経費の予算管理とは?経費予算の立て方やメリットなどを解説

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  • 経費予算を決めることで、経費予算を細かく把握でき、企業の収益率アップに期待できる
  • 経費予算は、経費の洗い出し・前期実績の分析・改善点の把握など丁寧に行う必要がある
  • 経費の予算管理業務を効率化するには、経費精算システムを活用する

経費の予算管理を行うことで、予算オーバーを減らしたり、経営戦略に生かすことができます。しかし、リアルタイムでの経費の予算状況の把握が難しい企業も多いでしょう。本記事では、経費予算を決めるメリット、経費予算の立て方、経費予算管理を行う方法を解説しています。

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経費精算システムは、経費申請・承認業務を効率化してくれるツールです。しかし、さまざまな製品があるため、どのシステムを選べばよいのかわからないというケースも多いでしょう。この記事では、経費精算システム選びのポイントやおすすめのシステムを紹介します。

目次

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  1. 経費における予算管理とは
  2. 予算管理を構成する4つの予算
  3. 予算管理の手順
  4. 経費予算を決めるメリット
  5. 経費予算の立て方
  6. 経費予算管理のやり方
  7. まとめ

経費における予算管理とは

経費における予算管理とは、部門や部署、勘定科目、コストセンターごとに細かく分けて、年初に経費の予算を組むなどの業務が挙げられます。

しかし、ERPなどで集計・報告など経費の予算管理には膨大な業務があり、経理担当の労力負担が多いのがデメリットです。この方法では、集計時に超過しないように調整したり、リアルタイムでの経費の予算状況の把握がしたりするのが難しいという課題があります。

今後ビジネスチャンスを拡大するには、リアルタイムで予算状況が把握でき、戦略的に予算管理が行える環境に整備する必要があるでしょう。

経費予算とは

経費予算とは、企業が事業を継続する上で必要な「経費の見積もり」のことを指します。売上から経費を差し引いた金額が企業の利益となるため、経費予算の数値目標が企業活動においての目安となります。

基本的には1週間・1ヶ月・プロジェクト単位など、短期から長期の目標を設定し、決算に合わせて予算を作成します。前月や前年同月などと現在の状況を分析しながら予算を適切に管理し、利益や損失の状況を把握・改善することが目的です。

経費と予算の違い

経費と予算の違いは、「費用」と「見積もり」の違いです。経費は、事業のために必要な物・サービスなどを購入する際に支払う費用を指します。具体的には、材料費・消耗品費・交際費・交通費・通信費などがあり、利益に直結する大切な項目です。

一方で予算とは、一定期間の収入と支出の見積もりや、必要な予算の見積もりのことを指します。具体的には、売上予算・原価予算・利益予算・経理予算などの種類があり、企業においての数値目標を管理するのに重要な項目です。

予算策定・予算編成・予実管理との違い

経費管理をする上で、予算策定や予算編成、予実管理といった似た用語があり、違いがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで、予算策定・予算編成・予実管理と予算管理の違いについて詳しく解説します。

予算管理と予算策定の違い

予算管理と予算策定の違いは、「予算の決定」と「予算の管理」の違いです。予算策定とは、予算管理を行うために予算を作成することを指します。

一方で予算管理とは、利益を出す為に予算を管理し、実行する全体像を指します。予算策定は、予算管理においての最初のプロセスです。

予算策定は年に1回、月に1回など行われるのに対し、予算管理は予算策定で計画した予算と実績を比較しながら、1年に渡って問題点や課題を分析し、改善に努める必要があります。

予算管理と予算編成の違い

予算管理と予算編成の違いは、「予算計画」と「予算管理」の違いです。予算編成とは、原価予算・売上予算・経費予算などの具体的な売上予算の数値を計画する業務です。各部門ごとの予算が編成され、総合的な予算案を計画・作成します。

予算管理は、利益を出すために予算を管理することの全体像を表しているため、予算編成も予算管理の一連のプロセスとなります。予算編成においては、自社の状況や現場の声を聞き取り、適切に反映させることが大切です。

予算管理と予実管理の違い

予実管理と予算管理は同じ経営管理に該当するため、大きな違いはありませんが、目的・役割によって少し違いがあります。

予算管理は、人件費・物資・経費の効率配分など社内全体での予算目標を指します。一方で予実管理は、予算と実績の分析を行い、課題を明確化して経営を管理することを指します。

予算管理も予実管理のどちらも企業経営において重要なもので、利益改善や生産性の向上などに繋がる大切な業務です。

予算管理を構成する4つの予算

①売上予算

売上は企業にとっての収入にあたります。期首で決定する売上予算は売上目標のことで、製造業などでは販売予算と同じ意味になります。通常は月次、もしくは四半期ごとに設定され、金額と販売数量が含まれます。

②原価予算

原価予算は、売上予算をもとに算出された今年度かかるであろう売上原価のことです。算出時には過去の売上や原価予算と比較しますが、売上予算と同様に市場の影響を大きく受ける部分です。

③経費予算

経費予算は、人件費や交通費などの従業員に関連する経費をはじめとし、会社の賃料や光熱費など企業が継続して活動するための費用の見積もりのことです。市場の影響をほどんど受けることはなく、売上計画をもとに人員補充を検討するなど、過去の予算や実績と比較しながら計画を立てることができます。

④利益予算

利益予算は、売上から原価と経費を差し引いた数値です。企業の利益が必ずしも、売上幅を大きくすることだけとは限りません。原価や経費の大幅な削減や投資による利益が、売上目標の達成に繋がるという視野を持つことも重要です。

予算管理の手順

①Plan:予算の編成

まずは予算計画を立てるところから始めていきましょう。適切な予算計画の作成には、明確な経営目標が不可欠です。また、予算計画での代表的な2つの手法についても解説します。

トップダウン方式

トップダウン方式とは、経営陣が決定した予算計画をもとに予算管理をしていく方式のことです。「上意下達」という意味のとおり、会社の上層部が指示を出し従業員たちが動く経営スタイルです。

企業資金の動きを把握している経営陣が予算計画を立てるので時間もかからず、資源を効果的に配分できる一方で、従業員の声が反映されづらく現場の負担が大きくなるデメリットもあります。

ボトムアップ方式

ボトムアップ方式は、トップダウン方式と対照的に「下意上達」の意味を持ち、各部門ごとに作成した予算を積み上げ、企業の予算を決定する方式です。現場の状況を理解している担当者が予算を作成するため、現実的な計画が立てられます。

しかし、部門ごとの予算計画のため、企業全体として適正な予算計画なのか別途判断する必要があり、予算計画が完成するまで時間がかかるというデメリットがあります。

②Do:予算の実行

適切な予算計画が作成できたら、計画に基づき予算通り活動を実行していきましょう。売上・原価・経費・利益のそれぞれに日々ズレが生じていないか、各週や月ごとに振り返り、進捗率を算出します。

③Check:予算の分析

日々の実行後、月ごとや期末で予算実績を分析することは重要です。計画と実績に生じるズレを把握し原因特定することが、適正な予算管理に繋がります。定期的な分析は、最終的な期末の大幅なズレの防止にもなります。

④Action:予算の改善

予算計画と実績に大きく乖離が生じた場合、数値やデータをもとに原因を特定し改善策を講じることができます。市場の影響や事業の将来性も加味し、今後の企業活動の方向性を定めることができます。日々の実行をもとに積み重なったデータは、経営者の偏った思考の影響を受けにくい重要なツールの一つです。

経費予算を決めるメリット

経費予算を設定・把握することによって、結果的に企業の収益アップに繋がるのがメリットです。経費予算を細かく設定することで、無駄な経費の浪費を防ぐことができます。

経費予算を立てることで、いくらまで経費を使っていいのか、利益目標はいくらなのかということが明確になるため、安定的な経営の指標となります。また、リアルタイムで投資できる金額等も把握できれば、戦略的に予算を利用することもできるでしょう。

経費予算の立て方

経費予算を立てる際は、丁寧に行わないと後々修正しなければならないので注意が必要です。経費管理の予算の立て方は、大きく分けて3つに分類されます。ここからは、経費予算の立て方について詳しく解説するので、1つ1つの処理を丁寧に行いましょう。

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企業の運営に関する経費を洗い出す

最初に行うのは、企業の運営に関する経費の洗い出しです。この洗い出しを行うことで経費を正確に管理することができ、企業の利益をアップさせることにも繋がります。

現場の聞き取りなども行いながら、毎月の経費の具体的な予算数値を計画します。経費を洗い出す段階で、リストアップから漏れてしまうと経費の内容が分からず、計算が曖昧になってしまうため慎重に行いましょう

前期実績の分析から改善点を把握

次に、前期実績の分析から改善点を把握します。前期の経費の中で無駄な費用の浪費がないか、予算が足りなかった経費がないかどうかチェックすることで、さらに適正に経費予算が立てられるようになります。

改善点を把握するには、月次試算表などを作成し、数値の差異を比較していくと良いでしょう。正確な分析を行うためには、経費を使用した各部署の担当者と話し合うことも大切です。

売上・利益目標をもとに経費予算を決定

最後は売上・利益目標をもとに、経費予算の決定を行います。正確な分析をもとに経費予算を決定することで、予算オーバーを減らしたり、経営戦略に生かしたりすることができます。

経費予算は、少し厳しめに数値を決定するのが望ましいです。経費を減らすことで、会社の利益率を高めることにも繋がります。目標数値達成に向けて、社員が経費削減を意識するようになるでしょう。

経費予算管理のやり方

経費管理は、経費の洗い出しや分析、決定などの非常に難しい業務です。そのため、経費管理の業務を効率化したいと悩んでいる経営者や経理の方も多いのではないでしょうか。

ここからは、Excel・経費精算システムを使った経費予算管理のやり方について解説します。難しい予算管理が比較的簡単に行えるようになるため、ぜひチェックしてみてください。

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Excel

まずは、Excelで予算管理を行う方法です。Excelのテンプレートや計算機能を活用しながら、部門・プロジェクト・部署ごとの予実管理表に経理予算をまとめ、予算残高を確認します。

しかし、Excelで予算管理を行う方法は、入力作業が煩雑なのがデメリットです。入力作業や集計作業に手間がかかる、フォーマットや関数の見直しが必要になる、などの課題点が多くあります。

既にExcelを活用している企業は、無料で導入できるというメリットもあるので、費用を抑えて経費管理を行いたい企業向けの方法です。

経費精算システム

経費精算システムを導入する方法は、さまざまな業務の効率化に役立ちます。経費精算システムは、経費の伝票データの入力を行うだけで、勘定科目や部門ごとに自動集計したり、予算残高を自動集計してくれたりする便利なシステムです。

他にも経費申請が制限できる機能や、ICカード・領収書の読み取り機能、警告表示などさまざまな機能が搭載されたシステムもあります。簡単な入力を行うだけで、すぐにシステムに反映できるため、リアルタイムで経費管理できるのがメリットです。

経費管理システムの導入・運用にはコストがかかりますが、システムの導入により大幅な業務効率化が期待できるため、結果的にコスト削減に繋がります。

予算管理システム

予算管理システムとは、集計・分析・予測といった予算管理業務を数値データベースで運用できる、予算管理に特化したシステムです。予算・実績の差異を算出し、過去の会計期間との比較を行ったり、分析に役立てたりといった使い方ができます。

エクセル・アクセスなどの電子帳票に基づく予算管理業務とは異なり、手作業が少ない分ミスが生じにくく、経営管理の強化が図れます。部門ごとのより細かい管理や弱点把握など、現状の管理形態をワンランクアップさせたい場合に最適です。

おすすめの予算管理システム6選|選び方や注意点を詳しく解説

予算管理システムとは、企業の予算編成や管理、分析を行えるシステムのことを言います。予算管理システムを導入したくても数が多くてどれを選べば良いか迷う企業もあるでしょう。本記事では、おすすめの予算管理システムやシステムを選ぶ際のポイントなどを解説しています。

まとめ

経費精算の予算管理を行うことで、経費の予算オーバーを減らしたり、足りない経費を見直したりでき、経営戦略に生かすことができます。しかし、経費予算は、経費の洗い出し・前期実績の分析・改善点の把握など丁寧に行う必要があります。

経費精算の予算管理を簡単かつ効率的に行うには、Excelや経費精算システムの導入を検討しましょう。特に経費精算システムは、伝票データを入力するだけで科目・部門ごとに自動集計を行ったり、リアルタイムで経費管理できたりするなどのメリットがあります。

最近では、さまざまな機能を持ったクラウド型の経費管理システムが増えています。経費精算の予算管理を適切に行うためには、自社に必要な機能を持った経費管理システムの導入を検討してみてください。

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