ファクタリングは違法?違法な業者を避けるためのポイントも解説

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  • ファクタリングは債権譲渡契約であり違法ではないが、違法行為を行う業者は存在する
  • 金利を請求してくる場合や分割返済可能と謳っている場合、違法業者の可能性が高い
  • 違法業者を避けるため、債権譲渡契約になっているか・償還請求権がないかを確認する

ファクタリングは法的には債権譲渡契約であり、違法ではありません。しかし違法な業者が存在するのは事実で、利用する際には注意が必要です。この記事では、違法なファクタリング業者の特徴や違法業者を避けるために確認すべきことなどを解説します。

目次

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  1. ファクタリングは違法なのか
  2. 違法なファクタリング業者も存在する
  3. 違法なファクタリング業者との契約によるリスク
  4. 違法なファクタリング業者を避けるために確認すべきこと
  5. まとめ

ファクタリングは違法なのか

ファクタリングとは、企業が債務者から支払いをまだ受けていない売掛金などの未収債権をファクタリング会社に売却することで、早期に資金を得る方法です。企業は売掛金を現金化し、資金調達やキャッシュフローの改善に利用できます。

法的には、ファクタリングは債権の売買契約であり、債権譲渡とみなされます。そのため、適切に契約が行われれば、違法ではありません。企業と正規のファクタリング会社の間で正当な契約を締結し、売買が行われることは、法的に認められています。

参考:民法(明治二十九年法律第八十九号)|e-Gov 法令検索

ファクタリングとは|意味やメリットデメリットをわかりやすく解説

ファクタリングは「債権買取り」のことで、経済産業省が中小企業に向けて推奨している資金調達方法です。スピーディーに資金調達できる点が魅力です。本記事では、ファクタリングの仕組みや種類、メリット・デメリットの他、ファクタリングが役立つシーンなどについて解説します。

違法なファクタリング業者も存在する

ファクタリングは、貸金業とは別の業種です。貸金業は金銭を貸し付ける行為であり、それに対する金利を徴収するのが特徴です。一方、ファクタリングは未収債権を売却する行為であり、売却された債権に対して手数料が発生しますが、金利を請求されることはありません。

しかし、一部の違法業者がファクタリングを装い、実際には貸金業を行っているケースがあります。これらの違法業者は、以下のような特徴があることが多いです。

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高額な金利を請求する

ファクタリングには、基本的に「金利」は発生しません。ファクタリング会社から請求されるのは、金利ではなく手数料です。もし、ファクタリング業者が金利を請求してくる場合には、違法な業者の可能性があるため注意が必要です。

正規のファクタリング会社は、利用する企業が理解しやすいように適正な割引価格や手数料を提示します。そのため、ファクタリング会社を選択する場合には、具体的な契約内容や手数料、その他の条件を慎重に検討して、信頼できる業者を選ぶことが大事です

契約書類を提示しない

ファクタリングを利用する場合の契約書は、企業とファクタリング会社の間で取り交わされる重要な証拠書類となります。一般的には契約書には、両者の権利や義務、取引条件などが明確に記述されて定められています。

そのため、ファクタリング会社から契約書類が提示されない場合や内容が不明瞭な場合は、違法な業者である可能性が高いため、取引を控えるべきです。正規のファクタリング会社は契約書類を提示して、取引の条件などを明確に説明することが基本です。

分割返済を可能にしている

ファクタリングは売掛金を売却して現金化する方法であり、融資ではなく債権の売買契約です。原則として、売掛金をもとに算出された手数料をファクタリング会社に一括で支払う必要があり、分割払いはできません。

もし、ファクタリング会社が分割払いを勧めてくる場合には、違法業者である可能性が高いといえます。分割払いを認めてしまうと債権の売買ではなく貸付とみなされ、その業者が貸金業の登録を受けていなければ違法業者となります。

貸金業登録なしで給与ファクタリングを行っている

給与ファクタリング(給料ファクタリング)とは、従業員が給料や賞与などの未払い給与を前倒しで受け取ることができる金融サービスです。これにより、従業員は急な支出や緊急のニーズをカバーすることができ、給与を受け取った後に業者に受け取った分を返済するのが一般的です。

給料ファクタリングは貸金業に該当するという判例も過去に出ており、これを扱う業者は政府機関に登録し、法的な規制を受ける必要があります。もし、業者が貸金業登録のない状況で給料ファクタリングを行っている場合には、違法なので利用を避けるべきです。

給料ファクタリングは、企業が資金調達に利用するファクタリングとはまったく別のものであることを充分理解しておく必要があります。違法業者が多く、トラブルも多発しているため、政府も注意喚起を行っています。

参考:ファクタリングの利用に関する注意喚起|金融庁

給与ファクタリングとは?仕組み・リスク・悪徳業者の見分け方を解説

給与ファクタリングとは、給与をファクタリング業者に買い取ってもらい、給料日よりも前に現金を受け取れる手法です。しかし、給与ファクタリング業者の中には、悪徳業者も存在するため、利用には注意が必要です。本記事では、給与ファクタリングの仕組みなどについて解説します。

貸金業登録があるか確認する方法

貸金業としての登録があるかどうかを確認する方法の1つに、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」の利用が挙げられます。これは、日本国内で貸金業を営む業者が金融庁に登録されているかどうかを確認できる公式のサービスです。

具体的な方法としては、インターネットを介して金融庁の公式ウェブサイトにアクセスします。サイト内の「登録貸金業者情報検索サービス」というページを参照し、調査したい貸金業者の名前や住所などの情報を入力して、「検索」ボタンをクリックします。

検索の結果、入力された情報に一致する登録貸金業者であれば、その名前や住所、登録番号などの詳細情報が表示されます。これにより、金融庁に正式に登録されている正規の業者かどうかが確認できます。

参考:登録貸金業者情報検索サービス|金融庁

違法なファクタリング業者との契約によるリスク

上記で解説したような、ファクタリングを謳って違法行為にあたる行為をする業者は、「偽装ファクタリング」とも呼ばれます。こうした偽装ファクタリングを契約してしまうことには、さまざまなリスクが考えられます。

偽装ファクタリング会社はヤミ金業者であることも多く、利用者に不利となるような契約を結び、それらしい理由を付けてお金を巻き上げることがあります。そうなれば、利用者の資金繰りはますます悪化してしまうでしょう。

そればかりか、利用者がその金額をすぐに払えない場合、悪質な取り立てが行われる可能性もあります。身の危険を感じる事態にもなりかねません。

違法なファクタリング業者を避けるために確認すべきこと

違法なファクタリング業者からサービスを受けることは、高金利や不当な取引条件、または取引全体に関する法的リスクを引き起こす可能性があります。そのため、ファクタリングを利用する場合には、信頼できるファクタリング業者を選ぶことが重要です。

ここからは、違法な業者を避けるために確認すべきポイントについて解説します。

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契約書が「債権譲渡契約」になっているか

違法なファクタリング業者からのサービスを避けるために、契約書の表題が「債権譲渡契約」になっているか確認すべきです。債権譲渡契約は、企業が未収の売掛金をファクタリング会社に売却することを定めた合意文書になります。

また、契約書の表題だけではなく、内容も確認する必要があります。もし、契約内容が貸金とみなされるものであれば、違法行為となります。具体的には高金利や不当な返済条件が含まれている場合、違法な貸金業とみなされる可能性があるため注意しましょう。

手数料が相場を超えていないか

ファクタリングを利用する場合の手数料は、売掛金の一定割合を基準として設定されることが一般的です。その料率はファクタリング会社によって多少異なりますが、相場と比較して高すぎる場合や、反対に安すぎる場合には注意が必要です。

手数料が業界の水準より高すぎる場合は、ファクタリング業者が不当な利益を得ようとしている可能性があります。そのため、手数料算出の根拠を業者に確認して、回答が不明瞭な場合には、違法な業者と見なして契約を避けるなどの対応が必要です。

一方、手数料が安すぎる場合も注意が必要です。この場合は、業者が他の手段で利益を得るために、追加の費用や不透明な条件が後から提示される可能性があります。そのため、安すぎる手数料の根拠を見極め、不確かな場合はその業者を避けるべきです。

ファクタリングの手数料の相場とは?注意点・安く抑える方法も解説

ファクタリングは企業の資金調達の手段として注目されていますが、利用には手数料がかかります。また、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングでは相場が異なります。この記事では、ファクタリングにかかる手数料の相場・内訳・注意点や安く抑える方法などを解説します。

償還請求権のない契約か

償還請求権とは、「発生した費用分の金銭の返還を要求する権利」を指します。償還請求権ありの契約をしてしまった場合、売掛債権を現金化した後で売掛先が倒産してしまうと、その弁済義務はファクタリングを利用した企業が負うことになります。

一般的にファクタリングでは償還請求権がない契約が結ばれ、売掛先が倒産したケースでもその支払いを要求されることはありません。そのため、ファクタリング契約を締結する場合には、「償還請求権なし」となっているか確認して契約することが重要です。

信頼性が高いか

違法なファクタリング業者を避けるために、信頼できる会社を選ぶことが求められます。そのため、ファクタリング会社のホームページや公式資料などで、コンプライアンス体制や法令遵守に関する情報に加えて、公的機関に登録されているかどうかを確認しましょう。

また、信頼できるファクタリング会社は、顧客の個人情報を厳重に管理して、適切に取り扱います。そのため、会社のホームページやプライバシーポリシーを確認して、個人情報保護への取り組みなどを理解することが大事です。

さらに、ファクタリング会社の口コミや評価をインターネット上で検索して、他の顧客の体験や評価を確認しましょう。顧客の実際の声を知ることで、会社の信頼性やサービス品質をより客観的に判断することができます。

会社の所在地を公開しているか

違法なファクタリング業者は、架空の住所を使用することがあるため、実在の住所かどうかを確認することが非常に重要です。架空の住所を使用している業者は、詐欺的な行為などの違法行為を行っている可能性が考えられます。

業者の住所などの正当性を確認するためには、業者の公式ウェブサイトを参照して、企業情報や連絡先、所在地などを確認しましょう。信頼できる会社であれば、公式の情報が適切に掲載されており、実在の住所が明記されています。

まとめ

ファクタリングは、企業が債務者からの支払いをまだ受けていない売掛金などの未収債権をファクタリング会社に売却して、早期に現金化する方法です。法的には、ファクタリングは債権の売買契約として、債権譲渡とみなされます。

そのため、企業と正規のファクタリング会社の間で正当な契約が締結されていれば、法的には問題は生じません。しかし、ファクタリング会社の中には、違法な業者も存在しているため、正規の業者を見極めて選ぶことが大事です。

ファクタリング会社を選ぶ場合には、違法なファクタリング業者の特徴や違法業者を避けるために確認すべきポイントに留意して、正規の会社と契約しましょう。

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