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サイト内ではグッズの販売も行っており、売り切れの商品が出るほどの盛況だという。
2005年12月10日に公開されたアニメ映画『あらしのよるに』は、本来“食うもの食われるもの”のオオカミとヤギが友情を育む物語。原作の絵本は全6巻で、これまでに累計で270万部以上を売り上げているベストセラーだ。映画としての興行成績も順調に伸び、1月13日現在で動員数150万人、興行収益は18億円に達している。 映画公開前から絵本が人気だったとはいえ、読者は小さい子どもとその母親に限られており、絵本の映画化に対する一般の認知度は決して高いとは言えなかった。認知度を上げるために、TBSテレビを始め関係各社が積極的に宣伝・プロモーション活動を展開してきたが、とりわけウェブを活用したプロモーションについては、「これまで以上に意欲的に取り組んだ」(TBSテレビ事業局文化事業部プロデューサー・篠田伸二氏)という。 独自ドメインで展開した映画公式サイトは「arayoru.com」。ドメイン名にそのまま使うには長いタイトルを、語呂よく省略した。サイトでは、映画の基本情報や、ブログによる最新情報の提供、オフィシャルグッズの通販を行った。
TBSテレビ事業局 文化事業部プロデューサー 篠田伸二氏
サイトが開設されたのは、映画公開にさかのぼること約半年前の2005年6月。まずは基本情報を掲載し、NTTデータの新技術「パッとび」(カメラ付き携帯電話でポスターなどの画像を撮影するとURLにアクセスする)を使って、サイトへの誘導を図った。以降、記者発表などの動きに合わせて内容を更新していった。 「開設当初は、様々なタイミングでサイトを訪れる人に基本情報をしっかり提供するということがサイトの役割。まずは絵本好きのコアなファンに知ってもらい、口コミで広がっていくことを狙いました」と篠田氏。 宣伝活動が具体化した11月にはブログをスタート。若い女性を中心に反響が広がり、ファンの交流の場としても機能するようになった。アクセス数も当初の一日約1万件から、11月には一日10万〜40万件に増えたという。 映画の存在を広く伝え、映画館への集客を図ることを目的とした今回のウェブプロモーション。篠田氏は「リーチを広くとれるウェブは、プロモーション手法として大変有効だと実感しています」と話している。