後払いファクタリングとは？仕組みや種類、利用時の注意点を解説

後払いファクタリングとは、後払いで購入した商品やサービスを買い取ってもらうなどして、現金化できるサービスです。すぐに現金が必要な場合に便利ですが、悪質な業者も存在し、利用にはリスクが伴います。この記事では、後払いファクタリングの仕組みや注意点などを解説します。

目次

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1. 後払いファクタリングとは
2. 後払いファクタリングの種類
3. 後払いファクタリングのメリット
4. 後払いファクタリングのデメリット・注意点
5. まとめ

後払いファクタリングとは

後払いファクタリングとは、後払いで購入した商品やサービスを業者に売却し、売却で得た現金によって、後日買掛金の支払いを行う仕組みのことです。後払いファクタリングは「ツケ払い現金化」とも呼ばれ、迅速に現金を調達できる点が特徴です。

一般的に後払いファクタリングは、個人向けの現金調達手段であるとされています。しかし、法人の資金調達にも利用できます。一方で、高額な手数料がかかるリスクがあるため、利用の際は注意が必要です。

一般的なファクタリングとの違い

ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却し、資金調達を行うことです。売掛債権の譲渡により、本来の入金期日よりも早い段階で資金を調達できます。そのため、企業のキャッシュフロー改善を目的として用いられる場合があります。

ファクタリングと後払いファクタリングの違いは、売掛債権の有無にあります。ファクタリングの場合は売掛債権そのものを譲渡するのに対し、後払いファクタリングでは、商品やサービスの売却によって資金を調達します。

また、ファクタリングは法律上「債権譲渡契約」に分類されますが、後払いファクタリングは、商品の売買契約にあたります。

加えて、ファクタリングによって得られる資金の上限は、売掛債権の金額が限度であるのに対し、後払いファクタリングでは、商品やサービスの購入代金よりも少ない金額しか得られないことが一般的です。

後払いファクタリングの種類

後払いファクタリングには、転売代行方式・宣伝報酬方式・キャッシュバック方式などの種類があります。ここでは、後払いファクタリングの種類について解説します。

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転売代行方式

転売代行方式とは、業者が指定する商品を後払いによって購入した上で、業者に商品の転売を委託するタイプの後払いファクタリングです。転売代行方式では、商品購入時に支払った金額と業者が商品を売却した金額の差額を、現金として受け取れます。

転売代行方式で取り扱われる商品は、デジタルコンテンツが中心であり、オンライン上で取引が完結する場合がほとんどです。そのため、実質的には申し込みによって、現金だけを受け取ることになります。

転売代行方式で購入した商品の購入代金は、 期日までに支払わなければなりません。また、実際の商品が存在しない場合は、違法な貸金契約に該当する恐れがあります。

利用の流れ

転売代行方式の利用の流れは、以下の通りです。

1. 業者に指定された商品を後払いで購入する
2. 購入した商品の転売を業者に委託する
3. 転売された商品の代金を業者から受け取る
4. 商品の購入代金を支払う

宣伝報酬方式

宣伝報酬方式とは、購入した商品のレビューを投稿し、宣伝の対価として現金を受け取る方法のことです。宣伝報酬方式では、主にFXの自動売買ソフトや情報商材などの商品を購入します。

商品レビューを書くために特別なスキルは不要であり、宣伝の対価として受け取れる報酬の相場は、商品購入価格の6〜7割が目安です。ただし、報酬の額は業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

購入した商品の支払いは後払いとなっており、多くの場合は先に報酬を受け取れます。ただし、報酬として受け取った金額に対して、一定の手数料がかかるケースが多いため、注意が必要です。

利用の流れ

宣伝報酬方式の利用の流れは、以下の通りです。

1. 宣伝報酬を受け取れる商品を後払いで購入する
2. 商品のレビューを投稿する
3. 投稿したレビューに対する報酬を受け取る
4. 商品の購入代金を支払う

キャッシュバック方式

キャッシュバック方式とは、キャッシュバック特典付きの商品を後払いで購入し、現金でキャッシュバックを受け取る方法のことです。業者から商品を購入すると、キャッシュバックとして現金を受け取れます。

キャッシュバック方式で売買される商品は、デジタルアートやデジタルコンテンツなどが中心です。また、キャッシュバック方式は、数十分程度で現金を受け取れることが多いため、すぐに現金が欲しい方に適しているといわれています。

この方式では、キャッシュバックによって受け取れる金額と商品代金の差額が業者への手数料となります。具体的な例を挙げると、10万円のデジタルコンテンツを購入し、キャッシュバックとして7万円を受け取った場合、後日業者に対して10万円の支払いが必要です。

利用の流れ

キャッシュバック方式の利用の流れは、以下の通りです。

1. 後払いでキャッシュバック特典付きの商品を購入する
2. 商品およびキャッシュバックされた現金を受け取る
3. 商品の購入代金を支払う

後払いファクタリングのメリット

後払いファクタリングのメリットとして、すぐに資金調達ができることや融資を受けられない人も利用できる点などが挙げられます。また、キャッシングとは異なるため、信用情報に影響がないこともメリットのひとつです。

ここでは、これらのメリットについて解説します。

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すぐに資金調達ができる

後払いファクタリングを利用するメリットの一つとして、すぐに資金調達ができる点が挙げられます。一般的に後払いファクタリングを利用すれば、身分証や通帳などの簡単な書類を提出するだけで、申し込んだ当日中に資金を調達できます。

後払いファクタリングサービスの多くは、24時間365日いつでも申込み可能です。また、通常のファクタリングと異なり、譲渡契約書の締結が不要です。さらに、オンラインで手続きが完結するため、店舗へ足を運ぶ必要がなく対面による審査なども必要ありません。

中には、10分〜30分程度で現金が振り込まれるサービスもあるため、すぐに現金を手に入れたい方にとっては、便利な手段であるといえるでしょう。

融資を受けられない人も利用できる

後払いファクタリングは、社会的信用が低い人でも利用しやすいというメリットがあります。後払いファクタリングでは、利用者の信用情報を照会されないため、過去に金銭トラブルがあった方や、いわゆる「金融ブラック」に該当する方でも利用しやすいでしょう。

一般的な融資を受ける場合、利用者の信用情報が照会され、一定の基準を満たしていなければ融資を受けられません。しかし、後払いファクタリングは融資契約ではないため、信用力が低い方でも利用できるケースが多く見受けられます。

ただし、後払いが可能かどうかといった最低限の資金力はチェックされるため、どんな人でも利用できるとは限らない点に注意が必要です。

信用情報に影響がない

後払いファクタリングは借入れではないため、利用しても信用情報に影響を与えません。また、後払いファクタリングの審査は業者が個別に行うため、信用情報機関には記録が残らないことが特徴です。

そのため、信用情報に傷をつけたくない方や、すでに多額の借入れを抱えていて、これ以上の融資を受けられない方に多く選ばれています。

後払いファクタリングのデメリット・注意点

後払いファクタリングには、いくつかのデメリットも存在します。利用時に返済能力の証明が求められることや、悪質な業者と取引を行ってしまうリスクがある点に注意が必要です。また、利用方法によっては経済状況が悪化する可能性があります。

ここでは、後払いファクタリングのデメリットや注意点について解説します。

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悪質な業者に注意が必要

後払いファクタリングは融資とは異なるため、銀行法や貸金業法で許可された会社以外の業者と取引を行うことになります。また、法的な許認可や特定の手続きがなくても後払いファクタリング業者になれるため、さまざまな業者が後払いファクタリングを行えます。

このように、後払いファクタリング事業は参入障壁が低いため、悪徳な業者が存在する可能性があります。高額な手数料を請求されたり、個人情報を悪用されたりといったリスクがあることを認識しておきましょう。

また、後払いファクタリングは比較的新しいサービスであるため、法的規制が不十分です。そのため、万が一悪徳業者とトラブルが起こった際も、法的な保護を受けられない可能性があります。

違法な業者も存在する

「転売代行方式」の後払いファクタリングでは、そもそも商品が存在せず、商品売買の体裁を取っているだけの業者も存在します。そのような場合、業者が貸金業登録を行っていなければ、違法になる可能性があります。

また、「給与ファクタリング」と呼ばれるサービスは貸金業に該当するため、特に注意が必要です。

参考：「今すぐ現金」「手軽に現金」に注意ください！｜金融庁

参考：違法な貸付(ファクタリング等)や悪質な金融業者にご注意ください!｜消費者庁

返済能力の証明が必要

後払いファクタリングは、融資に比べて申し込みのハードルが低く利用しやすいサービスです。しかし、全く審査が行われない訳ではありません。

毎月給料が振り込まれているかどうかなど、返済能力の証明は必要であるため、資金力がない方は利用できない場合があります。

経済状況が悪化する可能性がある

後払いファクタリングを利用すれば、すぐに現金を手に入れられます。一方で、後払いファクタリングは手数料が高めに設定されていることが多く、結果的に経済状況が悪化するリスクがあります。

例えば、支払い期間1か月に対し、20%の手数料がかかる後払いファクタリングを利用した場合の手数料を年利に換算すると、240%となります。一般的な融資よりも高額な手数料を支払わなければならないため、利用の際は注意が必要です。

まとめ

後払いファクタリングとは、後払いで購入した商品やサービスを業者に売却するなどして、現金を得られるサービスのことです。迅速に資金を得られる反面、悪質な業者が存在するため、利用には注意が必要です。

後払いファクタリングには、転売代行方式・キャッシュバック方式・宣伝報酬方式などの種類があります。それぞれ利用方法や特徴が異なるため、利用の流れを確認してから用途や目的に応じて選択しましょう。

後払いファクタリングのメリットは、融資を受けられない人でもすぐに資金を調達できることです。一方で違法な業者と取引を行ってしまったり、経済状況の悪化に繋がったりするリスクもあります。利用の際はこれらのデメリットを考慮し、慎重に行いましょう。