コールセンターにおすすめのPBX|選ぶ際のポイントも解説
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- コールセンターにPBXを導入すると、電話業務効率化・コスト削減などのメリットがある
- コールセンター向けPBXを選ぶ際は、PBXの種類・機能・セキュリティ性などを確認する
- その他、必要な機能の有無やベンダーによるサポート体制の充実度もチェックする
コールセンターにおける電話業務を効率化させるには、PBXの導入が推奨されます。PBXによりリモートワークに対応できるようになり、コスト削減にも繋がります。この記事では、コールセンターにおすすめのPBXや導入メリット、選ぶ際のポイントを解説します。
PBXでコールセンターの業務を効率化
PBXとは、企業内や組織内で使用される内線電話システムのことです。このシステムを使うことで、1つの電話番号で外部の電話網と接続しつつ、組織内で直接通話を行うことができます。PBXにより、組織内の通信を効率化し、コスト削減にも期待できます。
PBXは、コールセンターにも導入が推奨されます。コールセンターの業務は、多数の着信と発信を効率的に処理する必要があるため、PBXの機能性やメリットが効果的に発揮されます。
例えば、PBXが持つ着信の自動振り分けやIVR(自動応答)などの機能は、コールセンターにおける業務の負担軽減と品質向上に寄与します。本記事では、コールセンターにPBXを導入するメリットや選定ポイントなどについて解説します。
PBXとは?メリット・デメリット、機能などをわかりやすく解説
PBXとは、企業内の電話交換機を意味し、複数の電話回線を集約して、内線同士や外線と内線の接続をコントロールするシステムです。PBXには3種類あり、コストやメリットなどが異なります。本記事では、PBXの選び方や種類ごとのメリット・デメリットを解説しています。
PBXと主装置の違い
PBXと主装置はどちらも社内の電話システムを制御する装置で、外線と内線・内線同士の接続を担います。しかし両者は異なるもので、PBXは離れた拠点同士の内線を一元管理する電話回線交換機と定義されています。
一方で主装置とは、ビジネスフォンを使うために必要な機器を指します。ビジネスフォンはPBXと比べて接続できる電話機の台数が少なく、多くても100台程度の小規模な利用が対象です。
数百〜数千の電話機を接続するには、PBXが必要です。またパソコンやスマホと接続できるのもPBXのみです。そのため、コールセンターにおいては主装置を利用したビジネスフォンではなく、PBXを選ぶことになるでしょう。
コールセンターにPBXを導入するメリット
PBXには電話業務を効率化する便利な機能や、その機能によって生じる様々なメリットがあります。ここでは、コールセンターにPBXを導入するメリットについて解説します。
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コールセンターにPBXを導入するメリット
電話業務を効率化できる
PBXには、コールセンター業務を効率化できる様々な機能を有しています。例えば、外線からの着信を内線で適切な部署に自動転送できます。
この機能はコールセンターにとってもメリットで、顧客が企業の一般番号に電話をかけた場合でも、コールセンターのオペレーターに自動的に転送することができます。
PBXによっては、着信時に顧客情報を自動表示する機能もあります。この顧客情報には、過去の対応履歴も含まれます。これにより、オペレーターは顧客に再度同じ説明をさせることなく、迅速かつ適切に対応することが可能になります。
通話録音機能は、顧客とのトラブル対策やオペレーターの業務評価に役立ちます。また、コールセンターの稼働状況をリアルタイムで監視できるため、効率的なマネジメントが可能になります。
多拠点で連携できる
コールセンターにPBXを導入すると、遠隔地にオペレーターを配置することが可能になります。これにより、多様な人材確保・柔軟な労働環境の提供・多拠点での連携など、多面的なメリットが得られます。
遠隔地にもオペレーターを配置することで、地理的な制約に縛られずに優秀な人材を確保できるようになります。特に専門性の高い分野での顧客対応や多言語に対応する必要がある場合、このメリットは大きくなります。
柔軟な労働環境の面では、遠隔地から顧客対応することにより、リモートワークを推進できるようになります。これは、従業員のワークライフバランスの向上と共に、オフィスの設備投資や維持費などのコスト削減にも繋がります。
また特定の地域が災害に遭っても、他の地域のオペレーターを活用することで、事業を継続しやすくなります。
容易に拡張できる
PBXは接続する電話機の台数を簡単に増やすことができ、複数で同時通話ができます。そのため、コールセンターの人員が増えた場合も、規模の拡張が容易です。
特に、後述するIP-PBXやクラウドPBXでは、端末を追加して設定するだけです。高度な技術や大掛かりな回線増設工事も必要ありません。また逆に、人員が減った場合には簡単に利用を停止することができます。
人員の増減が比較的激しいコールセンターにおいては、利用規模を容易に変更できることもPBXの大きなメリットでしょう。
コスト削減に繋がる
PBXは、組織内の異なる部署と通話したい場合、その部署の内線番号に電話をかけるだけで、外線を経由せずに直接通話できます。内線は組織内のプライベートな通信網で完結するため、通話料金は無料であり、コスト削減に繋がります。
また外線の場合は公衆電話網を利用する際に通話料金が発生しますが、PBXのサービスや料金プランの中には、外線通話の料金が比較的安いものもあります。
他にもPBXを導入すると、業務効率化による間接的なコスト削減や、適切な種類のPBXを選ぶことによる運用コスト削減などのメリットも得られます。
コールセンター向けPBXの選定ポイント
コールセンター向けPBXを選ぶ際には、通話品質やセキュリティ対策など、さまざまなポイントを意識して選ぶことが大切です。ここでは、コールセンター向けPBXの選定ポイントを解説します。
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コールセンター向けPBXの選定ポイント
自社に合った種類を選ぶ
PBXには、レガシーPBX・IP-PBX・クラウドPBXの3種類があります。ここでは、それらのPBXの違いと、それぞれどのようなケースに適しているかについて解説します。
レガシーPBX
レガシーPBXは、古くから存在する電話交換システムの一種で、主に電話線を用いて通話する点が大きな特徴です。物理的な装置をオフィス内に設置し、内線や外線の電話通話を管理します。
レガシーPBXは、既に電話線が引かれているコールセンターでは、追加の工事なしで導入が可能です。そのため、既存の電話インフラを活用したい場合に、コスト効率の良い選択肢としておすすめできます。
レガシーPBXの利点には、インターネットが利用できない環境でも機能し、サーバーダウンや停電時でも使用可能である点が挙げられます。
ただし、設置や保守に高額なコストがかかり、物理的な制約により柔軟性に欠ける場合がある点は考慮しておく必要があります。
IP-PBX
IP-PBXは、IP(インターネットプロトコル)を用いたPBXの一種で、電話線ではなくインターネット回線を使って通話するシステムです。
IP-PBXは、既存の社内ネットワークインフラ上で動作するため、新たに物理的な電話回線を引く必要がありません。これにより、導入時の手間とコストを削減できます。
また、パソコンやスマホとの組み合わせやすく、通話記録の管理や顧客情報の表示など、通話以外の高度な機能を利用できます。これにより、コールセンターの業務効率を大幅に向上させることができます。
さらに、インターネット経由で通信するため、地理的な制約なく世界中どこからでも内線システムを利用できます。そのため、多拠点での運用やリモートワークとの相性にも優れています。
IP-PBXとは?|クラウドPBX・ビジネスフォンとの違いも解説
PBXとは業務効率化のために内線・外線を繋いで、電話機間で転送・振り分けできるようにするシステムのことです。中でもIP-PBXはコストの低さ・利便性で注目されています。本記事では、IP-PBXの概要・メリット・選定ポイントなどを解説します。
クラウドPBX
クラウドPBXは、インターネットを利用して通話する点はIP-PBXと同じですが、インターネット上に構築されたPBXサービスを使用する点がIP-PBXとは異なります。
オフィス内に物理的なPBX装置を設置する必要がなく、インターネット接続があればどこからでもアクセスできます。初期投資が少なく、設置や管理の手間もなく、機能の拡張も簡単なため、現代における主流のPBXです。
多拠点で利用しやすく、パソコンやスマホを使って内線通話が可能になるため、リモートワークにも適しています。クラウドPBXは、低コストで柔軟に導入・運用したいコールセンターにおすすめです。
ただし通話品質はインターネット環境に依存し、機能の質や継続性はサービス提供元に依存します。そのため、コストと柔軟性を重視する場合はクラウドPBXがおすすめですが、安定した運用と高いセキュリティを重視する場合はIP-PBXも選択肢に入れておきましょう。
クラウドPBXとは、インターネットに接続して利用できるオフィス向け電話システムです。クラウドPBXの導入で、社外からでも会社宛の電話に出られたり、通話料の削減ができたりします。本記事では、クラウドPBXを導入するメリットや選び方などをわかりやすく解説します。
コールセンターに必要な機能があるか
PBXには、コールセンターの業務を効率化できる機能が充実しています。以下に代表的なPBXの機能を紹介します。自社のコールセンター業務において必要な機能が備わっているか確認しましょう。
- コール転送と保留機能
- IVR(自動音声応答)
- コールキューイング機能
- オペレーターのスキルに基づく着信コールの割り当て機能
- 通話録音機能
- リアルタイム監視
- レポート機能
- CRM(顧客管理システム)との連携機能
コールキューイング機能とは、すべてのオペレーターが対応中の場合、オペレーターが空き次第、待機している顧客を順番に案内する機能です。
レポート機能は、コールセンターの運用状況や個々のオペレーターの対応について、詳細なレポート作成を支援します。CRMとの連携機能では、顧客データベースと連動して着信時に顧客情報を表示させることができます。
通話品質は良好か
コールセンター業務では、通話品質が顧客満足度に大きな影響を与えます。そのため、クリアな通話品質で、顧客とスムーズにコミュニケーションの取れるPBXを選ぶことが重要です。
通話品質を確かめる方法には、各PBXサービスが用意しているトライアルの利用があります。他にも利用者レビューや技術仕様の確認なども考えられますが、トライアルやデモンストレーションなどを通じて、実際に品質を確認することが推奨されます。
なお、PBXの種類の中で、クラウドPBXの通話品質はインターネット環境に左右されます。そのため、トライアルに加え、通話品質が悪くなる可能性や、通話品質に問題が生じた場合のサポート体制などについて、事前に確認しておきましょう。
セキュリティ対策は十分か
コールセンターでは個人情報を扱うことも多いため、PBXの選定においては、セキュリティ対策を考慮することが重要です。
PBXの中では、レガシーPBXが最もセキュリティ性に優れています。レガシーPBXは、物理的な装置と電話線によるネットワークで構成されるため、不正アクセスやデータ流出のリスクを最小限に抑えられます。
クラウドPBXは、データがインターネット上で管理・転送されるため、セキュリティ対策が不可欠です。適切なセキュリティ対策を行わないと、情報漏洩・通話内容の傍受・サービスの中断など、深刻な問題を生じさせる可能性があります。
クラウドPBXのセキュリティ対策は、ベンダーによって異なります。データ暗号化・アクセス制御・ネットワークセキュリティなどの技術を採用しているか確認しましょう。
また、ベンダーが定期的にセキュリティ監査を行っているか、ISO27001のようなセキュリティ認証を受けているかも確認すべきポイントです。
コールセンターにおすすめのPBX
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ここがおすすめ!
- 標準機能が豊富で、着信拒否や短縮ダイヤル・IVRなどが利用可能
- 営業時間外のスケジュール登録は1年分まとめて行えて、もれなくアナウンスができる
- 導入後も手厚い支援が受けられる
MORE
ここが少し気になる…
- 料金は問い合わせて確認する手間がある
その他のPBXの選び方
PBXを選ぶ際には、通話品質やセキュリティなどに加えて、他にも確認すべきポイントがいくつかあります。より自社のニーズに合ったPBXを選ぶためには、以下のようなポイントに注目することがおすすめです。
【重要なポイント】
- コストをチェック
【その他の比較ポイント】
- サポート体制が整っているか
- トラブルへの備えはあるか
特にコストに関しては、毎月発生するものであるため、各社の料金体系をよく比較しましょう。主流であるクラウドPBXは導入費用が抑えられますが、ユーザー数が増えるとランニングコストが膨らんでいくため注意が必要です。
まとめ
PBXシステムの導入は、コールセンターの業務効率化・コスト削減・顧客対応の品質向上に直結します。これは、PBXの機能が多数の着信に対応でき、円滑なコール管理や遠隔地とのスムーズな連携などを実現できるためです。
コールセンター向けPBXを選ぶ際には、セキュリティや通話品質の確認が重要です。自社のビジネス環境に合った種類のPBXを選び、課題解決に必要な機能が備わっているかについても必ず確認しましょう。
また万が一のトラブルに備え、充実したサポート体制を整えているサービスを選択することが、長期的な運用安定性の確保につながります。ビジネスの成長と顧客満足度の向上に寄与するPBXを選ぶ際には、本記事の内容をぜひ役立ててください。