給与計算ソフトで給与計算を自動化|導入メリットや選び方も解説

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  • 給与計算ソフトを使えば、計算業務や給与明細の作成、経費申請などを自動化できる
  • 給与計算ソフトでは、従業員の勤怠データ修正や給与の更新などは自動化できない
  • 給与計算ソフトの導入により、担当者の業務負担を軽減し、人的ミスも予防できる

給与計算ソフトは、毎月発生する給与計算に関する業務を自動化できます。手間のかかる給与計算を自動化すれば、担当者の負担が軽減され、コア業務に集中できるようになります。この記事では、給与計算ソフトで自動化できる業務や、導入メリット・デメリットなどを解説します。

目次

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  1. 給与計算ソフトで給与計算を自動化しよう
  2. 給与計算ソフトで自動化できる業務
  3. 給与計算ソフトで自動化できない業務
  4. 給与計算を自動化するメリット
  5. 給与計算を自動化するデメリット
  6. 給与計算ソフトを選ぶ際のポイント
  7. まとめ

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給与計算ソフトで給与計算を自動化しよう

給与計算ソフトは、従業員の勤怠情報を基に給与額を自動計算するソフトウェアです。給与計算ソフトを導入すれば、時間外労働などの各種手当を含めた給与計算や、税金・社会保険料などの各種控除額の計算も簡単にできるようになります。

また、専門的な知識が無くても間違いのない給与計算が可能になり、担当者のストレス軽減にもつながります。現在、エクセルの数式などを用いて給与計算をしている企業でも、給与計算ソフトの導入で、大幅な業務の効率化が図れます。

本記事では、給与計算ソフトで自動化できる業務や、導入するメリット・デメリットなどを解説します。

給与計算ソフトとは?機能やメリット・デメリット、選び方を解説

給与計算ソフトとは、給与計算の自動化や給与明細の発行などを行えるソフトです。業務の効率化や法改正にも対応できる利便性があります。本記事では、給与計算ソフトをよく知らない方のために、機能やメリット・デメリット、選び方を解説しています。

給与計算の業務フロー

一般的な給与計算の業務フローは、「勤怠データの登録→給与の計算→社会保険料の支払い」の3段階で進められます。この業務フローは、給与計算ソフトを利用しても基本変わりません。ここでは、3段階の給与計算業務フローについて解説します。

1. 勤怠データの登録

給与計算を行うには、給与計算対象期間の総労働時間数・法定労働時間の勤務状況・割増賃金対象となる勤務時間数などが必要になります。企業では、それらを勤怠データとして管理しており、給与計算を始める前に必ず勤怠データの登録を行います。

給与計算を始めてしまうと、それ以後の勤怠データの変更は給与に反映されません。したがって、勤怠データを登録する前に、給与計算の対象となる期間の勤怠データの変更を完了しておかなくてはならず、従業員には勤怠データの修正期限を周知する必要があります。

2. 給与の計算

登録された勤怠データを基に、給与の計算を実施します。給与は基本給のほかに、役職手当 ・資格手当・通勤手当・住宅手当・時間外手当などの各種手当の計算も必要です。それぞれの手当額は、企業ごとに異なるので慎重に行わなくてはなりません。

給与の計算ができたら、控除額の計算を行います。控除するものには、社会保険料・介護保険料・雇用保険料・所得税・住民税などがあります。そして、給与から控除額を引いた金額を各従業員の登録口座へ振込みます。

3. 社会保険料の支払い

給与計算が完了して給与を支払った後にも、各従業員の給与から控除した所得税・住民税・社会保険料の支払業務があります。社会保険料の納付期限は翌月末日で、毎月行う必要があります。納付期限までに支払わないと、延滞金が課される場合があるので注意しましょう。

また、源泉所得税の支払いは原則翌月10日とされています。従業員が9名以下の場合は、納期の特例が認められ、上半期分を7月10日までに下半期分を翌年1月20日までの年2回にまとめて納付することもできます。

参考:厚生年金保険料等の納付|日本年金機構

参考:No.2110 事業主がしなければならない源泉徴収|国税庁

給与計算ソフトで自動化できる業務

給与計算は非常に複雑で、手間のかかる業務です。しかし、給与計算ソフトを活用すれば下記の5つの業務を自動化でき、担当者の業務負担の軽減と業務の効率化が図れます。ここでは、5つの自動化できる業務について解説します。

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給与計算

給与計算とは、従業員の手取り額を計算する作業であり、総支給額の計算と各種控除額の計算を行い、その差額(従業員の手取り額)を導き出します。給与計算ソフトでは、従業員一人ひとりの総支給額と各種控除額を自動計算できます

給与計算ソフトで自動計算するためには、従業員の個人データや自社の各種手当額など、計算に必要な基本データを事前に入力しておかなくてはなりません。また給与計算前に各従業員の該当期間における勤怠データを取得しておく必要もあります。

これらの従業員の個人データや勤怠データをほかのシステムなどから自動取得できれば、さらに給与計算の効率化が図れます。

社会保険料の変更

社会保険料は、標準報酬月額を基準に定められているため、昇給や降給・雇用形態の変更などで給与が変わると、社会保険料も変わる場合があります。これを手作業で行う場合、該当従業員すべてに対して社会保険料の変更が必要かどうかを確認しなくてはなりません。

しかし、給与計算ソフトではあらかじめ、標準報酬月額のデータが入っており、保険料額の変更が必要かどうかを自動的に判断し、正しい社会保険料を自動算出してくれます。

また、社会保険料は法改正などでも変更になる場合があります。その場合、クラウド型給与計算ソフトであれば、ベンダーが施行月に併せて対応してくれるので、自社で対応する必要はありません。

給与明細の作成

給与計算ソフトには、給与明細のフォーマットが数多く用意されています。それらのフォーマットの中から自社に一番合った給与明細を選択すれば、別途作成する必要はありません。自社独自の項目が必要な場合には、項目を自由に追加できます。

そして、給与明細の発行日を事前に設定しておけば、指定日に自動的に給与明細書の発行や送付をする機能もあるため利便性が向上します。中には、給与明細書や源泉徴収票をWeb上で発行できる製品もあります。

申請内容のチェック

給与計算では、従業員の出張旅費や交通費精算などの処理も必要となり、多くは従業員からの申請によって精算業務を行います。しかし、申請が正しいものであるかどうかや、社内規則に則ったものであるかどうかなどをチェックしなくてはなりません。

給与計算ソフトの中には、それらの経費精算の機能を搭載しているシステムや、路線検索などと連携して、自動的に経路や運賃を導き出してくれるものもあります。そのようなソフトを利用すれば、申請内容のチェックの手間は大幅に削減できます。

また、e-Gov電子申請に対応した給与計算ソフトも増えています。対応したソフトを利用することで、給与計算だけでなく、それに関連する行政手続や申請も自動化できます。

データの保護・バックアップ

給与計算に用いられるデータは、従業員の個人情報であり、厳重に管理しなくてはなりません。また、給与は指定の期日に支給する必要がありますが、個人データが破損してしまうと給与計算はストップし、指定期日の支給ができなくなってしまいます。

そのため、給与計算ソフトは、個人データの管理もしっかりと行う必要があります。特に多くのクラウド型のソフトでは、インターネットを介してデータのやり取りを行うために、データは高度な暗号化が施されています

また、クラウド型では、データのバックアップを定期的に取っているベンダーも多く、大きな自然災害などでサーバーがダウンしても早期の復帰が可能になっています

給与計算ソフトで自動化できない業務

給与計算ソフトでは、給与計算に関わるすべての業務が自動化できるわけではありません。特に、下記にある「勤怠データの修正」や「給与の改定・更新」については自動化ができないため注意が必要です。

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給与計算ソフトで自動化できない業務

  1. 勤怠データの修正
  2. 給与の改定・更新

勤怠データの修正

給与計算では、各従業員の勤怠データの登録は必須で毎月行う必要があります。勤怠データの修正は頻繁に発生する業務の1つですが、給与計算ソフトでの自動化はできません。勤怠データの修正は、社員が申請して労務担当者が承認することで行われるのが一般的です。

そのため、給与計算ソフトに勤怠データを取り込む前に、該当する期間の勤怠データを修正しておかなくてはなりません

給与の改定・更新

法や制度に基づいて控除する金額は、給与計算ソフトにあらかじめ設定されているため、手入力の必要はありません。法や制度の改訂で控除金額が変わった場合でも、クラウド型であればベンダーが対応を行い、利用者は意識することなく使い続けられます。

しかし、給与の改定や更新・諸手当の金額変更など、自社の事情で改定されたものについては自動更新されないので、各企業が手作業で変更する必要があります。また、昇給・異動・退職・役職変更・通勤方法の変更などの情報も手入力が必要です。

給与計算を自動化するメリット

給与計算を自動化するメリットは数多くありますが、その中でも下記の4つは大きなメリットになります。ここでは、4つのメリットについて詳しく解説します。

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担当者の負担を軽減できる

給与計算業務は工数が多く、担当者に負担がかかりやすい業務です。特に従業員の多い企業が給与計算を手作業で行うと、業務量が膨大になります。そこで、給与計算ソフトを導入して作業を自動化することで、給与計算業務を担当する従業員の負担軽減が図れます

業務の自動化で業務量が減少すれば、そこで生まれた時間や人材を自動化できない業務に回すことができます。給与計算担当者を多く抱えている企業では、担当者数を削減して働き手不足への対応とすることも可能です。

人的ミスを防止できる

給与計算は、従業員の給与が決まる非常に重要な業務で、間違いは許されません。しかし、手作業での給与計算は、慣れた人が慎重に行っても人的ミスをゼロにすることはできません。そこで、自動計算で給与計算を行えば、人的ミスをゼロにすることができます。

また、自動化で生まれた時間的余裕を手入力が必要な部分に集中することで、手入力が必要な業務についても、人的ミスが起こりにくくなります

コア業務に集中できる

従来の手作業による給与計算業務は、月始めから給与支給日までの短期間に、データの入力を始めとする給与計算業務を完了させる必要がありました。そのため、その期間は給与計算業務に集中するために、ほかのコア業務が停滞してしまうという課題がありました

しかし、給与計算業務を自動化をすることで、給与計算業務が集中する時期にも人的・時間的余裕が生まれ、給与計算業務以外のコア業務にも集中して取り組めるようになります。そのため、従来起こっていた業務の停滞が緩和され、企業の生産性の向上につながります。

コスト削減に繋がる

給与計算を自動化することは、コスト削減にも繋がります。経理担当者の負担や工数が軽減されれば時間を有効活用できるようになるため、結果的に人件費削減が可能です。

また、給与計算には専門的な知識を必要としますが、ソフトで自動化されれば初心者でも比較的簡単に担当できるようになるため、教育や研修にかかるコストも削減できます。

さらに、給与計算ソフトの多くは給与明細の発行も自動化できます。そのため、これまで紙で給与明細を発行していた場合は、印刷代や郵送代、保管スペースなどの費用も不要になります

働き方改革を推進できる

政府が推し進めている働き方改革の1つとして、時間外労働の上限規制が設けられました。これにより、従業員の時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間と規定され、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。

また、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の従業員に対して、毎年5日の年次有給休暇を取得させることが義務化されました。これらの改正によって、従来時間外労働が多かった企業は労働時間を減少させる必要があります。

従業員の労働時間の減少は、給与計算業務に携わる従業員も同様で、いかに給与業務を効率的に行うかが大きな課題となります。給与計算の自動化は、これらの課題に対応できる業務改革であり、働き方改革推進の一環となります

参考:働き方改革のポイントをチェック!|厚生労働省

給与計算を自動化するデメリット

給与計算ソフトを導入して給与計算の自動化を図ることは、さまざまな面でメリットがあります。しかしデメリットもあり、これらの点をできるだけ抑えた導入や運用を行うことが大切です。ここでは、下記の3つのデメリットについて解説します。

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コストが発生する

給与計算ソフトの導入には、導入初期費用・毎月の利用料・メンテナンス費用などのコストがかかります。そのため、費用対効果の低いソフトを導入すると、導入自体がその企業の収益を圧迫してしまいます

したがって、より費用対効果の高いソフトの導入と、自社に適合したソフトの選択が必要です。導入や運用にかかるコストは、導入形態や搭載機能の種類で大きく異なるので、慎重な製品選びをしましょう。

たとえば、オンプレミス型は、導入コストが高額ですがランニングコストは抑えられます。また、クラウド型での導入は、導入コストは抑えられますが、利用人数に応じた毎月の利用料が発生するため、利用人数が多いと運用コストが高くなります。

管理・運用する人員が必要になる

給与計算ソフトは、いくら使い勝手が良い製品を選択しても、使いこなせるようになるには時間を要します。また、担当者に属人化しないための従業員教育も必要です。中にはソフトの使い方や運用方法などのサポートをしてくれるベンダーもあります。

また、サーバーを保有していない企業がオンプレミス型で導入する場合は、サーバー管理の専門知識を持った人材の確保が必要です。自社で確保できない場合は、改めて採用しなくてはならず採用の手間やコストが発生し、採用後の人的コストもかかります。

セキュリティ面のリスクがある

給与計算ソフトを利用するには、従業員の個人情報が必要です。算出された給与情報も個人情報に当たります。したがって、給与計算ソフトを運用するには、強固なセキュリティを施さなくてはなりません。

オンプレミス型やインストール型の場合は、自社にサーバーやパソコンがあるので、自社のセキュリティポリシーに合わせたセキュリティ対策が施せます。しかし、クラウド型ではデータがクラウド上に保存されているため、セキュリティ対策はベンダーに依存します

そのため、ベンダーのセキュリティ対策の確認が重要です。ベンダーが施しているセキュリティの強度や個人情報保護の確認には、公的機関が与えているISMS認証(ISO27001)やプライバシーマーク(Pマーク)の取得状況を確認するのも1つの判断材料となります。

給与計算ソフトを選ぶ際のポイント

数多くある給与計算ソフトの中から、自社に合った製品を選ぶのは難しい作業です。しかし、下記の3点に注目すると比較的容易に製品選択ができます。ここでは、給与計算ソフトを選ぶ際の3つのポイントについて解説します。

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企業規模に合っているか

給与計算ソフトには、中小企業向けに設計された製品と大企業向けに設計された製品があるため、自社の企業規模や業務形態に合った製品を選ぶことが大切です。従業員数が20人程度の小さな企業では、基本的な給与計算ができれば十分な場合も多いです。

一方で従業員が多い企業では、雇用形態・給与体系・手当の種類・働き方などが多様化してきます。そのため、労務管理や勤怠管理などの関連業務も可能なソフトが必要になるケースが多くなります。

必要な機能を搭載しているか

給与計算ソフトに搭載されている機能はさまざまで、製品によって異なっています。そのため、製品を選択する際には、自社に必要な機能が搭載されているかの確認が非常に重要です。

給与計算ソフトの主な機能としては、給与の自動計算・一括振込・給与明細書発行・法定料率変更・年末調整・法定帳簿の作成・マイナンバー管理などがあります。また、給与計算のほかにも、勤怠管理や労務管理などの機能が搭載された製品も提供されています

他システムと連携できるか

給与計算ソフトの中には、他システムと連携できる製品もあります。特に給与計算に特化した製品の場合は、自社で既に運用しているシステムと連携ができると、ソフトの利用範囲が広がり、より効率的な業務の遂行ができるようになります。

たとえば、運用中の勤怠管理システムと連携できれば、給与計算システムへの勤怠データの登録は一瞬でできます。また、運用中の経費精算システムや会計システムとの連携では、給与計算と同時に経費精算を行うことが可能です。

ただし、給与計算ソフトによって連携できるシステムは異なるため、既存のシステムと連携できるかどうかの確認が必要です。連携が難しい場合は、既存システムから必要なデータを出力して、給与計算システムに読み込ませる手間がかかります。

まとめ

給与計算ソフトを利用すれば、毎月発生する給与計算に関する業務を自動化できます。手間のかかる給与計算を自動化することで、担当者の業務負担の軽減が図れ、そこで生まれた時間や人材をコア業務に集中させることができるようになります。

自動化できる計算業務には、給与計算のほかにも給与明細の作成や経費申請のチェックなどがあります。しかし、従業員の勤怠データ修正や給与更新などは自動化できません。給与計算ソフトを選ぶ際には、自社の企業規模に合った製品の選択が重要です。

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