もしかしてブラックリスト?メールが届かない時の確認と解除方法とは?
メール配信の際に、ご自身のドメインやIPアドレスが「ブラックリスト」に登録されてしまう事があるのをご存じですか?
ビジネスでもプライベートでもメールを利用してのやり取りはまだまだ多いですが、万が一スパムなどと見なされブラックリストに登録をされてしまうと、相手にメールが届かなくなってしまいます。
ここでは、ブラックリストに登録されているのか確認する方法、登録されてしまった理由・原因、そして登録を解除する方法についてわかりやすく解説していきます。
メールが届かない理由はブラックリスト?
メールが「急に届かなくなるトラブル」に見舞われたことのある方はいないでしょうか。
SNSをはじめ多彩な連絡方法がある昨今ですが、メールは今でも、もっとも確実で信頼性のあるコミュニケーションの手段として、ビジネスからプライベートまで、様々な場面で使われています。
そんなメールの送信や受信が行えないとなると、仕事や生活に大きな影響が出てくるため、メールのトラブルは早急に原因を突き止め、解決しておきたいところです。
メールが急に届かなくなった場合、疑うべき原因は次の4つです。
①メールアドレスの入力ミス
メールを送信できないトラブルでありがちなのが、メールアドレスの入力ミスです。
そんな単純なミスはありえないと思う方もいるかもしれませんが、実はメールが届かない原因の少なくない割合をメールアドレスの誤入力が占めています。
メールアドレスの誤入力の原因は、文字をキーボードで直接入力をしていることに尽きます。
可能な限りコピー&ペーストを使って入力の失敗や文字の脱落が起きないようにしましょう。
なお、ウェブサイトで公開されているメールアドレスの場合、自動収集で迷惑メールのターゲットにされるのを避けるために、メールアドレスの一部や@(アットマーク)の部分を、別の文字に置き換える処理がされているケースがあるので、その修正も忘れずに行いましょう。
②メールサーバーの容量が上限を超えている
メールアドレスを受信できない場合、メールサーバーの容量が一杯になって新しいメールを受け取れなくなっている可能性があります。
メールは1つ1つのデータ容量が小さいため簡単にメールサーバーの容量の上限に達することはありませんが、何年もメールサーバーをメンテナンスしておらず受信したメールが数万通にもなっていたりすると、容量を超えてしまうことがあります。
メールサーバーの容量の上限を超えている場合、メールの送付元には「user is over quota.」や「This account is over quota.」といったエラーメッセージが返送されます。
メールサーバーの容量オーバーの対処法は、サーバーに保存してあるメールを削除するか、サーバーの容量を増やすかのどちらかで、いずれもサーバー管理者の仕事になります。
③ウェブメールの迷惑メール排除機能
GmailやYahoo!メールなどのウェブメールには迷惑メールを自動的に判定して別のフォルダに隔離する機能が搭載されていますが、これにひっかかったせいでメールが受信トレイに現れないことがあります。
ウェブメールの迷惑メール排除機能では、メールの送信元や文面から迷惑メールかどうかを判断しており、かなり高い精度で選別してくれますがそれでも100%完璧とはいかず、読みたいメールが迷惑メールのフォルダに振り分けられることは珍しくありません。
必要なメールが届かないときは、まずは迷惑メールフォルダに振り分けられていないかを確認しましょう。
なお、迷惑メールフォルダのメールは一ヶ月程度で自動的に削除されるので、定期的に迷惑メールフォルダを開いて、重要なメールが誤って分類されていないかをチェックするようにしましょう。
④メールサーバーがブラックリスト登録された
インターネットには、Spamhaus(スパムハウス)やSpamCop(スパムコップ)といった迷惑メールの排除を目的とした組織があり、迷惑メールの発信源となっているメールサーバーの情報をまとめたブラックリストを提供しています。
多くのメールサーバーは、このブラックリストの情報を利用して迷惑メールの選別を行っているため、利用しているメールサーバーがブラックリストに掲載されると送信したメールが相手に届かなくなります。
この場合の解決方法は、ブラックリストの運営組織に連絡してブラックリストからメールサーバーのIPアドレスを除外してもらうしかありません。
メールのブラックリストとは?
メールが届かなくなる4つの原因の中で、もっとも解決が難しいのが4つ目にお伝えした「ブラックリストへの登録」です。
ブラックリストとは、迷惑メールの発信源となっているメールサーバーの情報が記載された一覧で、DNSBL(DNS Blackhole List)あるいはRBL(Real-time Blackhole List)と呼ばれています。
多くのメールサーバーはこのブラックリストを参照して危険なサーバーからの接続を拒否し迷惑メールの拡散を防いでいるわけですが、ここで注意したいのは、ブラックリストはメールアドレスを記録したリストではないということです。
ブラックリストに登録されているのは、あくまでメールサーバーのIPアドレスやドメインであって、個人の連絡先が登録されることはありません。
迷惑メールはメールサーバーから数百、数千単位の規模で送信されますが、そのメールサーバーの所在を押さえることで迷惑メールの流通を根本から防ぐのがブラックリストの役割です。
利用しているISP(プロバイダ)や企業のメールサーバーが何らかの理由でブラックリスト入りすると、そのメールサーバーを経由して発信される全てのメールが迷惑メールと判定されるため、メールが送付先に届かなくなります。
ブラックリストの仕組み
ブラックリストの仕組みについて確認しましょう。
上述したようにブラックリストは、SpamhausやSpamCopといった団体が公開している、迷惑メールを送信しているサーバーのIPアドレスやドメインを列挙したリストです。
ブラックリストには、危険度の高いメールサーバーのIPアドレスもしくはドメインと、その評価が記載されています。
多くのメールサーバーはこのブラックリストをメールの送信元の安全確認に利用していて、受け取ったメールを各ユーザーに転送する際に参照し、危険度の高いものは受信自体を拒否、迷惑メールの可能性の高いものは別フォルダに分類するといった処置を取っています。
主なブラックリストの種類
メールのブラックリストは複数の国際組織が運営しており、世界的な規模でブラックリストを共有することにより、迷惑メールの根絶を目指しています。
ここではブラックリストを提供している代表的な2つの組織を紹介します。
Spamhaus
1998年に発足した迷惑メール対策組織がSpamhaus(スパムハウス)です。
国際的な活動を展開しているNPOで、迷惑メール対策のブラックリストを提供している組織の代表格です。
迷惑メールの排除に強力な効果を発揮するブラックリストで、個人から企業まで幅広く利用されています。
SpamCop
SpamCop(スパムコップ)も1998年に設立された、Spamhausと双璧をなす有名な迷惑メール対策組織です。
個人向けのサービスとして発足しており、ユーザーからのスパムの報告を受け付け、その情報を元にした迷惑メールのフィルタリングシステムを提供しています。
この他にもブラックリストを提供している組織は多くあり、国内でも「gmo-rbl.jp」などが迷惑メールを配信するメールサーバーのブラックリストを提供しています。
ブラックリストに登録される3つの原因
メールサーバーがブラックリストに登録されるのは、どのような行動が原因なのでしょうか。
ここではメールサーバーがブラックリスト入りする原因になる3つのアクションを解説しましょう。
スパムトラップにメールを送る
ブラックリストが迷惑メールの発信源のサーバーを特定する方法のひとつにスパムトラップがあります。
これは使われていないメールアドレスを迷惑メール受信用に開放して、スパムを捕捉するトラップ(罠)を張り、そこに送られてきた迷惑メールから発信源のメールサーバーを突き止めるという手法です。
メールマガジンなどで大量のメールを発信する際に、このスパムトラップが送付先に含まれていると迷惑メールと判断されてサーバーがブラックリスト入りする可能性があります。
無効なメアドにメールを送り続ける
存在しないメールアドレスに何度もメールを送り続けた場合も、サーバーに対するサイバー攻撃と見なされ、ブラックリスト入りする危険があります。
無効なメールアドレスにメールを送信し続けると、メールサーバー側からは不正なログインを執拗に試みるリスト型攻撃の一種として捉えられ、ブラックリストに登録されてしまうことがあります。
同じサーバーに迷惑メールの配信者がいる
ブラックリストは迷惑メールの発信源のメールサーバーを捕捉してリストに登録しています。
そのため同じメールサーバーを利用しているユーザーが迷惑メールを発信している場合は当然、ブラックリストに登録される可能性が高くなります。
この場合、ブラックリストへの登録は誤認ではなく正当な対応なので、ブラックリストからの解除を申請する前に、そのユーザーの利用権限を剥奪するなどの抜本的な対策が必要になります。
ブラックリストのチェックと解除方法
ブラックリストにメールサーバーが登録された場合、解除するにはサーバーの管理者がブラックリストの運営団体に連絡し、安全なサーバーであることを認めてもらわなければなりません。
この作業はサーバー管理者以外には行えませんが、管理者以外のユーザーであってもデータベースを参照することでサーバーがブラックリストに登録されているかを確認することは可能です。
ここでは、利用しているメールサーバーがブラックリストに登録されているかどうかを確認する手順について解説します。
メールサーバーのIPアドレスでブラックリストを検索
まずは、メールサーバーのIPアドレスもしくはドメインを調べた上で、ブラックリストのデータベースを検索しましょう。
ブラックリストは複数の団体が提供しており、個別に検索するのは手間がかかるので、ブラックリストを横断検索できるサービスを利用するのがおすすめです。
ここでは「blacklistalert.org」を利用して、ブラックリストをまとめて横断検索してみましょう。
「blacklistalert.org」を開いて、調べたいメールサーバーのIPアドレスもしくはドメインを入力して「click」をクリックしましょう。
主要なブラックリストのデータベースを対象に、IPアドレスやドメインが含まれていないかの検索が行われます。
ブラックリストに該当がなかった場合は「OK」が表示されますが、登録が見つかった場合は「Listed!」と赤字で表示されます。
ブラックリストからの除外を申請する
IPアドレスがブラックリストに登録されていることが分かったら、サーバーの管理者に連絡してブラックリストの運営団体と交渉してもらい、ブラックリストから外してもらいましょう。
ここではSpamhausのブラックリストに登録されている情報を解除する手順を解説します。
Spamhausのブラックリストのチェックページを開いて、IPアドレスもしくはドメインを入力し、「Lookup」をクリックします。
ブラックリストに登録されている情報が発見されたら「Show details」をクリックしましょう。
「I am running my own mail server」のチェックボックスを有効にして「Next Steps」をクリックしましょう。
名前とメールアドレスを入力し、ブラックリストからメールサーバーを除外してほしい旨を記載して「Submit」をクリックしましょう。
これで完了です。
まとめ
今回は、メールが急に届かなくなるトラブルの原因、中でもブラックリストに登録された場合の対処法について解説しました。
メールが届かなくなるトラブルの中でも、ブラックリストは特に対処が難しいもののひとつです。
まず、同じサーバーを利用している他のユーザーが原因で発生した場合、突然メールが使えなくなる上に自身に心当たりがないため、ブラックリストに入れられたこと自体に気付きにくいということが挙げられます。
また、解決策についてもユーザー側で打てる手はなく、サーバー管理者にブラックリストの運営側と交渉してもらうしかないため、サーバー管理者の動きが鈍いと問題が長引く可能性があります。
いずれにせよ重要になるのはメールのエラーメッセージで、その文面からブラックリストに登録されたことをいち早く見抜くことが解決の鍵になります。
メールが急に届かなくなったら、エラーで戻ってきたメッセージにどんな内容が書かれているのか、検索や翻訳を駆使して明らかにするところから始めましょう。
独自ドメインを取得するなら「お名前.com」
「お名前.com」は、国内No.1のドメイン登録サービス。独自ドメインと合わせて、WordPressの自動インストールに対応したレンタルサーバーも利用できます。
WordPressや独自ドメインを一度も使ったことのない人でも、スムーズに始められるはず。
独自ドメインを取得しようと考えている方は、無料で好きなドメイン名を検索してみましょう。
まずは検索!ドメインは早い者勝ち