ChatGPTの文字数制限とは?制限に対処する方法も解説

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  • ChatGPTには文字数制限があるが、明確な基準は公表されていない部分もある
  • 文字数の制限だけでなくメッセージの送信件数にも制限が課される場合がある
  • 文字数制限に対処するには、文章を複数回に分割して入力する・要約するなどが有効

ChatGPTは、入力と出力どちらにも文字数制限があります。またモデルやプラン、英語か日本語かによって、文字数は変動します。この記事では、ChatGPTでやり取りできる文字数の上限や、制限に対処する方法などについて解説します。

目次

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  1. ChatGPTには文字数制限がある
  2. ChatGPTの文字数制限における重要な概念
  3. ChatGPTの文字数数制限の目安
  4. 文字数ではなく送信件数の制限があることも
  5. ChatGPTに文字数制限や送信制限がある理由
  6. ChatGPTの文字数制限に対処する方法
  7. まとめ

ChatGPTには文字数制限がある

ChatGPTは、人間のように自然な会話ができるAIチャットサービスです。生成AIを搭載しており、入力した質問などに対してAIがまるで人間のように自然な対話形式で応答します。

あらゆる分野に対応可能なため、個人のプライベートでの利用やビジネスまで、多くのシーンで活用されているChatGPTですが、その入力と出力の双方に文字数制限があります。

ChatGPTを提供しているOpenAI社からは、一度の入力・出力の文字数制限に関して明確な基準は公表されていない部分もありますが、無料版と有料版でそれぞれ上限があることが知られています。

参考:ChatGPT|OpenAI

ChatGPTとは?メリット・デメリット、始め方などを解説

ChatGPTとは、2022年11月に公開されたAIチャットサービスです。無料で利用でき、人間のような自然な受け答えができることから話題となりました。この記事ではChatGPTのメリット・デメリットや始め方、気になる危険性などについて解説します。

ChatGPTの文字数制限における重要な概念

具体的な制限内容の解説に入る前に、知っておきたい2つの用語について解説します。これらの意味をしっかりと理解しておきましょう。

コンテキストウィンドウ

コンテキストウィンドウとは、ChatGPTが一度のまとまった会話で保持し、処理できるテキストの範囲を指します。ChatGPTはこの範囲内であれば、その時の入力内容はもちろん、過去の文脈まで考慮した対話を行えます。

コンテキストウィンドウの範囲はプランや使用するモデルによって決まっており、上位のプラン・モデルになるほど範囲が広くなります。一定量を超えて対話が続いた場合、古いメッセージは順番に保持範囲から外れていきます。また、新しいチャットを開始する場合、以前のチャットのコンテキストは引き継がれません。

参考:ChatGPT の料金プラン|OpenAI

トークン

ChatGPTは「トークン」という単位でテキストを処理します。つまり、「1文字、2文字…」ではなく、「1トークン、2トークン…」という風に文字数がカウントされていきます

トークンは基本的には単語単位でカウントされ、コンテキストウィンドウのサイズもトークン数によって決められています。また、1回に入力・出力するトークン数が多すぎると処理に時間がかかったり、出力が途中で途切れたりすることがあります。

英語と日本語ではトークンのカウント方法が異なる

ここで注意したいのは、英語と日本語ではトークンのカウント方法が異なるということです。それぞれのカウントの例を挙げてみましょう。

  1. ChatGPT is amazing! → “ChatGPT” ” is” ” amazing” ”!” の4トークン
  2. こんにちは、人工知能! → “こんにちは” ”、” ”人工” ”知能” ”!” の5トークン

英語では、単語単位でカウントされており、” is” ” amazing”にはスペースも含まれています。また、”!”といった記号は1トークンとしてカウントされます。

日本語でも一見すると英語と同じように単語で1トークン、記号で1トークンがカウントされているようですが、「人工知能」に関しては2分割されています。このように、単語によっては複数トークンに分割されることがあります

英語でも複雑な単語は複数トークンになることがありますが、漢字の熟語やひらがな・カタカナ・漢字が混じる単語が多い日本語では、このようなことが起きやすいと考えられます。

ChatGPTの文字数数制限の目安

では、具体的な文字数制限の内容について見ていきましょう。トークンを日本語の文字数に置き換えて、その目安を解説していきます。

コンテキストウィンドウにおける目安

コンテキストウィンドウのサイズは、プランやモデルによって異なります。トークン数と文字数で表したサイズの目安は以下の通りです。

モデルトークン数文字数(日本語)
GPT-3.5約4,096トークン約2,000~3,000文字
GPT-4約8,192トークン約4,000~6,000文字
GPT-4-turbo約128,000トークン約64,000~90,000文字

なお、ChatGPTで使用できるモデルには、「GPT-4o」などさらに新しいモデルもあります。より新しいモデルでは、トークン数の上限もこれより高いと考えられます

プラントークン数文字数(日本語)
無料版8,000トークン約4,000~5,600文字
Plus、Pro32,000トークン約16,000~22,000文字
Team、Enterprise128,000トークン約64,000~90,000文字

一度の入力・出力における目安

コンテキストウィンドウという一連のやり取りにおける制限だけでなく、一度の入力・出力においても文字数制限があります。

モデルトークン数文字数(日本語)
GPT-3.5約2,048~4,096トークン約1,000~3,000文字
GPT-4約4,096トークン約2,000~3,000文字
GPT-4-turbo数千トークン以上数千文字以上

ただし、これらの数字はあくまで目安であり、実際にはコンテキストウィンドウのサイズにも左右されます。例えば、入力だけでコンテキストウィンドウの上限に迫るほどトークンを消費してしまうと、出力にあてられるトークン数が少なくなり、十分な回答が得られなくなってしまいます。

文字数ではなく送信件数の制限があることも

ChatGPTでは、上記のような文字数の制限だけでなく、プランと使用モデルによって送信件数の制限が課せられていることもあります。実際にChatGPTを使う中では、文字数よりもこちらの方が、ユーザーが感じる制約として実感しやすいかもしれません。

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無料プランでの送信制限

無料プランでは「GPT-4o mini」が基本モデルとなっていますが、有料プランの基本モデルである「GPT-4o」も制限付きで使うことができます。明確な回数は公表されていませんが、5時間以内に限られた回数だけ使用できるとされています。

制限に達すると、自動的にGPT-4o miniに切り替わるか、「使用制限に達しました」などのメッセージとともに有料版のChatGPT Plusにアップグレードするよう勧められます。

また、無料プランのユーザーは、「DALL·E 3」を使用した画像生成について、1日に最大3 つまでと定められています。

参考:Using ChatGPT’s Free Tier – FAQ|OpenAI Help Center

Plusプランでの送信制限

Plusプランのユーザーは、「GPT-4o」で3時間ごとに80件、「GPT-4」では3時間ごとに40件のメッセージを送信できるとされています。無料版の基本モデルである「GPT-4o mini」については制限はありません。

さらに、下記で解説しているように、Plusプランでは「OpenAI o1」および「OpenAI o1-mini」にも送信件数の制限があります。

参考:What is ChatGPT Plus?|OpenAI Help Center

「o1」「o1-mini」における送信制限

有料プランでは、新しい推論モデルである「OpenAI o1」「OpenAI o1-mini」といったモデルを使うこともできます。これらのモデルにも、送信制限が課されています。

有料プランのうちPlus、Team、Enterpriseの場合、OpenAI o1では週50件、OpenAI o1-mini では1日50件のやり取りに制限されています。制限に達するとポップアップが表示され、モデル選択のメニューからそのモデルを選択できなくなります。

週の使用制限については、最初のメッセージを送信してから7日ごとにリセットされ、モデル選択メニューから制限が解除される日付を確認できます。

なお、Proプランでは、o1とo1-mini、およびChatGPT-4o モデルへのほぼ無制限のアクセスが提供されます。

参考:OpenAI o1, o1-mini, and o3-mini Usage Limits on ChatGPT and the API|OpenAI Help Center

ChatGPTに文字数制限や送信制限がある理由

ChatGPTに文字数制限がある背景には、主にユーザーの利便性があります。ここからは、この制限が存在する理由とその影響について詳しく見ていきます。

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正確な回答をするため

ChatGPTは長い文章では情報が散逸しやすく、重要なポイントが埋もれてしまう可能性があるため、回答の質が低下するリスクが高まります。

特に、質問に関連しない単語が多く含まれていたり、一度にいくつもの質問をされたりすると、AIがどの部分に焦点を当てるべきかが不明確になり、結果として回答が不正確になることがあります。

そのため、質問や入力の文字数を制限することで、より正確で関連性の高い回答を提供できるようにしています。

長文の生成に時間がかかるため

長い文章を生成する際には、AIは大量のデータを処理しなければならず、これにより出力までの時間が長くなります。特に長文であればあるほど、全文生成までにかかる時間が増え、ユーザーはその間は待たなければならなくなります。

これを防ぐために、ChatGPTはトークン数に基づく文字数制限を設けています。適度な長さのテキストを生成することで、利用者がスムーズにコミュニケーションを行えるようにしています。

ユーザーエクスペリエンスを最適化するため

ChatGPTで大量のテキストがサーバー側に送信されると、システムに大きな負荷がかかる可能性があります。この負荷が過大になると、サーバーの動作が遅くなったり、一時停止したりすることがあります。

全てのユーザーが快適に使用できるようにするためには、サーバーのリソースを効率的に管理し、適切な処理時間を確保する必要があります。特に、上位のプランに加入しているユーザーのエクスペリエンスは重視されます。

そのため、ChatGPTでは文字数制限を設けて、適度な範囲での対話を促進しています。これにより、短い時間内に効果的で正確な回答を提供することが可能となります。

ChatGPTの文字数制限に対処する方法

ChatGPTを使う上で知っておきたい重要なポイントの一つが、文字数制限への対処方法です。以下では、ChatGPTの文字数制限に対してどのように対処すればよいかを具体的に解説していきます。

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複数回に分割して入力する

入力・質問で長文を扱いたい場合、テキストを分割して複数回に分けて入力するのがおすすめです。

例えば、最初の段落をまず送信し、「〇〇と入力するまで返答しないでください/待ってください」と入力して、ChatGPTに回答を待ってもらいます。その後、続きを入力してから、回答するよう指示します。

また、複数の質問や関連するトピックについては個別に入力するのが効果的です。情報の錯綜などが起こりにくくなることで、回答の正確性も上がります。これによって、文字数制限による問題を回避しつつ、効率的に対話を進めることができます。

文章を短くまとめる・要約する

ChatGPTの文字数制限に対処するには、文章を短くまとめることや要約してから入力する方法もあります。複数の質問や情報を含む長文を送信する代わりに、各質問やトピックごとに要点を抽出し、短い文で表現します。

このようにすることで、1回の入力・出力における文字数制限に余裕を持たせながら、ChatGPTが処理するテキストの量を減らすことができ、より明確で効率的な回答を得ることが可能です。

プロンプトのテンプレートを使う

プロンプトとは、ChatGPTに対して具体的な指示や質問を伝えるための文章のことです。プロンプトテンプレートを使うことで、ChatGPTとの対話をより効果的なものにすることができ、文字数制限にも対処しながら適切な情報を得られます。

例えば、深津式プロンプトは、特定の回答条件を設定してChatGPTに対して質問をする方法です。このプロンプトでは、事前に条件を明確にし、ChatGPTがより適切な回答を導き出すのに役立ちます。

プロンプトテンプレートを使うことで、回答の精度を高めつつ、長文を一度に入力する必要性を減らすことができます。

英語で入力する

ChatGPTの文字数制限に対処するために、英語で入力したり、英語に翻訳して指示や質問したりするのも有効です。ChatGPTではテキストの処理にトークンという単位が使われますが、日本語の場合は文字の複雑さにより、トークン数が多くなる傾向があります。

そのため、英語で質問や指示を行うことで、同じ内容を表現しても日本語よりも少ないトークンで済む場合があります。

分割して出力させる

長文を一度に入力すると、ChatGPTの処理に時間がかかり、回答が遅れたり途中で切れたりすることがあります。そのため、テキストを分割して段階的に出力するよう指示することで、一度の出力における文字数制限を回避しやすくなります。

例えば、大きなトピックについては、そのトピックについて言及した後、「まず始めに〇〇について返答してください」「次に…」というように段階的な返答を求めることで、いくつかのブロックに分けた回答が得られます。

「続けて」と指示する

「続けて」という指示は、ChatGPTに対して長文を生成させる効果的な方法です。この指示を使うことで、一つのテーマや話題について連続して詳細な情報を提供させることができます。話の途中で出力が終わってしまった場合も、「続けて」と言うとその続きから出力してくれます。

また、ChatGPTからの回答の後に「続けて、このプロジェクトの目標や進行状況について教えてください」といった具体的な指示をChatGPTに与えると、このテーマに関する続きの説明や詳細な情報が続けて提供されます。

この方法を使うことで、一度の出力における文字制限よりも長い文章を出力することが可能です。

文字数を指定する

文字数指定をして長文を生成させる方法は、ChatGPTで特定の長さの回答を得るために便利です。例えば、「最大で500文字の要約を作成してください」というように具体的な長さを指定できます。

しかし、ChatGPTはトークン単位で文字を処理しているため、文字数を基準にすると指定した文字数と実際に生成される回答との間に若干のズレが生じることがあります。

生成された回答が多すぎたり少なすぎたりした場合は、余分な部分を削除するか、不足部分を補うために追加の指示を出しましょう。

OpenAIの「Tokenizer」を利用する

入力しようとしているプロンプトがどのくらいのトークン数なのか知りたい場合、OpenAIが提供している「Tokenizer」というツールが使えます。Tokenizerでは、任意の言語で文章を入力すると、そのトークン数と内訳が表示されます

Tokenizerでは2025年2月現在、GPT-3 (Legacy)、GPT-3.5とGPT-4、GPT-4oとGPT-4o miniにおけるプロンプトのトークン数を調べることができます。これを活用することで、入力時のトークン数調整がしやすくなるでしょう。

参考:Tokenizer – OpenAI API

まとめ

ChatGPTは、利用者が入力する文章とChatGPTが出力する文章の両方に文字数制限があります。この制限はモデルやプラン、また言語(英語と日本語)によっても異なります。また、メッセージの送信回数の制限が課されることもあります。

文字数制限や送信制限の目的は、正確な回答を生成し、ユーザーエクスペリエンスを最適化するためです。なお、文字数制限に対処する方法としては、文章を複数回に分割して入力することや、要約を利用する方法が効果的です。

文字数制限や送信制限の目安を把握し、それに応じた適切なプロンプトの作成に注意することで、ChatGPTをより効果的に行えるでしょう。

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