CopilotとChatGPTの違いとは?仕様や機能を比較

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- CopilotとChatGPTはどちらも高性能の生成AIツールだが、異なる点も多い
- CopilotとChatGPTは提供形態や利用可能なAIモデル、料金体系などに違いがある
- CopilotはMicrosoft製品ユーザーが業務効率化などを目指す場合におすすめ
CopilotとChatGPTはどちらも高性能の生成AIですが、提供形態や言語モデル・料金体系・拡張性など異なる点が多々あります。この記事では、CopilotとChatGPTの違いを比較し、どのようなケースでどちらがおすすめかを解説します。
目次
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CopilotとChatGPTの違いとは

CopilotとChatGPTは、いずれも高性能の生成AIツールです。自然言語の処理に長けており、ビジネスを始めとするさまざまな場面で活用されています。生成AIは近年大きな注目を集めている分野であり、CopilotやChatGPTはその代表的なツールと言えます。
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Copilotとは
Copilotとは、Microsoftが開発したAIアシスタントサービスです。従来提供されていた「Bing Chat」のリニューアル版にあたり、正式には「Microsoft Copilot」という名称です。
Copilotでは、一般的な生成AIと同等のサービスが提供されるだけでなく、Microsoft 365 アプリと連携して、これらの製品の活用を支援する点に大きな特徴があります。
参考:Copilot はどのように役立ちますか?|Microsoft

Copilotとは、Microsoftが開発したAIアシスタントツールです。情報検索や文章生成の他、WordやExcelなどMicrosoftの様々なアプリと連携することもできます。この記事では、Copilotの特徴や主な機能・料金・使い方などを解説します。
ChatGPTとは
ChatGPTとは、OpenAIが開発した生成AIツールで、生成AIツールの先駆けともいえます。Copilotと同じように対話形式でAIとやり取りできる点に特徴があり、質問や依頼をAIに送信すると、回答を返信してくれます。
2022年にリリースされたChatGPTは今までにない手軽なAIツールとして注目を集め、現在では多くの個人や企業がさまざまな用途で使っています。

ChatGPTとは、2022年11月に公開されたAIチャットサービスです。無料で利用でき、人間のような自然な受け答えができることから話題となりました。この記事ではChatGPTのメリット・デメリットや始め方、気になる危険性などについて解説します。
CopilotとChatGPTの共通点

CopilotとChatGPTは一見、非常によく似たツールです。まずは2つの共通点を確認して、ツールのイメージをつかみましょう。
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CopilotとChatGPTの共通点
無料でも使える
CopilotとChatGPTは、どちらも無料で使い始めることができるツールです。有料版ではより高度な機能が提供されますが、無料版でも生成AIの能力の高さを感じることができるでしょう。
さらに、双方とも利用登録(サインイン)なしでWebブラウザから利用することができます。やり取りの回数や履歴の保存などに制限はかかりますが、試しに使ってみたいという場合でも手間なく簡単に利用できます。
参考:ChatGPT
チャット形式で使い方が簡単
CopilotとChatGPTは、使い方も似ています。よくあるビジネスチャットなどと同じように入力欄に書き込んで問いかければ、AIが自動で返答してくれます。人間同士がチャットでやり取りするのと同じ感覚で使えるので、初心者にもやさしいです。
1つ前、またはそれよりも前の入力・回答内容を踏まえた対話もでき、文脈の途切れも感じさせない仕様になっています。
GPTシリーズのモデルを搭載している
CopilotとChatGPTの基盤となっているのが、GPTシリーズのAIモデルです。GPTシリーズはChatGPTを提供しているOpenAI社が開発したAIモデルで、「GPT-3.5」や「GPT-4」などが知られています。
GPTシリーズは自然言語処理に長けており、人間のような自然な対話ができること、幅広い分野の話題に対応できることが特徴です。また、モデルによっては画像や音声にも対応できます。
ただし、細かく見ていくとCopilotとChatGPTでは使用可能なモデルに違いがあります。これについては後ほど詳しく解説します。
CopilotとChatGPTの違い

CopilotとChatGPTはいずれも高機能なチャット型の生成AIで混同されることも多いですが、両者には提供形態や利用可能モデル、料金体系など、さまざまな面で違いがあります。ここでは、CopilotとChatGPTの主な違いについて解説します。
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CopilotとChatGPTの違い
提供形態の違い
CopilotとChatGPTでは、提供形態に大きな違いが見られます。双方ともWebブラウザやモバイルアプリで利用できるのは同じですが、CopilotはMicrosoftの各サービスと連携した形でも提供されています。以下で簡単に紹介します。
提供形態 | 詳細 |
---|---|
Microsoft 365 Copilot | Microsoft 365上でCopilotを利用して作業を効率化 |
Microsoft 365 Copilot Chat | Microsoft 365上で法人向けに提供されるAIチャット |
Copilot in Edge | MicroSoft Edge上で提供されるAIチャット |
Copilot in Windows | Windows上で提供されるCopilotの機能 |
GitHub Copilot | ソースコード管理サービス「GitHub」内のCopilotによる開発支援ツール |
参考:Microsoft 365 Copilot で新しい生産性を引き出しましょう
参考:Microsoft 365 Copilot Chat、仕事用の AI アシスタント
参考:Windows の Copilot へようこそ – Microsoft サポート
参考:GitHub Copilot · Your AI pair programmer
利用可能なモデルの違い
前述したように、CopilotとChatGPTは、いずれもGPTシリーズの大規模言語モデルを使用しています。ただし、同じGPTシリーズでも両ツールでは使えるモデルが異なります。また、GPTシリーズとは異なるシリーズのモデルも利用できることもあります。
Copilot | ChatGPT | ||
Web版・アプリ版 | GPT‐4、GPT-4 Turbo、 OpenAI o1、DALL-E3 | 無料版 | GPT-4o mini、GPT-4o、 OpenAI o3-mini、 DALL-E 3 |
Microsoft 365 Copilot | GPT‐4、GPT-4o | ||
Microsoft 365 Copilot Chat | GPT-4o | ||
Copilot in Edge | GPT-4o | 有料版 | GPT-4o mini、GPT-4o、OpenAI o1およびo1‑mini、OpenAI o1 pro、 OpenAI o3-miniおよびo3-mini-high、 DALL-E 3、Sora |
Copilot in Windows | GPT-4o、DALL-E3 | ||
GitHub Copilot | GPT-4o、OpenAI o1 およびo3-mini、 Claude 3.5 Sonnet、Gemini 2.0 Flashなど |
(2025年2月執筆時点)
モデルによる機能や性能の違い
AIモデルによって、機能や性能は異なります。CopilotおよびChatGPTで利用できる主なモデルの特徴をまとめました。
機能 | 特徴 |
---|---|
GPT-4 | テキスト、音声、画像を処理するマルチモーダルな大規模言語モデル |
GPT-4 Turbo | GPT-4に改良を加えたモデル |
GPT-4o | テキスト、画像、音声を入力および生成が可能 |
OpenAI o1 | 高い論理的思考能力を持ち、特に理系分野に優れた推論モデル |
OpenAI o3-mini | o1モデルの後継で、3つの推論モードを持つ |
DALL-E 3 | テキストをもとに画像を生成できる |
料金体系の違い
CopilotとChatGPTはそれぞれ無料版と有料版が提供されており、有料版の料金体系は下記の表の通りです。
月額料金 | |
---|---|
Copilot | Copilot Pro(個人向け):3,200円/月 Microsoft 365 Copilot(一般法人向け):4,497円 ユーザー/月 Github Copilot:10~39ドル/月(Freeプランもあり) |
ChatGPT | Plus: 20ドル/月 Pro:200ドル/月 Team:25~30ドル ユーザー/月 Enterprise:要問合せ |
各プランによって提供される機能やサービスは異なるので、有料プランに申し込む際はプラン内容をよく確認する必要があります。
なお、Copilot in EdgeとCopilot in Windowsは、対象のブラウザ・OS上で無料で使うことができます。Microsoft 365 Copilot Chatも対象ユーザーは無料で利用することができますが、一部の機能は従量課金制で提供される予定です。
参考:Copilot Pro プラン&価格|Microsoft Store
参考:Microsoft 365 Copilot – 一般法人向けプラン|Microsoft 365
拡張性やカスタマイズ性の違い
CopilotでもChatGPTでも、生成AIをより柔軟に便利に活用するための拡張性やカスタマイズ性を持っています。以下で、CopilotとChatGPTにおける、拡張やカスタマイズのための機能やサービスについて解説します。
Copilotの場合
Microsoft Copilotで提供されている機能拡張のための機能やサービスは次の通りです。
機能・サービス | 概要 |
---|---|
Microsoft 365 Copilotのエージェント | 特定のビジネスニーズに合わせてMicrosoft 365 Copilotをカスタマイズ |
Copilot コネクタ | 上記エージェントにおける外部データソースなどの活用 |
プラグイン | 上記エージェントが他のシステムと対話して、 ほぼリアルタイムで情報を読み書き |
Copilot in Windowsのプラグイン | 予約サービス、音楽生成サービス、ショップサービスなどと連携 |
Microsoft 365 Copilotに関する機能拡張やカスタマイズは、Microsoftが提供する「Microsoft Copilot Studio」というプラットフォームを通じて利用することができます。
参考:Copilot コネクタとアクションの概要(プレビュー)
ChatGPT の場合
ChatGPTでは、「GPTs」と呼ばれるカスタマイズ機能や、APIサービスである「OpenAI API」が提供されています。
機能 | 概要 |
---|---|
GPTs | ChatGPTをカスタマイズしてオリジナルのチャットボットを作成・公開 |
OpenAI API | OpenAIが提供するAIモデルを自社サービスなどで活用するためのWeb API |
なお、GPTsは有料プランのみでの利用、OpenAI APIは利用規模による従量課金制での利用となります。
参考:OpenAI API
CopilotとChatGPTどちらを使うべきか

CopilotとChatGPTはそれぞれ強みが異なるため、目的や用途に合わせて使い分けると良いでしょう。各ツールの利用が適しているケースについて解説します。
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CopilotとChatGPTどちらを使うべきか
Copilotがおすすめなケース
Copilotは、ビジネスにMicrosoftの製品やサービスを利用する場合に適しています。CopilotとMicrosoft製品の統合により、AIが各ツールの動作を支援して、効率的な作業が実現します。
特に、すでにMicrosoft製品を使っている場合は、Copilotを導入することで大幅な業務効率化が期待できるでしょう。
ChatGPTなおすすめなケース
ChatGPTは、他ツールとの連携をせず単体で利用する場合、また自社のサービスなどで生成AIモデルを活用したい場合に適しています。APIサービスも充実しているので、さまざまなサービスに組み込むことができるでしょう。
また、2025年2月時点ではChatGPTでしか使えないAIモデルもあります。こうしたモデルを使いたいニーズがある場合も、ChatGPTにメリットがあると言えます。
「Gemini」とは何が違うのか

Copilot、ChatGPTと並ぶ生成AIツールに、Googleの「Gemini」もあります。こちらもAIとチャットができるツールで、CopilotやChatGPTと共通点が多いです。
しかし、GeminiにはGPTシリーズではなく、Googleが開発したGeminiシリーズのAIモデルが搭載されています。そのため、使用感としてはここまで解説した2つのツールとは異なる部分も多いと考えられます。例えば、回答が1度に3つ提示される、スマートフォン上での仕様を想定したモデルがある、といった特徴があります。
また、Googleドキュメント・スプレッドシートやGoogle Mapsなど、Googleの他ツールと連携できるのも大きな特徴です。基本的に無料で利用できるので、Googleのツールを使っている場合はGeminiを試してみても良いでしょう。
参考:Gemini
まとめ

CopilotとChatGPTはいずれも高性能の生成AIツールですが、提供形態や言語モデル、料金体系などにおいて異なる点が複数あります。それぞれ得意分野が異なるため、目的・用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。
例えば、CopilotはMicrosoft製品の動作を支援することから、ビジネス環境の作業効率化を狙う場合におすすめです。一方でChatGPTは、APIによってAIモデルの組み込みをしやすい利点があります。
各ツールの性能や特徴を理解して、最適なツールを導入し、ビジネスの効率化につなげましょう。
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