請求書のみでファクタリングは利用できる?必要書類について解説
Check!
- ファクタリングを請求書のみで利用することは、一部の例外を除きほぼ不可能である
- ファクタリングには、請求書・通帳のコピー・本人確認書類・登記簿謄本などが必要
- 必要書類が少ないファクタリングには、オンライン上で手続きを完結できる業者が多い
ファクタリングを利用するには必要書類を揃える必要があり、中でも請求書は最も重要な書類の1つですが、請求書のみでの契約はほぼ不可能です。この記事では、ファクタリングに必要な書類や、必要書類が少ないファクタリングの特徴などを解説します。
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
ファクタリングは請求書のみで利用できるか
ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却して資金調達を行う方法です。金融機関からの融資と違って保証人や担保が不要で、売掛金の支払い前に資金調達ができるため、利用する企業が増えています。
ファクタリングは、原則償還請求権のないノンリコース契約であるため、万が一売掛金の回収ができなくなった場合でも、売却した側が責任を問われることはありません。したがってファクタリング会社は、回収できなくなるリスクを避けるために慎重な審査を行います。
利用する企業側は、審査のための書類を揃える必要があります。書類の中で最も重要な書類の1つが請求書ですが、請求書のみでの契約はほぼ不可能です。
ファクタリングとは|意味やメリットデメリットをわかりやすく解説
ファクタリングは「債権買取り」のことで、経済産業省が中小企業に向けて推奨している資金調達方法です。スピーディーに資金調達できる点が魅力です。本記事では、ファクタリングの仕組みや種類、メリット・デメリットの他、ファクタリングが役立つシーンなどについて解説します。
例外となるケース
請求書のみでのファクタリングができないのは、ファクタリング会社が売掛債権の未回収リスクを避けるためです。そのため、未回収リスクが少ないケースであれば、請求書のみでの利用を可能にしている業者もごく稀にあります。
たとえば、同じファクタリング会社を何度も利用していることで、ファクタリング会社から信用が得られているケースです。また、前回と同じ売掛先が発行した売掛債権であれば、請求書のみで認められる場合もあります。
ただし、請求書のみの申し込みを受け付けるかどうかの判断は、各ファクタリング会社で異なります。請求書のみで申し込みできても細かな条件が付けられている場合も多いため、請求書だけで利用したい場合は、事前に確認しておくことをおすすめします。
ファクタリングに必要な書類とは
ファクタリングには、請求書以外にも多くの書類の準備をしなくてはなりません。ここでは、必須の書類と必要になる可能性がある書類に分けて紹介します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
ファクタリングに必要な書類とは
必須の書類
ファクタリングに必須な書類は、依頼するファクタリング会社によっても異なります。しかし、多くのファクタリング会社では以下の書類を必須書類としています。
- 売掛金請求書
- 銀行通帳のコピー
- 本人確認書類
- 商業登記簿謄本(法人の場合)
売掛金の請求書は、売掛債権の実在を証明する重要な資料であり、別途発注書・納品書・基本契約書などを求められる場合もあります。銀行の通帳のコピーは、売掛先との継続的な取引や入金状況を確認するための資料で、3~6か月分程度が必要になる場合が多いです。
本人確認書類は、反社会勢力や第三者のなりすましをチェックするための資料であり、審査時に提示を求められます。これは、顔写真の付いた運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなどで対応できます。
また、法人の場合は、商業登記簿謄本が必要です。商業登記簿謄本は法人の身分証明書となるもので、指定のない限り登録事項証明書を法務局から発行してもらいます。最寄りの法務局窓口に出掛ける以外に、郵送やオンラインでも取得可能です。
必要になる可能性がある書類
必須書類のほかにも、必要になる可能性がある書類はいくつかあります。以下のような書類を事前に用意しておくとスムーズに審査を終えられます。
- 決算書・確定申告書
- 印鑑証明書
- 納税証明書・保険料の支払証明書
法人の場合は決算書、個人事業主(フリーランス)の場合は確定申告書の提出が必要になる場合があります。ともに、過去3期分用意しておくことが推奨されます。企業を設立して3年未満の場合は、個別に相談しましょう。
印鑑証明書は、個人であればマイナンバーカードを利用してコンビニでの取得もできますが、法人の場合は法務局への申請が必要になります。商業登記簿謄本と同様に、窓口以外に郵送やオンラインでの取得も可能です。
納税証明書や保険料の支払証明書は、税金や保険料の滞納による売掛債権差押えを防ぐための資料です。ただし、税金や保険料の滞納があるケースでも、ファクタリングを利用できる場合があるので、ファクタリング会社と相談するのがおすすめです。
ファクタリングの必要書類とは?必要書類が少ない業者についても解説
ファクタリングを利用する際は、必要書類を揃えなければなりません。身分証明書や請求書はもちろん、決算書や登記簿謄本も必要になることがあります。この記事では、ファクタリングに必要な書類や、必要書類が少ない業者を利用するメリット・デメリットなどを解説します。
必要書類が少ないファクタリング会社の特徴
ファクタリング会社の中には、上記の「必須の書類」に挙げたような数点の書類で審査を受けられるところもあります。こういったファクタリング会社は、オンラインで手続きが完了することが多いです。
完全オンラインのファクタリングは手続きの手軽さや資金を受け取るまでのスピーディーさを売りにしているので、提出書類も少なくして準備の手間を省いている傾向があります。
必要書類が少ないファクタリングのメリット
必要書類が少ないファクタリング会社の利用には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、下記にある2つのメリットについて解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
必要書類が少ないファクタリングのメリット
移動や郵送の手間がない
提出書類が少ないオンラインベースのファクタリング会社の場合、書類の提出はファクタリング会社のWebサイトからアップロードしたり、担当者にメールで送付したりして行います。
このような方法で手続きできることで、書類の持参や郵送をする手間がなくなります。そのため、ファクタリング準備にかける時間が少なくなり、持参するための交通費や郵送するための通信費のコスト削減にもつながります。
入金までの時間が短くなる
書類が多いと書類チェックに時間がかかりますが、書類が少なければチェック項目も少なくなり、短時間で審査が完了する場合が多いです。そのため、申し込みから入金まで短時間で行われる場合が多く、中には申し込み当日に入金されるケースもあります。
ただし、ファクタリング契約締結までの手続きや審査方法は、ファクタリング会社によって異なり、申し込みから入金までにかかる期間はさまざまです。早急な資金調達が必要な場合は、入金までの期間を確認してから申し込みをするのがおすすめです。
必要書類が少ないファクタリングのデメリット
必要書類が少ないファクタリングには、メリットがある反面デメリットもあります。ここでは、下記の2つのデメリットを解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
必要書類が少ないファクタリングのデメリット
手数料が割高になりやすい
ファクタリングは、融資ではなく民法上の債権譲渡に当たります。そのため、融資の場合に適用される利息制限法の上限を超える手数料でも、当事者間の合意があれば有効です。ただし、あまりにも高い手数料は、民法の一般原則である公序良俗違反により無効にできます。
多くのファクタリング会社は手数料の範囲を示しており、必要書類が少なく未回収リスクが高くなりやすいファクタリングでは、上限に近い手数料が設定されている場合が多いです。一般的に2社間ファクタリングでは、10~20%の手数料が相場になっています。
ファクタリングの手数料の相場とは?注意点・安く抑える方法も解説
ファクタリングは企業の資金調達の手段として注目されていますが、利用には手数料がかかります。また、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングでは相場が異なります。この記事では、ファクタリングにかかる手数料の相場・内訳・注意点や安く抑える方法などを解説します。
審査が厳しくなりやすい
ファクタリング会社は、売掛債権の回収を行うことで手数料分の収益を得ます。そのため、掛売債権が回収できるかどうかの審査は、ファクタリング会社にとって最も重要な業務です。この審査では、売掛債権を提供する企業の信頼性が大きく影響します。
審査書類が少ないファクタリングでは、信頼性をはかるための資料も少ないため、審査基準が高めに設定される場合もあります。最悪の場合、審査が通過できずに資金調達に失敗するケースもあります。
ファクタリングの審査とは|審査基準・通りやすい業者の選び方も解説
ファクタリングは企業の資金調達に活用できますが、利用するには審査を通過する必要があります。この記事では、ファクタリングの審査基準・落ちる理由・通過するためのポイント・審査に通りやすいファクタリング業者の選び方などを解説します。
請求書なしでファクタリングは可能か
売掛債権の存在が証明できる書類が複数あるなど、条件が整えば請求書なしでも契約できるケースがあります。たとえば、同じ相手と継続的に取引するために交わす契約書である「取引基本契約書」を請求書の代わりにすることができる場合があります。
また、売掛先からの入金が確認できる「銀行口座通帳」や「納品書」、さらには「注文書」で代用できるファクタリング会社もあります。いずれの方法も請求書なしで可能かどうかは取り扱う会社によって異なるので、事前に確認してからの利用がおすすめです。
注文書ファクタリングとは?メリット・デメリット、利用の流れを解説
注文書ファクタリングとは、注文書をファクタリング業者に売却して資金化する方法です。一般的な請求書ファクタリングと比べ、早い段階で資金調達できます。この記事では、注文書ファクタリングのメリット・デメリットや利用の流れなどを解説します。
まとめ
ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却して資金調達を行う方法です。融資に比べて気軽に資金調達ができるため、利用企業が増えています。ファクタリングの利用には書類を揃える必要があり、中でも請求書は最も重要な書類の1つです。
しかし、請求書のみでの利用はほぼ不可能であり、通帳のコピー・本人確認書類・登記簿謄本などの用意が必要となります。中でも、少ない書類で受け付けてくれるファクタリング会社は、オンライン上で手続きを完結できるところも多く、より手軽に利用できます。
この記事に興味を持った方におすすめ