ZACとは|主な機能や特徴、導入するメリットを解説
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- ZACは、知的サービス業に求められる基幹業務管理を一元化した垂直統合型のシステム
- プロジェクト・案件・売上明細の3階層で売上を管理でき、個別原価計算の自動化が可能
- 販売管理や経費管理など必要な機能と、ライセンス数だけを組み合わせて利用開始できる
ZACとは、知的サービス業・プロジェクト型ビジネスに最適化された業種特化システムで、幅広い企業規模に対応可能なクラウドERPです。低コストで優れたプロジェクト損益管理ができます。本記事では、ZACの特徴や主な機能、導入するメリット、料金体系などを解説します。
ZACとは
ZACとは、プロジェクト型ビジネスの業界特有の商慣習・機能要件に対応した、業種特化システム・クラウドERPです。具体的にはIT・広告・クリエイティブ・コンサルティング業といった業種に向けた機能を搭載しています。
タイムリーな損益管理や未来の売上・利益予測、内部統制の構築などにより、あらゆるプロジェクト型ビジネスの業務を効率化し、さまざまな課題を解決できます。
本記事では、ZACの特徴や主な機能、導入するメリットなどについて解説します。基幹業務を効率化しながら、従業員の負担や作業ミスを削減したい場合は、ぜひ参考にしてください。
ZACの特徴
ZACは、営業活動・経営の改善や、内部統制の強化などにつながる独自の特徴があります。ここでは、ZACの特徴について詳しく解説します。
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基幹業務管理を一元化した垂直統合型のシステム
ZACは、基幹業務管理を一元化した垂直統合型のシステムで、経営判断のスピード・質を向上させることができます。
単一業務の管理に特化した水平型のシステムとは違い、売上・仕入・労務費・販管費といった経営データが、案件・部門・クライアントなどのセグメント別でタイムリーに集約されるため、「経営の見える化」が実現します。
例えば、売上・利益予測の確実な把握や、ボタンひとつで経営データをスピーディに入手でき、さまざまなデータを活用して営業活動と経営の改善を図ることが可能です。
プロジェクト・案件・売上明細の3階層で売上を管理
ZACではプロジェクト・案件・売上明細の3段階で売上を管理できるため、精度の高い損益管理・原価管理を行えます。具体的には、プロジェクト単位のデータ一元化や、案件ごとのタイムリーな粗利益の把握、個別原価計算の自動化が可能です。
プロジェクト型ビジネスでは工数を含めた原価が頻繁に変動し、利益率の評価がしづらいです。しかし、ZACでは、それぞれの案件に複数の原価を紐付けられるため、プロジェクト全体の損益から売上明細ごとの利益額まで可視化できます。
予算計画立案から差異分析までの強力なプロジェクト管理機能に加え、原価計算とそれに伴う業務処理をサポートする各種原価計算機能を備えており、煩雑なプロジェクト収支管理の課題解決が可能です。
内部統制の強化と業務効率化を同時にサポート
ZACは、電子申請・ワークフローのログ自動保存による証跡管理が可能です。また、見積から請求まで二重入力の心配がないシングルインプット設計です。そのため、内部統制の強化と業務効率化を同時にサポートし、「財務報告の信頼性」を確保できます。
例えば、見積作成や発注などの業務処理を行うと、自動で電子申請・ワークフローが機能します。ワークフローは柔軟に設定変更が可能です。承認履歴と操作ログも自動で保存されるため、証跡管理も簡単に行えます。
また、ユーザー単位・画面単位で細やかな権限設定が可能であり、職責に応じた適切な統制を図れます。さらに、内部統制の強化だけでなく、数字の正確性の担保や適切な営業活動に向けた機能も豊富に搭載しており、集計作業の効率化とリスク管理の徹底が可能です。
ZACの主な機能
ZACには基幹業務におけるプロジェクト管理に欠かせない、さまざまな機能が搭載されており、案件・プロジェクト型ビジネスをサポートします。ここでは、ZACの主な機能について詳しく解説します。
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販売管理
販売管理の機能では、案件・プロジェクトの見込・引合管理から顧客管理、受注、売上、請求、債権管理に至るまで、販売管理のプロセス全体を一元管理できます。ZACはクラウド型のため電子帳簿保存法・インボイス制度など、各法令への自動アップデートに対応しています。
受注確度管理や案件・プロジェクト管理機能により、受注の可能性が高い見込み顧客の追跡、売上予定の精確な計画立てができるため、効率的な販売プロセス管理の実現が可能です。
また、見積管理にはワークフロー機能が搭載されており、承認プロセスを自動化します。見積作成についても申請、捺印済み見積発行の処理を同一画面上でスムーズに行えます。販売管理プロセスの自動化により、販売活動の迅速化と精度の向上に役立ちます。
購買管理
購買管理は、発注予定管理から発注・仕入・支払・債務管理まで、購買業務全体を管理できる機能です。発注予定の段階からシステムへの入力が可能であり、売上項目に対して仕入・外注を紐づけて登録・管理できます。
そのため、どの売上に対応する仕入・外注かが一目でわかります。納品後に検品が完了したら、発注管理画面から仕入登録の処理を行うことで、システムに債務が登録されます。
登録した予定日を過ぎても発注・仕入がされない案件や、支払登録の行われていない債権には、システムがアラートの表示・通知を行います。発注・仕入処理・支払いのモレなど、ミスの未然防止が可能です。
工数管理
工数管理の機能によって、勤怠管理・工数管理を一元化し、プロジェクトや作業工程別の作業時間集計が行えます。精度の高いプロジェクト別の個別原価計算をはじめ、出退勤管理や休暇申請、業務報告などの機能も搭載し、勤怠管理システムとしての利用も可能です。
例えば、案件ごとに作業時間を入力すれば、「どのプロジェクトに」「誰が」「何時間」関わったかが明らかになります。また、作業工程単位で時間集計をし、ムダが発生している作業など、業務分析として活用できるデータの取得も可能です。
さらに、予定表と自分が入力した履歴、アサインされている案件を基にした候補を表示し、工数明細として引用できます。スマホに最適化した画面も用意されているため、簡単に勤務時間の入力と申請が行え、スキマ時間の有効活用が可能です。
経費管理
経費管理機能では、申請・承認・精算・支払のフローを自社の経費精算規程に沿って整備し、発生した経費がどの案件で使用されたものなのかを紐づけて管理できます。
申請項目やワークフローは経費種別ごとに設定が行え、利用後の精算申請のみの経費処理、利用前に申請が必要な経費処理などの経費精算フローの構築に対応しています。出張旅費などは必要に応じて仮払いを行うフローとして設定が可能です。
また、システムは経費の種別に応じて入力欄の表示・非表示が切り替わり、常に必要最小限の入力項目が表示されるため、従業員が迷わず簡単に入力できる仕様です。さらに、1度登録した経費データはコピーが可能であり、経費申請・精算の手間を削減できます。
工程管理
工程管理は、プロジェクトの「作業進捗」と「原価進捗」を一元管理できる機能です。スケジュールや実績コストに対する出来高を把握することで、プロジェクトが抱える問題点に素早く対応し、タイムリーかつ正確な工程管理が行えます。
プロジェクト全体のスケジュールはガントチャート形式での可視化により、各工程の進捗度がイナズマ線で一目でわかります。また、プロジェクトのパフォーマンスは、EVM(Earned Value Management)の指標をグラフ化して表示することが可能です。
ガントチャートから追加した従業員や予定工数は、プロジェクト全体の収支を管理する画面にデータ連携し、予定原価として反映できます。そして、業務報告書で入力された工数が各工程に自動でチャージされ、正確な実績工数のタイムリーな把握が可能です。
ZACを導入するメリット
ZACを導入することで、作業漏れ・遅れの防止や、低コストで自社の業務に合った運用ができるなどのメリットが得られます。ここでは、ZACを導入するメリットについて解説します。
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経理業務のシステム化で作業漏れ・遅れを防げる
ZACを導入し、請求発行・入金消込やFBデータ出力などの債権・債務管理から、経費精算、勤怠時間計算など、煩雑になりがちな各種経理業務をシステム化することで、作業漏れ・遅れを防げます。
ZACに入力された各種データは、システムが自動的に仕訳データへと変換するため、経理担当者による現場の情報収集や、部門間・システム間のデータ再入力が不要です。さらに、すでに利用中の財務会計ソフトとのデータ連携で、月次決算の早期化が実現します。
転記や二重入力の心配がなくなり、月次決算にかかる工数を大幅に削減できるため、経理担当者の負担を減らしつつ、大幅な業務効率化が可能です。
低コストで自社の業務に最適なシステムを導入できる
ZACはクラウド型のシステムであることから、自社サーバーの管理を必要とせず、保守管理にかかるコストや管理業務を削減できます。さらに、スクラッチ開発と比べ、法改正にも自動でアップデート対応するため、運用後のトータルコストを抑えることが可能です。
また、業種独自の業務管理に対応する約2,000の機能パラメータがあり、自社の業務ニーズに最適な業界標準のクラウドERPを導入できます。
機能アップロードは随時リリースされます。ライセンス制の価格設計のため、必要な機能のみを選んで導入し、柔軟な運用ができるクラウドERPパッケージである点も魅力です。
損益の着地見込みを把握して赤字案件を防止できる
ZACは、各プロジェクトにおける作業の実績時間だけでなく、予定売上や見込み原価を登録し、工数オーバーして利益率が悪化している案件・工程を可視化できます。月中も案件のタイムリーな損益着地見込みがわかるため、赤字案件の防止が可能です。
プロジェクト進行中の損益管理では、売上と原価が正しく集計がされていないと正確な損益状況が把握できません。そして、未登録だった原価が突然増え、大幅な赤字になってしまうことも考えられます。
しかし、ZACでは案件・プロジェクト別の予算実績対比や利益率予測が見える化し、異変が起きているポイントをすぐに発見できるため、意図しない赤字プロジェクトの減少が可能です。
ZACの口コミ・評価
ZACを実際に導入したユーザーからは、「今までハンコを押して決裁していた書類は、ZACのワークフロー機能で電子申請・承認に置き換わり、圧倒的に作業が楽になりました」と評価されています。
ZACを導入すると、決裁者が不在の場合でも承認がスムーズに進むようになり、承認の滞留を発生させることなく、迅速かつ効率的な処理ができるようです。
また、「勤怠状況や工数確認が一目瞭然で分かりやすい」と評価する声もありました。基幹業務管理の一元化で必要な情報を見つけ出しやすい機能性が高く評価されていることがわかります。
ZACの料金体系
ZACの導入時は、初期設定費用10万円と導入支援費用を合わせた初期費用、月額費用のライセンス費用と保守費用(データセンター利用料)が必要です。導入支援費用は、自社の要件やプロジェクト体制で異なり、利用範囲や条件によっては0円にすることも可能です。
ライセンス費用に関しては、機能ごとにライセンスが別れているため、自社に必要な機能とライセンス数を契約する料金モデルです。なお、契約後もライセンスの拡張・縮小は自由に変更できます。
また、ZACの利用中にデータセンターの利用とデータを保持するための費用として、ライセンス数に応じた月額6万円〜の保守費用が発生します。
初期費用 | 月額費用 |
---|---|
・初期設定費用:10万円 ・導入支援費用 | ・ライセンス費用機能(モジュール)×ライセンス数 ・保守費用(データセンター利用料) |
ライセンス費用 | 導入支援費用 | 保守費用 |
---|---|---|
各ライセンス価格×機能ご利用人数 | ・フリープラン:0円 ・スタンダードプラン:都度見積もり | 6万円~/月 |
※価格はすべて税抜
参考:価格
ZACの導入の流れ
ZACを導入する際は、はじめに専任営業担当がヒアリングや機能説明、ご利用提案、操作デモンストレーションを行います。続いて、契約に進む場合は利用方法・利用機能・利用人数を決定し、注文および契約締結の運びとなります。
その後、導入プロジェクトメンバーによるキックオフにて、導入作業のスケジュール、手順、タスクなどを共有します。そして、自社の業務フローや機能要件の確認、ZACの機能パラメーターを、実際の画面操作を確認しながら調整します。
調整後は、マスタ・会計科目の設定や、システムから出力される帳票の仕様・デザイン・種類を決定します。最後に、社内向けの利用説明会やへ移行稼働を行い、ZACの利用開始です。
ZACを導入する際の注意点
ZACを導入する際は、注意点が2つあります。1つ目は、導入完了まで最短で3ヶ月、平均で半年ほどかかることです。導入を急ぐ場合は、いつまでに導入したいかを明らかにし、問い合わせの際に担当者と納期のすり合わせを行いましょう。
2つ目に、自社運用に合わせてカスタマイズが可能なものの、ZACのパラメータ範囲で対応しきれない場合は上位版「ZAC Enterprise」での対応になります。カスタマイズしたい内容が多い場合、必要な機能や予算など、事前に優先順位を定めておくことが大切です。
まとめ
ZACとは、案件・プロジェクト型ビジネスに必要な、さまざまな経営管理・商慣習・機能要件に対応した業種特化のクラウドERPです。精度の高い損益管理・原価管理や、基幹業務管理の一元化により、企業の課題解決と業務効率化を実現します。
煩雑になりがちな経理業務のシステム化や証跡管理、シングルインプット設計などにより、担当者の作業ミスを防止しながら負担を削減し、内部統制の強化にも期待できます。さらに、法改正への自動アップデートに対応しているなど、長期的な利用でも安心です。
プロジェクト型ビジネスの業務を効率化し、タイムリーに損益管理をしたい場合や、さまざまなデータを活用して営業活動と経営の改善を図りたい場合には、ZACの導入がおすすめです。