Gemini Ultraとは?特徴や使い方、活用のポイントを解説

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- Gemini Ultraは、Googleが開発した生成AIモデル「Gemini」の最高峰モデル
- Gemini Ultraでは、高度な文章生成や情報検索、音声のテキスト起こしなどが可能
- Gemini Ultraを使うには、Geminiの有料版「Gemini Advanced」に登録する必要がある
Gemini Ultraは、Googleが開発した生成AIモデル「Gemini」の最高峰モデルです。Geminiの有料版である「Gemini Advanced」に搭載されています。この記事では、Gemini Ultraの特徴や使い方などを解説します。
目次
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Gemini Ultraとは

米Google社は、2024年2月8日(米国時間)に従来の生成AIモデルであるBardを改名して、より高性能なGeminiシリーズをリリースしました。Gemini Ultraは、Geminiシリーズの最高峰モデルで、有料プランのGemini Advancedに登録することで利用できます。
Gemini Ultraは、他の生成AIと比較しても高いパフォーマンスが認められている高性能AI モデルです。マルチモーダルなので、画像・動画・音声・テキストデータなどの異なったデータを同時に学習して、推論することができます。
さらに、論理的推論やニュアンスを理解した回答の生成ができるなど、大きな性能アップが図られています。リリース当初は英語版のみでしたが、現在は日本語版も提供され、日本での利用もほぼ問題ありません。
参考:Gemini Ultra
そもそもGeminiとは
Geminiは、米Google社が開発した生成AIモデルです。同社は、Gemini以前に2023年から対話型AIサービスGoogle Bardを提供していました。2024年2月には「Gemini」と改名され、より高性能な生成AIモデル、およびサービスとして生まれ変わりました。
Google Bardからの大きな改善点は、テキストやプログラミングコードだけでなく、画像・音声・動画などのさまざまな入力データが扱えるようになったことです。これによって、Geminiはより使い勝手がよくなり、活用の幅が広がりました。
Geminiには、大きく分けてGemini Ultraを含めた4つの種類があります。以下でそれぞれのプランの概要について解説します。
参考:Gemini

Geminiとは?特徴やChatGPTとの違い・活用事例も解説
Geminiとは、Googleが開発した高性能な生成AIモデルです。マルチモーダルモデルであり、高い推論性能とコード生成スキルを備えています。この記事では、Geminiの特徴やChatGPTとの違い、Geminiでできることなどを解説します。
Geminiの種類
Geminiシリーズには、「Gemini Nano」「Gemini Pro」「Gemini Ultra」「Gemini Flash」の4種類があり、Gemini Ultraが最も優れた性能を持っています。それぞれ独自の特徴を持っているため、用途に合わせた選択が必要です。下記に3つの特徴の概要を紹介します。
種類 | 特徴 |
---|---|
Gemini Nano | ・スマートフォンを想定した小型モデル( Pixel 8 Proに搭載) ・軽量な処理を進めるのに最適 ・Googleアカウントだけで利用料無料 |
Gemini Pro | ・幅広いタスクに対応できる中型モデル ・一般的なビジネスや個人のニーズに対応 ・Googleアカウントだけで利用料無料 |
Gemini Ultra | ・高度で複雑なタスクに対応可能な最上位モデル ・データ量が大きく、回答生成スピードが高速 ・マルチモーダル機能に対応 ・有料プランGemini Advancedに登録して利用 |
Gemini Flash | ・処理速度やコスト効率を重視した軽量化モデル ・Gemini Advancedで利用可能 ・Google AI StudioまたはVertex AIでも利用可能 |
参考:Gemini Nano
Gemini Ultraの使い方

Gemini Ultraを使うには、Google OneのAIプレミアムに登録して、Gemini Advancedを利用できるようにする必要があります。登録は有料で月々2,900円(2025年3月現在)の利用料が発生しますが、1か月は無料で利用できます。
登録によって、Google Oneのストレージが2TB使えるなどの特典も同時に得られます。以下で登録手順を紹介します。
Gemini Advancedの公式サイトから登録して使う方法
- Gemini Advancedの公式サイトにアクセス
- 「Gemini Advancedを試す」または「1か月間無料で試す」をクリック
- 次の画面で「トライアル開始」をクリック
- Google Oneの利用規約を確認し「同意する」をクリック
- Google One AI Premiumの契約内容を確認し、「定期購入」をクリック
登録済みのGeminiからアップグレードして使う方法
既にGeminiの無料版を利用している場合、Geminiのチャット画面からプランをアップグレードすることもできます。
- Geminiの公式サイト(チャット画面)にアクセス
- 左上の三本線のアイコンからメニューを開く
- メニュー下部「Gemini Advanced にアップグレード」をクリック
- 画面の指示に従ってGemini Advancedを契約
参考:Gemini
Gemini Ultraができること

Gemini Ultraは、高性能なマルチモーダル生成AIモデルで、さまざまな活用方法があります。ここでは、Gemini Ultraができることを下記の7点に絞って解説します。
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Gemini Ultraができること
高度・創造的な文章の生成
Gemini で読み取れる文字数は、無料版で7万〜10万字程度、有料版のGemini Ultraでは14万~70万程度だと言われています。Gemini Ultraは、大量に読み込んだデータを高度に理解して、創造的な文章の生成ができます。
そのため、詩・小説・脚本・コードなどさまざまな文章生成に利用されています。また、企業では、広告戦略やマーケティング戦略など説得力のある資料の生成などにも役立てられています。
高精度な情報検索
Gemini Ultraは、Googleの検索エンジンと連動しているため、より高精度な検索による最新情報が得られます。Gemini Ultraに質問すれば、今まで学習してきた情報にインターネットやデータベースの最新情報を加えた回答を生成します。
そのため、Gemini Ultraが出した回答は、より正確でリアルタイムなものとなっています。この高精度な情報検索を活かして、企業では最新トレンドや購買傾向などを把握することでより効果的な製品開発やマーケティングを行い、自社の生産性の向上につなげています。
データの分析・予測
Gemini Ultraが検索で得た最新情報を分析して、今後の予想を立てることもできます。たとえば、企業の過去から現在までの売上データを自社のデータベースから収集・分析し、製品の売れ筋の変化を見つけたり、今後の売上予測をしたりすることも可能です。
また、リアルタイムな検索で最新情報が取得できることを活かして、市場分析に活用している企業も多いです。時々刻々変化する株価指数や為替レートの動きなどをリアルタイムに把握・分析して、相場変動の原因を探るような利用の仕方もされています。
翻訳・音声のテキスト起こし
Gemini Ultraは文章の翻訳能力も高く、対象文章を入力して翻訳する言語を指定してすれば、瞬時に翻訳が完了します。ローカルな言語でもその言語の文法書を読み込ませれば、その言語の翻訳が可能です。
Gemini Ultraで外書の論文や資料を要約してから翻訳させれば、知識化も効率的に行えます。また、音声の高精度なテキスト起こしも簡単で、英語の音声データを日本語に翻訳することもできます。
コードの生成
Gemini Ultraを使えば、短時間で高品質なプログラムコードの生成ができます。Python・Java・C++・Goなど多くのプログラミング言語を理解し、コードレビュー・デバッグ・テストデータの生成まで行えます。
プログラミング言語と具体的な実行内容の入力だけでコードが生成ができるため、プログラミングにかける時間の短縮や、効率的なプログラミング学習ができます。
画像認識・画像生成
Gemini Ultraの優れた画像認識の利用で、読み込んだ写真や図表から重要な情報だけの抽出が可能になります。たとえば、読み込んだ製品の画像から特徴などを抽出させれば、広告や販売戦略のキャッチフレーズづくりに役立てられます。
また、作成したい画像の意図を指示すれば、Gemini Ultraがその意図を理解して画像生成することもできます。ただし、2024年6月現在、Gemini Ultraは日本語での画像生成をサポートしていないため、英語での指示が必要です。
Googleツールとの連携
Gemini Ultraは、Googleの各種ツールとの親和性に優れており、連携して拡張機能として利用できます。利用できるツールには、Google Workspace・Googleマップ・YouTube・Googleフライト・Googleホテルなどがあります。
企業では、グループウェアであるGoogle Workspaceとの連携がよく利用されています。連携により、各アプリにAI支援機能が追加され、ドキュメント内の文章校正や推敲、Gmailの後送信やリマインダー設定機能が利用できるようになります。
Gemini Ultraはスマホからも利用可能

Google社製のスマホであるGoogle Pixel 8には、Gemini Nanoを搭載したモデルがあります。一方で他メーカーのスマホでは利用できないこともあり、より高性能なGemini Ultraを搭載した「Geminiアプリ」が開発されました。
GeminiアプリにはAndroid版とiOS版があり、どのメーカーのAndroidスマホでも使えるようになったのに加え、iOSの対応でApple社のiPhoneでも使えるようになりました。Android端末はGoogle Playストアから、iPhoneなどのiOS端末はApp Storeから入手できます。
参考:Gemini アプリ – スマホで使える新しい AI アシスタント
Gemini Ultraを効果的に使うポイント

高性能なGemini Ultraですが、生成された回答が100%正確であるとは限りません。そのため、Gemini Ultraが出力した情報をそのまま鵜呑みにすることなく改めてユーザー側でチェックしたり、情報の出典先の信頼性を確認したりするなどを習慣づけることも大切です。
また、入力する指示や質問の文章(プロンプト)にも工夫が必要です。Geminiはチャット形式で簡単に使えますが、プロンプトが具体的でない場合、期待していたような回答が得られないことがあります。特に複雑な指示を与える場合は、「プロンプトエンジニアリング」のスキルを身につけると良いでしょう。
まとめ

Gemini Ultraは、Googleが開発した生成AIモデル「Gemini」の最高峰モデルで、Geminiの有料版である「Gemini Advanced」に搭載されています。利用するには、Google One AI Premiumに登録して、Gemini Advancedを利用できるようにする必要があります。
1か月間の無料トライアル後に有料利用に移行するため、気軽に始められます。Gemini Ultraでは、高度で創造的な文章生成や情報検索・音声のテキスト起こし、創造性のある画像認識や画像生成などが可能です。企業に導入すれば、業務の効率化につなげられます。
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