給与計算における所得税とは?計算方法や源泉所得税との違いを解説
Check!
- 所得税とは、個人がその年の1月1日〜12月31日に得た所得に課される税金のこと
- 給与所得が2,000万円を超える場合などは、給与所得者であっても確定申告が必要
- 所得税の計算は複雑かつ正確性が求められるため、給与計算ソフトの導入がおすすめ
所得税とは、個人がその年の1月1日〜12月31日に得た所得に課される税金です。企業が社員の給与から差し引いて徴収し、本人に代わって国に納付します。この記事では、所得税の計算方法や源泉所得税との違い、給与所得者が確定申告すべきケースなどについて解説します。
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
GOOD
ここがおすすめ!
- すべての機能が初年度無償で使える
- 勤怠情報を入力すれば、給与計算は自動でラクラク
- 年末調整業務のペーパーレス化でコストを削減
MORE
ここが少し気になる…
- 勤怠管理や労務管理は他サービスで対応する必要がある
所得税とは
所得税とは、個人がその年の1月1日から12月31日までに得た所得に対して、課される税金のことです。この税金は、給与やボーナス、事業所得、投資による利益など、個人が得たさまざまな収入に基づいて計算されます。
企業は社員の給与から所得税を差し引いて徴収し、本人に代わって国に納付します。この記事では、所得税の計算方法や源泉所得税との違い、給与所得者が確定申告すべきケースなどについて解説します。
参考:所得税のしくみ|国税庁
所得税の計算方法
所得税の計算方法は複雑な作業ですが、正確な計算は重要です。以下では、所得税の計算方法をわかりやすく解説します。給与やその他の収入からどのように税金が計算されるのか、詳細に見ていきましょう。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
所得税の計算方法
給与所得金額を算出する
所得税は給与の総額に直接かかるわけではありません。給与所得金額を算出するためには、給与の総額から「給与所得控除」という会社員の必要経費に相当する金額を差し引きます。
給与所得控除は、給与の金額に応じて決まっており、以下のように設定されています。例えば、年間の給与が500万円、給与所得控除が100万円(具体的な金額は国税庁の規定を参照)の場合、給与所得金額は「500万円-100万円=400万円」となります。
非課税の手当とは
非課税の手当には、特定の要件を満たすことで所得税がかからないものがあります。具体的な例として、通勤手当や出張手当、宿日直手当、在宅勤務手当、資格取得手当、食事手当などが挙げられます。
通勤手当は、勤務先へ出社する際にかかる交通費を企業が負担する手当です。これは、社員が仕事をするために必要な交通費の負担を軽減、もしくはなくすためのサポートとして支給されます。この通勤手当は、一定の範囲内であれば所得税がかかりません。
これらの手当は、社員の業務に伴う必要な費用を補助するためのものであり、適切な条件を満たせば非課税となります。そのため、社員にとっては経済的な負担を軽減できるメリットがあります。
課税所得金額を算出する
次に、課税所得金額を算出します。これは、給与所得金額から「所得控除」を差し引くことで求められます。所得控除には、扶養控除や社会保険料控除、生命保険料控除などが含まれます。
例えば、給与所得金額が400万円で、扶養控除が50万円、社会保険料控除が30万円、生命保険料控除が10万円ある場合、総所得控除額は90万円となります。そのため、課税所得金額は、「400万円-90万円=310万円」となります。
所得税額を算出する
課税所得金額に所得税率を適用して、所得税額を算出します。所得税率は累進課税制度に基づき、課税所得金額が多いほど高い税率が適用されます。
例えば、課税所得金額が310万円の場合、所得税率は以下のように段階的に適用されます(具体的な税率は国税庁の最新の税率表を参照)。
- 195万円以下の部分に対して5%
- 195万円を超え330万円以下の部分に対して10%
この場合、195万円に対して5%の税金がかかり、残りの115万円に対して10%の税金がかかります。
具体的には、「195万円×0.05=9.75万円」と「115万円×0.10=11.5万円」を足した合計が所得税額となります。つまり、「9.75万円+11.5万円=21.25万円」が年間の所得税額です。
必要に応じて税額控除額を差し引く
最後に、計算された所得税額から「税額控除」を差し引きます。税額控除には、配当控除や住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)、外国税額控除などがあります。例えば、配当控除が3万円ある場合、最終的な所得税額は以下の通りです。
所得税額 – 税額控除額 = 21.25万円 – 3万円 = 18.25万円
このように、税額控除を差し引くことで最終的な所得税額が決定されます。
復興特別所得税額の計算方法
復興特別所得税とは、東日本大震災の復興に必要な財源を確保するために設けられた税金です。この税金は、所得税に対して課される追加の税金で、基準所得税額の2.1%が課されます。復興特別所得税の計算方法を具体的に見てみましょう。
まず、所得税額を計算します。例えば、課税所得金額に基づいて所得税が20万円であるとします。この20万円が基準所得税額となります。次に、基準所得税額に2.1%の税率を掛けて復興特別所得税額を求めます。この計算は次のように行います。
復興特別所得税額 = 基準所得税額 × 2.1% = 20万円 × 0.021 = 4200円
所得税と源泉所得税の違い
所得税とは、個人が1年間に得たすべての所得に対して課される税金です。この所得には、給与所得や利子所得、事業所得、山林所得などが含まれます。つまり、個人がその年に得たあらゆる収入に対して課される税金が所得税です。
一方で源泉所得税とは、給与や報酬などの支払者が納税者本人に代わって、所得税を納める税金のことです。この仕組みは「源泉徴収制度」と呼ばれ、支払者が納税者の代わりに所得税を納付します。
例えば、会社が従業員に給与を支払う際に、その給与から一定額の所得税を差し引き、その差し引いた額を国に納めることを指します。
給与所得者が確定申告しなければならないケース
給与所得者は、一般的に確定申告をする必要がありません。会社が年末調整を行うことで、給与所得にかかる所得税の精算が完了するためです。しかし、確定申告が必要になるケースもあります。
例えば、年収が2000万円を超える、複数の会社から給与を受け取っている、副業での所得が年間20万円を超える、不動産所得がある場合は確定申告が必要です。兼業農家もこの対象に含まれます。
自営業の場合は全員が申告する必要がありますが、給与所得者でも特定の条件に当てはまる場合には確定申告が求められます。
確定申告した方が得になるケースもある
給与所得者は一般的に確定申告をする必要がありませんが、確定申告をすることで得になるケースも存在します。例えば、医療費が年間10万円を超える人や、住宅ローン控除を初めて受ける人がその一例です。
住宅ローン控除は初年度に限り、確定申告を行うことで受けられる場合があります。さらに、寄付を行った場合やふるさと納税をした場合も確定申告を行うことで、税制上の優遇を受けることができます。
これらの具体例からもわかるように、確定申告をすることで様々な節税や優遇措置を受けられるため、適切な場合には積極的に申告することが重要です。
給与計算ソフトを活用して所得税の計算を効率化
給与計算ソフトは、従業員の給与計算や賞与計算などの業務を自動化するソフトウェアです。このソフトウェアを活用することで、従業員の給与や社会保険、税金などの計算を手動で行う必要がなくなります。
そのため、専門知識がなくても法令に基づいた正確な給与計算が可能です。また、給与計算業務の自動化により、人的ミスを防ぎ、計算の正確性を高めることができます。
さらに、給与計算の自動化によって担当者の業務負荷を軽減し、他の業務に時間を割くことができます。複雑な所得税の計算は、給与ソフトを活用することで効率的になるでしょう。
給与計算ソフトとは?機能やメリット・デメリット、選び方を解説
給与計算ソフトとは、給与計算の自動化や給与明細の発行などを行えるソフトです。業務の効率化や法改正にも対応できる利便性があります。本記事では、給与計算ソフトをよく知らない方のために、機能やメリット・デメリット、選び方を解説しています。
おすすめの給与計算ソフトを紹介
ここでは数ある給与計算ソフトを比較して判明した、おすすめ給与計算ソフトを紹介します。導入の際には資料請求が必要になるので、資料請求と合わせて参考にしてください。
導入から手厚くサポート|スマホアプリにも対応した「ジンジャー給与」
GOOD
ここがおすすめ!
- 給与や賞与明細・源泉徴収票などインターネット上で確認できペーパーレス化に
- 社会保険や労働保険・年末調整など年次業務にも対応
- シリーズ連携で人事情報から給与計算・各種社会保険の電子申請までジンジャーで完結
- 優れたUIで価格も安く気軽に導入しやすい
MORE
ここが少し気になる…
- 所得税や住民税率は手動で変更する必要がある
年末調整や勤怠管理など労務業務を1つで完結「freee人事労務」
フリー株式会社
freee人事労務
GOOD
ここがおすすめ!
- 従業員情報や給与計算などあらゆる人事労務情報がこれ1つで完結
- 国内シェアNo.1のAWSを採用し企業のデータを厳重に管理
- アラート機能でイレギュラーな業務の抜け漏れを防ぐ
- 既存業務の見直しや操作法のレクチャーなど専任担当が継続的にサポート
MORE
ここが少し気になる…
- freee会計と連携した際の画面切替が手間
\その他の給与計算ソフトはこちらをチェック/
おすすめ給与計算ソフト10選(全26製品)を徹底比較|無料ソフトや勤怠管理システムとの連携も
従業員の給与額の算出や給与明細の作成・社会保険料の計算などを自動化できる給与計算システム。本記事では無料で使えるクラウドソフトや勤怠管理と連携できるソフト、アプリ対応のソフトなどおすすめの給与計算ソフトを解説。業界シェアランキングも紹介します。
まとめ
所得税は、個人が1年間に得た所得に対して課される税金であり、給与から差し引いて徴収されます。特定の条件下では、給与所得者であっても確定申告が必要です。所得税の計算は複雑で正確性が求められるため、給与計算ソフトウェアの導入がおすすめです。
給与計算ソフトを利用することで、給与計算だけでなく、所得税の計算も自動化され、正確かつ迅速に行うことができます。特に所得税の計算は複雑であり、専門知識が必要ですが、給与計算ソフトウェアを導入することで、その負担を軽減可能です。
給与計算ソフトウェアを導入する際は、会社の規模や必要な機能に合わせて選択しましょう。
関連サービスはこちら
小規模法人・中小企業におすすめ
少人数・中小企業向け給与計算ソフトおすすめ18選|クラウド型・インストール型それぞれ紹介
小規模法人や中小企業でも給与計算ソフトを導入することで、経理や財務業務の効率化に繋がります。今回は少人数企業や中小企業におすすめの給与計算ソフトをご紹介。クラウド型やインストール型、導入コストの安い給与計算ソフトなど合わせて紹介します。
大企業におすすめ
大企業向け給与計算システムおすすめ12選|大手企業の人事給与システムに
従業員数が多く雇用形態や給与形態が複雑な大手企業や大企業には給与管理システムが不可欠です。本記事では大企業におすすめの給与計算ソフトと選び方を解説します。人事給与に特化したソフトや、業界シェアNo.1のクラウドソフトも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
無料で給与計算ソフトを利用したい方におすすめ
無料で使える給与計算ソフトおすすめ17選|少人数企業の業務効率化に
個人事業主や従業員10人以下の少人数企業には、低コストで導入できる無料の給与計算ソフトがおすすめです。本記事では、無料プランや無料トライアルを実施している給与計算ソフトを紹介します。有料版との違いやExcelなど表計算ソフトを利用する場合の注意点も解説します。
運送業におすすめ
物流業界・運送業におすすめの給与計算ソフト7選|導入簡単で業務を効率化!
物流業界や運送業では雇用形態や勤務形態が複雑なため、エクセルなどでの給与計算・管理には時間と労力が必要です。本記事では、物流業界や運送業の給与計算業務を効率化できるおすすめの給与計算ソフトを紹介。勤怠管理システムと連携できるソフトや、アプリ対応のクラウドソフトも紹介します。
建設業におすすめ
建設業界におすすめの給与計算ソフト7選|Web明細対応ソフトも
勤務形態や給与体系が複雑な建設業界では、正確な給与管理のためにも給与計算ソフトの導入が推奨されています。本記事では、建設業界におすすめの給与計算ソフトや選び方を解説します。社会保険料率の自動計算ができるソフトや、Web明細発行でスマホで給与明細を見れる製品も紹介します。
飲食店におすすめ
飲食店向け給与計算ソフトおすすめ5選|アルバイトのWeb給与明細にも
従業員の給与計算を自動化できる給与計算ソフトは、アルバイトの人数が多くシフトも複雑になりがちな飲食店にも導入が推奨されます。この記事では飲食店におすすめの給与計算ソフトのランキングと合わせて、メリットや選ぶ際のポイントなどを解説します。
給与計算ソフトと勤怠管理システムを連携したい方に
おすすめ勤怠管理システム9選(全48選)を徹底比較|中小企業向けや無料で使える製品も
従業員の出退勤時間を自動集計し、労働時間の管理や給与計算に役立つ勤怠管理システム。本記事ではおすすめの勤怠管理システムを選び方とともに紹介します。小規模法人や中小企業向け・無料で使える製品など比較一覧表で紹介するので、ぜひ参考にしてください。
勤怠管理システムと連携できる給与計ソフトおすすめ15選|一括管理できるクラウド型ソフトも
給与計算ソフトを勤怠管理システムと連携することで、経理業務の更なる効率化に繋がります。今回は勤怠管理と連携・一括管理できる給与計算ソフトをご紹介。人事労務も管理できるクラウド型ソフトや、無料トライアルを実施しているソフトも紹介します。
会計ソフト
会計ソフトおすすめ9選(全26製品)を徹底比較!無料の会計システムや個人事業主の確定申告に
企業の簿記や経理業務を効率的に行うためには、最適な会計システムの導入が必要です。本記事では、個人事業主の確定申告におすすめの無料ソフトや、小規模法人向けのクラウドソフトなどおすすめ会計ソフトをご紹介。会計ソフトの業界シェアランキングも合わせて解説します。
この記事に興味を持った方におすすめ