※2024年5月自社調査。調査方法はこちら
プジョー・シトロエン・ジャポンは、ウェブ上でメッセージを書き込むだけで自分だけのオリジナル絵本を作れるサイト「Original Story Maker」を開設。希望者には、印刷して製本した絵本を近くの販売店でプレゼントするキャンペーンを実施している。絵本作りを通じてブランドの世界観を伝えながら、販売店との連携により来店につなげるという、ブランディングと来店促進の両方を狙った施策として注目されている。
「Original Story Maker」ウェブサイト 三つのストーリーから一つ選び、自分の名前やメッセージを書き込むだけで、簡単にオリジナルストーリーが作れる。ストーリーの中には自然な形で「308SW」が登場する。
「プジョー308SW」は、購買者の大半を30〜40代前半のファミリー層が占める7人乗りのステーションワゴン。9月に開設したブランドサイト(308sw-dream.jp)では、家族編、恋人編、友人編の三つのストーリーから一つを選び、自分のメッセージを書き込むだけで、簡単にオリジナルストーリーが作れるサービスを展開。そして、希望者には絵本を製本し、近くの販売店でプレゼントしている。絵本作りを通して車の世界観に触れてもらうブランディングサイトでありながら、「世界に一つだけのオリジナル絵本をプレゼントすることで、来店促進の効果も狙っています」とマーケティング部アドバタイジング・メディアマネジャー 関谷雄二氏は話す。 顧客へプレゼントを用意することで来店を促進するキャンペーンはこれまでにも実施してきたが、「店頭で初めてキャンペーンについて知る、プレゼントだけを目当てに来店されるお客さまも中にはいらっしゃって、車の実売につながる優良顧客の送客が思い通りに行かないこともありました」と関谷氏。その点、今回は「絵本を取りにお客様のほうから足を運んでいただける上に、ウェブサイトを回遊したことでブランドに対して親近感を持っている人が多く、車の試乗やショールームへのご案内へつなげやすいと販売店からも好評です」と話す。告知に関しては、新聞や雑誌への広告掲載、DM、チラシ、バナー広告などを実施した。
製本された絵本 製本希望者には近くの販売店でプレゼントするため、来店のきっかけとなる。
キャンペーンを成功させるために最も注力したのが、販売店との連携だった。「せっかく顧客が絵本を取りに来ても、販売店側の対応に不備があれば、来店が無駄になるばかりか、悪い印象を与えてしまうことになりかねない」(関谷氏)からだ。そこで、販売店の協力を得やすいよう、販売店の手間を極力省き、分かりやすい仕組みに落とし込むことに努めたという。ユーザーから応募されたストーリーは、自動的にオンデマンド印刷→製本→配送されるようシステムを構築。また、販売店が絵本の注文や印刷状況を確認し、顧客への受け渡しを管理できる専用ウェブ画面を用意するなど、万全のサポート体制で臨んだ。 キャンペーン開始後、絵本の応募は約750件に上る(10月24日現在)。「受け渡しも順調に進んでおり、確実に来店につながっています」と関谷氏。このキャンペーンは、11月末日まで実施予定だ。