ファクタリングの審査に通らない原因|通過するためのポイントも解説

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  • ファクタリングの審査は、不良債権である場合や未回収リスクが高い場合は通らない
  • 審査では売掛先の信用力が重視されるが、利用者の信用力や人柄などもチェックされる
  • 審査に通るためには、必要書類を不備なく揃え、信頼度の高い売掛金を利用する

ファクタリングを利用するには、審査を通過する必要があります。なかなか審査に通らない場合は、その原因を把握して対処しましょう。この記事では、ファクタリングの審査に通らない・落ちる理由や審査通過のためのポイントを解説します。

目次

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  1. ファクタリングの審査に通らない・落ちる理由とは
  2. ファクタリングの審査に通るためのポイント
  3. 審査なしのファクタリングは利用しない
  4. まとめ

ファクタリングの審査に通らない・落ちる理由とは

ファクタリングは、取引先との間に発生した売掛債権をファクタリング会社に売却して、資金を調達する仕組みです。資金がすぐに必要となる際に利用されることがあります。

しかし、ファクタリングを利用するためには、審査を通過する必要があります。この審査に通らない、つまり「審査落ち」となる理由は様々です。この記事では、ファクタリングの審査に通らない・落ちる理由や審査通過のためのポイントを解説します。

ファクタリングとは|意味やメリットデメリットをわかりやすく解説

ファクタリングは「債権買取り」のことで、経済産業省が中小企業に向けて推奨している資金調達方法です。スピーディーに資金調達できる点が魅力です。本記事では、ファクタリングの仕組みや種類、メリット・デメリットの他、ファクタリングが役立つシーンなどについて解説します。

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ファクタリングの審査に通らない・落ちる理由とは

  1. 売掛金に原因があるケース
  2. 売掛先に原因があるケース
  3. 利用者に原因があるケース

売掛金に原因があるケース

売掛金が十分な信頼性や安定性を持っていない場合、ファクタリング会社はリスクを避けるために審査を通過させないことがあります。以下では、具体的にどのような売掛金の状況が審査に影響を与えるのか、売掛金に原因があるケースについて解説していきます。

不良債権である

不良債権とは、企業が他社に貸し付けたり売掛けたりした債権のうち、返済が遅れたり返済が不可能になったりすることで生じる債権のことを指します。

例えば、貸し手の企業が倒産したり、経営状況が悪化して支払いが滞ったりした場合が該当します。不良債権は、回収が難しくなる可能性が高いです。ファクタリング会社は、このような不良債権を取り扱うことでリスクを負うことになります。

そのため、ファクタリングを利用する企業が不良債権を持っている場合、ファクタリング会社はリスクを避けるために審査に通らないことがあります。

架空の売掛金の疑いがある

ファクタリングの審査に通らない理由の一つは、架空の売掛金や売上が疑われる場合です。架空の請求書を使っている可能性があったり、売掛先企業が実在しているかわからなかったりする場合など、信憑性に疑いがあると審査に落ちることがあります。

架空の売上とは、実際には商品やサービスが提供されていないにも関わらず、財務諸表に計上されている売上のことを指します。企業が架空の売上を報告することで、収益や業績を偽装しようとするケースがあります。

ファクタリング会社は、取引先企業や売掛金の信憑性を厳密に審査します。もし架空の売上があることが疑われる場合、ファクタリング会社はリスクを回避するために審査を通過させない場合があります。

支払期日までの期間が長い

支払期日までの期間が長い場合、その債権の回収までに様々なリスクが増すため、審査に通りにくくなることが多いです。

たとえば、支払期日が長いと取引先企業が災害や経営の悪化、不祥事などの影響を受けた場合、支払いの遅延や債務不履行のリスクが高まります。

これらの要因が起こると、債権の回収が困難になる可能性が高まります。ファクタリングを利用する際には、売掛金の支払期日をできるだけ短くすることが重要です。

金額が下限を満たしていない

ファクタリング会社によっては、買取金額に下限を設けていることがあり、その金額を下回っていると審査に通りません。ファクタリングを利用する際には、自社の売掛金がファクタリング会社の要件を満たしているかどうかを事前に確認しましょう。

売掛金の金額が下限を満たしていない場合は、他の資金調達手段を検討するか、売掛金の増加を目指して経営戦略を見直す必要があります。

債権譲渡禁止特約が付いている

債権譲渡禁止特約とは、売掛債権を第三者に譲り渡すことをあらかじめ禁止する契約条件のことです。この特約が付いている場合、ファクタリング会社は審査に通りにくくなります。

多くの場合、取引先は譲渡禁止特約を設けることで、事務手続きを煩雑にしたくない、または取引相手が変更されることを避けたいと考えています。そのため、特約が付いている売掛債権は、ファクタリング会社にとってもリスクが高く、審査に通過しにくいと言えます。

売掛先に原因があるケース

売掛先の経営状況や信用度がファクタリング会社の審査基準を満たさない場合、ファクタリングの利用は難しくなります。

このようなケースでは、売掛先が返済能力を欠いているため、ファクタリング会社にとっては買い取った売掛債権の回収リスクが高まると見なされることがあります。以下では、売掛先に原因があるケースについて詳しく解説します。

未回収リスクが高い

売掛先が経営難に陥っている場合などは、未回収リスクが高く審査に通りにくいことがあります。売掛先の経営状況が悪化すると、ファクタリング会社は売掛金を回収できないリスクを背負うことになります。

経営難の兆候として、借金の返済が遅れたり、税金の滞納があったりする場合があります。滞納が進むと、資産を差し押さえされる可能性もあります。その結果、売掛金の回収が難しくなります。

ファクタリングを利用する際には、売掛先の経営状況や信用力をしっかりと確認し、リスクを最小限に抑える必要があります。経営が安定しているか、支払能力があるかを慎重に検討することが重要です。

売掛先が同意していない

2社間ファクタリングでは売掛先の同意は不要ですが、3社間ファクタリングでは、売掛先に対し債権譲渡の事実を通知し、承諾を得る必要があります。実際、3社間ファクタリングによる売掛先への通知は、利用者にとってリスクが高い契約となります。

通知があれば、経営状況や財務状況を知られることになり、その印象が悪化する可能性があります。また、売掛先が同意しない場合、ファクタリング会社は売掛債権を取得できず、審査を通過することができません。

そのため、ファクタリング契約を検討する際には売掛先との関係性を考慮し、事前に説明や同意を得ることが重要です。

売掛先との取引履歴がない

ファクタリング会社は、利用者と売掛先の間で行われた取引の実績も審査の対象にします。一般的に、取引期間が長いほど審査に有利です。しかし、初回取引の場合はそのような実績がないため、信頼性が低いとみなされることがあります。

また、取引回数が少なすぎたり取引期間が短すぎたりする場合も、審査に通らない可能性が高まります。取引実績が十分でない場合は、初回取引の売掛先とのファクタリング契約を成立させることが難しいです。

売掛先が個人事業主である

個人事業主は、経営状況が不安定なことがあります。そのため、倒産や売掛金の回収リスクが法人よりも高くなります。ファクタリング会社はこのリスクを考慮し、審査を厳しく行います。

また、個人事業主の場合は、企業の信用度が法人に比べて低く見られることがあります。法人は法的な枠組みがあるため、信頼度が高いとされますが、個人事業主は個人の信用に依存するため、信用度が低くなりがちです。

このような理由から、個人事業主の売掛先である場合は、ファクタリングの審査に通りにくいことがあります。

利用者に原因があるケース

ファクタリング会社は、利用者の信用情報や人柄を審査し、債権の売却が適切かどうかを判断します。

利用者側の信用度や財務状況が不安定であったり、態度や人柄に問題があったりする場合、審査に通りにくくなります。ここでは、利用者に原因があるケースについて解説していきます。

二重譲渡の疑いがある

二重譲渡とは、同じ売掛金を複数のファクタリング会社に売却することを指します。このような行為は犯罪行為であり、法的に許容されません。

例えば、企業が売掛金をファクタリング会社Aに売却し、その後同じ売掛金を別のファクタリング会社Bにも売却する場合、二重譲渡が発生します。利用者が意図的に行った場合はもちろんですが、うっかりや疎忽から起こった場合でも法的に問題があります。

ファクタリング会社はこのようなリスクを回避するため、審査において利用者の売掛金の二重譲渡の疑いを厳しくチェックします。もし二重譲渡の疑いがある場合、審査に通ることは不可能です。

利用者の社会的信用力が低い

ファクタリングの審査では売掛先の信用力が重視されますが、利用者自身の社会的信用力も重要な要素です。特に個人事業主や創業直後の企業といった社会的信用が低い利用者の場合は、審査に通りにくくなります。

例えば、過去の信用情報や信用履歴、経歴、取引先やパートナーからの評判などが社会的信用力の一部です。社会的信用力が低い場合、ファクタリング会社は取引のリスクを高く見積もる可能性があり、審査に通りにくくなります。

そのため、利用者は社会的信用力を向上させるための努力が重要です。過去の信用履歴を良くすることや、取引先との良好な関係を築くことなどが社会的信用力を向上させる方法です。

態度や人柄に問題がある

ファクタリングの審査に通らない原因の一つに、利用者自身の態度や人柄に問題があるケースがあります。態度が悪い・モラルが欠如していると判断されると、審査に通らない可能性が高まります。

ファクタリング会社は信頼できる取引相手を求めており、利用者の態度や人柄は重要な要素です。態度が不誠実であったり、他者とのコミュニケーションに問題があったりする場合、ファクタリング会社はその利用者に対する信頼を失う可能性があります。

そのため、審査に臨む際には誠実な態度を心がけて、信頼を築く努力をすることが必要です。

ファクタリングの審査に通るためのポイント

ファクタリングの審査に通るためには、信頼度の高い売掛金を利用することや、入金サイトが短い売掛金を選ぶ、誠実な対応を心がけるなどのいくつかの重要なポイントが存在します。

ここでは、ファクタリングの利用者が審査に通るためのポイントを詳しく解説していきます。

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信頼度の高い売掛金を利用する

ファクタリングの審査に通るために、信頼度の高い売掛金を利用することが重要です。信頼度の高い売掛金とは、信用度や支払能力が高く、ファクタリング会社にとって回収しやすいと見なされるものです。

また、中小企業や個人事業主からの売掛金でも、経営状況が良好で安定している場合は審査に通りやすいことがあります。審査では、売掛先の信用度や支払能力が重視されるため、信頼性の高い売掛金を選びましょう。

入金サイトが短い売掛金を選ぶ

支払日までの期間が短いと、ファクタリング会社が売掛金を買い取る際のリスクが低くなります。支払日までの期間が短いほど、売掛金が支払われる確率が高まるためです。

一方で支払日までの期間が長いと、ファクタリング会社が債権を買い取った後に支払いを受けるまでの期間が長くなります。この間に売掛先が支払いを怠ったり、経営状況が悪化したりするリスクが増えます。

そのため、ファクタリングの審査に通りやすい売掛金を選ぶ際には、支払日までの期間が短い債権を選びましょう。ファクタリング会社の信頼性や支払い能力に対するリスクが低減し、審査に通りやすくなります。

必要書類を不備なく揃える

ファクタリングの審査に通るためには、必要書類を不備なく揃えることが重要です。一般的に、ファクタリング会社が必要とする書類には以下のものがあります。

  1. 本人確認書類
  2. 売掛金の請求書
  3. 売掛金の発生や支払いに関する書類
  4. 銀行の通帳
  5. 確定申告書、決算書
  6. 商業登記簿謄本(法人のみ)

これらの書類を不備なく準備して審査に提出することで、ファクタリングの審査通過率が高まります。また、選ぶべきファクタリングの特長として、必要書類が比較的少なく、手続きが迅速であることが挙げられます。

ファクタリングは、手続きが煩雑で時間がかかる融資方法に比べて、スピーディーに資金調達を行いたい企業にとって魅力的な選択肢となっています。

誠実な対応を心がける

ファクタリングの審査に通るためには、書類だけでなく利用者の人柄や信頼性も重要視されます。面談などでの丁寧で誠実な対応は、審査において大きな役割を果たします。

反対に不誠実な態度や対応が見られると、ファクタリング会社からの信頼を損なうことになります。審査が通りにくくなるだけでなく、将来の取引にも影響を与えかねません。

誠実な対応を心がけることで利用者の信頼性が高まり、ファクタリング会社からの評価も向上します。そのため、審査に臨む際には書類だけでなく、対応の誠実さにも注力しましょう。

独立系ファクタリングを利用する

ファクタリング会社には、銀行系、ノンバンク系、独立系の3つのタイプがあります。独立系ファクタリング会社は、単独でファクタリングを行っており、銀行のファクタリング部門や大手企業の子会社ではありません。

独立系ファクタリング会社は、審査が比較的緩いとされています。これは、大手銀行や大手企業の規模や厳格な審査基準に比べて、独立系ファクタリング会社の審査基準が柔軟であることが理由です。

そのため、ファクタリングの利用を検討する際には、独立系ファクタリング会社を選択することが、審査に通るためのポイントの一つとなります。

独立系ファクタリング会社は、中小企業や個人事業主など少しでもスムーズに資金調達したい利用者にとって、適した選択肢となります。

銀行系大手銀行や金融機関が運営するファクタリング会社
ノンバンク系銀行以外の大手企業が運営するファクタリング会社
独立系単独でファクタリングを行う会社

審査なしのファクタリングは利用しない

審査なしのファクタリングは避けるべきです。手数料は売掛先の信用力によって決まりますが、審査を省略すると手数料が高額になるリスクが高まります。そのため、資金調達しても損失が大きくなる可能性があります。

さらに、売掛金の回収が難しくなった場合、買い戻しを求められることもあります。この場合、法的に融資として扱われ、ファクタリングとは異なる契約になります。そのため、審査なしのファクタリング会社の利用には慎重さが必要です

簡単に手続きを済ませてしまうと、後々大きな損失を被る可能性があります。審査なしのファクタリングを利用する場合は、買い戻しを求められるリスクや法的な扱いを理解し、慎重に判断することが重要です。

ファクタリングは審査なしで利用可能?審査に落ちる理由・対策も解説

ファクタリングを利用するには審査があり、避けることはできません。審査なしを謳うファクタリング業者も存在しますが、悪質なケースが多く非常にリスキーです。この記事では、ファクタリングの審査に通らない原因や対策、審査負担を軽減するためのポイントなどを解説します。

まとめ

本記事では、ファクタリングを利用する際の審査について解説しました。ファクタリングを利用するには、審査を通過する必要があります。審査に通らない原因はいくつかあります。例えば、売掛金や売掛先、利用者に関する要因が挙げられます。

審査に通るためには、信頼度の高い売掛金を選ぶことや、入金サイトが短い売掛金を利用することが重要です。また、利用者の社会的信用力や態度も審査に影響を与えます。

本記事で紹介したポイントに注意して、ファクタリングの審査に臨みましょう。十分なリサーチと検討を行い、信頼できるファクタリング会社を選ぶことが重要です。

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