コールセンターシステムとは?導入のメリット・デメリットと比較方法を解説

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  • コールセンターシステムとは、企業の電話対応業務の質を高めるツールである
  • コールセンターシステムはCTIやPBX、CRMなどいくつかのシステムから構成されている
  • コールセンターシステムは対象の業務内容や導入形態によって機能やコストが異なる

コールセンターシステムとは、顧客からの問い合わせを受けた際に情報を表示させたり、過去の購入履歴を確認できたりするシステムを指します。本記事では、コールセンターシステムの機能やメリット・デメリット、システムの比較方法など、抑えておきたいポイントを解説します。

目次

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  1. コールセンターシステムを検討するならこのサービスがおすすめ
  2. コールセンターシステム とは
  3. コールセンターシステムを導入すべき企業とは
  4. コールセンターシステムの構成
  5. コールセンターシステムの種類
  6. コールセンターシステムの機能
  7. 在宅勤務での顧客対応を可能にする機能
  8. コールセンターシステムのメリット
  9. コールセンターシステムのデメリット
  10. コールセンターシステムの導入形態
  11. コールセンターシステムを比較する際の失敗しない選び方
  12. まとめ

コールセンターシステムを検討するならこのサービスがおすすめ

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コールセンターシステム とは

コールセンターシステムとは、電話による顧客対応を可能にするシステムのことで、顧客情報や問い合わせ履歴を表示・管理して業務効率化を図るツールです。電話応対に関する幅広い業務を効率化できるため、さまざまな企業で導入が進んでいます。

コールセンターシステムには、各オペレーターへ着信を自動的に振り分ける機能や稼働状況のレポート機能など、電話応対業務の品質を高めて顧客満足度の向上を実現するさまざまな機能があり、業務の簡潔化に貢献します

コールセンターとヘルプデスクの違い

コールセンターとヘルプデスクはどちらも電話での応対が発生するため混同しやすいですが、顧客へのサポート範囲や業務内容が異なります

コールセンターは、主に注文の受付やクレーム対応といった顧客対応を行います。また、商品やサービスの営業活動として顧客向けに企業から発信することもあります。

一方、ヘルプデスクは顧客の疑問を解決する分野です。オペレーターにはより専門的な知識が必要とされ、顧客を助ける(ヘルプする)ことが目的です。いずれも電話応対での業務ですが、目的が明確に違う業務といえます。

コールセンターとコンタクトセンターの違い

コールセンターは基本的に電話のみの対応である一方、コンタクトセンターは電話だけでなく、メール・チャット・ビデオ通話・SNS・FAX・Webサイトなど、さまざまなチャネルで顧客対応を行います。

ただし、両者に明確な基準はなく、メールやチャットを利用していても、顧客からの問い合わせを受け付ける部門を称してコールセンターと呼ぶことがあります。

近年は複数の通信手段が登場しており、普段からほとんど電話を使用しない人もいます。また、「電話で話すのは苦手」「電話をかける時間がない」という人も増えており、マルチチャネルでの顧客対応に注目が集まっています。

コールセンターシステムを導入すべき企業とは

コールセンターシステムを導入することで、メリットを実感しやすい企業の特徴は以下のとおりです。

  1. 大量の顧客問い合わせがある企業
  2. 全国規模で事業を展開している企業
  3. 顧客満足度やブランドイメージを高めたい企業
  4. 技術的なサポートが必要な企業
  5. 法令遵守や品質管理が重要な企業

さまざまな年齢層やニーズを持つ顧客を対象にしており、製品の使い方など技術的なサポートが必要な企業では、コールセンターシステムを導入するべきといえます。また、顧客からのイメージや信頼をアップさせたい企業にとっても、コールセンターシステムは重要です。

コールセンターシステムの構成

コールセンターシステムを構成している機能は、CTI・PBX・CRM・FAQシステム・チャットボットなどさまざまです。ここでは、コールセンターシステムの仕組みについて解説します。

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コールセンターシステムの構成

  1. CTI
  2. PBX
  3. CRM
  4. FAQシステム
  5. チャットボット

CTI

CTIとは「Computer Telephony Integration」の略称で、電話とコンピューターを統合するものです。電話とコンピューターを連携させることにより、顧客情報を参照しながら通話でき、これまでの問い合わせ履歴などを踏まえた個別の対応が可能になります。

従来の電話のみでの対応は、受話器を片手にメモを取るというアナログなスタイルで、通話中にこれまでの問い合わせ履歴を確認するのは困難でした。CTIにより、コールセンターは大きく進化したといえます。

CTIシステムは必要?

電話での商品注文やサービス予約を行っている企業では、CTIシステムの必要性が非常に高いです。顧客からの問い合わせや注文を受けた際は、顧客情報を瞬時に見つけ、適切に対応しなければなりません。

CTIシステムがない場合、膨大な量の顧客情報から通話相手の情報を素早く見つけ出すことは非常に困難であり、正確性も低いです。CTIシステムがあれば、電話に対応しながら顧客情報を確認・入力できます

PBX

PBX(Private Branch eXchanger)は「電話交換機」を意味し、電話の内線と外線を接続する機器であり、内線同士を無料でつなげることも可能です

例えば、フリーダイヤルにかかってきた電話を各オペレーターに振り分けるシステムがPBXの主な機能です。

クラウドPBXを導入する企業が増えている

クラウドPBXとは、インターネットを使用した電話サービスのことです。クラウドPBXを導入する企業が増えている理由は、固定電話の設置工事が不要なことが大きな理由として挙げられます。

さらに、社員個人のスマートフォンにアプリをインストールすれば社用携帯が不要になるため、コストを大幅に削減できます

また、スマートフォンがビジネスフォンの役割を備えることで、会社の外でも会社番号から発着信が可能なため、在宅勤務やリモートワークでも役立ちます。

CRM

CRMとは「Customer Relationship Management」の略称で、「顧客管理」を意味します。顧客情報や応対した履歴などを一元管理でき、顧客からの電話を受けた際に顧客情報を表示し、相手に合わせた提案や回答ができます。

顧客から複数回問い合わせがあった際は過去の応対履歴を確認することで、担当者が異なってもこれまでの流れを把握した細やかな応対が可能となり、応対品質の向上に役立ちます。

FAQシステム

FAQとは「Frequently Asked Questions」の略称で、よくある質問を分析し回答を事前に用意するシステムです。ユーザーに自らWebサイトやアプリ上で検索してもらい、自己解決をサポートする機能です。

また、社外向けだけでなく、オペレーターがよくある質問や模範解答を参照・活用したり、社員が社内業務での質問を自己解決したりする機能を搭載しています。

用途別FAQシステム

FAQシステムの主な活用場面としては、以下のような場面が挙げられます。

種類方法
社外向け企業や商品・サービスのWebサイトに「よくある質問」として設置
コールセンター向けオペレーターの模範回答に活用
社内向け人事や経理・情報システムでの疑問を社内スタッフが参照

チャットボット

チャットボット(Chatbot)はFAQシステムの一問一答と違い、シナリオに沿った対話形式でやり取りが進みます。また、ユーザーが自己解決できない場合、オペレーターが操作する有人チャットに切り替えて個別対応するやり方もあります。

チャットボットを活用することで有人での電話応対件数を減らすことができ、少ない人員でコールセンターを運営することも可能です。

コールセンターシステムの種類

コールセンターには、顧客から電話を受ける「インバウンド型」と企業から顧客に電話をかける「アウトバウンド型」があり、どちらにも対応可能な「兼用型」も存在します。ここでは、コールセンターシステムの種類について解説します。

インバウンド型

インバウンドの主な業務内容は、顧客や見込み客からの問い合わせの電話を受信し、質問への返答や注文対応、予約受付など、顧客のサポートが中心です。

インバウンド型のコールセンターシステムには、かかってきた電話を自動的に振り分ける「ACD機能」や自動音声ガイダンスを行う「IVR機能」があり、数多くの注文を効率良く受けることができます。

アウトバウンド型

アウトバウンドの業務内容は、顧客や見込み客に企業側から電話をかけ、営業活動や市場調査などを行うのが主です。いわゆるテレアポ業務などが該当します。

代表的な機能には、自動で電話をかけられる「オートコール機能」やWeb画面上からクリック1つで電話をかけられる「クリックコール機能」があり、効率的な営業活動につなげられます。

兼用型

兼用型のコールセンターシステムでは、インバウンド業務とアウトバウンド業務の双方に対応可能です。インバウンドの受信、アウトバウンドの発信を行える機能を搭載し、コールセンターにおける業務の統一化が行えます。

顧客からの問い合わせや注文に対応するだけでなく、自社サービス・商品の営業活動も行いたい企業に適しています。兼用型は組織の変化にも柔軟に対応できるため、業務が多岐にわたる場合や事業成長を考慮した選択がおすすめです。

コールセンターシステムの機能

コールセンターシステムには、各オペレーターへ着信を振り分ける機能や、自動応答・音声ガイダンス機能など豊富な機能があります。ここでは、コールセンターシステムの主な機能について解説します。

なお、利用するシステムによっては搭載されていないことがあり、別途オプションで追加するケースも考えられるため注意しましょう

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各オペレーターへ着信を自動的に振り分ける機能(ACD機能)

ACD機能は、待機中のオペレーターの中から待機時間が長いオペレーターに振り分けたり、顧客が必要としているスキルを所持しているオペレーターに優先的に振り分けたりできる機能です。

振り分け機能を活用すると、オペレーターの応対件数が均一になりやすいため、特定のオペレーターに対する負担が軽減されます。また、日本語か英語かで振り分けるなど、顧客の状況に合わせた対応も可能なため、顧客満足度向上に期待できます。

自動応答・音声ガイダンス(IVR音声自動応答)

IVR音声自動応答では、顧客からの電話を自動応答・音声ガイダンスで受け、要件ごとにシステムで対応したりオペレーターに接続したりします

例えば、音声ガイダンスに従ってボタンを押すと希望の処理ができるなど、担当のオペレーターに接続するといった対応はIVR音声自動応答機能を利用しています。日本語を話せない顧客向けに使用しているケースも多いです。

SMSの送信

コールセンターシステムには、SMSを送信する機能を有しているものもあります。口頭で説明が難しい内容や、記憶しにくい手順などを案内する場合、通話相手がメモを取らなくてもSMSを見て正しく理解・操作できるようなサポートが実現します。

通話している電話番号宛に送ることもできるため、顧客情報に携帯番号が登録されていない場合でも送信可能です。

通信録音

通信録音は、顧客との通話内容を録音する機能です。後から通話内容を振り返ることができ、応対の品質向上や顧客間とのトラブルを未然に防ぐことが可能です。

録音した通話をオペレーター本人に聞かせて品質向上を図るだけでなく、新人に聞かせて研修教材として活用することもできます。

稼働状況のレポート

レポート機能は、コールセンターの稼働が効率良く行われているかをデータで確認できる機能です。オペレーターの受電率や時間などを把握することができ、問題やトラブルが発生した場合などは早期解決につなげられます

オペレーター個々の稼働はもちろん、チームごとやセンター全体の稼働を把握することもできるため、インバウンドとアウトバウンドの両方で活用されています。

通話履歴の通知

通話履歴の通知は、顧客から電話を受けた際に過去の問い合わせや注文履歴を表示する機能です。過去の通話内容を見ながら対応ができるため、顧客満足度の向上に役立ちます。

コールセンターでは、特定の顧客対応を必ず特定のオペレーターが担当するといったことは困難です。そのため、過去の履歴を見ながら通話できると、応対品質を保ちつつ属人化の防止にもつながります。

PCとの連携をスムーズにする(CTI機能)

CTI機能は、電話応対を効率化する複数のシステム(コンピューター)と電話を連携し、スムーズな電話業務を実現します

過去に主流だった電話とコンピューターの連携ができないアナログな電話応対は、現代と比較すると非常に非効率でした。現代のコールセンターでは、コンピューターを使った電話応対が基本となっています。

応対品質向上(CRM連携)

CRM連携は、顧客情報や注文履歴・営業履歴の保存など顧客管理を行う機能です。システム上で情報管理することで、どのオペレーターが受電しても顧客の特性を素早く把握しつつ、的確な提案ができます。

また、住所などすでに入力されている内容を省くことにより、情報入力にかかる時間の削減も可能です。

在宅勤務での顧客対応を可能にする機能

近年、さまざまな理由から在宅勤務でのコールセンターニーズが高まっています。特に、人材不足によるオペレーター不足は電話の繋がりにくさの直接的な原因であり、コールセンターにとって受電可能数が低いのは致命的です。

ここでは、在宅勤務での顧客対応を可能にする機能を解説します。

クラウドPBXを利用した在宅コールセンターシステムの構築

クラウドPBXは、クラウド上に構築されたコールセンターシステムを利用するため、自社システムやサーバーを構築する必要がなく、アカウント情報とインターネット環境があれば、在宅でも利用することが可能です。

なお、在宅でのコールセンターシステムを整えるためには、「クラウドPBX」と在宅勤務に対応した「CTIシステム」が必要です。

在宅勤務でのレポート機能

在宅勤務でもレポート機能を活用すれば、オペレーターの通話時間・離席時間・待機時間などの稼働状況を管理しながら、レポートを作成することが可能です。

在宅勤務では直接的にオペレーターの様子を確認できないため、レポート機能の積極的な活用が求められます。レポート機能が充実したコールセンターシステムであれば、管理者が各従業員の作業ログを確認する際に役立ちます。

コールセンターシステムのメリット

コールセンターシステムの導入には、顧客側・オペレーター側・経営者側にとって多くのメリットがあります。特に、経営者側には顧客満足度の向上や問い合わせ数の削減・業務効率化の効果が期待できます。

ここでは、コールセンターシステムのメリットを解説します。

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コールセンターシステムのメリット

  1. 顧客側
  2. オペレーター側
  3. 経営者側

【顧客側】

CTIシステムによる入電振り分け機能やCRM・FAQシステムによる業務効率化が進めば、限られたオペレーター数でも、より多くの問い合わせに対応することができるため、顧客側の利便性も高まります

電話が繋がりやすい

入電振り分け機能を活用し、電話の繋がりやすさや待機時間が改善すれば、電話口で長時間待たせる、たらい回しにされるといった状況を減らせます。

待ち時間の長さはクレームにつながることも多く、企業自体のイメージを悪化させる原因でもあるため、システムによって状況の改善を図れるのは大きなメリットです。

問い合わせがスムーズに解決

FAQ機能があれば、顧客が電話をかけなくてもWeb上で自己解決ができます。また、電話口で担当者の交代が生じた際、同じ説明を繰り返さなければならないといったストレスが減り、欲しい回答をすぐに得ることができます。

さらに、24時間いつでも回答を得られるため、コールセンターの営業時間外でも疑問を解決でき、利便性が高まります。

【オペレーター側】

CRM・FAQシステムなどで応対品質が向上すると、顧客からの問い合わせにスムーズな対応が行え、オペレーター側の負担が軽減されます。

問い合わせ数削減で時間と負担を軽減

よくある質問に対しての回答例や顧客情報の参照をマニュアル化すれば、新人のオペレーターでも品質の高い対応が可能になります

また、顧客とオペレーター間でのトラブルに関しても、録音機能を活用してトラブル防止・早期解決につなげれば、オペレーター側も安心して対応することができます。その結果、問い合わせ数の削減と時間・負担の軽減が可能です。

【経営者側】

コールセンターシステム導入で電話口での顧客対応を標準化・効率化することにより、顧客満足度の向上やコスト削減につながります。

顧客満足度の向上

購入履歴や応対記録を参照できる機能を活用すれば、顧客は自分を認識・把握してくれているという安心感を抱きます。この安心感は企業に対する信頼感に直結し、企業の印象を良くします。

また、何度も利用してくれる顧客に対しては特典を用意するなど、顧客育成や顧客満足度向上につなげる取り組みも行えます。そのため、リピート顧客の獲得にも貢献するでしょう。

コスト削減

システム導入でオペレーター数を適正人員にできれば、コスト構造の大半を占める人件費を削減できます。コールセンターシステムは電話業務を効率化する機能を多く搭載しているため、従来よりも多くの電話対応が行えます。

場合によっては、これまでよりも少ない人員で今まで以上の件数に対応することができ、大幅な人件費削減が行える可能性もあります。

オペレーターの定着化

コールセンターにおいて、新人オペレーターは覚えることが多く、一人前になるまで長い時間を要するため離職率の高さが課題です。

しかし、システムを活用することで、マニュアルの簡潔化・録音機能による適切なフィードバックが行えます。そのため、一人前になる時間が短縮され、自信をつけやすくオペレーターの定着率を上げられます

全国からオペレーターを募集できる

在宅勤務可能なコールセンターシステムであれば、日本全国どこからでもオペレーターを募集できます。出社が必要なコールセンターの場合、通勤可能な距離に住んでいる人しか採用できず、必要な数の人員を確保できない可能性があります。

しかし、在宅勤務可能なコールセンターシステムを導入していれば出社が不要なため、北海道に住む求職者が東京の企業のコールセンターで働くことも可能です。居住地を問わず募集をかけられるのは、人手不足に悩んでいる企業にとっても大きなメリットといえます。

コールセンターシステムのデメリット

コールセンターシステムには多くのメリットがありますが、導入形態によってはデメリットが生じることがあります。 導入後に「期待した効果が得られない」「思うように使いこなせない」とならないように、デメリットも把握しておきましょう。

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コールセンターシステムのデメリット

  1. オペレーター側
  2. 経営者側

【オペレーター側】

システム導入後、すぐに期待している効果が出るわけではないため、システム導入前の準備や導入後のフローが大切となります。

システムの運用方法を定めて周知する必要がある

システム導入後、従業員やオペレーターが迅速かつスムーズに業務に取り掛かれるよう、システムの運用方法を定めて周知する必要があります。以下は主な手順です。

  1. 事前に研修やトレーニングを行う
  2. システム利用マニュアルを作成する
  3. エンジニアなどシステム有識者を配置する

自社のリソースに余裕がある場合は、エンジニアなどのシステム有識者を配置すると、トラブル時にも迅速な対応が行えます。システム利用を開始する前に、事業計画と合わせて社内での運用方法を定め、問題点や課題点を明確化しておきましょう。

【経営者側】

コールセンターシステムの導入には、初期費用などのコストがかかります。また、クラウド型などシステムのサーバーが外部に存在する場合は、セキュリティリスクにも注意が必要です。

システム導入にはコストがかかる

コールセンターシステムの導入では、導入形態によってかかる費用には差が生じます。特に、オンプレミス型のシステムを導入する場合、設備の構築と独自システムの開発に莫大なコストがかかります。

また、初期費用だけでなく、システム導入後もメンテナンス費用などのランニングコストが発生します。したがって、システム選定時には、運用計画を基に導入目的とランニングコストを合わせて比較検討することが大切です。

セキュリティリスクがある

コールセンターシステムでは顧客情報や会社データを取り扱うため、常にセキュリティリスクが伴います。特に、クラウド型の場合はインターネットを介して利用するため、システムの選定には注意が必要です。

コールセンターシステムに限ったことではありませんが、システムのセキュリティ対策を確認したり、ヒューマンエラーによる情報漏洩のリスクなどを防ぐ対策を講じたりすることが重要となります

コールセンターシステムの導入形態

コールセンターシステムを導入する形態には、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があり、自社の導入目的や環境、予算などを考慮して選ぶ必要があります。ここでは、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

クラウド型

クラウド型は、インターネット上のサービスを利用するため、受電体制をスピーディに構築することができ、アカウント登録してログインすれば場所を選ばずに使用可能です。比較的コストも安価で導入できる点もメリットといえます。

ただし、クラウド型のデメリットとしては、アカウント情報流出などのセキュリティリスクが伴う点、システムのカスタマイズができない点が挙げられます。

オンプレミス型

オンプレミス型は、システムを自社サーバーに導入する形態です。導入後はシステムのすべてを自社で管理するため、カスタマイズの幅が広く、外部のインターネットを使用しないことからセキュリティリスクが低い点がメリットです。

一方、導入までにサーバーの設置やソフトウェア・ライセンスの購入など初期費用がかかり、維持費も高額になる点がデメリットといえます。

コールセンターシステムを比較する際の失敗しない選び方

コールセンターシステムの導入を検討する際には、自社の業務内容を考慮し、機能や他システムとの連携性などを確認するのがポイントです。ここでは、コールセンターシステムを比較する際の失敗しない選び方について解説します。

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自社の業務内容を考慮する

まずは、自社の業務内容に合わせて、インバウンド型かアウトバウンド型か、両対応かを決めましょう。インバウンドは顧客からの問い合わせやクレームに対応する業務を指し、アウトバウンド型はコールセンターから顧客へ架電する営業活動を担う業務です。

インバウンド型とアウトバウンド型では、業務内容と求められるスキルが異なります。そのため、自社に適した形を選択する必要があります。

必要な機能を洗い出す

導入を検討する際には、運用計画などを基にどのような機能が必要かを洗い出し、必要な機能が搭載されたシステムを選定しましょう。

例えば、インバウンド型であれば、電話の冒頭に自動音声ガイダンスは必要か、FAQシステムは搭載したいかなどが着目ポイントとして挙げられます。事業計画の規模や求める機能を明確にすることにより、選ぶべきシステムを絞りこむことができます。

適正な回線数を把握する

コールセンターシステムは、依頼する回線数やアカウント数で料金が変動する可能性があります。よって、実際に導入してから回線数が足りないなどの問題が起きないように、自社の必要な通話回線数や登録できるオペレーター数を把握しておきましょう。

なお、回線不足は電話業務を大幅に滞らせますが、多すぎても必要以上のコストがかかってしまうため、慎重に適正な回線数などを見極めることが大切です。

従業員が使いやすいか

導入したコールセンターシステムの利便性を高めるためには、従業員が使いやすいかがとても重要です。システム操作はしやすいか、画面は見やすいかなど、あらかじめ重要視する項目を決めておきましょう。

サービスによっては、お試し期間や無料トライアルを設けているものもあるため、可能な限り実際の使用感を試してみるのがおすすめです。

他のシステムと連携できるか

コールセンターシステムには、他のサービスと連携できるものがあります。例えば、CRMツールやCTIシステムと連携が可能か確認しましょう。CRMとCTIはいずれも、コールセンターシステムの基本機能として搭載されている機能です。

しかし、すでに利用しているCRMツールやCTIシステムがあるなら、連携によってさらなる効率化に期待できます。その他にも、インバウンド型・アウトバウンド型どちらにも重要なシステムは多く存在するため、対象のシステムが連携可能かを確認しましょう。

サポート体制が充実しているか

システムの利用時、いくら便利なサービスでも問題点やアクシデントはつきものです。そのため、提供元のサポート体制は万全かどうかチェックしておきましょう。トラブル時の対応を把握しておくことで、いざという時に慌てなくて済みます。

例えば、24時間体制で受け付けているヘルプデスクがあるか、時間外の場合はどのような対応を行ってくれるかなど、サポート体制がどの程度充実しているかを確認しましょう。

価格・費用面で採算は取れるか

システム導入では、初期費用・月額料金・通話料など事業目的に合わせて採算が取れるかを算出する必要があります。導入によって得られるメリットは非常に大きいですが、コスト以上のメリットを得られなければ導入に失敗してしまいます。

具体的には、人件費の削減を目的として導入する場合、どの程度人件費が削減できるのかを慎重に見積もり、運用計画を基に予算の検討を行いましょう。費用対効果の高いシステムは、事業の持続性にも影響を与える重要なポイントです。

セキュリティ面は安心か

コールセンターシステムでは個人情報や企業の機密事項を取り扱うため、暗号化通信やIPアドレスによるアクセス制限など、セキュリティ対策が万全なものを選びましょう

もし機密情報の漏洩が発生すると、原因を問わず自社の社会的な信頼が失われてしまいます。自社を守ることはもちろん、顧客のプライバシー保護のためにもセキュリティ対策が十分に施されているシステム選びが重要です。

まとめ

コールセンターシステムは、電話応対に伴う業務を効率化し、オペレーターの負担軽減や長期定着化、顧客満足度向上やコスト削減などメリットが多いシステムです。上手に活用すれば、コスト削減だけでなく業績アップが期待できます

ただし、コールセンターシステムには導入形態や種類・機能など、さまざまな要素があるため慎重な選定が必要です。

また、運用方法の設定や従業員への周知も重要となるため、システムを導入する目的や運用計画を明確にし、自社にとって最適なシステムを選択しましょう。

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