製薬業界におすすめのCRM2選|導入すべき理由や機能も解説

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  • CRMとは、複雑化しがちな顧客のデータを一元管理し、分析が行えるツールである
  • 商談時の対話時間を確保しづらい医師に対し、効率的な営業する際にCRMが有効である
  • CRMを選ぶ際は、必要な機能の有無やセキュリティ対策などをチェックする

CRMとは、顧客の情報を一元管理する顧客管理システムのことです。取引先が医療機関の医師であるという特殊な形態の製薬業界においても、効率的に営業するためのツールとして多数導入されています。本記事では、製薬業界におすすめのCRMを選び方とともに解説します。

目次

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  1. CRMとは
  2. 製薬業界にCRMが必要な理由
  3. 製薬業界向けCRMの機能
  4. 製薬業界向けCRMを導入するメリット
  5. 製薬業界におすすめのCRMツール2選
  6. その他のCRMツールの選び方
  7. まとめ
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CRMとは

CRMは「Customer Relationship Management」の略で、顧客関係管理を意味する言葉です。企業と顧客との関係性を管理し、良好な関係性を継続して築き上げていくための施策やツールを指します。

CRMの目的は、顧客のニーズを把握して顧客満足度を向上させることです。顧客のニーズを正確に把握することで、企業は顧客ごとに適した製品やサービスを提供することができます。また、顧客の定着率やリピート率を向上させることも可能です。

営業活動の効率化に向けて、CRMは重要な役割を果たしてくれます。顧客との関係性を築くための業務コストを削減しながら、企業の成長を促してくれるのも大きな特徴です。

製薬業界にCRMが必要な理由

さまざまな業界と比べた際、製薬業界は特にCRMの導入が必要だと言われています。ここでは、製薬業界にCRMが必要な理由について解説します。

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効率的に営業するため

製薬会社は医師にアポイントを取って商談を行うのが一般的ですが、医師は日々の業務で忙しいことから、短時間しか会話できないケースがほとんどです。そのため、CRMによる顧客関係管理を行い、相手のニーズをしっかりと把握しておく必要があります。

相手のニーズを正しく把握できれば、短い時間でも内容の濃い話ができるでしょう。ニーズに合わせた提案を行うことで、効率的に商談や契約を獲得できる可能性が高まります。時間と機会を無駄にしないためにも、CRMを上手く活用するのがおすすめです。

電子カルテに対応するため

1990年に誕生した電子カルテは、2005年頃にORCAが誕生し、現在では自社内にサーバーを設置する必要がないクラウド型が浸透しています。病院などの医療業界でもペーパーレス化が推進されている関係から、製薬業界でも電子カルテへの対応が必要です。

CRMを活用したペーパーレス化の動きは、従来まで紙文書による膨大な管理を強いられていた医療業界・製薬業界にとって、大きな効率化につながっています。データ化によって取引先とのやり取りを迅速に行うためにも、CRMの活用が推奨されます。

参考:医療分野の情報化の推進について|厚生労働省

「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」遵守のため

製薬会社の営業マンが医師に薬の営業をする際は、「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」を遵守する必要があります。そのため、CRMによってデータを簡単かつ適切に入力・管理することが重要です。

仮にガイドラインに違反した営業を行うと、大きなトラブルへと発展してしまうため、必ず遵守しなければなりません。CRMを活用して販売情報提供活動の記録を保存し、適切に管理することができれば、安全性が高く効率の良い営業活動が行えるようになります。

参考:医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン|厚生労働省

製薬業界向けCRMの機能

製薬業界向けCRMの機能としては、医薬品営業に特化したテンプレートや商品データベース、在庫管理などが挙げられます。ここでは、主な6つの機能を解説します。

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医薬品営業に特化したテンプレート

製薬業界向けCRMには、医薬品営業に特化したテンプレートが用意されています。顧客情報を含めた営業情報を入力するテンプレートは、各業界によって形式が異なるため、製薬業界にマッチしたものが用意されているのは嬉しいポイントです。

CRMのテンプレートを使用すると、ガイドラインに沿ったデータの記録もしやすくなるため、営業活動において高い効果を得られるでしょう。記録や情報の入力に慣れていない場合には、テンプレートのあるものがおすすめです。

商品データベース

CRMの商品データベースとは、顧客関係管理のシステムにおいて、商品に関する情報を管理するデータベースです。商品データベースには、商品の名称・価格・仕様・在庫状況・販売履歴などの情報が含まれます。

CRMのシステムでは商品データベースを活用して、顧客の購買履歴や商品の需要を分析し、マーケティングや販売戦略に役立てることができます。そして、製薬会社に特化したCRMは、業界内で扱われている商品のデータが入っているのが魅力です。

商品データベースを活用することで、顧客のニーズに合った商品をタイムリーかつ的確に提供することができるでしょう。また、顧客が求めているものを提供しやすくなるため、顧客満足度を向上させやすくなります。

在庫管理

CRMには、在庫を管理できる機能が搭載されています。製薬会社のように製品を販売するような企業の場合には、在庫管理が非常に重要です。例えば、顧客からの注文が入った際に在庫がなかったり、在庫過多で商品を余らせてしまったりするケースもあるでしょう。

そのような事態を避けるためにも、正確な在庫管理を行うことが大切です。CRMでは、在庫の入出庫管理・在庫状況の確認・在庫量の予測・在庫の最適化などが行えます。在庫状況をリアルタイムに確認することで、顧客の注文へ迅速に対応可能です。

訪問先までのルート表示

CRMでは商品データベースや在庫管理機能をはじめ、訪問先までのルートを表示してくれる機能も搭載されています。ルート表示機能では、訪問先までのルートの検索や所要時間の確認、交通手段の確認・地図の表示などが行えます。

ルート表示機能は、訪問先までの移動を効率化・最適化するための重要な機能です。ルート表示機能を使用すると、訪問先までの最短ルートや所要時間を素早く検索でき、医療機関への移動にかかる時間やコスト削減に寄与します。

データ集計・分析

製薬業界向けCRMには、あらゆるデータを集計・分析してくれる機能が搭載されています。顧客の属性情報・購買履歴・接点情報・満足度調査などを集計・分析し、顧客満足度を向上させるためのサポートをするのが魅力です。

データ集計・分析を行うことで、企業は顧客のニーズを深く理解し、マーケティングや販売戦略を最適化できます。製薬業界においては、購買履歴や属性情報などを分析することにより、顧客のニーズを十分に把握した上で営業活動を行えるのがメリットです。

請求書などの作成・管理

CRMには、請求書などの作成・管理ができる機能も搭載されています。製薬業界においては、請求書の作成が必須であるため、システム内で管理できるのは嬉しいポイントです。データの作成後は、印刷を含めPDF形式のファイル出力が行えるものもあります。

また、顧客へ請求書を送信する機能が搭載されているCRMもあるため、必要に応じて検討するようにしましょう。

製薬業界向けCRMを導入するメリット

製薬業界において、主な営業先・取引先となるのは病院などの医療機関です。そのため、一般企業を相手にした営業とは違い、むやみにアポイントメントを獲得したり、飛び込み営業をかけたりするのは好ましくありません。

相手先の診療時間や隙間時間を考慮しながら、短い時間で的確な提案を行う必要があります。そこで、CRMを導入することにより、顧客情報を一元管理しつつ病院の規模感や成約の可能性を把握し、効果的な営業へとつなげることができます。

また、訪問先までのルート表示機能を活用して、見込み顧客の診療時間などを加味しながら営業ルートを考案し、最適なルートで営業を行うことも可能です。

その他にも、手元のスマートフォン・タブレット端末を活用しながら、効果的に商談などが行える点もメリットといえるでしょう。

製薬業界におすすめのCRMツール2選

シナジーマーケティング株式会社

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「シンプルさ」と「セキュリティ対策」重視の方におすすめ

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  • HPやシステムがシンプルで使いやすく、安心して使える強度なセキュリティ
  • 多数の外部システム連携が行え、基幹システムにある「顧客データ」との連携が可能

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  • 「ファイル連携」を使うには初期費用に加え月額2万円かかる

株式会社セールスフォース・ジャパン

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多言語対応なためグローバル展開を目指す方におすすめ

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  • 顧客情報の分析により、商談管理や営業支援などの業務を効率化できる
  • 使える機能が多く、さまざまな営業支援にも活用可能

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  • 機能が多いため使いこなせるまで時間がかかる

その他のCRMツールの選び方

CRMツールを選ぶ際には、自社に必要な機能が搭載されているか、コストが見合っているかなどを確認しましょう。また、他システムと連携できるかどうか、システムの操作性をはじめとした以下のポイントにも注目して選ぶのがおすすめです。

基本のポイントを押さえるのはもちろん、社内の環境に応じてその他の比較ポイントにも注目しましょう。外国人の従業員がいる場合は多言語対応のシステムを選び、自社に合うか分からない場合は無料トライアルのあるCRMツールを選択するのがおすすめです。

【重要なポイント3つ】

  1. 必要な機能とコストが見合っているか
  2. 他システムと連携できるか
  3. 画面が見やすく使いやすい操作性か

【その他の比較ポイント】

  1. 多言語に対応しているか
  2. サポートは充実しているか
  3. セキュリティ対策は万全か
  4. 無料トライアルがあるか

基本のポイントを押さえるのはもちろん、社内の環境に応じてその他の比較ポイントにも注目しましょう。外国人の従業員がいる場合は、多言語対応のシステムがおすすめです。また、自社に合うか分からない場合は無料トライアルのあるCRMツールを選びましょう。

まとめ

製薬会社は短い時間で医師との対話を進めなければならないため、CRMの導入によって事前に顧客のニーズを把握しておく必要があります。普段から忙しくしている医師と効率的に対話を進めるためにも、CRMを活用して顧客ニーズを正しく理解しておきましょう。

また、「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」の遵守においても、CRMの活用がおすすめです。製薬業界向けCRMには便利な機能が豊富に搭載されており、上手く活用すれば、効率よく商談や契約を獲得できる可能性が高まります。

CRMを導入すれば、顧客に適した製品・サービスを提供することができるだけでなく、顧客の定着率やリピート率を向上させることもできます。本記事を参考にしながら、自社に適したCRMの導入を検討してみましょう。

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