ファクタリング会社は乗り換えできる?メリットや注意点も解説
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- ファクタリング会社を乗り換えることで、手数料の減額や買取上限額の引き上げが可能
- 手数料が高いと感じている場合や入金スピードが遅い場合に、乗り換えを検討すべき
- 乗り換える際は二重譲渡になっていないかを確認し、優良なファクタリング会社を選ぶ
ファクタリング会社は、他社利用中であっても乗り換えできます。乗り換えることで、手数料の減額や買取上限額の引き上げが可能になります。この記事では、ファクタリング会社を乗り換えるメリット・デメリットや、乗り換えるべきタイミング、乗り換え時の注意点などを解説します。
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ファクタリング会社は他社利用中でも乗り換えできるか
ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に売却することで、資金を調達する方法です。銀行などの金融機関の融資と違って、保証人や担保がなくても手軽に現金化できるため利用する企業が増え、ファクタリングサービスを提供する会社も多くなっています。
現在では、さまざまな特徴を持ったファクタリング会社が数多くあります。したがって、新規であれば自社に合ったファクタリング会社を選べるようになり、既にサービスを利用している企業では、より有利なサービスへの乗り換えも考えられるようになってきました。
現在、特定のファクタリングサービスを利用していても、他社への乗り換えは法的に問題ありません。本記事ではファクタリング会社を乗り換えるメリット・デメリットや、乗り換えるべきタイミング・乗り換え時の注意点などを解説します。
ファクタリングとは|意味やメリットデメリットをわかりやすく解説
ファクタリングは「債権買取り」のことで、経済産業省が中小企業に向けて推奨している資金調達方法です。スピーディーに資金調達できる点が魅力です。本記事では、ファクタリングの仕組みや種類、メリット・デメリットの他、ファクタリングが役立つシーンなどについて解説します。
ファクタリング会社を乗り換えるメリット
ファクタリング会社の乗り換えは自由に行うことができ、乗り換えることでさまざまなメリットが得られます。ここではその中から下記の2点に絞って解説します。
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ファクタリング会社を乗り換えるメリット
コストカットに繋がる
ファクタリング会社は、売掛債権を企業から買取る際の手数料で収益を得ます。一方で企業側は、売掛債権の金額から手数料を差し引いた金額を受け取ります。したがって、手数料が高いと受け取り金額は減ってしまいます。
この手数料は、売掛債権の金額の何%かで決められているのが一般的であり、ファクタリング会社によって手数料の割合は異なっています。したがって、手数料の安い会社に乗り換えれば受け取り金額が増えるため、サービス利用のコストカットにつながります。
また、サービスを受けるための手続き方法もファクタリング会社によって異なります。できるだけ手続きが簡単なサービスに乗り換えれば手間が減ります。そこで生じた時間をコア業務に回すことで生産性の向上が見込めるため、相対的なコストの最適化も期待できます。
買取金額の上限を引き上げられる
ファクタリング会社によっては、買取金額の上限を設けている場合があります。一般的に規模の小さなファクタリング会社は、上限額が低めに設定されており、規模の大きな会社は高額や上限が無い場合があります。また、複数の売掛債権のまとめ買取も可能になります。
大規模なプロジェクトの実行や設備投資には大きな資金が必要で、限度額が低いファクタリング会社では資金不足になる可能性があります。大きな資金調達が予想される場合は、事前にファクタリング会社を乗り換えて、買取金額の上限を引き上げておくのもおすすめです。
ファクタリング会社を乗り換えるデメリット
ファクタリング会社の乗り換えには、メリットもありますがデメリットもあります。乗り換えは、デメリットも理解したうえで実施することが大切です。ここでは、乗り換えのデメリットを下記の3つに絞って解説します。
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ファクタリング会社を乗り換えるデメリット
信頼関係を構築し直す必要がある
ファクタリングは、売掛債権があれば無条件で成り立つものではありません。企業側は、ファクタリング会社が要求する必要書類を揃え、その売掛債権が回収できるものであるかを細かく審査します。
この審査では、ファクタリング会社との信頼関係なども重要なポイントになります。何度もファクタリングを利用しており、問題なく取引が完了している企業は、ファクタリング会社との信頼関係がある程度築かれていて、比較的審査が通りやすいことが多いです。
しかし、その会社から乗り換える場合は、新しいファクタリング会社との信頼関係を一から築かなくてはなりません。そのため、乗り換え当初には審査事項や確認事項が多くなり、契約に至るまでの時間が長くなる場合があります。
必要書類を再度準備する必要がある
ファクタリングを始めるには、必要な書類を揃えなくてはなりません。その書類の種類は、ファクタリング会社によって異なりますが、本人確認書類・印鑑証明書・預金通帳・商業登記簿謄本(法人の場合)などを用意する必要があります。
この中には、1回目の審査の時だけに必要で、2回目以降は省略できる書類もあります。しかし、ファクタリング会社を乗り換えた場合は、すべての書類を揃えて審査を受ける必要があり、手間と時間がかかります。
ファクタリングの必要書類とは?必要書類が少ない業者についても解説
ファクタリングを利用する際は、必要書類を揃えなければなりません。身分証明書や請求書はもちろん、決算書や登記簿謄本も必要になることがあります。この記事では、ファクタリングに必要な書類や、必要書類が少ない業者を利用するメリット・デメリットなどを解説します。
審査に時間を要する
今まで何度も利用しているファクタリング会社の審査は、比較的短時間ですむ場合が多いです。これは、ファクタリング会社が今までの審査で、自社や取引先の財務状況などの把握ができていることや、企業との信頼関係が構築されているためです。
しかし、乗り換えた場合は、ファクタリング会社がすべての書類を慎重に審査するため時間がかかります。そのため、急な資金確保には対応できない場合も出てきます。乗り換えた場合は、時間的余裕を持った申し込みが必要となります。
ファクタリング会社を乗り換えるタイミング
ファクタリング会社の乗り換えは、下記のようなタイミングで行うのがおすすめです。ここでは、それぞれのタイミングについて解説します。
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ファクタリング会社を乗り換えるタイミング
手数料が高すぎると感じている場合
ファクタリングは、融資ではなく民法上の債権譲渡に当たるため、利息制限法が適用されません。そのため、当事者間の合意があれば手数料は自由に決めることができます。ただし、手数料があまりにも高い場合は、民法の公序良俗違反により無効にすることが可能です。
多くのファクタリング会社で手数料の範囲を公表しており、2社間ファクタリングでは10~20%程度、3社間ファクタリングでは1〜9%程度が一般的です。利用する企業にとっては、手数料が安い程手に入る現金が多くなります。
したがって、一般的な手数料と比較して現在の手数料が高いと感じるのであれば、乗り換えを考えるべきタイミングと言えます。また、手数料を低く抑えたいなら、下記で解説する電子記録債権割引の利用も視野に入れるのがおすすめです。
電子記録債権も利用できる
電子記録債権とは、電子データで記録された金銭債権であり、これを現金化することを「電子記録債権割引」と呼びます。ファクタリングと同様に、売掛債権の譲渡で早期に資金調達ができます。また、システム上で簡単に行えるのも電子記録債権割引のメリットです。
電子記録債権は、ファクタリングに比べて資金調達のハードルは低く、手数料も1.5〜5.5%と比較的低めに抑えられています。しかし、電子記録債権割引を利用する企業が保証人となるため、債務者が支払不能となった場合、企業側に支払義務が生じます。
一方でファクタリングは、原則償還請求権のないノンリコース契約であるため、債務者が支払いできなくなっても契約した企業側の責任は問われません。債務者の支払いが確実に実行されるのであれば、手数料が安い電子記録債権割引はおすすめの資金調達方法です。
諸経費の徴収が多い場合
ファクタリング会社の中には、手数料のほかに諸経費がかかる場合があります。諸経費には、登記費用・交通費・事務手数料などがあります。契約書に諸経費の内訳が示されていない場合や不明な経費が入っている場合は、契約前に問い合わせましょう。
問い合わせて納得いく説明がなければ、乗り換えがおすすめです。納得できる説明があった場合には、諸経費と手数料、売掛債権金額などを総合的に検討してから、乗り換えるかどうかを決めるのがいいでしょう。諸経費の請求があるからといって悪徳業者とは限りません。
入金までのスピードが遅い場合
融資に比べて、資金調達が早くできるのがファクタリングのメリットの1つです。しかし、申し込みから入金されるまでにかかる時間は、ファクタリング会社によって差があります。最短では、申し込んだその日に入金が可能な会社もあります。
入金スピードが遅いと、必要な時に資金が不足して思わぬトラブルを招くこともあります。現在利用しているファクタリング会社で、入金までに期間がかかり過ぎていると感じている場合も、乗り換えを考えるおすすめのタイミングです。
即日入金に対応している会社もある
ファクタリング会社には、即日入金に対応しているところも数多くあります。急に現金が必要になった場合も、申し込んだその日に入金してもらえれば安心です。乗り換えの際は、ファクタリング会社の公式サイトなどで、入金までのスピードも確認しておきましょう。
なお、即日入金が可能な会社であっても審査は行われます。そのため、必要書類をあらかじめ揃えておき、午前中に申し込むのがポイントです。また、オンラインで完結できるサービスであれば、窓口に行く時間や手間も削減できます。
債権譲渡登記が必要な場合
債権譲渡登記とは、法人が債権を譲渡したことを登記により証明する手続きであり、売掛債権の権利保有者を明確化するのに用いられます。登記には専門知識が必要で、司法書士に依頼する場合は登記費用として8~10万円程度かかり、企業側に請求がある場合もあります。
債権譲渡登記は、ファクタリング会社にとってはリスク回避ができるというメリットがあります。しかし、利用者側にメリットはほとんどなく、かえって登記費用の負担や売掛先にファクタリングを利用したことを知られるリスクが高まるなどのデメリットがあります。
ファクタリングにおいて、債権譲渡登記は必須ではありません。特に3社間ファクタリングでは、債権譲渡登記をしなくても問題ありません。債権譲渡登記が必須の会社を利用している場合は、債権譲渡登記が不要な会社への乗り換えを考えるのもおすすめです。
担当者の対応が良くない場合
会社や担当者の対応が悪いことで、ファクタリング会社を乗り換えるケースもよくあります。対応が良いファクタリング会社の特徴として、売掛債権の買取りだけでなく、会社や担当者が今までに積み重ねてきた経験や実績を基にさまざまな相談に乗ってくれます。
マニュアル一辺倒の対応や問い合わせ対応が遅い、ミスが多い、専門的なアドバイスがない、なかなか担当者が来てくれないなどの不満がある場合は、コストとのバランスを考えながら、ファクタリング会社の乗り換えを考えましょう。
ファクタリング会社の乗り換えに有利な企業とは
ファクタリング会社を乗り換える際に、下記のような実績がある企業であれば、比較的有利に乗り換えることができます。ここでは、それぞれの実績について詳しく解説します。
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ファクタリング会社の乗り換えに有利な企業とは
過去に利用したファクタリング会社の契約書がある
ファクタリング会社の乗り換えをスムーズに進めるには、過去に利用したファクタリング会社の契約書を準備して、新しい会社の条件と比較してみるのがおすすめです。中には、新しいファクタリング会社との条件交渉に利用できる内容が含まれている場合もあります。
新しいファクタリング会社を選ぶには、自社が何のために乗り換えを行うのかという目的を明確にし、その目的を達成できる会社を選択する必要があります。そのうえで、過去の契約書を基に、手数料率や支払条件を比較していくのがおすすめです。
同じファクタリング会社を2回以上利用している
ファクタリング会社は、新規顧客が行った過去の取引実績を重視して企業評価を行っています。そのため、同じファクタリング会社を何回も利用している取引実績は、ファクタリング会社乗り換えを有利に進めるための重要なポイントとなります。
繰り返し利用しているということは、売掛債権の回収が確実に行われている証拠となり、自社の財務安定性の証明となり信用度を高めます。そのため、新しいファクタリング会社の審査が通りやすくなり、早期の現金化につながります。
支払いを遅延したことがない
過去のファクタリングにおいて、支払遅延が起きてないことも乗り換えをスムーズに進めるための重要な要素です。支払いは取引業者が企業に対して行う行為ですが、申し込んだ企業が信頼のおける業者と取引をしているという実績の証明となります。
多くの場合、通帳のコピーが審査のための必須書類に指定され、審査の中で過去のファクタリング利用履歴が確認されます。特に売掛金の入金があった当日に、手数料を含めた振込がされている履歴が評価されます。
ファクタリング会社乗り換え時の注意点
ファクタリング会社の乗り換えを安易に行うと、予期しないトラブルが起こることもあるので注意しなくてなりません。ここでは、下記の4つの注意事項について解説します。
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ファクタリング会社乗り換え時の注意点
二重譲渡になっていないか確認する
ファクタリング会社を乗り換える際に、最も注意しなくてはならないのは二重譲渡を行わないことです。二重譲渡とは、すでに譲渡してある売掛債権を再度ファクタリング会社に譲渡してしまうことです。
故意で行った二重譲渡でなくても、発覚すれば業界のネットワークに履歴が記録されます。そのため、該当のファクタリング会社との取引が停止されるばかりでなく、ほかのファクタリング会社とも契約ができなくなる恐れがあります。
また、損害賠償請求や刑事訴追を受ける場合もあります。特にファクタリング会社を乗り換える際には、人的ミスで二重譲渡が起こりやすいので細心の注意が必要です。
頻繁に乗り換えると信頼性を疑われる
頻繁なファクタリング会社の乗り換えや、同時に複数の会社を利用する行為についても注意しましょう。これらの行為は、経営難に陥っているのではないか、あるいは他の会社の審査に落ちているのではないかなどと疑われ、審査の通過を難しくする原因となります。
ファクタリングの審査対象は基本的に利用者ではなく売掛先企業であり、多少の赤字があっても問題ありません。しかし、長い間事業が不安定な場合、信頼性を欠くため審査に影響する可能性があることを留意しておきましょう。
信頼できるファクタリング会社を選ぶ
ファクタリングは、企業にとって重要な資産の売買を行う行為であり、乗り換えの際には、信頼できるファクタリング会社を選ばなくてはなりません。しかし残念ながら、ファクタリング会社の中には信用できない会社もあります。
信頼できるかどうかの判断ポイントはいくつかあり、その1つがファクタリングのメリットばかりでなく、デメリットと適切な利用法について丁寧な説明があることです。また、信頼できる会社は、早い段階で手数料や諸経費を示してくれる場合が多いです。
悪質なファクタリング会社を避ける
ファクタリング会社の中には、契約書にないことを要求してくるなどの悪質な会社もあるため、会社選びは慎重に行いましょう。手数料や諸経費が高額であったり、ファクタリングに本来必要のない担保や保証人を要求してきたりする会社は要注意です。
また、当初の支払日よりも前に支払いを催促してくる会社や、頻繁な問い合わせで日常業務に支障が出るような会社も避けた方がいいでしょう。
まとめ
ファクタリングとは、売掛債権を売却することで資金調達をするサービスであり、数多くのファクタリング会社がサービスの提供を行っています。現在サービスを利用していても他社への乗り換えは可能で、乗り換えにより手数料の減額や買取上限額の引き上げもできます。
現在利用しているサービスの手数料が高いと感じている場合や入金スピードが遅い場合などは、乗り換えを検討すべきタイミングです。また、乗り換える際は二重譲渡になっていないかなどを確認し、優良なファクタリング会社を選ぶことが重要です。
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