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森永製菓は2008年7月から、同社オリジナルのキャラクター「ぬ〜ぼ〜」のブランドサイトを独自ドメインで展開している。同社による新規ビジネス創出を図る上で「ぬ〜ぼ〜」はキーとなる存在。ウェブサイトはこのキャラクターに関する情報発信の基幹であり、またユーザー、ファンにとっては癒しを得られる場でもある。
「ぬ〜ぼ〜なこころ」 「ぬ〜ぼ〜」を紹介するものをはじめ、投稿型のものなど、バリエーションに富んだコンテンツが用意されている。また、ネットショッピングも楽しめる。
1988年に発売された森永製菓のエアインチョコレート「ぬ〜ぼ〜」。パッケージに描かれた、商品名と同名の黄色く丸みを帯びたキャラクターは、現在で言う癒し系キャラクターであり、消費者の間に多くのファンを獲得した。「ぬ〜ぼ〜」は96年で発売が終了するが、その後もキャラクターの人気は一部ファンの間で継続し、最近ではSNSなどウェブ上でコミュニティが形成され、ファン同士の情報交換などが行われていた。 キャラクターを生みだした森永製菓は、このような人気のキャラクターを通じて、コンテンツビジネスを新しく創造していこうという観点から、積極的に「ぬ〜ぼ〜」の露出、関連情報の発信を図っている。その中心的な役割りを果たしているのが、ウェブサイト「ぬ〜ぼ〜なこころ」だ。サイトでは、動画で「ぬ〜ぼ〜」を紹介するミニシアターやテーマに沿った投稿を受け付けるコンテストなどを展開し、ユーザーに楽しみや癒しを提供している。また、「"ぬ〜ぼ〜度"チェック」という診断型のコンテンツを設け、八つの項目に回答すると、心理的なゆとりを「ぬ〜ぼ〜度」としてパーセンテージで表示する。同社 経営企画室 イノベーション担当マネジャーの岩崎育夫氏は「何かと忙しい現代社会ですが、キャラクターの存在、そしてコンテンツを通じて、ユーザーには肩の力を抜き心にゆとりを持ってほしいです」と語る。 菓子そのものは現在販売されていないものの、もともとは菓子のキャラクター。だが、キャラクターの方に重点を置いて、独自の存在であることを広く打ち出していこうとの考えから、オリジナルドメインを取得してウェブサイトを運営している。
経営企画室 イノベーション担当マネジャー 岩崎育夫氏
現在「ぬ〜ぼ〜」は、イベントへの出演など、プロモーション活動に忙しく動き回っており、3月下旬には渋谷駅構内でPRイベントなども実施した。1月にはサイトのリニューアルを実施。以前のサイトは「ぬ〜ぼ〜」の世界観を反映させることを重視していたが、新しいサイトは情報へのアクセス・閲覧のしやすさなど、ユーザーの使い勝手、機能性を重視したサイトへと進化した。これに合わせてキャンペーンを展開し、ファンクラブ新規会員を8000人獲得することに成功した。現在は約1万人が会員登録している。 7月で、サイト開設1周年を迎える。岩崎氏はこれを機に、新たなイベントなどを展開したいという。また今後は、ファン同士が交流できるようなコミュニティなどの立ち上げも検討していきたい考えだ。