇宙の日」である9月12日に1日限定で放映。マスコミ等にも取り上げられ、話題になった。また、東京と大阪では写真展を開催。こうした施策から同プロジェクトに興味を持ったユーザーがウェブサイトを訪れると、より深い知識とともにプロジェクトを体験することができる。CMは常にウェブで公開されているほか、写真展で実施されたイベントの様子もサイトにて公開される。 クリエイティブでは実際に、機内にいるような感覚を持つことができるよう、ゆったりと流れるムービーをつくっている。サイトは海外からも問い合わせが来るなど、反響も大きい。「海外への情報発信についても必要性を感じています。全世界に向けて統一したブランドメッセージを発信するために、視覚に訴えるギャラリーサイトはツールとして有効だと思います」と岩間氏は語っている。