営業でPDCAサイクルを回すコツ!成功・失敗事例とSFAも解説
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- 営業活動での見直しや改善において、PDCAが有効である。
- 逆算や細分化といったコツを抑えることで、PDCAを上手に活用することができる。
- 営業でPDCAを活用する際は、ポジティブ面や成功面を見ることも大切である。
PDCAは営業プロセスを改善するのに適したフレームワークなため、営業に活用することで営業成績の向上に繋げられます。本記事では、PDCAを活用するべき理由や、PDCAを効率的に回すコツやポイントの他、営業のPDCAに役立つSFAについても解説します。
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PDCAとは
PDCAとは、Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)の頭文字を組み合わせたビジネス用語です。アメリカの統計品質管理を唱えるW・エドワーズ・デミング氏が1950年代に提唱し、世界中に普及しました。約70年も前の古いフレームワークですが、今なおさまざまな場面で活用されています。
営業活動におけるPDCAの目的は、業務の見直しや改善です。PDCAを繰り返し行うことで、営業活動の品質向上や改善を目指します。特に、既存顧客への定期訪問を主な業務とするルート営業型の場合に、PDCAは有効です。
定期的な訪問のたびに、PDCAを意識した改良を繰り返すことで、さらなる拡販が期待できます。ルート営業の内容は、ワンパターンになりがちですがPDCAを回すことで、顧客からの興味関心を伸ばし、効率の良い業務内容への改善が見込めます。
営業でPDCAを活用すべき理由
まず、営業においてPDCAを活用すべき理由を具体的に解説します。主な理由としては、営業活動の見直しが必須であることや、優先事項を絞れること、新人育成への活用といったことが挙げられます。
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営業でPDCAを活用すべき3つの理由
見直しと改善が必須であるから
営業活動は、見直しや改善を行わないままでは、業績や品質の向上は望めません。しかし、効率のいい業務改善をしていく方法を模索できなければ、現状維持のままが続きます。そこで、活用したいのがPCDAのサイクルです。
PDCAは、Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)どおりの工程を繰り返し行うことで、効率よく業務改善も繰り返されていきます。「P」目標を立て、「D」実行するたびに、「C」課題を見つけ出し、「A」改善を試みます。
営業活動において、見直しと改善は必須事項です。このサイクルを実行するたびに、課題が必ず現れます。繰り返し改善を行うことで、効率の良い営業活動が期待できます。
優先事項を絞ることができるから
営業活動において、優先事項の絞りだしは効率のいい業務を行うために不可欠です。今やるべきタスクをこなす際、タスクにかかる時間や重要性を判断しなければなりません。「P」目標がこなすべきタスクだとしたら、「D」優先順位を付けタスクをこなします。
「C」タスクの優先順位が適切であったか評価を行い、「A」改善事項としt今後の優先事項を絞り出します。このようなサイクルを繰り返していくことによって、無駄なタスクを排除し、効率化へと繋げていくことが期待できます。
新人育成にも役立つから
PDCAは営業職に配属となった新入社員を育成する際も役立ちます。営業には、自分で考えて実行する主体性が非常に重要です。しかし、まだ経験の浅い新入社員の中には、上司からの指示を待ったり効率の悪い営業を続けたりしてしまう人もいます。
そんなとき、PDCAを取り入れれば、新入社員自ら計画・実行・評価・改善をスムーズに行えるようになります。上司の指示の元、PDCAを適切に実施することで、より主体性を持った社員を育成できるでしょう。
営業におけるPDCAの具体例
営業におけるPDCAは、実際どのように活用されているかを知ることで、イメージしやすくなります。以下では、「成約件数を10件アップさせる」という目標でPDCAを回していく具体策を解説します。
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営業におけるPDCAの4つの具体例
Plan(計画)の具体例
PDCAを回すには、明確な目標を立てることが重要ポイントです。ここでは、「成約件数を10件アップさせる」ことを目標としますが、この目標が「成約件数をアップさせる」だけでは漠然とした目標であり、目指すべき数値が明確ではありません。
そのため、実際どのように行動をするべきか曖昧な状態で失敗の原因にもなります。目標が定まったら、行動計画を立てます。10件アップさせるために「営業電話を100件かける」「アポイントを一日5件増やす」など、行動計画にも目標数値を設定すると良いでしょう。
Do(実行)の具体例
目標と、目標達成に向けての行動と数値を設定したら実行します。実際に行動目標の数値をこなしたうえで、発生した課題をピックアップすることが大切です。その課題を増やすことも、改善点や優先事項を絞り込む材料となるため、必ず記録しましょう。
たとえば「営業電話を100件かけたが、会話できたのは10件だった」「アポイントを3件しか取れなかった」など、行動目標を実際行ったあとは、反省点がいくつか発生します。細かいことでも、気付いた点は書き留めることが重要です。
Check(評価)の具体例
実際の行動目標にて発生した課題について、評価を行います。「なぜ会話できたのが10件だったのか」「なぜアポイントが取れなかったのか」という課題を深堀りし、行動プロセスを評価し改善課題へと繋げます。
チェックを行うことで、電話をかけた時間帯や、電話をかけるターゲットの傾向、アポイントのタイミングなどについて検討ができます。課題が発生するのには、原因が必ずあるはずです。その原因をチェックにて発見できるのもPDCAのメリットです。
Act(改善)の具体例
PDCAの最終段階では、目標行動における課題を評価したうえで、改善ポイントを洗い出します。発生した課題について、原因を追求できたポイントを、改善点として提案するのがActでの役割です。
「架電のターゲットをニーズに合った顧客に絞り込む」「架電の時間帯を午前中から午後に切り替える」など、会話できた事例からの傾向を分析し、改善策を立てます。
また、アポイントのタイミングを月末など、コア業務が圧迫する時期を避けるなど対策が立てられます。
営業におけるPDCAを効率的に回すコツ
営業におけるPDCAを効率的に回すには、いくつかのコツがあります。PDCAを回す期間や、計画・実行・評価・改善への捉え方ひとつひとつが、業績アップへのキーポイントです。具体的にどのようなポイントに注目すべきか解説します。
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営業におけるPDCAを効率的に回す5つのコツ
短い期間でPDCAを回す
PDCAを効率よく回すには、期間を短く設定することが、成功へと導くコツになります。期間を短く設定することで、早い段階で課題を発見し、計画的に実行することが可能です。期間を長く設定した場合、課題に気付くのが遅くなり、また惰性が出てしまいます。
問題点は早期発見が効果的であるため、PDCAを回す理想の期間は週1回です。設定した目標により、月1回程度でも構いませんが、定期的な評価は怠らずに実行する必要があります。
Plan(計画)はゴールからの逆算で考える
PDCAのPlan(計画)を立てる際は、ゴールから逆算して考えるのが目標達成への近道です。具体的に目標数値を設定したら、目標に対するために実行するプロセスひとつひとつの段階的な数値が見えてきます。
その段階ごとのプロセスを実行し、逆算からの数値をこなしながらPDCAを回します。計画は、行動に対する漠然とした目標ではなく、具体的な数値を設定することが何よりも重要なポイントです。
Do(実行)は長期目線で実施する
特に、「1日〇件電話をかける」「1日〇社にアポを取る」など計画を行動に移すDo(実行)は、達成できなかったり効果が実感できなかったりすると、ネガティブな思考に陥りがちです。
しかし、PDCAは1、2回まわしたからといってすぐに効果が実感できるわけではありません。前述したように、週1回程度の短いPDCAサイクルを繰り返すことで、徐々に営業のスキルが高まり成果が見込めるようになります。そのため、Do(実行)はある程度長期目線で実施する意識が必要です。
Check(評価)は細分化する
PDCAのPlan(計画)を大元としてDo(実行)を行い、目標達成に近づくためには、Check(評価)を段階的に設けたプロセスごとに細分化するのがコツです。改善すべき課題は、ひとつに限らずさまざまなプロセスにあると考えられます。
そのひとつひとつを細かく評価しながら、それを繰り返すことで、早いスパンでの大きな目標達成が近づくでしょう。
Action(改善)は具体的数値で示す
PDCAのAction(改善)は、Plan(計画)同様、具体的な数値で示すのが目標達成へのコツです。Plan(計画)で叶わなかった未達成の数値に対する、不足しているプロセスの数値を改善ポイントとして加算します。
たとえば、あと何件のアポイントを取れば目標数値に近づけたか、そのために成功率をアップさせるための研修を一日1回行う、など改善策に具体的な数値を設定し、PDCAにサイクルに取り入れることも需要ポイントです。
営業におけるPDCAのポイント
営業におけるPDCAは、目標を数値で表して明確にすることが重要です。実行することにより、見つけ出した課題を改善のための材料とし、繰り返し継続的に行っていくことで、多くの業務効率化が期待できます。成功へと導くポイントを項目ごとに解説します。
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営業におけるPDCAの5つのポイント
目的を明確にする
PDCAを回すには、目標を明確にすることがもっとも重要なポイントです。明確にするには、具体的な数値を設定すると良いでしょう。目標の数値を達成させるための行動に対しても目標を設定します。
行動目標は、目標数値から逆算して設定すると、現実的な数値が設定できます。たとえば、「成約件数を10件アップさせる」という目標なら、「営業電話を100件かける」「アポイントを5件増やす」など明確に行動計画を立てるのがポイントです。
根本的な原因を探す
PDCAでは、目標を達成できない根本的な原因を探し出すことがポイントです。そのために、行動計画を実行したうえで、発生した課題について何が原因であったか追求をします。行動計画のうち、成功事例の傾向を分析すると、根本的な原因に辿りつくことが可能です。
以上の事例から見ると、「営業電話を100件かけたが、10件しか会話できなかった」という10件の成功事例があります。会話できた時間帯や、顧客属性などを記録することで、根本的な原因が探し出せます。その原因を改善点とし、次のサイクルの課題に設定します。
計画時に定量的な数値設定を行う
PDCAを回すうえで、数値設定は行動の目安となる重要なポイントです。計画時には、目標数値から逆算した行動目標の定量的な数値設定を行います。目指すべき目標を状態ではなく、量的な数値とし具体的に掲げていくと、ゴールが明確です。
定量的な数値設定は、目標達成を実現するための行動プロセスをイメージしやすくなり、何が必要なのか明確になります。PDCAを回しながら、達成できない原因を掘り下げ、課題を改善していくことが成功への近道です。
長期的な視野と視点を忘れない
PDCAは、1回きりのサイクルでは意味がありません。1回のサイクルのたびに課題を見つけ、改善を繰り返すことで目標が達成できます。また、品質向上のために常に改善に視点をおいたサイクルが、企業全体の業務効率化へと繋がります。
PDCAを回していくと、隠れていた課題が必ず表面化してきます。常に課題を持つことは、従業員のモチベーション維持にも繋がるため、長期的な視野と視点を忘れずにPDCAを意識していくことが大切です。
成功面・ポジティブな面を確認する
PDCAは、目標を達成するためのフレームワークですが、目的はあら捜しではありません。目標に対しての行動プロセスでは、必ず成功する面があります。その成功面を分析することで、有効な改善策が見つけられます。
また、「問題点」というワードはネガティブな印象を受けますが、「課題点」ではポジティブな印象になります。PDCAを取り組む際にポジティブなイメージを持ち、モチベーションを維持するために、サイクル内容を確認することも重要です。
SFAの活用で営業のPDCAサイクルが向上する理由
SFAを活用することにより、営業のPDCAサイクルが向上することが期待できます。その大きな理由として挙げられるのは、営業活動の可視化と組織内での共有ができる点です。営業活動を属人化させたままでは、PDCAへの取り組みも表面化できずに活用できません。
SFAの機能を活用し、効率の良い行動プロセスを実行し、データ分析を自動的に行うことで短いスパンでのPDCAサイクルが叶います。課題や改善点を伸びしろとし、ポジティブで効率の良いマーケティング戦略を設計することが可能です
まとめ
営業において、PDCAは品質向上や、業績アップのために役立つフレームワークです。PDCAサイクルを回し、常に課題を持ち改善をしながら目標達成を目指すことで、業務の品質向上が望めます。
また、PDCAをうまく回すにはSFAの機能が大いに役立ちます。営業活動を可視化し、データを共有していくことで、さまざまな課題が発見できます。スマートな営業活動のためにも、PDCAを意識した行動プロセスを心がけましょう。
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