※2024年5月自社調査。調査方法はこちら
藤沢周平原作・山田洋次監督の時代劇三部作として現在公開中の『武士の一分』。主演の木村拓哉さんをはじめ、豪華なキャスティングでも大きな話題を呼んでいる。松竹では劇場への観客動員を促すため、オフィシャルサイトにてブログなどを活用したプロモーションを展開している。
武士の一分 映画のこだわりが伝わるよう、フルフラッシュで制作。毎日更新されるブログにはファンからのコメントも書き込まれるなどコミュニケーションを図る。
現在公開中の映画『武士の一分』は、木村拓哉さん演じる盲目になってしまう下級武士と、檀れいさん演じるその妻の夫婦愛を通して、人が命をかけても守りたいもの(=一分)は何かを問う時代劇だ。 そのオフィシャルサイトは、フルフラッシュで作られており、映画の雰囲気を思わせる素朴さや静ひつさが漂っている。作品解説やキャスト紹介などのコンテンツを表示する前には、必ず映画の一場面や美しい風景といった写真を表示させているのが特徴だ。 「この映画の魅力は、山田洋次監督が葉一枚落ちる様子にもこだわって、一場面ごとに丁寧に作っていることです。その世界観を山形の素朴で美しい風景写真を使って伝えたいと思いました。」と語るのは、松竹映画部映画宣伝室Web担当 江上知子氏。フラッシュはこうした雰囲気を伝えるのに効果的な表現方法だったという。 解説や物語などのコンテンツ部分についても、レイアウトやフォントにこだわって品良くデザインされている。また、この映画のウェブサイトは年配の閲覧者が多いとにも考慮して、大きめの文字を使用するといった心配りもなされている。お楽しみで提供されている文鳥のつがいをかたどったデスクトップツールには、パソコン画面上を飛び回ったり、公式ブログでの最新情報を知らせる機能がついている。
松竹 映画部映画宣伝室Web担当 江上知子氏
10月3日からは映画の公式ブログを開始した。舞台挨拶やイベントなど映画公開に向けた最新情報に加え、新人スタッフが見た撮影現場裏話や、一般から募集した「あなたの“一分”」、「主演者・スタッフの“一分”」などを掲載することで、単なる映画宣伝に終始しないよう、内容にも工夫を凝らした。 ブログは毎日更新し、ライブ感を演出することも重要なポイント。第19回東京国際映画祭の前夜祭として10月20日に行われたワールド・プレミアの様子を会場から生で伝えたところ、5000件以上ものアクセスがあったうえに、「会場の雰囲気が分かってうれしい」「写真をアップしてくれてありがとう」といったコメントの書き込みも多数あった。 「ブログに何度も訪れてくださる人もいて、映画と観客をつなぐコミュニケーションツールとして効果的に機能していると思います」と江上氏。口コミで広げてもらえるよう、デスクトップツールも提供している。「映画公開中は、観た人が他の人に感動を伝えるツールとしてブログを活用してもらえれば」と話している。