おすすめのログ管理システム4選|選び方・比較のポイントも解説
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- ログ管理システムは、取得できるログの種類や量・機能の特徴を重視して選ぶ
- リアルタイムなログ収集が可能なもの、外部システムと連携可能なものがおすすめ
- 導入時は目的を明確にし、導入後は必要なログを取得するために適切な設定を行う
ログ管理システムを導入すれば、社内システムへの不正アクセスなどを早期に検知でき、セキュリティ強化に繋がります。しかし、数多くの製品があるため選定に迷う方も多いでしょう。この記事では、おすすめのログ管理システムや選び方・比較ポイントなどを解説します。
目次
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ログ管理システムで社内のセキュリティを強化
ログとは、社内システムやツールに対して、いつ・誰が・何をしたかを記録した履歴を指し、各システムに記録されているログを収集し、一括管理できるのがログ管理システムです。社内のセキュリティ強化や既存システムの活用促進などを目的に導入が進んでいます。
ログの一括管理により、社内システムへの不正アクセスを早期に検知でき、被害が出る前の対応が可能になります。また、社員がシステムを利用した操作記録を分析することで、システムの有効な利用の促進にもつなげられます。
ログ管理システムは、数多くの製品があり選定に迷う場合も多いです。そこで本記事では、ログ管理システムの選び方や比較ポイントなどを交えて、おすすめのログ管理システムをタイプ別に紹介します。
ログ管理システムとは?導入の必要性やメリット・デメリットを解説
ログ管理システムは、サーバーや端末上で行った操作履歴を収集し、監視・分析・管理するシステムです。この記事では、ログ管理システムの必要性やシステム導入によるメリット・デメリット、主な機能や選定のポイントなどを詳しく解説していきます。
ログ管理システムは取得できるログや機能の特徴で選ぶ
自社に合ったログ管理システムを選ぶのは非常に難しいです。しかし、取得可能なログの種類や量、ログ管理システムのタイプ、異常を知らせるアラート機能の3つのポイントを確認すると、自社に適したシステムを選びやすくなります。
次の章ではそれぞれのポイントを詳しく解説していきます。
【重要なポイント3つ】
- 取得できるログの種類・量を確認
- ログ管理システムタイプを確認
- アラート・通知の機能はあるか
【その他の比較ポイント】
- 導入形態を確認
- リアルタイムなログ収集が可能か
- 分析やグラフ化は可能か
- 外部システムと連携できるか
- 導入や操作は簡単か
ログ管理システムの選び方で重要な3つのポイント
ログ管理システムを選ぶ際には、下記にあるような3つのポイントに注目すると、スムーズなシステム選びができます。ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
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ログ管理システムの選び方で重要な3つのポイント
取得できるログの種類・量を確認
ログ管理システムによって取得できるログや、ログの保存量が異なっています。そこで、導入による費用対効果を高めるためにも、自社に必要なログの種類や量の搭載を確認することが重要です。
下記の表で、主なログの種類とその概要を紹介します。
種類 | 特徴 |
---|---|
操作ログ | ・誰が・いつ・どのファイルをどのように操作したかを記録 ・第三者の侵入の監視・エラー発生時の原因究明などに利用 |
認証ログ | ・誰が・いつログイン・ログアウトしたかを記録 ・認証の成功・失敗履歴を記録 ・サイバー攻撃の監視・ログイン失敗時の原因究明などに利用 |
イベントログ | ・システム内で起こった特定の現象や動作の記録 ・システムの不具合やエラー状況の記録 ・サイバー攻撃の監視・システムエラーの原因究明などに利用 |
通信ログ | ・サーバーと端末との間の通信内容の記録 ・通話履歴を記録する通話ログもあり ・通信環境の改善やサーバー負荷によるシステム障害の防止・内部不正防止などに利用 |
印刷ログ | ・印刷されたドキュメント情報の記録 ・ドキュメント名・プリンター名・印刷枚数・印刷時刻などの記録 ・機密文書の持ち出しの監視・内部不正の抑止に利用 |
設定変更ログ | ・システムの設定変更の記録 ・変更内容・変更者・変更日時などの記録 ・情報漏えいの監視・内部統制・内部不正抑止に利用 |
エラーログ | ・エラーや不具合の発生状況の記録 ・エラー内容・発生日時・発生時の状況などの記録 ・障害が起きた際の原因の特定に利用 |
ログ管理システムタイプを確認
ログ管理システムには大きく分けて、「統合運用管理」「特権ID管理」「監査ログ管理」「稼働状況管理」の4つのタイプがあります。
導入する際に、自社の要件に合ったタイプを選択することで、より効果的な運用ができるようになります。下記に、各タイプの特徴とおすすめな企業を紹介します。
タイプ | 特徴 | おすすめな企業 |
---|---|---|
統合運用管理 | ・各システムで取得されたログを集約 ・一元管理ログを一括分析できて業務を効率化 | ・ログ管理を効率化したい企業 ・全般的なセキュリティ管理をしたい企業 |
特権ID管理 | ・強力な権限を持つ特権IDの管理 ・データ書き換えやシステムの設定変更などの監視 | 特権IDを持つ従業員が多く監視が煩雑化している企業 |
監査ログ管理 | ・ルール通りの利用を確認するための監査ログを管理 ・問題が生じたときの事象と影響範囲の把握 ・不正行為者の特定 | 内部統制を強化したい企業 |
稼働状況管理 | ・従業員の操作ログで労働時間や業務内容を管理 ・PC稼働時間と勤怠の照合 ・従業員の業務内容の把握 | ・勤怠状況をPC稼働で管理したい企業 ・テレワークの業務管理を強化したい企業 |
アラート・通知の機能はあるか
不正なログインや利用を防ぐには、不正を感知した際にアラートで警告を発したり、メールやSMSなどで通知を送信したりしてその事実を知らせることが重要です。行われた不正に対してアラートや通知をせずに放置しておくと、情報漏えいが起こる可能性が高まります。
しかし、正当な利用でのアラートは、従業員の委縮してシステム利用に消極的になるケースがあるため、アラートや通知を行う条件を適切に設定する必要があります。製品を検討する際には、必ずアラートや通知機能の有無を確認しましょう。
ログ管理システムのその他の比較ポイント
自社に適したログ管理システムを選ぶには、上で解説した3つの重要ポイントのほかに、下記の5つの比較ポイントに注目するのがおすすめです。ここでは、各比較ポイントについて解説します。
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ログ管理システムのその他の比較ポイント
導入形態を確認
ログ管理システムの導入形態には、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、自社の方針や環境により適合する形態を選ぶ必要があります。
以下で、それぞれの導入形態の特徴やメリット・デメリットを解説します。
クラウド型
クラウド型は、インターネットを介してクラウド上にあるログ管理システムを利用します。既に構築されているベンダーのシステムを利用するため、導入コストを低く抑えられます。
初期設定を行えばすぐに運用開始ができ、早ければ1週間程度での運用開始も可能です。また、サーバーやシステムの保守や管理はベンダーが行うため、運用に手間がかからずサーバー管理の専門知識を持った人材の確保も必要ありません。
ただし、毎月の利用料金が発生し、長期的に見るとオンプレミス型よりも高額になる場合もあります。自社サーバーを保有していない企業や、初期費用にコストがかけられない企業におすすめの導入形態です。
オンプレミス型
オンプレミス型は、自社サーバーにログ管理システムをインストールして利用します。そのため、自社サーバーを用意してネットワーク環境を整えなければならないため、導入時の費用が高額になります。
また、サーバーやシステムの保守や運用、管理を自社で行うため、専門知識を持ったエンジニアの確保が必要です。運用までには、サーバーの設置・ネットワーク環境やシステムの構築などの作業があり、1~3か月程かかります。
ただし、月々の利用料は発生しないためランニングコストは抑えられます。オンプレミス型は柔軟なカスタマイズ性が魅力で、自社システムとの連携や機能追加などが容易にでき、自社に最適なログ管理システムが構築できます。
リアルタイムなログ収集が可能か
ログ管理システムがログを収集するタイミングは、1日1回などの定期的やイベント発生時、リアルタイムなど、システムによって異なっています。セキュリティ強化を目的に導入するなら、リアルタイムでログ収集できるものがおすすめです。
セキュリティ上の問題発生は発見が遅れると、被害が拡大する恐れがあります。なお、業務改善のためだけのログ収集であれば、定期的な収集でも支障はありません。
分析やグラフ化は可能か
ログの監視だけでは、ログ管理システムの効果は限定的なものになってしまいます。より幅広く活用するためには、収集したログを分析して結果を可視化できるものがおすすめです。セキュリティ強化だけでなく、既存システムの活用改善なども可能になります。
分析では、ログ記録の検索機能やさまざま集計ができる機能があると便利です。また、可視化では、ログの分析結果をグラフやチャートなどで見やすく表示できるものがおすすめです。
外部システムと連携できるか
ログ管理システムの中には、自社の既存システムと連携できるシステムもあります。既存システムとの連携により、ログ管理システムの活用範囲がさらに広がり、費用対効果の高い運用が可能になります。
たとえば勤怠管理システムと連携すれば、勤怠管理の出退勤情報とPC起動ログを自動照合して、残業や業務時間の確定が楽にできます。また、PCのログインやログアウトを出退勤時間として、勤怠管理システムに自動記録することも可能です。
ただし、自社の既存システムと連携できるかどうかは製品によって異なるため、導入前に連携が可能かどうかを確認する必要があります。
導入や操作は簡単か
導入や操作の難易度は、システムによって異なるため事前の確認が必要です。一般的にオンプレミス型より、クラウド型の方が導入は簡単です。しかし、クラウド型でも初期設定が必要になり、設定方法やベンダーのサポートについて確認しておきましょう。
操作性の確認は、実際にシステムを利用するのが有効です。無料トライアルを提供しているシステムも多いので、積極的に利用して操作感や導入効果を確かめるのがおすすめです。直感的に使えて、分かりやすいレポーティングをしてくれるシステムを選びましょう。
おすすめのログ管理システム4選
Broaders株式会社
BlackBox Suite
GOOD
ここがおすすめ!
- 顧客の守りたいデータにフォーカスを当てて、データをすべて監視してくれる
- モニタリング画面とセキュリティ設定で不正チェックを効率的に行える
- 退職予定者のデータアクセスを重点的にチェックして情報漏洩を防ぐ
MORE
ここが少し気になる…
- 導入費用については問い合わせが必要
GOOD
ここがおすすめ!
- 3秒で1回録画したデータは動画で再現できる「画面キャプチャ」機能
- キーボードで入力した操作ログを100%取得し、キーワード検索も可能
- USB・ファイル・webといったアクセス履歴の管理も行える
MORE
ここが少し気になる…
- アプリの同時稼働中やマルチディスプレイでの作業の場合は1番手前のウィンドウのみ情報を取得
株式会社ラネクシー
MylogStar FileServer
GOOD
ここがおすすめ!
- 監視対象を機密情報が保存されたファイルサーバーに絞ってセキュリティを保つ
- 監査ログの取得も可能で、ユーザーの操作内容を時系列的且つ連続的に記録できる
- 不正操作やデータの持ち出し、情報漏洩の抑止に役立つ
MORE
ここが少し気になる…
- 細かいログの検索条件が指定できない
GOOD
ここがおすすめ!
- Webポータル画面を利用して、ユーザーの役割に基づきアクセス管理ができる
- ワンタイム証明書を使った認証システムで、悪用防止・面倒なログイン情報入力の時短が可能
- 機能面や技術面のサポートが充実しており、初心者でもわかりやすい
MORE
ここが少し気になる…
- 費用の確認をするには問い合わせが必要
ログ管理システムの導入フローと注意点
ログ管理システムの導入は、下記のフローで行うとスムーズに行えます。ここでは、それぞれのフローの進め方や注意点について解説します。
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ログ管理システムの導入フローと注意点
1. 導入目的を明確にする
ログ管理システムを導入する場合は、自社が何のためにシステムを導入するのかという導入目的を明確にすることが大切です。導入目的が明確になれば、システムの選択がスムーズに進められます。
ログ管理システム導入の目的には、不正アクセスの把握や内部統制の強化、ログインとログオフによる勤怠把握、システム運用の促進などが考えられます。導入目的によって収集するログは異なるので、自社に適したログ管理システムを選びましょう。
2. システムを適切に設定する
ログ管理システムは、運用前に初期設定を行う必要があり、設定が誤っていると必要なログが取得できない場合もあります。設定する項目は、ログデータの保管期間・ログの収取タイミング・アクセス権・アラートや通知などがあり、システムによって異なります。
ログ管理システムを提供するベンダーの中には、自社に合ったシステムの設定をサポートしてくれる場合もあります。適切な設定に迷っている企業は、ベンダーに相談してみましょう。
3. ログ管理システムだけに頼らない
ログ管理システムを導入しても完全なセキュリティ確保ができるわけでなく、システムでは検知できない不正もあります。また、ログ管理システムでは不正アクセスの検知はできても、不正アクセスを防ぐことはできません。
したがって、不正アクセスを防ぐためのセキュリティ対策は別途必要です。ログ管理システムは、しっかりとしたセキュリティ対策を施したうえで不正アクセスを検知し、より強固なセキュリティに改善するために活用するのがおすすめです。
まとめ
ログ管理システムは、自社の各システムやツールに記録されているログを収集し、一括管理するツールです。システムの導入により、社内システムへの不正アクセスなどを早期に検知でき、セキュリティ強化につなげられます。
導入の際は、導入目的の明確化や、取得できるログの種類や量、機能の特徴を重視することが大切です。また、リアルタイムなログ収集ができるものやシステム連携が可能なものであれば、より効果的な運用ができます。