※2024年5月自社調査。調査方法はこちら
野村不動産は2004年から、分譲マンション・分譲一戸建て住宅「PROUD(プラウド)」のブランドサイトを展開している。同ブランドでは、分譲中の物件に関する問い合わせの7割がウェブ経由であることから、ウェブサイトの充実を図ってきた。ブランドサイトを通じて物件情報を提供するなど、ユーザーにとってわかりやすい情報発信と潜在顧客の囲い込みに力を入れている。
野村不動産「PROUD(プラウド)」 トップページでは新着情報やエリア別の情報を掲載するなど、物件情報に到達しやすい構成になっている。またブログなども掲載されている。
野村不動産は2003年、それまで複数あったマンションブランドを「プラウド」に統一。当初は企業サイト内に物件情報を掲載していたが、社内カンパニーごとにサイトを独立させるよう社内方針が転換されたこともあり、04年より独自ドメインのブランドサイトを立ち上げた。 「プラウドにブランドを統一した時点で、いずれブランド名を前面に出した独自サイトを展開することを視野に入れ、独自ドメインを取得した」と語るのは、住宅カンパニー 住宅販売部 営業推進課 インターネット担当課長 宮本大氏。ブランド名である「proud」はすでに取得されていたため、「proud-web.jp」を確保した。 サイト開設当初はブランドイメージの発信を重視して全面をフラッシュで構成していたが、9月に物件情報を中心とするHTML形式のサイトにリニューアル。「物件情報を求めてサイトを訪れるユーザーが、迷わず欲しい情報に到達できるようにするため」(宮本氏)だ。地図や周辺環境などで検索できる機能を充実させるとともに、ブランドを訴求するコンテンツは「プラウドクラブ」というページにまとめた。
住宅カンパニー 住宅販売部 営業推進課 インターネット担当課長 宮本大氏
HTML形式に変えたもう一つの狙いは、検索エンジン対策の強化だ。「検索から流入してくるユーザーは自発的に物件を探している方々なので、その後の問い合わせやモデルルームへの来場につながりやすい。そうしたユーザーをできるだけ多く取り込めるサイトにしたい」(宮本氏)。また、トップページから各物件情報のページにリンクしているが、各ページは対策強化を目的に独自ドメインで展開している。 このほかにも各物件の販売担当者によるブログでは、物件情報を担当者の生の声で伝えている。これにより、潜在顧客との親密なコミュニケーションに役立っている。 同ブランドでは、ネット会員組織「プラウドクラブ」を通じた会員獲得にも力を入れている。現在、年2回の入会キャンペーンや各種サイトへの広告掲出を通じて募集した約12万人の会員に対し、希望に添った物件情報やキャンペーン情報を提供している。こうしたサービスの成果は確実に表れており、モデルルーム来場者の4割以上がネットからの誘導だという。 今後の展開について宮本氏は、「住戸データベースを整備して部屋ごとに検索できるようにしたり、モバイルサイトでも住戸検索や会員サービスが受けられるよう整備していきたい」と話している。