おすすめのCPQシステム5選|選び方・導入時の注意点も解説
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- CPQシステムは連携性・メンテナンスの難易度・サポート体制を重視して選ぶ
- CPQシステムにはクラウド型とオンプレミス型があり、特徴や費用が異なる
- 従来の見積もり手順が曖昧な場合は、CPQシステム導入時に見直す必要がある
CPQシステムは、複雑な仕様の製品において正確な見積りを作成するためのシステムです。導入により、計算ミスを回避しながら見積もり作成のリードタイムを短縮できます。この記事では、おすすめのCPQシステムや選ぶ際のポイント、導入時の注意点などを解説します。
目次
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CPQシステムで見積もりの精度を向上
CPQシステムは、「Configure・Price・Quote」の略で、製品やサービスの構成、価格設定、見積もり作成を自動化・効率化するためのシステムです。主に製造業や複雑な見積もりが必要な業界で使われています。
CPQシステムを使うことで、手動で行っていた複雑な見積もり作成が自動化され、迅速に行えるようになります。これにより、商談の機会損失を防ぎ、顧客からの信頼を獲得できるメリットを得られます。見積もりエラーが減り、製品出荷後のトラブルも減少します。
他にも見積もりのシステム化により、属人化を防ぐことができる点や、大量生産と受注生産を組み合わせるマス・カスタマイゼーションが実現できる点などもメリットです。
CPQとは?機能やメリット・デメリット、ツールの選び方を解説
CPQとは、製品の発注から正確な価格の提示、提案書や見積書などの作成・管理までの流れをサポートするITツールです。製造業などの複雑な見積もり作成時間を短縮でき、顧客満足度向上にも繋がります。本記事では、CPQのメリット・デメリットや選び方などを解説します。
CPQシステムは連携性・メンテナンスの難易度・サポート体制で選ぶ
CPQシステムを選ぶ際には、システム連携・マスタメンテナンス・サポート体制に着目することが重要です。また、効果的な運用のためには、導入形態やコストの比較も欠かせません。次の章でそれぞれのポイントを詳しく解説します。
【重要なポイント3つ】
- 既存システムとの連携は可能か
- マスタのメンテナンスは簡単にできるか
- サポート体制は充実しているか
【その他の比較ポイント】
- 導入形態を確認
- コストは適正か
CPQシステムの選び方で重要な3つのポイント
CPQシステムは、見積もりに関わる特性上、システムの選定が企業内の業務効率や継続性などに大きく影響します。ここでは、CPQシステムの選び方で重要な3つのポイントについて解説します。
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CPQシステムの選び方で重要な3つのポイント
既存システムとの連携は可能か
CPQシステムは、既存システムとスムーズに連携できるかの確認により、業務の効率化や精度の向上が期待できます。例えば、CRM(顧客関係管理)との連携で、顧客の購入履歴や過去の問い合わせ内容を基に、より迅速で正確な見積もりを作成できるようになります。
ERP(企業資源計画)との連携では、受注・生産・出荷のプロセスを円滑に進行できるため、全体の生産性が向上します。また、これらのシステム連携により、顧客情報や製品情報を一元管理でき、見積もり作成時に必要なデータを迅速に取得できる点もメリットです。
CPQシステムを選ぶ際には、システム間の互換性を調べたり、デモやトライアルなどを通じて実際に試してみたりすることで、連携の可能性について確認できます。
マスタのメンテナンスは簡単にできるか
マスタとは、CPQシステムの基盤となるデータを管理するものであり、製品の構成情報や価格情報が含まれます。この情報が正確で最新であることで、迅速で正確な見積もり作成に直結します。
例えば、製品の仕様や価格が頻繁に変わる企業では、マスタの情報を迅速に更新することが必要です。そのため、マスタのメンテナンスが簡単であるかどうかは、作業の効率性や正確性に大きな影響を与えます。
メンテナンス作業が簡単であれば、特別なスキルがなくても迅速にデータを更新できます。また、更新作業を自動化できる機能があれば、作業時間が短縮され、人的なミスを減らすことにも繋がります。
CPQシステムを選定する際は、自社の製品や価格の更新頻度を考慮し、それに対応できるメンテナンス機能があるかを確認しましょう。また、デモやトライアルを通じて、メンテナンス作業のしやすさを確認することも大切です。
サポート体制は充実しているか
CPQシステムは見積もり作成や価格設定など、企業の重要な業務を支えるため、システム障害が発生すると大きな影響を及ぼします。そのため、CPQシステムを選定する際には、サポート体制が充実しているかを確認することが重要です。
24時間対応のサポートや、緊急時にすぐにアクセスできるヘルプデスクの有無など必要な支援を事前に確認しておきましょう。また、ベンダー(システムの提供元)が定期的にシステムを監視し、必要に応じてアップデートを行っているかを確認することも大切です。
これにより、常に最新の機能を利用でき、セキュリティの強化を図ることもできます。加えて、システムに関するFAQ・連絡方法の種類・運用マニュアルやトレーニングなどを確認しておくと、導入後のスムーズな運用に期待できます。
CPQシステムのその他の比較ポイント
システムを導入する際には、その導入形態やコスト管理も重要なポイントです。ここでは、CPQシステムのその他の比較ポイントを解説します。
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導入形態を確認
CPQシステムには、以下の2つの導入形態があるため、自社の方針やニーズに合わせて、どちらの導入形態が適切かを検討することが重要です。
例えば、自社や業界の特性を考慮して使いやすいシステムにしたい場合は、オンプレミス型を選択することが考えられます。将来的にシステムのユーザー数やデータ量が増えることが予想される場合は、クラウド型の方がリソースの拡張がしやすい利点があります。
これらはあくまでも参考例であり、企業規模・既存のシステム環境・予算・費用対効果など、自社の実情に合わせて多面的に検討することが大切です。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
---|---|---|
特徴 | ・インターネットを利用 ・サーバーやハードウェアの用意が不要 ・月額や年額の利用料金で提供 | ・社内のサーバーで運用 ・ライセンスを一括購入して利用 ・サーバーやハードウェアの初期費用がかかる |
メリット | ・初期コストが低い ・自動でシステムやセキュリティが更新 ・リモートアクセス可能 | ・高度なカスタマイズが可能 ・自社でセキュリティの管理ができる ・自社のネットワーク環境で運用 |
デメリット | ・カスタマイズに制限がある ・セキュリティはベンダーに依存する部分が大きい | ・初期コストが高い ・運用と保守は専門知識を持つ人材が必要 |
コストは適正か
CPQシステムの料金体系には、主に月額従量課金タイプと月額固定費用タイプがあります。月額従量課金タイプは、データ使用量やユーザー数などに応じて料金が変わるため、使用量が少ない場合はコストを抑えられます。
初期投資が少ないメリットがある反面、利用料によって毎月の料金が変動するため、コストを予測しにくくなる場合があります。月額従量課金タイプの料金相場は、一般的に「1GBごとに245円〜」程度です。
一方で月額固定費用タイプは、利用量に関係なく一定の料金を支払います。そのため、予算管理がしやすく、使用料が多くなっても長期的に安定したコストで利用できます。月額固定費用タイプの費用相場は、「9,000円〜」程度です。
ただし、オプション機能の追加や有償サポートの利用などによって、これらの相場より高額になる可能性もあります。
おすすめのCPQシステム5選
株式会社セールスフォース・ジャパン
Salesforce CPQ
GOOD
ここがおすすめ!
- 製品ルールや価格設定ルールが設定でき、見積作成時のエラー軽減にも
- 「自動更新」「契約の修正」により、更新時期を逃さず作成できる
- 関連製品と組み合わせられるため、自社にあった最適なツールを作れる
MORE
ここが少し気になる…
- 「従量課金型の価格設定」「ドキュメント生成」についてはCPQ+のみ
シンコム・システムズ・ジャパン株式会社
Cimcom CPQ
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ここがおすすめ!
- たくさんのアプリケーションと連携ができ、作業を合理化できる
- 製品・サービスが複雑な場合でも迅速な商談受注の獲得に効果的な支援の提供
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ここが少し気になる…
- HPでは特徴や機能紹介が少なく詳しい料金プランや機能は問い合わせで確認
GOOD
ここがおすすめ!
- 製品やサービスを素早く構成することにより、見積りのオンラインリクエストを有効にできる
- 営業担当が販売業務に集中できる管理機能を搭載
- シンプルに使えて時間コストの削減にも効果的
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ここが少し気になる…
- 詳細な料金プランは問い合わせで確認
GOOD
ここがおすすめ!
- 手間のかかるミスや作業の重複をなくし、販売サイクルの短縮が可能に
- 市場の需要に素早く対応でき、市場シェアの拡大にも効果的
- 「音声」による見積り入力機能を備え、よりスピーディーに
MORE
ここが少し気になる…
- サポート体制や料金プランは問い合わせで確認
GOOD
ここがおすすめ!
- 複雑な製品モデルでも「ノンプログラミング」で素早く構築・変更できる
- 「ルール」と「データ」を完全分離することで苦労せず見直し修正が可能に
- 対話画面を自社サイトに埋め込みでき、効果的な集客にも
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ここが少し気になる…
- 製造業に特化しているため部品表や図面など使用しない方には不向き
CPQシステムの導入フローと注意点
CPQシステムを効果的に運用するためには、ポイントを押さえた計画的な導入が推奨されます。ここでは、CPQシステムの導入フロー・注意点を解説します。
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CPQシステムの導入フローと注意点
導入の目的を明確にする
CPQシステムを導入する際、導入の目的を明確にすることが大切です。目的を明確にする過程で、システムで解決すべき課題が明らかになり、導入の効果を最大化できます。また、目的達成に必要な機能にも焦点を当てやすくなります。
具体的には、手動での見積もり作成に時間がかかり、ヒューマンエラーが多い場合は、見積もり作成の時間を短縮し、作成の精度を向上させることが導入目的として挙げられます。この目的における必要な機能としては、見積もりの自動作成機能が考えられます。
導入目的を明確にすることは、自社の課題に対して必要な機能は何かを明らかにし、その効果を検証する上で重要なステップです。
見積もりの手順を見直す
CPQシステムを効果的に運用するためには、システム導入にあたり、現状の見積もりの手順を見直すことが重要です。特に見積もりの手順が曖昧な場合、作成に時間がかかることに加え、人的ミスの増加や属人化が起こりやすくなります。
見積もり手順はできるだけ明確にして、誰でも同じ精度で見積もりを作成できるようにすることが大切です。これにより、特定の担当者への依存を防ぐことができます。また、明確な手順によって迅速な見積もりが可能になり、顧客への対応速度が向上します。
運用体制を整える
運用体制を整えることは、システムの有効活用に繋がります。例えば、運用における担当者の配置が明確に決まっていることで、システム管理やトラブルに迅速に対応することができます。
担当者の配置については、システム管理者・データ管理者・ユーザーサポート担当者など、各役割に適した担当者を配置し、各担当者の役割と責任を明確にしましょう。
また、運用体制の整備には、教育の実施も含まれます。システムの利用者がCPQシステムの機能を十分に理解していることで、その効果を最大限に引き出すことができます。
そのためには、操作方法や活用方法について、担当者やユーザーに対する教育を実施します。その際、見積書の自動作成や価格設定エンジンなどの特徴的な機能については、実際の業務シナリオを用いたトレーニングが効果的です。
まとめ
CPQシステムは、製品やサービスの構成・価格設定・見積もり作成を自動化することで、業務の効率化と精度向上を実現します。迅速な見積もり作成により、顧客満足度の向上や商談の機会損失を防ぐ効果があります。
CPQシステムの選定では、システム連携の可否・マスタメンテナンスの容易さ・サポート体制の3点が重要です。これらは、業務全体の効率化や運用コストの削減に直結します。また、充実したサポート体制により、運用の安定性が確保されます。
導入に際しては、担当者の配置や教育の実施など、運用体制を整えることが不可欠です。担当者を配置し、各役割と責任を明確にすることで、システムの効果を最大限に引き出すことができます。本記事を参考にして、見積もり作成の精度を向上させましょう。