ChatGPTは商用利用可能|商用利用するメリットや注意点も解説

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  • ChatGPTで生成された文章の著作権はユーザーにあり、商用利用も可能である
  • 商用利用の例として、市場調査・SEO記事の作成・インバウンド向けの翻訳などがある
  • ChatGPTは既存の文章と類似した文章を生成することもあり、著作権侵害に注意が必要

AIチャットサービスのChatGPTは、商用利用も可能です。ビジネスに活用することで、コストや作業工数を削減し、業務効率化に繋げることができます。この記事では、ChatGPTを商用利用する例やメリット、注意点などを解説します。

目次

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  1. ChatGPTは商用利用も可能
  2. ChatGPTの商用利用の例
  3. ChatGPTを商用利用するメリット
  4. ChatGPTを商用利用する際の注意点
  5. まとめ

ChatGPTは商用利用も可能

ChatGPTは、アメリカのOpenAI社が開発・提供する生成AIで、チャット形式でAIと対話する点に特徴があります。あらゆる分野における対話が可能であり、AIは学習済みデータを基に、入力したテキストに応じて自然な文章で回答を生成します。

例えば、一般的な知識に関する質疑応答をはじめ、挨拶文の下書き・議事録の要約・翻訳・ブログや脚本の作成など、幅広いタスクに対応可能です。なお、ChatGPTで生成された文章の著作権は原則としてユーザーにあり、商用利用も可能です。

ただし、商用利用するには、ChatGPTの利用規約や使用ポリシー、共有&出版ポリシーを遵守する必要があります。具体的には、生成したコンテンツによって他人の権利を侵害・悪用する恐れがある場合などには、商用利用はできません。

参考:ChatGPT – OpenAI

参考:Terms of use|Open AI

ChatGPTとは?メリット・デメリット、始め方などを解説

ChatGPTとは、2022年11月に公開されたAIチャットサービスです。無料で利用でき、人間のような自然な受け答えができることから話題となりました。この記事ではChatGPTのメリット・デメリットや始め方、気になる危険性などについて解説します。

商用利用に料金はかからない

ChatGPTには無料プランと有料プランがあり、いずれのプランであっても生成されたコンテンツの商用利用に料金は発生しません。なお、無料版と有料版では月額料金のほか、使用する言語モデルにも下記表のような違いがあります。

有料版は無料版よりも新しい言語モデルを使用しており、高精度な回答結果に期待できます。また、回線混雑時において無料版は使用制限がかかるのに対し、有料版は原則として使用制限はありません。つまり、有料版は無料版に比べて質の高いサービスを利用できます。

無料版(ChatGPT)有料版(ChatGPT Plus)
月額料金無料20ドル/月
使用モデルGPT‐3.5GPT‐3.5GPT‐4/GPT4-Turbo

ChatGPTの商用利用の例

ChatGPTで生成したコンテンツは、原則として無料で商用利用が可能です。実際に、ChatGPTを商用利用する事例について解説します。

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市場調査・データ分析

ChatGPTは、インターネット上の膨大な情報の収集と分析・要約に長けています。この特徴を活かして、時間と手間のかかる市場調査やデータ分析を依頼できます。

例えば、新しい市場を開拓する際に、「○○市場の動向を教えて」「○○市場で△商品を売り上げる方法は?」などとチャットすると、AIがリサーチに基づいて必要な情報を抽出してくれるため、従来のように担当者が手作業でデータ収集や分析を行う手間がかかりません。

その結果、従来に比べて市場調査やデータ分析業務の大幅な時間短縮を図ることができ、担当者の業務負担の軽減にも期待できます。

記事やキャッチコピー・メールの作成

ChatGPTは、これまでの生成AIに比べて、自然な文章を作成できる点が大きな特徴です。そのため、生成したコンテンツをオウンドメディアの記事制作やキャッチコピー、メールに商用利用することもできます。

ChatGPTを利用して効率的に文章を作成するには、文章作成の目的や文体など、文章作成における条件を具体的にAIに指示すると良いでしょう。例えば、ビジネスメールであれば、フォーマルな文体を指示すると、要件を満たした文章を生成できます。

ChatGPTを記事制作やメール作成に活用することで、担当者は1から文章を考案する必要がなくなり、大幅な業務の効率化につながります。

報告書などの長文の要約

ChatGPTは、既存文章の要約にも活用できます。要約したい文章をAIに送信して「要約して」と依頼すると、文章内から必要な情報のみを抽出して短文に作成し直します。

例えば、議事録や論文、報告書などの要約に適しています。従来のように、担当者が時間をかけて最初から最後まで長文に目を通すことなく、短時間で論点を把握できるため、効率的に作業を進められます。

なお、ChatGPTには入力できる文字数に制限がある点に留意しましょう。長文の要約を依頼する場合は、見出しごとに文章を分割するといった工夫が必要です。

資料などの作成

ChatGPTは資料作成にも活用できます。具体的には、見出しの作成や要点のまとめなどを依頼でき、これを基にした資料やマニュアル、ルールブック、契約書の作成が可能になります。

完成したコンテンツは、最終的に人の目で精査する必要があります。しかし、ChatGPTが作成したコンテンツをひな形として利用できるため、資料作成における作業工数を大幅に削減でき、時間短縮になるでしょう。

また、資料作成の方向性に迷った場合でも、ChatGPTへの相談によって新たな視点を得ることができ、品質の向上にもつながります。

なお、ChatGPTはExcelの関数やグラフ、表の作成にも対応しており、生成されたコンテンツはコピー&ペーストで利用できます。これらの専門知識がない人でも、関数・グラフを活用した資料作成を行うことができ、高度な内容の会議に貢献します。

インバウンド向けの翻訳

高度な自然言語処理能力を有するChatGPTでは、言語の翻訳も可能です。不自然な文章のつながりや言い回しの心配が少なく、正確かつ自然な文章を作成できます。

例えば、日本語の文章を入力して送信すると、英語や中国語をはじめとするさまざまな言語に変換し、自然な文章に整えてくれます。この特徴を活用して、インバウンド向けのメール作成や商品のキャッチコピー、商品PR記事などを作成できます。

インバウンド需要が回復している日本において、訪日外国人客向けのマーケティングの強化は急務といえます。ChatGPTの翻訳機能の活用により、外国語のスキルが少ない企業でも商機を逃さずに自社製品の売り出しを図れるでしょう。

また、専門業者に言語翻訳を外注する場合に比べて、費用を大幅に節約できる点もメリットです。

新しい企画のアイデア出し

ChatGPTは、新企画のアイデア出しやヒントの提供など創造性の高い業務にも活用できます。ターゲット層や企画の方針など具体的な条件を指定することで、より精度の高い回答結果を得られます。

例えば、新市場に打ち出す場合は、リサーチやナレッジの不足により、企画立案が難航することもあるでしょう。その点、ChatGPTは幅広い分野の学習データに基づいたアイデアやヒントを提供してくれるため、斬新な企画が生まれる可能性が高いです。

顧客からの問い合わせ対応

AIチャットボットでもあるChatGPTは、顧客からの問い合わせ対応にも活用できます。顧客がチャットで送信した内容に対して、膨大な学習データに基づいた適切な回答を返します。

例えば、商品に関する問い合わせやFAQにChatGPTを活用すると、従業員による一次対応を削減でき、顧客対応における業務負担の大幅な軽減につながります。従業員はより高度な問い合わせに注力でき、業務品質の向上にも寄与するでしょう。

また、ChatGPTは指定条件に沿って自然な文章を生成する点もメリットです。例えば、「美容アドバイザー」のような役割を指定すると、その役割に相応しい文体や文末に自動で調整するため、企業のブランドイメージの強化にも役立ちます。

プログラミングコードの作成

ChatGPTでは、CやC++、C#、Java、Python、Ruby、JavaScript、Go言語など、さまざまなプログラミング言語を駆使したコード作成が可能です。この特徴を活かして、オリジナルのプログラミングコードの作成や作成支援、既存コードのデバッグ作業を依頼できます。

高度な専門知識が必要とされるプログラミング作業もChatGPTの活用により、効率的に行えるでしょう。また、プログラミングの専門人材が不足している企業においても、オウンドメディア戦略の実現が可能になります。

ChatGPTを商用利用するメリット

ChatGPTを商用利用するメリットには、次のようなものがあります。

  1. 作業工数の削減
  2. 人件費の削減
  3. 外部委託費用の節約
  4. 業務運営の効率化

例えば、メール作成や議事録の要約、翻訳といった文章作成に関する業務において、ChatGPTの活用によって、人が1から文面を考案する必要がなくなります。これにより、従来の文章作成業務における工数を大幅に削減でき、作業時間の短縮化が実現します。

さらに、ChatGPTの強力な支援を得ることで、従来よりも少ない人手による業務遂行が可能になり、必要以上の人件費の削減に寄与します。これまで記事制作や翻訳などの専門作業を外部業者に委託していた企業では、外注費用の節約にも期待できるでしょう。

また、ChatGPTは24時間365日稼働できる点もメリットにつながります。早朝・夜間・休日を問わず稼働できるため、人に代わって持続的に作業を行うことができ、業務運営が効率化します。

このように、ChatGPTの商用利用により、従来に比べて業務にかかる時間・手間・費用を最小限に抑えつつ、効率的な業務遂行に期待できます。

ChatGPTを商用利用する際の注意点

ChatGPTの商用利用にはさまざまなメリットが期待できる一方で、注意すべき点もいくつかみられます。ここからは、ChatGPTを商用利用する際の注意点を解説します。

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他と類似した文章が生成されることがある

ChatGPTは、学習データに基づいてオリジナルの文章を生成しますが、時には他と類似した文章を作成する恐れがあります。それは、インターネット上に公開されている他人の著作物を学習データとして参照することで、自然と文章が類似する可能性があるためです。

特にニッチな分野におけるコンテンツ生成では、学習ソースが少ないケースが多く、他と内容が酷似する可能性が高いです。著作権侵害とみなされる恐れがあるため、ChatGPTを商用利用する場合は、コピー判定ツールの活用などが求められます。

誤った情報が提供されることもある

ChatGPTでは、誤った情報が出力される可能性があります。その理由は、ChatGPTの学習ソースがやや古いためです。具体的には、無料版の学習ソースは2022年1月までに公開された情報であり、有料版についても2023年4月までの情報に基づいています。

さらに2つ目の理由として、ChatGPTの学習データにもともと誤った情報が含まれている可能性が挙げられます。ChatGPT自体に情報の正誤を判断する機能はなく、誤ったソースがそのまま回答に使用される恐れがあります。

したがって、ChatGPTが生成した回答を鵜呑みにするのは避け、必ずファクトチェックを行いましょう。

規約やポリシーに違反しないようにする

ChatGPTの利用目的は、利用規約やポリシーによって制限されています。下記のような条件に該当するコンテンツの生成は認められておらず、同様に商用利用もできません。

  1. 特定の人物や団体を誹謗中傷するもの
  2. 特定の人物や団体の権利を侵害するもの
  3. 差別的なもの
  4. 身体的危害のリスクが高いもの
  5. 犯罪につながるもの
  6. 性的主張が強いもの
  7. 政治に関わるもの
  8. 社会秩序を著しく乱すもの

例えば、誰かの著作物をChatGPTに要約させて、自分の作品として販売する場合は、特定の人物の権利を侵害する恐れが高く、利用規約やポリシー違反となる恐れがありす。また、特定の作家の固有名詞を用いて、「○○風の小説を書いて」と指示する場合も同様です。

知らぬうちに著作権を侵害する可能性もあるため、生成したコンテンツが利用規約やポリシーに違反していないかどうかを公開前に確認することが望ましいでしょう。

参考:Terms of use|Open AI

参考:Usage policies|Open AI

自社の情報漏洩に気をつける

ChatGPTを利用する際は、企業の機密情報や個人情報の入力は控えましょう。これは、ChatGPTに入力されたデータをAIが機械学習して、他ユーザーへの回答に出力する可能性があるためです。

実際に海外では、ChatGPTに入力された社内の機密情報が外部に漏洩した事例が見られます。このようなリスク回避のために、ChatGPTに入力する情報は慎重に選別すべきでしょう。

なお、「Chat History & Training」の設定をオフにすると履歴機能がオフになるため、入力データがAIの機械学習に利用されなくなります。

ChatGPTの情報漏洩リスクとは?安全に使うための対策も解説

ChatGPTは高性能な生成AIとして企業でも導入が進められていますが、情報漏洩のリスクもあるため、利用に際しては注意が必要です。この記事では、ChatGPTで起こり得る情報漏洩のケースや、安全に利用するための対策などについて解説します。

ChatGPTで生成したことを表記しておく

OpenAIは、AI生成のコンテンツをあたかも人間が生成したように見せることを禁止しています。つまり、ChatGPTで生成したコンテンツを公開する際は、AIを使用した旨を表記しなければなりません

しかし、「コンテンツ作成を全てAIが行った」といったように、コンテンツ生成の責任が全てAIにあるかのような表現は認められていません。コンテンツについて最終的に責任を取るのはユーザーであるためです。

したがって、ChatGPTで生成したコンテンツを公開する際は、「人間がAIを活用してコンテンツを生成した」という表現を心がける必要があります。

コンテンツ名に「◯◯GPT」の使用は禁止

OpenAIの「Brand guidelines」では、ChatGPT APIを利用したコンテンツに「◯◯GPT」という名称を付けることが禁止されています。それは、「GPT」ブランドはOpenAIの所有物であるためです。同様の理由から、OpenAIのロゴやマークの改変も禁止されています。

また、「Brand guidelines」では、ChatGPT用のプラグインの表記に関しても詳細な規定を定めています。知らぬ間に規約違反を犯さないために、各ガイドラインは入念に確認する必要があるでしょう。

利用規約が変更される可能性もある

ChatGPTの利用規約やポリシーは定期的にアップデートされており、これからも大幅な変更がなされる可能性があります。例えば、現在はコンテンツの商用利用が認められていますが、将来的には商用利用が不可能になることも考えられます。

利用規約のアップデートにすばやく対応するために、定期的に利用規約やポリシーを確認しましょう。

まとめ

ChatGPTは自然な文章を生成できる高性能な生成AIです。ChatGPTで生成したコンテンツは、原則として商用利用が認められており、リサーチ業務やデータ分析、ブログ記事やメールの作成、インバウンド向けの翻訳、議事録の要約など、さまざまな用途に利用可能です。

ただし、ChatGPTでコンテンツを生成するには、利用規約やポリシーを遵守する必要があります。例えば、他人の著作物の侵害や、ChatGPTを人間が生成したコンテンツと偽って公開するのは認められていません。

また、ChatGPTに入力したデータは他ユーザーに出力される可能性があることから、個人情報や機密情報の入力は避けるべきです。利用規約やポリシーに則って、適切にChatGPTを活用し、ビジネスにおける作業工数や人件費の節約といったメリットにつなげましょう。

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