おすすめの工程管理システム8選|選び方や導入時の注意点も解説
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- 工程管理システムを選ぶ際は、機能・生産方式への適合性・操作性を重視する
- チャート・図の見やすさや、スマホ・タブレットに対応しているかどうかなども確認する
- 導入時はシンプルな機能から使い始め、必要に応じて徐々に拡張していくのがおすすめ
製造業などでは、適切な工程管理が欠かせません。工程管理システムを使えば、リアルタイムに進捗を管理できるようになり、業務負担の軽減や効率化に繋がります。この記事では、おすすめの工程管理システムや選ぶ際のポイント、導入の流れを解説します。
目次
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工程管理システムでリアルタイムの進捗管理を実現
工程管理システム(工程管理ソフト)とは、製品の製造やシステム開発などの進捗を効率的かつ適切に管理するツールです。適切な進捗管理により、品質を担保しながらも納期を守った業務の遂行ができるようになります。
企業の中には、エクセルを用いて工程管理を行っている企業も多いですが、エクセルでの工程管理は手作業の入力が多くなりがちです。そこで、工程管理システムを導入すれば、さまざまなデータを共有することで手入力が減り、入力漏れも防げます。
また、工程管理システムには各工程の情報が一元管理され、その情報を分析することもできます。そして、分析から明らかになった問題点を改善するための施策を実施することで、より効率的で適正な業務行程の作成ができるのもメリットです。
しかし、工程管理システムの種類は多く、製品選びに迷うことも多いです。そこで本記事では、工程管理システムを選ぶ際のポイントや導入の流れの解説を交え、おすすめの工程管理システムをクラウド型とオンプレミス型に分けて紹介します。
工程管理システムとは?機能やメリット・デメリット、選び方を解説
工程管理システムとは、納期に間に合うように在庫や進捗状況などを適切に管理するシステムです。進捗状況を見える化でき、製造業やシステム開発などの分野で役に立ちます。本記事では、工程管理システムの機能やメリット・デメリット、自作できるかなどを解説しています。
工程管理システムは機能・生産方式・操作性で選ぶ
工程管理システムは、自社の業務に適したものを導入することで、導入効果の最大化が図れます。そのために、まずは自社に必要な機能を備えたもの、自社の生産方式に合っているもの、誰でも操作できるものの3つのポイントを重視しましょう。
また、これらのポイント以外にも、下記にあげたその他の比較ポイントも含めて、自社にとって一番費用対効果の高いシステムの選択をすることが大切です。次章からは、各ポイントについて詳しく解説します。
【重要なポイント3つ】
- 必要な機能を備えているか
- 自社の生産方式に合っているか
- 簡単に操作できるか
【その他の比較ポイント】
- 導入形態を確認
- 既存システムと連携できるか
- チャート・図は見やすいか
- モバイルに対応しているか
工程管理システムの選び方で重要な3つのポイント
数多くある工程管理システムの中から、自社に合ったシステムを選択するには、下記の3つのポイントを重視するのがおすすめです。ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
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工程管理システムの選び方で重要な3つのポイント
必要な機能を備えているか
工程管理システムの基本機能には、現場の日程や工程などを一元管理する「工程管理機能」や、進捗状況を把握する「進捗管理機能」などがあり、多くのシステムに搭載されています。
しかし、業種や導入目的によっては、ほかの機能が必要になる場合もあるため、自社に必要な機能を備えているシステムの導入をしましょう。基本機能以外にも以下のような機能があります。
機能 | 概要 |
---|---|
スケジュール管理 | 作業の進捗状況を反映した工程を最適化する機能 |
受発注管理 | 受注・発注の管理を行う機能受発注の契約内容・予算・契約日などを一元管理できる |
原価管理 | 進捗状況に合わせて原価を算出する機能今後の支払いや売上に対する原価率などを管理できる |
日報管理 | 毎日の進捗結果を日報に記録し出力する機能各工程の作業時間などの集計ができる |
在庫管理 | 在庫の出庫状況や補充管理を一元管理する機能適正在庫を保ち在庫不足や無駄なコストの発生を抑える |
ガントチャート | 横軸に日時・縦軸に作業内容としたチャートを作成する機能全体のスケジュールを見通しやすい |
自社の生産方式に合っているか
それぞれの工程管理システムには特徴と得意分野があり、幅広い生産方式に対応した汎用型システムや、多品種生産や個別受注生産に対応したシステムなどがあります。それらの中から、自社の生産方式にマッチしたシステムを選ぶことが重要です。
たとえば、自社で生産工程のすべてが完結する企業では、工程監視がリアルタイムにでき、工程の流れがスムーズになるシステムが向いています。また、受注生産を主体としている企業では、顧客の要望に応じてカスタマイズできるシステムが適しています。
それに加え、業種によっても必要となる機能が異なってきます。製造業なら生産管理や在庫管理、販売管理などの機能が優れたもの、建設業なら見やすいバーチャートやガントチャートが簡単に作成できるシステムがおすすめです。
簡単に操作できるか
工程管理システムは、特定の担当者だけが操作するシステムではなく、多くの従業員が利用するシステムです。そのため、操作性の高さはシステム選びの重要なポイントになります。できるだけIT機器の操作が苦手な人でも直感的に操作できる製品を選びましょう。
操作しにくいシステムは、工数入力や進捗状況を確認する作業に時間がかかり、かえって業務効率が悪くなったり、利用度が低下して工程管理がスムーズにできなくなったりします。無料トライアルやフリープランなどを利用して、実際の操作性の確認をするのがおすすめです。
工程管理システムのその他の比較ポイント
工程管理システムを選ぶ際には、機能・生産方式・操作性以外にも下記の4つのポイントにしたがって、各システムを比較・検討するのがおすすめです。ここでは、4つの比較ポイントについて詳しく解説します。
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工程管理システムのその他の比較ポイント
導入形態を確認
工程管理システムの導入形態には、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があり、それぞれの違いを理解したうえで、自社の方針に合わせて選択する必要があります。以下で、クラウド型とオンプレミス型の特徴について解説します。
クラウド型
クラウド型は、クラウド上にある工程管理システムをインターネットを介して運用する形態です。自社でサーバーを用意する必要がなく、導入コストが抑えられます。また、インターネット環境があれば、場所を選ばずシステムを利用できるのも大きなメリットです。
しかし、ベンダーのシステムを借りて運用する形となるので、月々の利用料が必要なことや、システムのカスタマイズ性に劣ること、セキュリティ対策を自由に施せないことなどがデメリットとなります。
クラウド型は、特に自社サーバーを持たない企業におすすめであり、契約から短期間での運用が可能です。また、サーバー管理をする人材がいない企業でも気軽に導入ができ、最近では多くの企業がクラウド型の導入を行っています。
オンプレミス型
オンプレミス型は、工程管理システムを自社サーバーにインストールして運用する形態です。自社のためだけのシステムになるので、システムのカスタマイズ性が高いことや、自社のセキュリティポリシーに合わせたセキュリティ対策が施せることが大きなメリットです。
一方、システムを買い取る場合が多く、導入時に高額なコストがかかります。また、サーバーのメンテナンスなども自社で行う必要があるため、サーバー管理ができる専門的な知識を持った人材が必要になります。
すでにサーバーを運用している企業であれば、サーバーを準備したり新たな人材を確保したりする必要がないので、導入コストは抑えられます。また、オンプレミス型では、月々の利用料も発生しません。
既存システムと連携できるか
工程管理システムが自社の既存システムやツールと連携できると、工程管理がしやすくなるとともに、ほかの業務の効率化も進められます。特に、在庫管理や販売管理、生産管理などのシステムとの連携が有効です。
ただし、システムの連携に対応していない製品や、対応していても自社のシステムとは連携できない場合もあるので事前確認が必要です。クラウド型の場合は、工程管理システムを提供しているベンダーが連携できるシステムをシリーズで提供している場合もあります。
チャート・図は見やすいか
工程管理システムでは、さまざまなデザインのチャートや図の作成ができます。しかし、作成されたものは、実際に運用する従業員にとって見やすいものである必要があります。見にくいチャートや図は、従業員の誤解を招き、スムーズな工程進行の妨げになります。
チャートや図の見やすさは、業務内容によっても異なります。したがって、システム選択に入る前に、自社にはどのようなチャートや図が適しているのかを明確にして、それに近いものが作成できるシステムを選びましょう。
モバイルに対応しているか
建設業などでは、建設現場の事務所などで工程管理システムを運用する場合も多いです。このようにオフィスと運用場所が離れている業態の企業では、モバイル端末に対応し、インターネットに接続されていればどこからでも利用できるシステムが便利です。
スマホやタブレットなら、現場に持ち込んでリアルタイムに状況の入力ができます。情報は入力と同時にシステムに反映され、遠隔地にいるスタッフとの情報共有も可能です。そのため、トラブルが発生した時も素早い対応ができ、被害を最小限に抑えられます。
クラウド型の多くのシステムは、モバイル端末対応ですが、オプションになっている場合もあります。また、オンプレミス型の場合は、対応していなかったり機能拡張が必要になったりする場合があります。いずれの導入形態でも対応状況の確認が必要です。
おすすめの工程管理システム8選
GOOD
ここがおすすめ!
- 簡単操作で作業指示カードを自由に並び替え
- 作業指示内容は自由にカスタマイズできて、種類ごとに色分けが可能
- 表計算ソフトとの連携で、作業指示を取り込んだり実績を自由に集計可能
MORE
ここが少し気になる…
- 計画ボードが3枚以上必要だとオプションとして追加料金がかかる
GOOD
ここがおすすめ!
- カスタマイズ性が高く、見積りから受発注・請求の管理まで効率よく使える
- 売上や請求・計上処理を自動化するため、ミスの削減にもつながる
MORE
ここが少し気になる…
- 初期費用が15万円かかり、ユーザー数やデータベース数によって月額費用も変動
GOOD
ここがおすすめ!
- 50以上のツールと自動連係が行える
- 「表ボード」「かんばんボード」「ガントチャート」などの進捗確認機能を搭載
- 「チャットグループの開設」により24時間質問対応でき、テレビ電話も可能
MORE
ここが少し気になる…
- BASICで使える機能数が少なく、高いプランの契約が必要な場合も
GOOD
ここがおすすめ!
- 計測や分析機能を標準装備し、改善につなげたい場合にも効果的
- 現場思考重視の柔軟なプロジェクト管理機能
- 「クラウド」と「オンプレミス」の2種から自社にあった導入方法を選べる
MORE
ここが少し気になる…
- 本格的なプロジェクト管理や分析を行いたい場合は「Professional Editon」が必要
株式会社建設システム
工程管理システム [バーチャート+ネットワーク図]
GOOD
ここがおすすめ!
- 日進量を入力すれば誰でも簡単にバーを作成できる
- 「ネットワーク図」の自動作成や、クリティカルパスの重点管理が可能
- 進捗率はウィザードに従って操作するだけで手軽に計算可能
MORE
ここが少し気になる…
- 工程管理以外の機能も欲しい場合は機能が不足してしまう場合も
GOOD
ここがおすすめ!
- 「AI機能」を搭載したことで、経験や知識がなくてもスケジュールが自動で作れる
- 工程スケジュールはメール添付やファイル保管などで共有可能
- クラウドと違い買い切りかつ必要な分を全て含んだリーズナブルな価格
MORE
ここが少し気になる…
- 定額な月額費用がない分、購入の際にまとまった費用が必要
GOOD
ここがおすすめ!
- 機械稼働率グラフで空き状況をすぐに把握できる
- 自動でスケジュールを作成するので、工程計画者が不要に
- 特急品の割り込み判断や、従業員の残業・休日出勤を効率よく行える
MORE
ここが少し気になる…
- 日報管理機能の実績収集システム「サクっとPOP」についてはオプション対応
GOOD
ここがおすすめ!
- 「日・時間・分」単位でのスケジュール管理が可能
- 機械の負荷状況により自動で割当てし、効率よく生産計画を立てられる
- 販売管理や生産管理システムとの連携ができる
MORE
ここが少し気になる…
- 導入費用は問い合わせで確認
工程管理システムの導入フローと注意点
ここでは、工程管理システムの導入フローにしたがって、導入する際の注意点について解説します。
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工程管理システムの導入フローと注意点
導入目的を明確にする
工程管理システムを導入する場合は、すぐにシステムを選び始めるのではなく、まずは自社が現在行っている工程管理の問題点を洗い出すことが重要です。問題点がはっきりとすれば、システムの導入の利用場面が明らかになり、導入目的を明確にすることができます。
そして、明確になった導入目的を達成するための機能などを洗い出すことで、システム選択がスムーズに進みます。また、導入後も設定した目的に沿った効果測定ができ、今までの工程管理が抱えていた問題点の解決につなげられます。
導入事例なども参考に製品を選定する
工程管理システムには、業界を問わず幅広く使えるものもあれば、製造業、建設業など特定の業界での利用を想定して開発されているものもあります。そのため、どのような業種・業界で使われているものなのかを確認することが重要です。
特に幅広い業界で使えるシステムの場合、導入事例や口コミは非常に参考になります。工場や建設現場など、自社での使い方に近い事例を参考にすることで、自社での有用性や効果的な活用方法を検討できます。
運用開始前に使用方法を周知する
工程管理システムの導入効果を最大限発揮させるためには、操作を行う従業員すべてが利用できるようにしなくてはなりません。そのために、マニュアルを作成したり工程管理システムの講習会などを開催したりして、使用方法を周知する必要があります。
最近では、分かりやすいマニュアル動画を提供するベンダーも増えてきています。また、従業員を集めなくても開催でき、好きな時間に視聴できるオンラインセミナーなども行われています。
必要に応じて機能を拡張していく
IT機器の操作に苦手意識のある従業員が多い企業では、初めから多機能なシステムを導入すると従業員がシステムの利用に難しさを感じ、活用が浸透していかない場合があります。そのため、導入はシンプルな機能で行い、状況に応じて拡張していくのもおすすめです。
また、既存システムとの連携などの効果が予想できない場合も、ある程度の期間工程管理システムを運用して、効果を確認した後に必要に応じて連携させるのも1つの方法です。
まとめ
製造業や建設業などでは、適切な工程管理は欠かせません。工程管理をエクセルで行っている企業も多いですが、工程管理システムを導入すればリアルタイムな進捗管理を簡単にできるようになり、業務負担の軽減や効率化につながります。
工程管理システムには多くの種類があります。その中から最適なものを選択するには、機能や生産方式への適合性・操作性の確認が重要です。また、チャートや図の見やすさやスマホやタブレットへの対応なども確認して、自社に合ったシステムを導入しましょう。