サブドメインって何?ドメインとの違いやどんな時に使うのかを解説します
サブドメインについてメリットや設定方法が分からずに困っている方はいないでしょうか。
サブドメインは、メインとなる本ドメインの傘下として作成される領域で、本ドメインとは別個のサイトを新たに構築できますが、ドメインの一部を共有していることから、本ドメインのブランド価値やSEO評価を引き継ぐことが可能です。
今回は、サブドメインの特徴とドメインに追加する手順について解説します。
サブドメインとは?ドメインとはどう違う?
サブドメインとは、既存のドメインに文字列を追加することで、新しいアドレスを作成する機能です。
ドメインの先頭に「.」(ドット)で区切られた別の文字列を加えることで、元々のドメインとは別のアドレスとして扱えるようになります。
例えば、ドメインが「onamae.com」であれば、任意の文字列(ここでは「sub」)を先頭に追加することで、「sub.onamae.com」というサブドメインを新設できます。
サブドメインの作成費用は無料ですが、使える文字数は最大63文字となっています。
また、作成可能なサブドメインの数はサービスによって異なりますが、「お名前.com」の場合は、上限なしで作成が可能です。
ドメインとサブドメインでは、両者の特徴を反映して使われるシーンが異なっており、それぞれの主な用途は次の通りです。
ドメインを使うのはこんな時!
大元となるサイトやサービスの運営には基本的にはドメインが使われます。
サブドメインでも運用は可能ですが、サブドメインではドメインの先頭に何らかの文字列を追加することになるため、URL全体の文字列が長くなりやすく、アドレスの視認性や直接入力のしやすさに欠けることになります。
サイトやサービスの本体のURLはシンプルであることが大原則なので、サブドメインではなくドメインを利用するのが一般的です。
サブドメインを使うのはこんな時!
サブドメインは、主に本体のサイトやサービスから派生したページや機能に適用されます。
例えば、ヘルプページやサポートページは「help.domain.com」や「support.domain.com」といった本体のサブドメインを割り当てて運用するのが一般的です。
また、本体のサイトとはやや読者の異なる類似の分野や隣接したジャンルを扱う場合に、サブドメインで領域を分けて、新たなサイトを構築するケースもよく見られます。
これは新しいサイトを立ち上げるものの、本体のサイトとの関連性を残したい、つまり別館として運営したい場合の手法です。
サブドメインを利用する理由とメリットは?
サブドメインを利用するメリットとはどんなところにあるのでしょうか。
サブドメインでサイトを開設するメリットとしては、次の3点が挙げられます。
①新たにドメインを取得せずにサイトを作ることができる
ドメインの取得には費用がかかりますが、サブドメインの追加は無料なので、新たに利用する場合にも費用がかかりません。
複数のサブドメインの作成も可能なので、ひとつのドメインから多くのサブドメインを派生させることで、コストを最小限に抑えてサイトを運営することも可能です。
②本ドメインのブランド価値を引き継げる
サブドメインは、本ドメインの文字列を継承するため、本ドメインの派生であることがURLを見ればすぐに分かります。
そのため、知名度のあるドメインを保有している場合は、サブドメインで系列のサイトを作れば、本家のサイトとの関連性をユーザーにアピールすることで、ブランド価値を引き継ぐことが可能です。
③本ドメインの検索エンジン評価をある程度継承できる
本ドメインの検索エンジンの評価は、その傘下のサブドメインにもある程度、受け継がれます。
本ドメインと関連性のあるテーマであれば、サブドメインのページも検索エンジンの上位に表示されやすくなる傾向にあるため、類似のジャンルを扱うには好都合です。
.com/.netが【0円】
サブドメインを利用するデメリットは?
ここまでメリットについておはなししてきました。ただし、サブドメインは必ずしも利点ばかりではありません。
次はサブドメインを利用する際に注意したいデメリットについて解説します。
①本ドメインがトラブルを被るとサブドメインも影響を受ける
サブドメインは、本ドメインが獲得した検索エンジンの評価の影響を受けることは上述しましたが、それはネガティブな評価の影響もあることを意味します。
特に、検索エンジンのペナルティの対象となった場合、傘下のサブドメインにもその影響が及ぶリスクがあります。
また、本ドメインの契約期限が切れた場合、サブドメインも無効になるため、ユーザーは本ドメイン・サブドメインの両方のサイトにアクセスできなくなります。
②サブドメインごとにSSL証明書の費用がかかる
サブドメインでSSL証明書を利用すると、サブドメインごとに登録が必要になります。
SSL証明書は検索エンジンの評価を左右するため、今日では導入は必須となっていますが、セキュリティ強度の高い有料のSSL証明書のサービスを利用する場合、サブドメインの数が増えると、それだけ取得の費用がかかることになります。
なお、SSL証明書には無料のサービスもあり、そちらを利用する分には問題ありません。
サブドメインとサブディレクトリの違い
サブドメインと類似の用語に「サブディレクトリ」があります。
サブディレクトリもサブドメインと同様にドメインを分割する機能ですが、その役割は大きく異なります。
サブディレクトリでは、ドメインの下に「/」(スラッシュ)で区切られた領域が作成されます。
例)「sub」という文字列を追加する場合
サブドメイン https://sub.domain.com
サブディレクトリ https://domain.com/sub
サブディレクトリは、サイト内部に新しいカテゴリを追加する際に用いられるのが一般的ですが、検索エンジンからは完全に同一なサイトと判断され、上位のドメインの評価を直接的に継承します。
そのため、ドメインと関連性の強いカテゴリを追加する分には効果的ですが、関係の薄いカテゴリを追加すると順位上昇の恩恵を受けにくい傾向があります。
また、ユーザーから見ると、サブディレクトリはサイト内部の一区画に過ぎません。
サブディレクトリは、ドメインの一部を共有しつつも別サイトと見なされるサブドメインとは根本的に別物なので注意しましょう。
サブドメインとマルチドメインの違い
サブドメインと似た用語として「マルチドメイン」もよく使われます。
マルチドメインは、単一のサーバーで複数のドメインを運用する技術です、例えば、1台のサーバーに「blog.com」「mail.com」「community.com」といった複数のドメインを設定できます。
サーバーでは同時に様々な機能を有効にできるので、ドメインごとに別々の機能を割り当てれば、1台のサーバーで異なるドメインのサービスを提供することが可能です。
ドメインを分割して別の機能を割り当てる点ではサブドメインとよく似ていますが、マルチドメインの場合、ドメイン間の関係性は皆無で、検索エンジンからもユーザーからも、完全に独立したサービスとして認識されます。
マルチドメインは、異なるドメインで複数のサービスを運営したいが、複数のサーバーを並行して運用するのが費用などの理由で難しい場合によく利用されています。
「お名前.com」でのサブドメインの設定方法
ここからは「お名前.com」で取得した独自ドメインにサブドメインを追加する手順について解説します。
「お名前.com」では、ドメインとサーバーでサブドメインの設定ができます。
「お名前.com」で取得したドメインを、外部のサーバーやサービスで利用している場合はドメインにサブドメインを設定、「お名前.com」のレンタルサーバーを利用している場合は、サーバーにサブドメインを設定しましょう。
ドメインでサブドメインを設定する場合は、ドメインのDNSレコードの設定からサブドメインに利用する文字列と、サブドメインを利用したいサーバ(サービス)のIPアドレスを指定すれば完了です。
サーバーにサブドメインを設定する場合は、「お名前.com」のレンタルサーバーのコントロールパネルでサブドメインを指定します。
それぞれの手順を見ていきましょう。
「お名前.com」のドメインにサブドメインを設定する
「お名前.com Navi」にログインし、グローバルメニューの「ドメイン」から「ドメイン機能一覧」をクリックしましょう。
「ドメイン機能一覧」が開いたら、「カテゴリから探す」から「ネームサーバー/DNSの設定」の「DNS関連機能の設定」をクリックします。
「DNS設定/転送設定-ドメイン一覧」が表示されるので、サブドメインを追加したいドメインを選択して「次へ」をクリックしましょう。
「DNSレコード設定を利用する」の「設定する」ボタンをクリックします。
「A/AAAA/CNAME/MX/NS/TXT/SRV/DS/CAAレコード」にサブドメインの設定を追加します。
「ホスト名」にサブドメインとして追加したい文字列を入力、「TYPE」と「TTL」は「A」と「3600」のままで、「VALUE」にサブドメインで利用したいサーバーのIPアドレスを入力して「追加」をクリックしましょう。
画面を下方にスクロールして「確認画面へ進む」のボタンをクリックします。
ドメインプロテクションの設定画面が表示されますが、ここでは「設定しない」を選択します。
「DNSレコード設定」の画面で、「現在のDNSレコード設定状況」の最上部にサブドメインの設定が表示されているのを確認して「設定する」ボタンをクリックします。
DNSレコード設定で「完了」と表示されれば、サブドメインの設定は完了です。
「お名前.com」のレンタルサーバーにサブドメインを設定する
「お名前.com Navi」にログインし、サブドメインを設定したいレンタルサーバーのコントロールパネルを開きましょう。
コントロールパネルを開いたら、左のメニューから「ドメイン」を選択、サーバーで利用しているドメインが表示されるので「サブドメイン」をクリックしましょう。
「サブドメインの追加」の「サブドメイン名」にサブドメインとして追加したい文字列を入力し、「追加する」ボタンをクリックしましょう。
入力したサブドメインが正しいことを確認して「追加する」をクリックします。
「サブドメインの追加が完了しました」と表示されれば設定は完了です。
コントロールパネルの「ドメイン」で、利用中のドメインの左側にある下向きの矢印をクリックすると、そのドメインの傘下にあるサブドメインが表示されます。
「お名前.com」のレンタルサーバーで新しくWordPressなどを立ち上げる際には、ここで追加したサブドメインがアドレスの選択肢として表示されるようになります。
まとめ
今回は、サブドメインの基礎知識と設定方法について解説しました。
サブドメインはドメインを拡張する技術で、本ドメインが持っているバリューを維持しつつ、完全な傘下ではない独自のURLを派生させられる点が魅力です。
機能面においてもコスト面においても非常に使い勝手が良いため、GoogleやYahoo!Japanなどの大手サイトも、サブドメインでヘルプページなどの周辺的な機能を提供しています。
サブドメインはサイトを運営するなら必ず覚えておきたいテクニックなので、本記事を参考に、その特徴や使い方を頭に入れておきましょう。
まずは検索!ドメインは早い者勝ち