【2024年度最新】ホームページ制作に使える補助金や助成金を詳しく解説
企業にとってホームページは、自社をPRできる効果的なツールです。
しかし「古いホームページをリニューアルしたい」「新しいホームページを立ち上げたい」と思っても、予算がネックになることが多いかもしれません。
そんなときに、国や自治体から補助金や助成金が出るのをご存知でしょうか?補助金制度を利用すれば、ホームページの制作費用を一部負担してもらえます。
今回は、ホームページ制作に使える補助金・助成金制度について詳しく解説します。
ホームページ制作に使える補助金・助成金とは?
国や自治体が行っている事業支援のひとつに、ホームページ制作やITツールの導入に使える補助金制度があります。
企業のホームページ制作を制作会社に依頼すると数十万円以上の費用がかかることが多いですが、そんなときに補助金制度を利用することで、費用の何割かを負担してもらえます。
補助金と似た言葉として助成金がありますが、補助金と助成金はまったく別の制度で、補助金は、国や地方自治体が政策を推進するために、企業や団体に交付し事業を支援するものです。
財源は税金で、経済産業省や地方自治体の管轄となっていて、受給するためには審査を受ける必要があります。
助成金は、雇用や労働環境の改善を目的として支給されますが、厚生労働省や地方団体の管轄となり、財源は雇用保険で、申請要件を満たしていれば必ず受給できます。
ホームページの制作においては、補助金と助成金のどちらも利用できますが、助成金については自治体によって制度が異なるので注意が必要です。
ここからは、実際にホームページ制作やITツールの導入に利用できる、代表的な補助金制度と助成金制度について順番に解説していきます。
企業のデジタル活用を促す「IT導入補助金」
IT導入補助金は、経済産業省が実施する補助金制度です。
中小企業・小規模事業者が業務効率化や売上増加のために導入するITツールの費用の一部を負担することで支援します。
また、新型コロナウイルスの感染予防に取り組む企業に対しては、通常よりも補助率を引き上げて支援を行っています。
IT導入補助金の対象経費
IT導入補助金は以下の4つの申請類型に分けられ、類型によって補助対象となるITツールが異なります。
- A型、B型(通常枠)
ソフトウェア購入費や導入関連費が対象で、A類型は、1種類以上の業務プロセスを保有するソフトウェアの申請が必要で、B類型は4種類以上の業務プロセスを保有するソフトウェアの申請が必要です。
- C型、D型(低感染リスク型ビジネス枠)
ポストコロナを踏まえて、人との接触機会を減らす取り組みを支援してもらえ、通常枠の補助対象に加えて、ハードウェアのレンタル費用も対象となります。
C型は申請金額によりC-1類型とC-2類型に分かれ、D類型においては、クラウド対応されていることが条件となります。
IT導入補助金の対象者
IT導入補助金の対象となる業種と規模は以下の通りです。
【中小企業】
業種 | 資本金 | 従業員数 (常勤) |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 | 3億円 | 900人 |
ソフトウエア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
【小規模事業者】
業種 | 従業員数 (常勤) |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
IT導入補助金の補助額
IT導入補助金の補助額は、申請類型によって変動します。補助率と補助額の一覧は以下の通りです。
類型 | 補助率 | 補助額 |
---|---|---|
A類型 | 2分の1以内 | 30万円~150万円未満 |
B類型 | 2分の1以内 | 150万円~450万円以下 |
C-1類型 | 3分の2以内 | 30万円~450万円以下 |
C-2類型 | 3分の2以内 | 30万円~450万円以下 |
D類型 | 3分の2以内 | 30万円~150万円以下 |
零細企業を補助する「小規模事業者持続化補助金」
小規模事業者持続化補助金は、日本商工会議所が提供する小規模事業者の経営を安定させるための補助金制度です。
基本的に小規模事業者(営利団体)が対象ですが、特定の要件を満たせば特定非営利活動法人が申し込める場合もあります。
具体的には小規模事業者の販路開拓、生産性向上、業務効率化のサポートを目的としています。
ホームページの制作は広報費に該当し、ウェブサイトや広告の作成、ネット販売システム構築などに対して支援が受けられます。
小規模事業者持続化補助金の対象経費
先述した広報費を含め、小規模事業者持続化補助金の対象となる経費は以下の通りです。
- 機械装置等費
- 広報費
- 展示会等出展費
- 旅費
- 開発費
- 資料購入費
- 雑役務費
- 借料
- 専門家謝金
- 専門家旅費
- 設備処分費(補助対象経費総額の2分の1が上限)
- 委託費
- 外注費
さらに以下の3つの条件を満たすものが補助対象経費となります
1.使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
2.交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費
3.証拠資料等によって支払金額が確認できる経費
小規模事業者持続化補助金の対象者
小規模事業者持続化補助金の対象となるのは、小規模事業者です。
小規模事業者とは、業種と常駐している従業員数によって定義されていますので、小規模事業者の定義は以下の通りです。
業種 | 従業員数 (常勤) |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
また、開業を予定していても申請時点で開業していなければ給付されませんので、新規事業で受給を希望する方は、開業届を提出した日以降に申請しましょう。
小規模事業者持続化補助金の補助額
小規模事業者持続化補助金の補助額は、対象となる経費の3分の2以内、上限は50万円とされています。
たとえばホームページ制作のために120万円の経費を要して補助金を申請した場合、3分の2は80万円となりますが、上限が50万円のため50万円が支給されます。
(引用:小規模事業者持続化補助金)
コロナ禍の中小企業を支援する「事業再構築補助金」
事業再構築補助金は、中小企業庁が実施する補助金制度です。
新型コロナウイルスの影響を受ける小規模事業者・中小・中堅企業を支援するために新しく設立されました。
コロナ禍の社会に対応するために、事業モデルの転換や新たな事業を展開する企業を対象としています。
必須申請要件は以下の3つです。
1.売上が減っている
2.新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組む
3.認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する
例えば実際の事例として、ヨガ教室を運営する事業者がコロナ禍に対応するためオンラインヨガ教室へと事業モデルの転換に取り組んだ際に、オンラインクラスを開講するためにホームページが必要となり、その制作費への支援を受けています。
事業再構築補助金の対象経費
事業再構築補助金の対象となる経費は以下の通りです。
- 建物費
- 機械装置
- システム構築費(リース料を含む)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝
- 販売促進費
- 研修費
- 海外旅費
事業再構築補助金の対象者
事業再構築補助金の対象者となるのは、日本国内に本社を有する中小企業者、および中堅企業等とされています。
中堅企業とは、中小企業の範囲に入らない、資本金が10億円未満の会社を指します。
企業組合、協業組合、事業協同組合を含む「中小企業等経営強化法」が規定している中小企業者や、収益事業を行う一般社団法人、一般財団法人、NPO法人等も対象です。
しかし、大企業の子会社である「みなし大企業」は対象外となっていますが、他にも細かい要件がいくつかあるので、申請を検討する方は公募要領で確認してみてください。
事業再構築補助金の補助額
事業再構築補助金の補助額は、申請する枠と従業員数などで変動しますので、ここでは、中小企業の場合の補助率と補助額を紹介します。
申請枠 | 従業員数 | 補助率 | 補助額 |
---|---|---|---|
通常枠 | 20人以下 | 3分の2 | 100万円~4,000万円 |
通常枠 | 21人~50人 | 3分の2 | 100万円~6,000万円 |
通常枠 | 51人以上 | 2分の1 | 100万円~8,000万円 |
卒業枠※ | - | 3分の2 | 6,000万円超~1億円 |
※卒業枠とは、400社限定の特別枠です。事業計画期間内に①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより資本金または従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けのものです。
引用:事業再構築補助金
その他の地方自治体による補助金・助成金
国の補助金制度以外にも、地方自治体が運営している補助金制度があります。
地方自治体の補助金制度は、事業計画書や運営計画書などの提出なしでも申請できる場合もあり、利用しやすいのが特徴です。
また、地方自治体によっては助成金を支給している地域もあり、これは申請条件を満たしさえすれば審査なしで受給できるため、補助金よりも敷居が低くなっています。
ただし、補助金制度や助成金制度を実施している自治体は一部に限られていて、国の補助金に比べると支給額が少なかったりします。
支給要件などは自治体ごとに異なるため、それぞれの自治体のホームページで確認しましょう。
支給額は少なめとはいえ、ホームページ制作のほか周辺機器の購入費やコンテンツのリニューアルまでカバーする制度もあります。
たとえば東京都の自治体では以下のような補助金制度が運営されています。
- 足立区「見本市等助成事業補助金」
- 練馬区「ホームページ作成費補助金」
- 中央区「ECサイト活用補助金」、「中小企業ホームページ作成・変更費用補助」
- 港区「ホームページ作成支援事業補助金」
- 立川市「立川産品販路拡大等支援事業」
- 八王子市「販路拡大支援補助金」
以下のサイトから企業の経営や創業に役立つ補助金の情報が検索できますので、参考にしてみてください。
補助金に関連した3つの注意点
補助金は、返済の必要がなく事業に必要な費用を負担してもらえる嬉しい制度ですが、もちろん注意点もいくつかあります。
ここでは、補助金制度を利用する際に注意するポイントについて3つ紹介します。
必ず採択されるとは限らない
助成金は申請条件を満たしていれば必ず給付されますが、補助金は、申請すれば必ず支給されるものではありません。
補助金には予算があるため、募集枠に対して応募が多ければ採択率は低くなりますし、各制度や募集時期によっても変動があるため、予測することも難しいです。
必ず補助金がもらえると想定して予算を立てるのは危険ですので、注意しましょう。
申請書類はきちんと揃える
採択率を上げるには、規定に沿ってきちんと申請に必要な書類を揃えることが重要で、書類に不備があればその時点で不利になってしまいます。
何が必要かは各補助金制度の公式ホームページに記載されていますので、事前に必要書類や申請スケジュールをしっかりチェックし、不備がないよう準備を進めましょう。
また当然ですが、申請締切日を過ぎてしまうと受理されません。
補助金が支給されるのは実績報告後
補助金の申請をして採択されても、実際に支給されるのは実績報告書を提出したあとになります。
補助金申請をした予算も、補助金が支給されるまで自己資金で準備しなくてはなりません。
計画的に予算設定をするように気をつけましょう。
まとめ
今回はホームページ制作に利用できる補助金・助成金制度について解説しました。
コロナ禍の影響もあって、補助金・助成金制度の種類は増えていますが、それぞれ応募要件や補助額は異なるため、自社に適した制度を選ぶ必要があります。
申請する際は各補助金・助成金制度のホームページや資料をよく確認し、採択率を上げるために必要書類をきちんと揃えることが重要です。
最近ではリモートワークが増え、PCやスマホの利用時間が急激に増えているので、それに合わせた企業PRとして、インターネット上での企業活動を強化してみるのはいかがでしょうか。
この記事を参考に、補助金・助成金制度を上手く活用してホームページ制作に役立ててください。