請求書の訂正方法|再発行時の注意点やミスの予防策も解説

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  • 請求書でミスを発見した場合は、二重線や修正テープなどは使わず再発行するのが基本
  • 請求書を再発行する際は再発行であることがわかるようにし、送付状を付けて郵送する
  • 請求書のミスを防ぐには、ダブルチェック体制や請求書発行システムの導入が有効である

請求書でミスを発見した場合は、二重線や修正テープなどは使わず再発行するのが基本です。この記事では、請求書を再発行する際の注意点やマナー、ミスを予防する対策、請求書に関するさまざまなトラブルへの対処法などを詳しく解説します。

目次

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  1. 請求書発行システムを検討するならこのサービスがおすすめ
  2. 請求書の訂正方法
  3. 請求書を再発行する際の注意点
  4. どうしても請求書を再発行できない場合
  5. その他の請求書に関するトラブル対処法
  6. 請求書のミスやトラブルを防ぐ方法
  7. まとめ
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請求書の訂正方法

請求書の訂正は、基本的に二重線+訂正印や修正テープなどは使用せず、再発行する必要があります。請求書は、企業が商品・サービスを提供し、取引先との間で金銭の授受があったことを示す重要な書類で、確定申告時にも必要です。

請求書を二重線+訂正印や修正テープなどで訂正すると、確定申告時に改ざんを疑われかねないため、軽微なミスの場合でも、請求書に誤りがある場合は再発行で対処するようにしましょう

これらを基本に、下記のそれぞれのケースに沿った請求書の訂正方法を解説します。

自社で請求書の誤りに気付いた場合

送付した請求書の誤りに自社で気付いた場合は、早急に電話やメールで取引先に連絡を入れましょう。連絡の際に、請求書に誤りがあった部分を伝え、再発行する旨を伝えます。請求金額に誤りがあり、支払いが終わってしまっていた場合は、返金手続きも行いましょう。

取引先から請求書の誤りを受けた場合

送付した請求書の誤りを取引先から指摘された場合は、すぐに請求書の控えを確認しましょう。誤りが確認できたら、お詫びの連絡をし、すみやかに正しい請求書を再発行しましょう。

請求書で起こりがちなミス

  1. 数量、桁数や単価などの数字の記載ミス
  2. 日付が違う
  3. 条件の記入ミス
  4. その他

上記の4つは、請求書発行の際に起こりがちなミスです。中でも多いのは、請求書に記載する数字の記入ミスです。発注書や受注書の金額や個数、日付などの数値を請求書に転記する際、間違った数値を記入するといったミスはよく起こります。

このほか請求書の作成の際には、銀行振り込み手数料負担の条件記入ミスで手数料分を引いた金額が入金される、請求書の誤発送、押印忘れ、消費税の計算ミスなどの間違いも多いので気を付けましょう。

請求書を再発行する際の注意点

ここからは、請求書を再発行する際に気を付けたいポイントを5つ解説します。ポイントを押さえておくと、再びミスを繰り返すことなく請求書を再発行できるでしょう。

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再発行であることが分かるようにする

再発行した請求書は、その書類が確かに再発行されたものだとわかるようにします。訂正前のものと再発行した請求書をはっきり区別する方法には、主に2種類の方法があります。1つ目は、再発行した請求書に「再発行」と赤いスタンプで押印する方法です。

2つ目は、再発行した請求書の名称を「請求書(再発行)」などに変更する方法です。再発行した請求書と以前に作成したものを明白に区別できるようにしておくと、二重請求も防止でき、自社での経理処理も円滑に進むでしょう。

取引先企業の紛失が理由で請求書を再発行し、後に見つかったとしても、赤いスタンプなどで請求書が再発行したものだとはっきりわかるようにしておけば、前に受け取った請求書と見分けがつきます。

前回の請求書と連番にする

経理業務の混乱を避けるため、再発行した請求書は、訂正前の請求書と連番にしておきましょう。訂正前の請求書と再発行した請求書が連番で繋がっていると、再発行した請求書が新しい売り上げではないと経理担当者は容易に判断でき、確認作業に手間がかかりません。

再発行した請求書を枝番にして管理するのもいい方法です。訂正前の請求書番号が3だったなら、3-1と番号を振ります。再発行した請求書を連番や枝番で管理すると、経理業務の混乱も防げるでしょう。

発行日は訂正前と同じにする

請求書を再発行する際には、発行日は訂正前の請求書と同じ日付にしましょう。請求書の作成形式は法律で定められていませんが、請求書の紛失や記載ミスで再発行する場合、日付を変えないのが一般的です。

再発行した請求書が訂正前の請求書と同じ日付なら、確定申告時に不正事由を疑われる可能性も低く、経理の透明性を保てます。ただし、企業によっては「再発行した請求書の日付を変えてほしい」と希望するケースもあるため、取引先への確認と調整が必要です。

すぐに取引先へ連絡・謝罪する

請求書送付後にミスに気付いた場合、まず電話やメールですぐに取引先に連絡し、謝罪しましょう。請求書の記載ミスが軽微なときは、メールでの謝罪も問題ないと言われていますが、誠意を示すためにも電話での連絡と謝罪をおすすめします。

謝罪の後は、先方に記載ミスのある請求書の破棄をお願いし、早急に訂正した請求書を再発行して取引先企業に送付します。請求書のミスを取引先から指摘された場合も、すぐに控えを確認し、記載内容に誤りがあるならすぐに謝罪・対応をしましょう。

送付状を付けて差し替えを依頼する

自社のミスで金額や日付など記載内容に誤りのある請求書を取引先に郵送した場合、すぐに電話やメールで連絡を取り、丁寧にお詫びし、速やかに再発行した請求書を届けます。再発行した請求書を取引先に届ける際は、送付状を付けましょう

送付状には、謝罪と請求書に記載ミスがあったことの報告、どの部分に間違いが記載されていたのか、今後の対策などを記します。あわせて、送付状には、ミスのあった請求書の破棄並びに再発行した請求書との差し替えをお願いする一文も記載しましょう

どうしても請求書を再発行できない場合

経費水増し計上の疑いがある場合など、どうしても請求書を再発行できないケースもあります。このようなときは、請求書の記載ミスがある部分に二重線を引いて訂正印を押印し、正確な数字や文字を新たに記入します

請求書に押す訂正印は、訂正前に使用した印鑑と同じものを使いましょう。請求書のミスは再発行で対処するのが原則です。どうしても再発行できない場合以外、請求書の記載ミスにはできる限り再発行で対応しましょう

その他の請求書に関するトラブル対処法

先方の事情で請求書の再発行が必要になることもあり、そもそも請求書を出し忘れていたといったミスが起こることもあります。ここからは、その他の請求書に関するさまざまなトラブルとその対処法を解説します。

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取引先が請求書を紛失した場合

取引先が請求書を紛失した場合、請求書の再発行はできます。取引先にどのような請求書を紛失したのかを尋ね、詳細な情報を得た後に、自社にある控えと照合し、間違いが起きないように請求書再発行の手続きを進めましょう

再発行する請求書には、二重請求の防止と後に経理処理が困らないよう対応策を講じた上で作成しましょう。再発行の赤いスタンプを押印する、自社で保管する控えには連番を付けるなどの方法があります。

支払期日を過ぎてから再発行が必要になった場合

取引先企業の支払いが遅れている場合や取引先に請求書を出していなかった場合、請求書再発行はどのようにすればいいのか疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。ここからは、この2つの請求書再発行に対する対処法を解説します。

支払期日までに支払いがなかった場合

支払い期日を過ぎた請求書を再発行するときでも、一般的に同じ期日を新たな請求書に記載します。しかし、請求書に取引条件を記載している場合は、日付を変更しなければいけないケースもあります。

再発行前の請求書に、支払いの延滞には支払い利息を課すと請求書に記載している場合は、自社で新たに代金の支払い期限を決め、再発行の際に請求書の日付を変更しましょう。新たな支払期限は、2週間から1か月後程度とするケースが多いです。

請求書を出し忘れていた場合

取引先に対して、請求書を出し忘れていたといったトラブルもあります。しかし、請求書を出し忘れていた場合でも、2年以内なら代金の請求ができます。民法173条で債権の時効は2年間と定められており、2年以内の売掛金なら取引先に請求しても構いません。

出し忘れていた請求書を取引先に届ける際は、事前に請求書を出し忘れていたことを伝え、お詫びをしましょう。そして、速やかに請求書を発行し、送付状にお詫び状を添えて取引先に届けます。

再発行した請求書を送付する際は、速達または直接取引先に届けることをおすすめします。普通郵便は使用せず、再発行した請求書を届けることで、取引先により誠意を示せるでしょう。

封筒と一緒に切ってしまった場合

取引先から届けられた請求書を封筒と一緒にハサミで切ってしまったというミスも稀にあります。このような場合でも、切れた請求書にテープを貼って補修し、文字が読めるなら経理処理できます。しかし、念のために上司に確認しましょう。

テープで補修した請求書が可読かどうか、経理処理できるかどうか、上席の判断を仰ぎます。ただし、請求書の文字が読めないほど切れてしまった場合は、請求書の再発行を依頼する必要があります

インボイス(適格請求書)を訂正する場合

2023年10月1日よりインボイス制度が施行されました。発行したインボイス(適格請求書)にミスがあった場合は、従来の請求書と同様に、適格請求書の誤り事項を正しい記載内容に修正して、再発行しましょう

その際、請求書の名前を「修正版」や「修正済」などと明記し、元の適格請求書と混同しないようにします。ミスがあった適格請求書そのものを修正して再交付する場合は、下記の内容が分かるようにしましょう。

  1. 該当の適格請求書に修正があること
  2. 正しい項目と誤りがある項目

参考:インボイス制度の概要|こくぜいちょう

請求書のミスやトラブルを防ぐ方法

請求書発行の際に、ミスやトラブルを低減できる良い方法はないものか、と考えを巡らせている方も多いのではないでしょうか。ここからは、請求書の発行・授受の際にミスやトラブルを防ぐ方法を解説します。

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ダブルチェック体制を整える

請求書のミスやトラブルを防ぐために、自社内でダブルチェック体制を整える方法があります。請求書作成者が書類発行後、誤りがないか確認し、さらにその後に違う人物が請求書の内容が正確かどうかチェックします。

請求書のダブルチェック体制は、誤りを二重に確認するため、請求書の記載内容ミスを大幅に減らせるでしょう。請求書のダブルチェックをする際は、請求書作成・処理の熟練者が担当すると、記載ミス低減の効果をさらに得られるでしょう。

請求書発行システムを利用する

請求書発行システムを利用することで、請求書のミスやトラブル発生を防止できます。請求書発行システムは、金額を入力すると自動計算が行われ、設定した書式の請求書が作成できる仕組みです。

このため、請求書に関する業務を半自動化でき、計算ミスや記入漏れといったミスを減らせます。自社の会計システムと連携でき、取引先の請求金額を自動抽出が可能な請求書発行システムを導入すると、さらに請求書作成の精度が上がります。

請求書発行システムには、請求書の発行から郵送までを代行する製品が多く、ペーパーレス化も推進できるでしょう。請求書発行システムは、電子データで請求書を一元管理できるため、情報の共有や照会も素早く行え、請求書管理も容易になります。

まとめ

請求書の訂正は、誤りに二重線+押印、修正テープを貼るなどの方法は用いず、再発行で行うのが原則です。請求書再発行の際は、赤いスタンプで再発行と押すなど、請求書が再発行されたものだとはっきり分かるようにしましょう。

請求書再発行の際は、訂正前の請求書と再発行したものを連番にしておくと、経理業務も混乱しません。請求書記載ミスを送付後に気付いた場合は、すぐに取引先に謝罪の電話を入れ、請求書を再発行し送付します

請求書のミス防止、請求書に関する業務の効率化を図りたい方には、請求書発行システムの導入がおすすめです。請求書発行システムの導入で、計算ミスや記入漏れといったミスを大幅に減らせるでしょう。

請求書発行システムは、金額を入力すると自動計算が行われ、計算不要で設定した書式の請求書を作成できます。請求書発行システムには、自社の会計システムと連携し、請求金額を自動抽出できる便利な製品もあります。

請求書発行システムを導入すると、請求書作成を半自動化できるため、記入ミスや計算ミスや記入漏れが減り、経理業務を大幅に効率化できます。

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