注文書ファクタリングとは?メリット・デメリット、利用の流れを解説
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- 注文書ファクタリングとは、注文書をファクタリング業者に売却して資金化する方法
- 注文書ファクタリングと請求書ファクタリングでは、買取対象や手数料などが異なる
- 注文書ファクタリングは受注段階で資金を調達できるが、手数料は割高である
注文書ファクタリングとは、注文書をファクタリング業者に売却して資金化する方法です。一般的な請求書ファクタリングと比べ、早い段階で資金調達できます。この記事では、注文書ファクタリングのメリット・デメリットや利用の流れなどを解説します。
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注文書ファクタリングとは
注文書ファクタリングは、仕事を受注している状況で資金が不足している場合に、注文書を利用して売掛金を前倒しで資金化するサービスです。
注文書ファクタリングは、取引先から受け取った注文書をファクタリング業者に売却することで、一定の手数料を引かれた後の金額を前払いで受け取れる仕組みです。
取引先による支払いまでの間、ファクタリング業者が資金のリスクを負う点は通常のファクタリングと同じです。
ファクタリングとは|意味やメリットデメリットをわかりやすく解説
ファクタリングは「債権買取り」のことで、経済産業省が中小企業に向けて推奨している資金調達方法です。スピーディーに資金調達できる点が魅力です。本記事では、ファクタリングの仕組みや種類、メリット・デメリットの他、ファクタリングが役立つシーンなどについて解説します。
請求書ファクタリングとの違い
一般的なファクタリングでは請求書が用いられ、未払いの請求書を売却することで現金化できます。ここでは、注文書ファクタリングと請求書ファクタリングとの違いについて解説します。
買取対象
注文書ファクタリングは、事業が行われる前(商品やサービスの提供前)の段階で発行される注文書が買取対象となります。これにより、未来の売掛金(将来債権)に基づいて資金を調達します。
これに対して請求書ファクタリングは、既に商品やサービスが提供された後に発行される請求書が買取対象です。これは、すでに発生した確定債権に基づいています。
手数料
注文書ファクタリングの手数料は、通常の請求書ファクタリングよりも高く設定されていることが多いです。これは、注文書ファクタリングが提供する資金調達のタイミングが早く、ファクタリング業者にとって未回収のリスクが高まるためです。
具体的には、注文書ファクタリングの手数料は5%〜20%の間で設定されることが一般的であり、請求書ファクタリングの手数料は1%〜15%が相場です。
資金化までの時間
注文書ファクタリングは、早い段階で資金化が可能です。注文書を利用するため、取引先との契約直後に必要な資金を手に入れることができます。これにより、資金不足によって受注などを断念しなければならない状況を防ぐことが可能です。
請求書ファクタリングは、商品やサービスの提供後に請求書が発行され、その後資金化が行われます。
取引先への通知の有無
注文書ファクタリングは、基本的に2社間ファクタリングとして行われます。2社間ファクタリングとは、ファクタリングの形態の1つであり、自社とファクタリング業者の間でのみ契約が交わされます。
そのため、取引先に通知する必要がなく、取引関係に影響を与えるリスクを避けることができます。この秘密性により、取引先との信頼関係を損ねることなく資金調達を行うことが可能です。
請求書ファクタリングの場合は、2社間ファクタリングに加え、3社間ファクタリングの選択肢もあります。3社間ファクタリングでは、契約において取引先に通知し、承諾を得る必要があります。
2者間ファクタリングとは?メリット・デメリット、注意点も解説
2者間ファクタリングとは、ファクタリング会社と利用者のみで契約するファクタリングのことです。資金調達までがスピーディーで、売掛先に知られずに利用できるという特徴があります。この記事では、2者間ファクタリングのメリット・デメリットや注意点などを解説します。
注文書ファクタリングのメリット
事業の先行投資や長期的な事業の資金繰りにおいて、注文書ファクタリングはさまざまなメリットを発揮します。ここでは、注文書ファクタリングのメリットを解説します。
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注文書ファクタリングのメリット
受注段階で資金調達できる
注文書ファクタリングは、受注段階での資金調達が可能です。これは、特にキャッシュフローの管理が難しい中小企業やスタートアップにとって大きなメリットとなります。
事業において、初期投資・材料購入・人件費など、前払いが必要なケースは多くあります。注文書ファクタリングを利用することで、これらの費用を事前にカバーし、事業運営の安定化を図ることができます。
大規模プロジェクトや長期にわたるサービス提供が関わる場合、資金の前払いはプロジェクトの円滑な進行を支える重要な要素となります。急な受注増加にも柔軟に対応でき、顧客満足度の向上にも寄与します。
支払いサイトが長い売掛金も資金化できる
支払いサイトとは、売掛金が発生してからその金額が実際に支払われるまでの期間を指します。特に建設業や製造業などでは、事業の性質上、支払いサイトが長期にわたることが一般的です。
この場合、製品を納品してから実際に代金が支払われるまでに数ヶ月かかることも珍しくありません。このような長い支払いサイトは、事業のキャッシュフローに大きな影響を与える可能性があります。
注文書ファクタリングは、支払いサイトが長い売掛金も資金化できるため、資金繰りの改善や事業の先行投資が行いやすくなるメリットがあります。
取引先からの信用を失うリスクがない
注文書ファクタリングは、自社とファクタリング会社との間でのみ契約が交わされる2社間ファクタリングとして行われます。そのため、取引先にファクタリング利用を通知する必要がなく、取引先からの信用を失うリスクがありません。
ファクタリングの利用自体は資金調達の有効な手段ですが、ビジネスイメージとして自社が財務上で苦労しているように見えるリスクがあります。取引先への通知がないことにより、自社のビジネスイメージを保つことができます。
注文書ファクタリングのデメリット
注文書ファクタリングはその特性上、利用の際に注意しなければいけないポイントもあります。ここでは、注文書ファクタリングのデメリットを解説します。
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注文書ファクタリングのデメリット
手数料が割高
注文書ファクタリングは、商品やサービスがまだ提供されていない段階で資金を前払いするため、ファクタリング業者にとっては高いリスクが伴います。
例えば、仮に事業が計画通りに進まなかった場合、売掛金の回収が難しくなる可能性があります。このような未回収リスクをカバーするために、手数料が割高に設定されます。
注文書ファクタリングを検討する際には、自社の資金調達のニーズと照らし合わせて、その手数料が事業の利益に見合うかどうかを慎重に評価する必要があります。
審査が厳しい
一般的なファクタリングでは、サービスや商品が既に提供され、請求書が発行された後に行われるため、収益の発生はほぼ確実です。
これに対して注文書ファクタリングでは、収益がまだ確定していない段階で資金化を行います。そのため、ファクタリング業者にとっては未回収リスクが高まります。
したがって、注文書ファクタリングは、一般的なファクタリングよりも審査が厳しく、取引先の財務状況や過去の取引履歴などが詳しく確認されます。
対応している業者が少ない
注文書ファクタリングは、特定の業種や事業規模に特化していることが多く、すべての業界や事業形態に適しているわけではないため、提供業者が限定されます。特に個人事業主(フリーランス)や小規模企業向けのサービスは需要が限られているため、業者も少ないのが現状です。
そのため、注文書ファクタリングを利用する場合は、ファクタリング業者選定の際に、サービス内容や審査基準、そして信頼できるサービスであるかなどを確認することが重要です。
注文書ファクタリングの利用シーン
注文書ファクタリングは、特定の業種やビジネス状況において有用な資金調達手段です。特に、プロジェクトの初期段階で資金が必要なビジネスに推奨されます。
例えば、大型プロジェクトの前払い資金が必要な場合、プロジェクトを開始する前に必要な資金を確保できます。これにより、資材の購入や下請け業者の手配がスムーズに行え、プロジェクトの遅延を防ぐことが可能です。
また、納品から入金までの時間が長い業種にも推奨されます。具体的には、建設業や製造業が挙げられ、注文書ファクタリングの利用により、入金までの時間を最大6ヶ月短縮することが可能です。
IT業界においては、大規模なソフトウェア開発やシステム導入で、開発開始前に技術者を確保したり、ライセンス料を前払いしたりする必要があります。このような初期費用を賄うための資金調達としても注文書ファクタリングが有効です。
注文書ファクタリング利用の流れ
一般的な注文書ファクタリングの利用の流れは以下の通りです。
- 取引先から注文書を受け取る
- ファクタリング業者の選定
- 必要書類の提出(財務状況や事業実績がわかる書類・本人確認書類など)
- 提出書類に基づく審査
- 2社間ファクタリングとして契約
- 取引先からの入金によってファクタリング完了
上記の補足として、必要書類は取引先からの注文書に加えて、審査のために自社の財務状況や事業実績がわかる書類を用意する必要があります。この書類は、例えば決算書や確定申告書などが該当します。
また、契約書の内容はしっかり確認することが大切です。特に取引先が入金できなくなった場合に、自社に支払い義務が生じる契約(リコース契約)ではないことを必ず確認しましょう。ファクタリングは、自社に支払い義務が生じないノンリコース契約であることが通常です。
ファクタリングはスピーディーに資金を調達できるサービスですが、利用する際は適切な流れに沿って契約する必要があります。この記事では、ファクタリング契約の流れや契約書でチェックすべきポイント、契約締結時・契約後の注意点などを解説します。
注文書ファクタリングの審査に通りやすくするポイント
通常のファクタリングに比べて審査が厳しい傾向にある注文書ファクタリングですが、審査に通りやすくするためには、売却する注文書の選び方にポイントがあります。
取引先の財務状況が安定していることはもちろん、取引回数が多かったり取引期間が長かったりする方が、過去の取引に問題がなかった、そしてこれからも問題が起こる可能性が低いと判断され、審査においても有利になります。
また、一般的に注文書ファクタリングでは入金予定日が6か月以内の注文書を対象としているので、できるだけ6か月以内に入金予定がある注文書で申し込んだ方が良いでしょう。
まとめ
注文書ファクタリングは、受注後に資金が不足するビジネスにおいて、重要な資金調達手段です。これは、取引先から受け取った注文書を基にファクタリング会社に売却し、ある程度の手数料を引かれた後の金額を前払いで受け取る仕組みを持っています。
注文書ファクタリングの主な利点は、事業の初期段階で必要とされる資金を迅速に調達できることです。また、取引先に通知せずに資金調達が行えるため、ビジネス関係の信頼を損ねることなく、秘密裏に手続きを進めることができます。
しかし、手数料が高額に設定され、審査が厳しい傾向がある点は注意が必要です。注文書ファクタリングは有効な資金調達方法ですが、利用の際は、そのメリットとデメリットを十分に理解し、自社に合ったファクタリング業者を慎重に選ぶことが重要です。
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