おすすめの標的型攻撃対策ツール10選|選び方・比較ポイントも解説
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- 標的型攻撃対策ツールは、自社に必要な対策の種類・機能・対象規模を確認して選ぶ
- PCの動作への影響やベンダーのサポート体制、費用対効果もチェックする
- 導入時は目的と必要な機能を洗い出し、無料トライアルで使いやすさを確認する
標的型攻撃対策ツールとは、特定の企業や組織を狙ったサイバー攻撃を即座に検知できるツールです。通常のウイルス対策ソフトでは対処できない攻撃を避けるために、導入が推奨されます。この記事では、おすすめの標的型攻撃対策ツールや選ぶ際の比較ポイントを解説します。
目次
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標的型攻撃対策ツールでサイバー攻撃を防止
標的型攻撃とはサイバー攻撃の一つで、特定の企業や組織をターゲットに不正プログラムを送り込み、情報を盗み取ったり企業内のシステムを破壊したりする行為です。そして、それらの攻撃に備えるためのツールが標的型攻撃対策ツールです。
標的型攻撃には、不正ファイルの添付やリンクのあるメールを送りつける手口や、Webサイトから不正プログラムをダウンロードさせる手口などがあります。標的型攻撃対策ツールは、それらの手口から自社のコンピューターを守るためにさまざまな機能を備えています。
標的型攻撃対策ツールの導入により、サイバー攻撃を防止できますが、完全に防ぐことはできません。しかし、サイバー攻撃を受けても被害を最小限に抑えることはできます。また、専門的な知識がなくても標的型攻撃対策ができるのもツールを導入するメリットです。
標的型攻撃対策ツールにはさまざまな製品があり、どれが自社に合っているのか迷うケースも多くあります。そこで本記事では、標的型攻撃対策ツールを選ぶ際のポイントの解説を交えて、標的型攻撃対策ツールを強み別に紹介します。
標的型攻撃対策ツールとは?導入のメリットや比較のポイントも解説
標的型攻撃対策ツールとは、企業や組織を狙ったサイバー攻撃に対して、即座に検知し保護するツールのことです。この記事では、標的型攻撃対策ツールの機能や導入のメリット・デメリット、ツールを選定する際の比較ポイントなどについても詳しく解説していきます。
標的型攻撃対策ツールは対策の種類・機能・対象規模で選ぶ
標的型攻撃対策ツールは、多くのベンダーからさまざまな種類の製品が提供され、その中から自社の対策に最も適したツールを選択する必要があります。そのためには、下記の3つの重要ポイントに沿って、ソフトの種類や機能・対象規模で選ぶのがおすすめです。
次の章では、3つの重要なポイントを詳しく解説し、それ以降で下記のその他の比較ポイントについて解説していきます。
【重要なポイント3つ】
- 自社に必要な対策の種類を確認
- 必要な機能があるか
- 自社の規模に合っているか
【その他の比較ポイント】
- PCの動作に大きな影響がないか
- サポート体制は十分か
- 費用は適正か
標的型攻撃対策ツールの選び方で重要な3つのポイント
標的型攻撃対策ツールは自社に適した製品を導入しないと、効果的な運用ができない恐れがあります。ここでは、より高い導入効果をあげられる製品選択をするために重要な下記の3つのポイントについて詳しく解説します。
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標的型攻撃対策ツールの選び方で重要な3つのポイント
自社に必要な対策の種類を確認
標的型攻撃への対策には、「入口対策」「内部対策」「出口対策」の3つの種類があります。それらの対策をすべて講じることにより、被害を最小限に抑えることができます。
標的型攻撃対策ツールでは、3つの対策すべてを行っていますが、どれか1つの対策に特化した製品も多く、ツールを選ぶ際の1つの指標となります。以下では、それぞれの対策について詳しく解説します。
入口対策
入口対策は、内部ネットワークへの侵入を防ぐための対策で、攻撃やウイルスを検知して駆除することや、非正規の端末を接続させないような対策を行います。ファイアウォールやIDS /IPS、スパムフィルター、エンドポイントセキュリティなどが該当します。
次々と新しい攻撃方法が出てくるため、常に最新の状態に保つ必要があります。入口対策は、標的型攻撃対策の必須要件であり、企業が第一に行うべき対策です。しかし、人的要因が絡む攻撃は、入口対策では防ぎきれないこともあります。
内部対策
内部対策は、入口対策で防げずにネットワーク内部に侵入したマルウェアを検知し、標的型攻撃による被害の拡大を防ぐ対策です。
代表的な対策がログ監視で、権限のない人からのアクセスに対して警告を発してその事実を知らせてくれます。加えて、従業員の社内ルールから逸脱した運用の抑止力にもつながります。
また、情報を持ち出されても解読できないようにするファイルの暗号化もよく行われている対策方法です。ほかにも、重要なデータを扱う端末をネットワークから分離できるツールもあります。
出口対策
出口対策は、入口で防げなかった標的型攻撃に対して、情報を持ち出せないようにするための対策です。近年では、入口対策よりも重視される傾向にあります。通常の動作と異なる不審な動きをするウイルスを見張り、警告してくれる検知機能も出口対策の1つです。
また、Webアプリケーションの脆弱性を突いた攻撃を防ぐためのWAF(Web Application Firewall)や、不審な動きをするプログラムを監視するサンドボックスなどの機能も出口対策となります。
必要な機能があるか
標的型攻撃対策ツールには、さまざまな種類があり、搭載されている機能も製品ごとに異なっています。したがって、標的型攻撃対策ツール導入の際には、自社が必要とする機能の搭載状況の確認が非常に重要です。
以下では、代表的な機能とその概要を紹介します。
機能 | 特徴 |
---|---|
サンドボックス | システムに影響しない仮想空間でメールの添付ファイルやリンクを展開し、動作確認後に危険を検知する |
DPI制御 | データ情報を基にフィルタリングなどを実施する |
プロトコル制御 | プロトコルに対し、アクセスへの許可や禁止を制御する |
振る舞い検知 | ソフトウェアの動きを常に監視し、不審が見られたら通知する |
偽装メール検知 | 悪意を持った第三者によるなりすましメールを検知する |
ログ監視 | ネットワーク通信のログを記録・管理する |
自社の規模に合っているか
標的型攻撃対策ツールによって、対象とする企業規模が異なります。そのため、費用対効果を高めるには、自社の規模(ユーザー数)に合ったツールの導入が重要です。全ての企業規模に対応できるツールもありますが、少人数利用はコストが負担になるケースが多いです。
ユーザーが少ない企業が導入する場合は、自社に適したユーザー数の製品や、1ユーザー当たりの月額料金が指定されたツールを選ぶのがおすすめです。これにより、コストパフォーマンスの高い運用が可能になります。
標的型攻撃対策ツールのその他の比較ポイント
標的型攻撃対策ツールの選択は、上記の重要ポイントのほかに、下記のポイントにも注目して自社に適合した製品を選ぶのがおすすめです。ここでは、標的型攻撃対策ツールの選択に必要なその他の3つの比較ポイントについて解説します。
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標的型攻撃対策ツールのその他の比較ポイント
PCの動作に大きな影響がないか
標的型攻撃対策ツールは常に動作しているため、利用しているパソコンに負担がかかり、動作が遅くなる場合があります。したがって、ツールを選択する際には、業務への影響を抑えられるツールの選択が必要となります。
パソコン動作が遅くなる度合いは、自社のパソコンスペックやインターネット環境によって異なり、公表されている数値だけでは判断できません。そのため、本格導入前の無料トライアルなどによって、自社環境で動作させて確認するのがおすすめです。
サポート体制は十分か
特に、企業内に情報を管理する専門部署がなく、標的型攻撃対策に詳しい人材がいない場合は、サポート体制が整ったベンダーの製品の導入がおすすめです。中には、モニタリングやウイルス駆除などの報告を24時間体制で行っているベンダーもあります。
サポート体制の確認では、サポート対応できる曜日や時間帯、無料サポートの範囲、有料サポートやサービスの種類などの確認をしましょう。
ベンダーによっては、攻撃された際に細かな分析報告をしてくれるサービスや、パソコンやサイトに何かあった場合のセキュリティ保険サービスなどを用意している場合もあります。
費用は適正か
標的型攻撃対策ツールの導入形態には、クラウド型とオンプレミス型があります。現在では、導入コストが抑えられて、運用が容易なクラウド型の導入が主流となっています。オンプレミス型は、導入コストは高額になりますが、カスタマイズ性が高いのが特徴です。
クラウド型ツールの導入にかかるコストとしては、導入時に必要な初期費用と毎月発生する月額費用があります。月額費用の料金体系は1ユーザーごとに設定されている場合もあれば、ユーザー数に関係なくサーバーごとに設定されているケースもあります。
多くの製品は、問い合わせによって料金がわかるような仕組みになっています。複数の自社に適したツールの見積もりを取って、自社の予算に合った最も費用対効果の高い製品を選びましょう。
おすすめの標的型攻撃対策ツール10選
GMOグローバルサイン株式会社
マネージドPKI Lite byGMO
GOOD
ここがおすすめ!
- 「二要素認証」によるシステムのセキュリティ強化を実現
- MDM連携で、「証明書管理」と「モバイルデバイス管理」を統合
- 配布方法は選択可能で、用途に合わせて簡単に取得できる
MORE
ここが少し気になる…
- サービス詳細は資料ダウンロードや問い合わせで確認
GOOD
ここがおすすめ!
- 豊富な機能とオールインワンな「多層防御」で高い防御力を実現
- 証明書の更新作業やwebサーバーのお手入れが不要
- 三井住友海上の「サイバーセキュリティ保険」が自動付帯し、もしもの際にも安心
MORE
ここが少し気になる…
- 契約期間は1ヶ月と縛りがあり、月額費用は無償お試しを利用しないと分からない
GOOD
ここがおすすめ!
- 検知率100%のグローバルトップブランドEDRを使用
- 「セキュリティオペレーションセンター」によるフルサポートを受けられる
- 最低購入数の制限がなく1ライセンスから申し込め、低価格で始められる
MORE
ここが少し気になる…
- アンチウィルスソフトを別途用意し、両方を利用することが望ましい
SB C&S株式会社
Symantec Endpoint Security
GOOD
ここがおすすめ!
- 別途提供している「SEP」にさらに防御機能を追加し、最高レベルの保護を実現
- より多くの標的型攻撃を検出できる独自の機能を搭載
- 世界でも利用・信頼のある14の基本機能が使える
MORE
ここが少し気になる…
- 基本的に12ヶ月単位での契約が必要で、永続ライセンスの提供はない
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
Menlo Security
GOOD
ここがおすすめ!
- 最大1ヶ月間の無料お試しが利用でき、じっくり検討できる
- 端末へのインストールはいらず、今まで通りの利用が可能
- 分離かつ無害化することで、新種ウイルスの対策も行える
MORE
ここが少し気になる…
- Menlo Security社の提供するライセンスのため、サイトからの申し込み上限がある
GOOD
ここがおすすめ!
- 新種のウイルス攻撃を検知して駆除するのではなく、ブロックという形で未然に防ぐ
- 設定が簡単で初心者でも導入しやすい
- 4プラン展開しており、企業のニーズに合わせて選べる
MORE
ここが少し気になる…
- セキュリティ関係で必要な動作まで制限されることがある
GOOD
ここがおすすめ!
- ログや揮発性データを定期的に収集し、90日間の保管が可能
- 週に1回分析・レポートを作成し、管理画面で詳細な確認が行える
- 速報通知により、初動の対応への遅れを大幅に短縮
MORE
ここが少し気になる…
- ログの管理がメインのため、ウイルス対策ソフトとの併用が効果的
GOOD
ここがおすすめ!
- 月1回のレポート配信があり、グラフで視覚的に状況把握が可能
- 専用のBOXを設置することにより、不正な通信を検知してブロック!
- NTT東日本のプロによるモニタリングとサポートが受けられる
MORE
ここが少し気になる…
- 専用のBOXの設置が必要で、同時接続台数によりプランが変わる
株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ
セキュアwebゲートウェイサービス
GOOD
ここがおすすめ!
- Webセキュリティ・マルウエア検知・CASBなどのセキュリティ機能を手軽に利用可能
- 端末にソフトを入れるだけで簡単に導入ができる
- 分散処理を行うことでアクセス集中を防ぎ、低遅延でのサービス提供を実現
MORE
ここが少し気になる…
- 契約は10ユーザーから可能
NTTテクノクロス株式会社
CipherCraft Mail 標的型メール対策
GOOD
ここがおすすめ!
- 「サイファークラフトメール標的型メール対策」による訓練の実施が可能
- 技術と人的対策の両方から対策が行える
- 導入タイプが複数あり自社のニーズにあわせやすい
MORE
ここが少し気になる…
- サイファークラフトメール(誤送信対策)との併用はできるが、別途契約が必要
標的型攻撃対策ツールの導入フローと注意点
標的型攻撃対策ツールの導入は、下記の手順にしたがうと、スムーズに行えます。ここでは、それぞれのフローにおける注意点について解説します。
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標的型攻撃対策ツールの導入フローと注意点
1. 導入目的・必要な機能を洗い出す
標的型攻撃対策ツールは、多機能なほど高額になる傾向があります。したがって、自社に必要な機能に重点を絞った費用対効果の高い導入を行いましょう。そのためには、製品選択に入る前に、現状で自社に欠けている対策を把握し、導入目的を明確にすることが重要です。
導入目的が明確になれば、自社に必要な機能の洗い出しができます。その際には、目的に応じて、必ず必要な機能とあるといい機能に分類し、あるといい機能には優先順位をつけると製品選びが行いやすくなります。
そして、数ある製品の中から必ず必要な機能を搭載した製品を選び出し、その中から自社の予算に応じてあるといい機能が搭載された製品に絞り込みましょう。
2. 無料トライアルで使いやすさを確認する
標的型攻撃対策ツールの多くは、一定期間無料で利用できる無料トライアルが設定されています。上記の方法で絞り込んだツールの見積りを取り、自社予算に見合う製品の無料トライアルを利用するのがおすすめです。
無料トライアルでは、自社での運用・管理の容易さや、業務に支障のあるパソコン動作の遅延などの確認がおすすめです。また、ベンダーのサポート体制や価格なども考慮して、自社に最も適したツールの導入を行いましょう。
3. 他のセキュリティ対策も併せて検討する
新しい攻撃手法は日々生まれているため、標的型攻撃対策ツールを導入しても絶対に安全というわけではありません。したがって、すべてをツールに任せるのでなく、他のセキュリティ対策も併せて検討することも大切です。
たとえば、OSやソフトウェアのバージョンを最新状態に保つことも重要なセキュリティ対策です。また、不審な添付ファイルやリンクを絶対にクリックしないなどを徹底させる従業員へのセキュリティ研修も重要です。
まとめ
標的型攻撃対策ツールとは、特定の企業や組織を狙ったサイバー攻撃を即座に検知して、データ漏えいを防いだりシステムを守ったりするツールです。通常のウイルス対策ソフトでは対応できない攻撃を防御できるために、多くの企業に導入されています。
ツール選択の際には、導入目的を明確にし、対策の種類と必要な機能を洗い出してから選ぶことが重要です。加えて、サポート体制や費用対効果をチェックし、最終的には無料トライアルを活用して、PCの動作への影響や使いやすさを確かめて導入するのがおすすめです。