販売管理システムとERPの違いとは?導入目的やメリットも解説

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  • 販売管理システムとは、受注から納品までの、お金や商品の流れを管理するシステム
  • ERPとは、販売管理や人事管理など、企業の基幹業務を一元化するシステムである
  • 販売管理システムとERPでは、導入する目的や機能の対応範囲が大きく異なる

販売管理システムとERPは、どちらも業務システムであるため、導入する際に迷うことがあるでしょう。一般的に、販売管理システムとERPでは導入目的や対応する範囲が異なります。本記事では、販売管理システムとERPの違い、それぞれの導入メリットなどを解説します。

目次

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  1. 販売管理システムを検討するならこのサービスがおすすめ
  2. 販売管理システムとは
  3. ERPとは
  4. 販売管理システムとERPの違い
  5. 販売管理システムを導入するメリット
  6. ERPを導入するメリット
  7. 販売管理システムとERPそれぞれが適している企業とは
  8. まとめ
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販売管理システムとは

販売管理システム(Sales Management System)は、企業が商品やサービスの販売プロセスを効率的に管理するためのツールです。在庫管理・受注処理・顧客管理・売上分析など、さまざまな販売に関わる業務効果的サポート特化しています。

販売管理システムは、幅広い業界で導入されており、販売部門や小売業界で好まれる傾向にあります。企業はこのシステムを活用して販売業務を効率化し、売上を最大化させることが可能です。

販売管理システムを導入する目的

販売管理システム導入の主な目的は、販売業務における複雑なタスクを自動化し、手作業の負担を軽減することです。自動化によって業務プロセスの効率が向上し、時間とコストを節約できます。

また、販売管理では需要の変化に迅速応が求められるため、システムで売上データを記録・分析することにより、需要の予測や市場トレンドの把握に役立ちます。さらに、需要の変動に素早く対応し、生産計画や在庫管理の最適化が実現します。

販売管理システムの主な機能

販売管理システムは、主要な機能として3つの機能を搭載しています。販売活動を効率化し、組織全体の生産性を向上させるためのツールとして、販売管理システムの利便性を理解しておきましょう。

販売管理機能

販売管理機能は、販売プロセス全般にわたる業務を効率的に管理する機能です。これには、見積もりの作成、受注管理、請求書の自動生成、入金管理などが含まれています。

従来まで、多くの企業では販売管理を手作業中心で行っており、従業員は注文が入ると、注文受け付け・在庫確認・出荷指示作成・請求書発行まで、すべて手動で対応していました。

しかし、販売管理機能を活用することで、これらの作業を自動化してスムーズに処理できます。販売管理機能により、注文の正確性を向上させ、納期遅延のリスクを軽減することが可能です。

在庫管理機能

在庫管理機能は、企業が保有する商品や資材の在庫を管理するためのツールです。特に、販売業務では多岐にわたる商品を扱うため、的確な在庫管理が極めて重要です。

在庫管理機能の活用により、企業はリアルタイムで各商品や資材の在庫状況を正確に把握でき、在庫の数量と品質に関する情報を迅速に取得できます。そのため、在庫不足や過剰在庫などの問題を未然に防ぎ、適切な在庫レベルを維持することが可能です。

また、在庫管理システムは需要の予測に基づいて自動的に発注できます。例えば、クリスマスや夏のセールといった特定の季節やイベントに向けて需要が急増する場合、在庫管理システムは事前にその需要を予測し、必要な在庫レベルを計算します。

そして、在庫が一定の領域に達した際に、自動的に発注を行って在庫を補充します。この機能によって企業は需要に素早く対応し、販売機会を逃すリスクを最小限に抑えられます。

購買管理機能

購買管理機能は、企業が物品や原材料の調達計画を策定し、効果的な仕入れとコスト管理を行うための重要な機能です。この機能を活用することで、仕入れオーダーを簡単に生成し、ベンダーやサプライヤーに対して効率的に送信できます。

また、オーダーの進行状況をリアルタイムで把握し、納期の遅延や不足を迅速に解決します。そして、仕入れコストや運送料など購買に関連するコストを詳細に管理し、コストの削減や最適化の実現も可能です。

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販売管理システムとは?主な機能やメリット・選ぶポイントを解説

受注・発注・入荷・出荷・売上・請求・入金など、内容が多岐にわたる販売業務を一元的に管理することができ、業務の効率化に最適なのが販売管理システムです。この記事では、販売管理システムの主な機能やメリット・デメリット、主な導入形態や選び方のポイントを解説します。

ERPとは

ERP(Enterprise Resource Planning)とは、企業全体の部署や部門のプロセスを統合的に管理するためのソフトウェアシステムです。

財務、人事、生産、在庫、調達など、企業のさまざまな業務領域にわたるすべてのデータやプロセスを統合し、組織全体の情報を可視化し、効率的に管理する役割を果たします。

ERPはータの一元管理を可能にし、異なる部門間での情報共有と連携を強化します。リアルタイムな情報共有を通じて情報の重複や不整合を削減し、情報の重複と矛盾を減少させることが可能です。

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ERPを導入する目的

ERPの主要な目的は、企業全体の業務を統合し、リアルタイムでデータを管理・共有することです。販売管理プロセスには、販売部門・マーケティング部門・在庫管理部門・カスタマーサポート部門など、多くの部門が関与します。

これらの部門は、それぞれ異なる情報を持つためスムーズな連携が不可欠です。しかし、従来までの管理方法では、部門間で情報の不整合や遅延が発生しやすい課題があります。

ERPの導入により、部門間での情報を一元化し、リアルタイムで更新・共有することが可能です。情報の統合で部門間の不整合や遅延を軽減し、組織全体の効率性を向上させられます。

ERPの主な機能

ERPは、主要な機能として4つの機能を搭載しています。ERPがどのように組織の業務をサポートし、情報共有を強化するのかを理解することで、経営戦略の立案から実行までを効率化できます。

販売管理

ERPの販売管理機能は、受注処理や在庫管理に加えて、経理人事生産計画調達などの幅広い業務領域をカバーします。

例えば、顧客からの注文情報は販売部門で受け付けられますが、情報は在庫管理部門にも直ちに反映されます。この時点で在庫状況を確認し、商品が在庫不足であれば調達部門に通知が送られ、新しい発注が自動的に生成されます。

また、販売部門が価格を更新した場合、会計部門にも影響を与えます。そして、財務データがリアルタイムで更新され、正確な財務報告が実行されます。

ERPは部門間での情報共有と連携をスムーズにし、異なるプロセス間でのデータの一貫性を確保します。統合的なアプローチにより、効率性の向上と意思決定の効果的なサポートが可能です。

生産管理

ERPにおける生産管理では、生産プロセスカスタマイズできます。これは、異なる業種業態において、企業独自の要件や特別なプロセスを持つ場合に重要な要素となります。

例えば、食品業界で賞味期限のトレーサビリティが必要な場合、ERPでは要件に合わせて製造プロセスを調整できます。また、需要予測に基づいて生産計画を作成し、生産スケジュールを調整することも可能です。

特定の製品が限定的な季節に需要が高まる場合、ERPはそれに合わせて生産計画を調整し、必要な数量を生産します。その結果、企業は生産ラインを効果的に管理し、リソースの最適化を実現できます。

会計管理

会計管理機能は企業の財務データを集約し、処理するために重要な役割を果たしています。具体的には、企業内の異なる部門や取引先からの会計データを収集し、一元化します。

また、会計管理機能により、手作業での帳簿作成を大幅に削減することができます。仕訳帳や総勘定元帳などの帳簿を自動的に生成し、取引情報を正確に記録します。人為的なエラーや漏れが減少することにより、財務データの信頼性向上に寄与します。

人事管理

人事管理機能は、企業の人材に関連するさまざまなプロセスを統合し、効率的に管理するための重要なツールです。この機能には、従業員の基本情報・給与情報・雇用契約・福利厚生・評価・スキルなど、人事に関連するデータを一元管理する役割があります。

さらに、給与計算を自動化し、従業員の給与明細を効率的に生成することもできます。給与支払い、給与税の計算、年次課税などのプロセスを管理し、人事部門の負担軽減につながります。

また、人事管理には勤怠情報の記録や分析も組み込まれており、従業員の出勤・遅刻・有給休暇・残業などのデータを追跡し、給与計算に反映させることが可能です。

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ERPとは?機能やメリット・デメリット、選び方を解説

ERPとは、販売、人事、生産管理などの企業経営の基本となる資源要素を有効活用する考え方です。本記事では、ERPシステムをよく知らない・導入を検討している方に向けて、ERPシステムの種類や選び方、メリット・デメリットを解説しています。

ERPと基幹システムの違い

ERPと混同されやすい用語に基幹システムがありますが、この2つの役割や対象範囲は全く異なるため注意が必要です。ERPは企業の経営資源やプロセスを総合的に管理するためのシステムを指します。

一方、基幹システムは販売管理や生産管理・購買管理など、企業の基幹を担う各部門に設置された個々のシステムを指す用語です。ERPとは異なり、基幹システムで他部署とデータをやり取りする場合は、データ連携を行う必要があることに注意しなければなりません。

販売管理システムとERPの違い

販売管理システムとERPは、企業が情報を管理する方法に違いがあります。販売管理システムは、商品を売るプロセスをスムーズにするためのツールで、注文や在庫を管理する際に役立ちます。

一方、ERPはより大きな視点で、企業全体の経営を支援するソフトウェアです。財務・人事・生産・調達・顧客サービスなど、多くの部門の情報を総合的にまとめて管理します。

企業の規模やニーズによって、どちらのシステムが適しているかは異なります。小規模な企業では販売管理システムで十分な反面、大規模な企業や多くの業務領域を統合管理したい場合には、ERPが適しているといえます。

販売管理システムERP
主な機能・販売管理
・在庫管理
・購買管理
・売上分析
・販売管理
・生産管理
・会計管理
・財務管理
導入目的・販売管理の業務効率化
・コスト削減
・売上データの可視化
・商品とお金の流れを管理
・経営者のスムーズな意思決定
・企業全体の情報を一元化
・経営資源の統合管理
・ガバナンス強化

導入目的による違い

販売管理システムとERPは機能の範囲が異なるため、導入する目的にも違いがあります。販売管理システムは販売管理だけを独立させて業務の効率化やコスト削減を図ることを目的としたツールです。

一方、ERPは販売管理だけにとどまらず、他業務を含めた多くのデータを連携させ、見える化します。それにより、企業全体としての業務効率化やコスト削減をはじめ、経営者がスムーズな経営判断を行えるようにすることが目的です。

販売管理システムを導入するメリット

販売管理システムの導入は、企業にとって大きなメリットをもたらします。ここでは、販売管理システムの導入による具体的なメリットについて、詳しく解説します。

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手作業を減らして業務を効率化できる

販売管理システムは、企業の販売業務を効率化し、スムーズな運営に役立つ重要なツールです。このシステムは、受発注在庫管理請求入金管理などさまざまな業務プロセスを自動化し手動作業を最小限に抑えます

例えば、受発注では顧客からの注文を瞬時に受け付け、在庫の状況をリアルタイムで確認し、適切な数量を確保します。また、請求書の自動生成によって請求プロセスが迅速化され、入金管理も効率的に行えます。

さらに、業務の自動化で作業速度が向上すれば、従業員はより戦略的な業務に時間を割くことができるでしょう。

情報の一元化で人為的ミスを防止する

手作業中心の業務を行っていると、人為的ミスが生じやすい課題があります。さらに、通常の販売活動では、営業・経理・製造など複数の部署が関わり、その数だけヒューマンエラーも増加しやすいです。

そこで、販売管理システムによって情報を一元化し、社内の業務を可能な限り自動化することで、過剰在庫や在庫切れ、請求・発送の漏れなどを防止できます。システムによっては、請求書の自動作成が可能なものもあるため、業務プロセス全体の効率化にも寄与します。

属人化に係るリスク軽減につながる

業務の属人化は、組織内で特定の従業員のみが業務プロセスを完全に運営している状態を指し、従業員の休暇中や退職した際に問題が生じるリスクを抱えています。しかし、販売管理システムの導入により、属人化に係るリスクを軽減できます。

販売管理システムは業務プロセスを標準化し、自動化することに焦点を当てています。業務プロセスがシステムによって管理されるため、特定の従業員に依存しづらいです。

そして、誰でもシステムを使って業務を遂行できるようになり、業務の持続性が向上します。特定の従業員が休暇中や退職した場合でも、他の従業員がシステムを利用して業務を継続できます。

売上などのデータを分析・活用できる

販売管理システムは、日々の売上データを詳細に記録します。このデータを分析することで、特定の期間や製品カテゴリー、地域別の売上動向を明らかにできます

こうした分析を通じて、売上の傾向を把握し、需要予測や生産計画の最適化に役立てられます。さらに、販売管理システムは顧客の購買履歴や傾向も詳細に記録するため、個別の顧客に合わせたアプローチも可能です。

また、クロスセルやアップセルの機会を特定し、売上を増加させるための方法を検討することもできます。

ERPを導入するメリット

企業がERPを導入することで、さまざまなメリットが得られます。ここでは、ERPの導入によって企業が得られるメリットについて解説します。

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業務プロセスの効率化につながる

ERPは、異なる業務間でのコミュニケーションを大幅に削減し、情報のリアルタイムな共有を実現可能です。そのため、組織全体が協力して業務を進められ、生産性が向上します。

例えば、販売部門の情報が生産部門や調達部門と共有され、適切な在庫レベルと生産計画の最適化が行えるようになります。

さらに、RPA(Robotic Process Automation)と組み合わせることで、ルーチンな業務プロセスの自動化が可能となり、従業員の負担を軽減します。ERPとRPAの連携を行うことで、さらなる業務プロセスの効率化が実現できるでしょう。

各部門のデータを一元管理できる

ERPは統合されたデータベースを使用して、情報の一貫性を確保します。例えば、財務部門の売上データは販売部門が入力したものと整合し、データの重複や矛盾が発生しにくくなります。

また、ERPはデータの二重入力や無駄なプロセスを削減でき、コスト削減に寄与します。正確な情報に基づいてリソースを最適に配置するため、無駄な在庫や不要なコストを削減できます。

素早く的確な経営判断が行える

ERPで経営資源が一元的に統合されることにより、情報が部門別に分散することなく、一覧で把握しやすくなります。そのため、経営陣が素早く的確な経営判断を行えるようになり、顧客ニーズや市場の変化に柔軟な対応が可能です。

また、ERPには財務に関わる情報や人事情報などが蓄積されていることから、現在の経営状況も即座に把握できます。つまり、人材不足に対応した組織内のリソースを最適化し、他社との差別化につながる経営戦略の策定も効果的に行えます

組織内のガバナンス強化が可能

ガバナンスは正確な情報に基づいて機能、ERPはその基盤を提供します。ERPは異なる業務部門やプロセスからのデータを一元化し、データの整合性を保つことが可能です。

さらに、ERPはアクセス制御とセキュリティ機能を提供し、データへの不正アクセスを防ぎます。機密情報や重要なデータへのアクセスを制限し、データセキュリティを確保することにより、ガバナンスを強化してリスクの軽減と情報の信頼性を高めます。

このように、ERPは組織内におけるガバナンス体制の強化をサポートします。

販売管理システムとERPそれぞれが適している企業とは

販売管理システムとERPのメリット・違いを踏まえ、業務効率化を図るためには適している企業の特徴があります。求める機能性に加え、以下の点から適した企業が導き出せます。

販売管理システムの導入は中小企業におすすめ

販売管理システムの導入は中小企業におすすめです。販売管理業務の効率化を図りたい場合にはもちろんですが、「商品」と「お金」の流れを適切に管理することで売上向上が見込めます。少人数からのスモールスタートで取り入れやすいのも魅力です。

ERPの導入は従業員数の多い大規模企業におすすめ

ERPの導入は従業員数の多い大規模企業に適しています。企業全体の情報を統合管理できるERPの機能は、小規模企業や中小企業ではオーバースペックになりやすく、コスト過多になりかねません。

業務プロセスの効率化に限らず、財務や人事を含めた、ワンランク上の経営へステップアップするための導入がおすすめです。

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まとめ

販売管理システムとERPの選択では、自社の状況と要件を慎重に検討することが非常に重要です。主に、販売管理システムは販売プロセスの管理に特化しており、ERPは企業全体の統合的なアプローチを取りながら、あらゆる業務領域を統合管理します。

自社のニーズに合ったシステムを選択するためには、まず業界や業務特性は何かを評価し、どの部分での効率化が最も必要かを明確化しましょう。次に、将来の成長や変化を考慮して、拡張性やカスタマイズ性がどれほど必要かを検討します。

最後に、コスト面やスキルの有無、導入期間なども考慮しつつ、販売管理システムとERPの違いを踏まえて最適な選択につなげます。自社の要件を把握し、ビジネスの成功に貢献するシステムを選ぶことが、戦略的な決断を可能とします。

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