ブログで正しく引用するには?書き方やルール、注意点を解説
ブログを書いていると、他のサイトの文章を自分のブログに引用したいと思うことがあるのではないでしょうか。
引用することで記事の情報を補足できたり、読者に伝わりやすくなったりと非常に便利ですよね。
しかし、引用にはルールや条件があることをご存知でしょうか。
もしルールを守らずに他のサイトの文章や記事を使用してしまうと、厳しい罰則が発生する可能性があります。
思わぬトラブルに見舞われる可能性を避けるためにも、引用のルールについて正しく理解しておきましょう。
今回は、ブログで引用する際の正しいルールや書き方、注意点について詳しく解説します。
ブログにおける引用のルールとは?
引用とは、他の人が作成した文章などの著作物を自分の制作物の中で使用することです。
著作物には文章などの文芸品、イラスト、音楽、美術、映画、コンピュータプログラムなどが該当し、著作権法で保護の対象となります。
他人の著作物を引用する際にはルールが定められており、正しく守らないと著作権を侵害することになるのです。
文化庁で定められている引用のルールは以下のとおりです。
引用における注意事項
他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合、すなわち引用を行う場合、一般的には、以下の事項に注意しなければなりません。
(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど、自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
上記のルールについて詳しく解説します。
他人の著作物を引用する必然性があること
自分のブログ記事に他人の著作物を引用する必然性があるということが引用の条件となります。
例えば、自分の考えを証明するために、外部サイトのデータを用いることには必然性があると言えます。
客観的に考えて、記事の内容を補足するために引用が不可欠であるかどうかよく確認しましょう。
自分の著作物と引用部分とが区別されていること
自分の制作部分と引用部分がはっきりと視覚的に区別できるようにしましょう。
他人の文章を引用する際には、かぎ括弧をつけるなどして誰にでも引用部分がわかるようにします。
ブログでは引用タグを使用するのが一般的です。
引用タグは読者だけでなくGoogleに対しても引用部分を正しく伝えることができ、SEOの観点でも安心です。
引用タグの使い方については後ほど紹介します。
自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること
主従関係とは、メインとなるのが自分の著作物か、引用した著作物かということです。
引用の条件としてあくまでメインは自分の著作物で、引用部分はメインの補足である必要があります。
もし引用部分が記事の大半を占めている場合、主従関係が逆転しており引用のルールを守れていないことになります。
出所の明示がなされていること
引用する際には、どこから引用したのかわかるように引用元を明記します。
一般的に引用元のサイト名、記事名、URLなどを記載することが多いです。
書き方に厳格な決まりはありませんが、引用部分の下に「引用:〇〇」と記載し、リンクを貼るのが良いでしょう。
引用部分を改変しない
引用のルールとして、引用部分を改変しないというものがあります。
引用する文章は、こちらの都合で修正や部分的な削除などを行ってはいけません。
どうしても改変を行いたい場合は著作者の承諾が必要であり、勝手に改変することはルール違反となります。
ただし、(前略)や(以下略)などと記載して略している部分があることを明示すれば、引用部分を割愛することはできます。
引用と転載の違い
引用と似た言葉で「転載」がありますが、この2つの違いは自分の制作物と他人の制作物の割合にあります。
先に解説したように、引用は自分の制作物がメインで、他人の制作物は補足程度にとどめなければなりません。
引用はルールを守れば著作者に許可を得なくても使用できます。
一方、転載は他人の制作物が自分の制作物の割合より多く、メインとなっても問題ありません。
ただし引用のルールは適用されないため、著作者に使用許可を得る必要があります。
著作権法を侵害した場合の影響
引用の条件とルールについて解説しましたが、もしルールを守らずに著作権法を侵害した場合にはどのような影響があるのか、具体的に解説します。
損害賠償の請求
著作権法を侵害すると、著作権者から損害賠償を請求されることがあります。
この場合、使用した文章や画像の掲載料やライセンス料として請求されることが多いです。
自分のブログに他人の著作物を引用するのにルールを守らない場合、使用料を支払う必要があるのです。
刑事罰(罰金または懲役)
著作権違反と判断された場合、刑事罰が科される可能性があります。
10年以下の懲役か1000万円以下の罰金のいずれか、もしくは両方です。
また業務上で著作権侵害をしてしまうと、個人だけでなく会社にも罰則が科されます。
法人に対する罰金は上限が3億円となり、非常に重い罪であることがわかります。
SEO評価の低下
引用ルールはSEOの評価にも影響します。
正しく引用を行わないと検索エンジンが重複コンテンツと判断し、ペナルティが発生する可能性があります。
また、自分の書いた文章より引用部分が多い場合にもペナルティの対象と判断されます。
ペナルティを受けると検索順位が低下し、これまで積み重ねてきたSEO評価も無駄になってしまうので注意しましょう。
ブログの閉鎖
著作権を侵害された人は、侵害しているブログの公開停止や削除を求めることができます。
ブログサービスを提供するプロパイダに対してデータ削除の申請ができ、プロパイダは著作権侵害を放置すると損害賠償を負います。
そのため削除申請があった場合、プロパイダはブログのデータを削除せざるを得ません。
著作権を侵害することでブログのデータが削除され閉鎖に追い込まれる可能性は大いにあり得ます。
ブログでの引用の正しい書き方
引用はルールをきちんと守って行わないと、多くの悪影響が出てしまいます。
ここでは、ブログで正しく引用を行う方法について具体的に解説します。
引用箇所を視覚的にわかるようにする
引用箇所の文章を自分の文章とわかりやすく区別できるようにしましょう。
引用する内容には引用タグを使用します。WordPressでは「blockquote」タグを使うことが一般的です。
やり方はとても簡単で、ブロックエディターで「引用」を選択し、引用したいテキスト、引用元を入れるだけで、引用部分をわかりやすく明示できます。
引用元を明記する
どこから引用したのか、引用元を必ず明記しましょう。
記載方法に厳格な決まりはなく、引用元がわかれば問題ありません。
「引用:〇〇」「出典:〇〇」と記載して〇〇部分のテキストにリンクを挿入することが多いです。
混同しがちな引用、参考、出典という言葉には以下のような意味の違いがありますので、理解しておきましょう。
引用:他の著作物からそのまま使用すること
参考:他の著作物の内容を要約して使用すること
出典:引用や参考にした著作物
書籍の文章をブログに引用する場合
書籍の文章をブログに引用する際も同様に引用元をきちんと記載します。
出版社名や出版年なども記載すると親切ですが、決まりはありません。
最低限「著者名」と「書籍名」は必ず明記するようにしましょう。
ブログで引用する際に注意するポイント
実際にブログで引用する際には正しい方法で行い、さらに以下のポイントに注意すると安心です。
引用元のルールを確認する
引用は正しくルールを守れば、著作者に使用許可を得る必要はありません。
しかし、引用元のサイトによっては使用料の発生、商用利用の禁止など、独自のルールを定めていることもあります。
引用する際には念のためサイトの利用規約を確認しておくと安心です。
ルールがわかりにくい場合は引用元に直接問い合わせてみるのも良いでしょう。
歌詞の引用はJASRACの許可が必要
JASRACが管理している楽曲の歌詞をブログに掲載するには、JASRACへの許諾手続きが必要です。
ただし、ブログサービスの運営事業者がJASRACと許諾契約を締結していれば、個別に許可を得なくても歌詞を掲載できます。
歌詞を引用したい場合には、自分が利用するサービスがJASRACと許諾契約を結んでいるか確認しましょう。
SNSの引用は埋め込み機能を利用する
他人のSNSの投稿を掲載したい場合も、引用の条件やルールを満たしていれば問題ありません。
SNSの投稿をブログに掲載する際には埋め込み機能を利用しましょう。
各SNSの利用規約にも、埋め込み機能を使って引用や転載を承諾する旨が記載されています。
しかし、「無断転載禁止」と記載のあるアカウントに対しては、トラブルを避けるため引用は控えるか、運営者に確認しましょう。
画像の引用にも注意
文章だけでなく、画像を引用する際にも注意が必要です。
基本的な引用のルールは文章も画像も同じですが、画像の場合はパブリシティ権にも注意しなければなりません。
パブリシティ権とは、有名人の氏名や肖像などに生じる経済的な価値を本人が独占できる権利です。
アフィリエイトブログは収益が発生するため、アクセス数アップを目的に有名人の写真などを使用すると広告利用とみなされ、パブリシティ権の侵害にあたる可能性があります。
著作権フリー・商用利用OKの画像素材サイトはたくさんありますので、なるべくそういった素材を使用すると安心です。
著作権者への敬意を忘れない
日々ブログを書いている方ならよく理解できると思いますが、良質な文章を書いて記事を作り上げることは簡単なことではありません。
著作者は労力をかけて著作物を制作していますので、引用する際には著作者への敬意を忘れないようにしましょう。
引用のルールを守らなければもちろん違反者にペナルティが発生しますが、著作権を侵害された著作権者への被害も大きいです。
もし自分が苦労して制作した記事が誰かに無断で転載されていたら、どのような気持ちになるでしょうか。
自分の記事の質を上げるために引用を行う場合、引用元の著作者の立場に立って考え、敬意を払って行動しましょう。
まとめ
今回は、ブログにおける引用の条件やルール、注意するポイントについて解説しました。
他の人の書いた文章や記事を引用することにはメリットが多いですが、間違った引用をしてしまうと著作権違反になってしまうため、今まで難しく考えていた方も多いのではないでしょうか。
ブログでの引用はきちんと条件を理解し、ルールを守れば法的にも問題のない行為です。
無意識に著作権違反をしてしまわないよう、引用する度にルールは再確認しましょう。
引用元の著作権者に敬意を払い、自分がどう発信していくかを考えながら行動することがもっとも重要です。
ぜひこの記事を参考に、ルールをきちんと守って効果的な引用を行い、ブログ記事の質を高めることにつなげてください。