税理士業務におすすめのRPA4選|選ぶ際ののポイントも解説
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- RPAを使えば、データ転記・書類作成・給与計算などの単純作業を自動化できる
- RPA導入により税理士は専門性の高い業務に集中でき、人件費の削減にもつながる
- 税理士向けPRAを選ぶ際は、操作性やセキュリティ、既存システムとの連携性を確認する
パソコンでの定型的な業務を自動化できるRPAは、税理士業務においても有用です。会計ソフトへのデータ転記や書類作成などの単純作業をRPAに任せれば、より専門性の高い業務に集中できます。この記事では、税理士業務におすすめのRPAや選ぶ際のポイントを解説します。
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RPAで税理士の業務を効率化
RPA(Robotic Process Automation)は、今まで人がパソコンで行ってきた作業を自動化できるツールです。自動化できるのは、毎回決まった手順で行われる定型作業であり、税理士業務の中にもRPAで自動化できる作業が多くあります。
各作業を自動化するには、RPAに手順を指示するためのシナリオの作成が必要ですが、近年ではシナリオ作成が比較的簡単にできるツールも増え、専門的知識を持った人材が確保できない税理士事務所でも、RPAの導入が進んでいます。
本記事では、RPAで自動化できる税理士業務や、導入するメリット、RPA選びのポイントを解説します。また、おすすめのRPAも紹介します。
RPAとは?メリットや向いている業務、ツールの選び方などを解説
RPAとは、定型業務をロボットを活用して自動化・効率化するシステムのことを言います。RPAを導入することで、業務処理の迅速化などに繋がりますが、対応が難しい業務もあるため注意が必要です。本記事では、RPAのメリット・デメリットや導入手順などを解説しています。
RPAで自動化できる税理士の業務
RPAは、今まで人がパソコンで行ってきた業務を自動化するツールであり、税理士業務の中にも自動化できる定型業務がたくさんあります。ここでは、自動化できる税理士業務の具体的例として、下記の4つについて解説します。
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RPAで自動化できる税理士の業務
会計ソフトへのデータ転記
税理士業務では、Excelと会計ソフトを併用している場合も多く見られます。Excelデータを会計ソフトにインポートできれば転記作業は簡単ですが、できなければ手作業となります。RPAではこのExcelからの転記作業を自動化でき、人の手で行う必要がありません。
また、入出金管理の自動化も可能です。顧客から預かった紙媒体の売上金・領収書・請求書などの経費情報をOCRで読み取り、会計ソフトへ転記する一連の作業をRPAで自動化できます。転記作業はRPAの得意分野で、会計処理以外での転記作業の自動化も考えられます。
税務書類の作成・申請
税務関係の書類作成は、例外がほとんどない定型作業である場合が多く、決まった手順を自動化するRPAに適した作業です。たとえば、会計データの税務申告書への転記や、勘定科目別の内訳明細書の作成などが自動化できます。
また、作成した書類をe-TaxやeLTAXを使って、自動的に申請することも可能です。ただし、RPAによる自動化は手順をシナリオに記録することで行われているため、法改正などで税制に変更があった場合には、必ずシナリオを修正しなくてはなりません。
給与計算・経費精算
RPAは、勤怠データを基にした給与計算の自動化も可能です。給与計算では、各種の手当や控除などについて一人ひとり考慮しなくてはならないため、かなりの手間と時間がかかります。そのうえ、間違いが許されない作業でもあるため、自動化するメリットは大きいです。
また、交通費などの経費精算も同様に手間のかかる業務です。ルールに沿って交通費が申請されているかなどをチェックしなくてはなりません。こういった経費精算業務もRPAで自動化すると、業務の効率化が図れます。
RPAは交通費計算サイトを自動参照して、出発地と目的地から交通費を取得することができます。それを申請書と自動比較したり、申請書作成時に出発地と目的地の入力と連動して交通費を自動入力したりすることも可能です。
請求書の作成
請求書もデータを転記して作成することが多く、RPAに向いている業務の1つです。Excelなどで管理している請求情報からRPAがフォーマットにデータを転記し、請求書を自動作成することができます。
また、作成した請求書をメールで送付するといった作業も自動化できます。メールの文章は人が直接書き込むことが多いですが、定型的なメールであればRPAでも対応できます。
税理士業務にRPAを導入するメリット
上記で解説した以外にも多くの業務で自動化が図れるRPAは、税理士事務所にさまざまなメリットをもたらします。ここでは、税理士事務所にRPAを導入するメリットの中から、下記の4点に絞って解説します。
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税理士業務にRPAを導入するメリット
専門性の高い業務に集中できる
RPAで自動化できる作業は、手順が決まった単純作業です。これらの単純作業に多くの時間を割いている税理士事務所も少なくありません。その問題を解決できるのがRPAであり、作業を自動化することで、人が行うのは確認作業だけになります。
そして、RPAを使った自動化によって生まれた余剰の人的資産を、税理相談やコンサルティングなどのコア業務に回すことができ、税理士ビジネスの拡大と質の向上にもつなげられます。
正確で迅速な作業が可能になる
RPAは、あらかじめ設定されたシナリオ通りに作業を行うため、ミスなく迅速に作業を行います。そのため、入力や転記のミス、作業の遅れが信用失墜や大きな損失をまねく税理士事務所へのRPA導入は、大きな価値を持っています。
ただし、作業手順を記した自動化のためのシナリオ作成には、人的ミスが起こり得ます。シナリオにミスがあっても、RPAはシナリオ通りに作業を実行してしまいます。そのため、シナリオを運用する前に、作成したシナリオが正確な作業を行うかの確認は必須です。
人件費を削減できる
RPAによる作業の自動化で、パソコンで行う作業の大幅な効率化が図れます。その結果、雇用する事務員の人数や労働時間を減らすことができ、人件費の削減ができます。また、事務員の雇用に苦労している事務所では、働き手不足の解消にもつなげられます。
単なる人件費の削減だけではなく、RPAでの作業の自動化で生じた時間的余裕により、取り扱う案件数を増やすなどすることで、事務所の収益向上にもつながります。その結果、収益に対する人件費の割合の低下が見込めます。
労働環境の改善につながる
RPAは人と違って24時間365日いつでも稼働できます。休みなく稼働することも可能です。そのため、今まで深夜や早朝に行っていた作業や、残業して行っていた作業をRPAで自動化すれば、人への負担を大幅に軽減することが可能です。
また、単純な作業を続けることによるストレスも、RPAによる自動化で解決できます。よりやりがいのある業務に集中することで、働くモチベーションもアップするでしょう。
税理士業務向けRPAの選び方
ベンダーから提供されているRPAツールは数多くあるため、その中から各税理士事務所に適合した製品を選択することが重要です。選定の際には、下記の4つのポイントに注目するのがおすすめです。ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
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税理士業務向けRPAの選び方
簡単に操作できるか
税理事務所に導入する場合は、できる限り簡単に操作できる製品を選ぶのがおすすめです。最近のRPAは、専門知識がなくても簡単にシナリオ作成ができるものも多いですが、その操作性は製品によって異なります。簡単に操作できるRPAは、作業の自動化を早期に実現します。
RPAの運用では、シナリオの作成や変更を継続的に続けることが重要であり、操作性の良さは運用しやすさを左右します。一般的には画像や座標を設定してシナリオを作成しますが、マウスのドラッグ&ドロップでシナリオ作成できるツールもあります。
自社に合った導入形態か
RPAには、サーバー型・デスクトップ型・クラウド型の3種類のタイプがあります。3種類の大きな違いは、どこでRPAツールが稼働しているかであり、それによって異なるメリット・デメリットがあります。
したがって、3種類の中から行う業務の種類・事務所の規模・予算などによって、自社に適合した種類の選択が必要です。以下では、3つの種類の特徴やメリット・デメリットを表にまとめて紹介します。
サーバー型 | デスクトップ型 | クラウド型 | |
---|---|---|---|
特徴 | 自社サーバーにインストールして運用 | 各パソコンにインストールして運用 | クラウド上にあるベンダーのサーバーで運用 |
メリット | ・サーバー上の他システムとの連携が容易 ・自社でセキュリティ対策が可能 | ・1台から安価に導入できる ・インターネット回線がなくても運用可能 | ・初期費用が比較的安い ・サーバー管理が不要 |
デメリット | ・導入費用が高額 ・サーバー管理が必要 | ・1台のパソコンで完結する自動化しかできない ・RPAが稼働しているとパソコンが使えない | ・Web上以外での作業は難しい ・セキュリティはベンダーに依存 |
RPAは、サーバー型・クラウド型・デスクトップ型に分類されます。RPA導入の際は、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社に合った種類を選ぶことが重要です。この記事では、RPAの種類ごとの特徴や、おすすめのRPAを紹介します。
既存システムとの連携性もチェック
既に何らかの業務システムを導入している場合は、それらの業務システムと連携できるRPAの導入がおすすめです。RPAと既存システムを連携させることで、自動化できる作業の幅が広がり、より効率的な業務の推進が図れます。
既存システムをクラウド型で運用している場合でもRPA連携は可能です。特にクラウド型RPAは、RPA自体がクラウドサービスであるため、各種クラウド型のシステムとの連携がしやすくなっています。
ただし、クラウド型RPAは、Web上の作業しか自動化できません。したがって、自社サーバーで既存システムを運用している場合は、サーバー型RPAの導入が必要となる可能性が高いです。
サポート体制は充実しているか
RPA導入当初は、シナリオ作成や運用の仕方など、分からないことも多く出てきます。そのような場合にベンダーのサポートがあると、早期解決が可能になり、RPAのスムーズな運用ができます。そのため、ベンダーのサポート体制の確認もしておくことが重要です。
サポート体制では、サポート可能な曜日や時間・サポートの方法・無料でサポートが受けられる範囲・有料で受けられるサポートなどを確認します。特に、専門知識がなく導入や運用に自信がない場合は、サポート体制が充実したベンダーを選ぶのがおすすめです。
セキュリティ対策は万全か
税理士業務では、顧客の会計や税務関係の機密情報を多く取り扱います。多くの場合、RPAではそれらのデータを利用することになるため、情報管理をしっかりと行う必要があり、情報漏えいなどが発生しない強固なセキュリティ対策を施さなくてはなりません。
サーバー型RPAやデスクトップ型PRAは、事務所のセキュリティポリシーに合わせた強固なセキュリティ対策を独自に施せます。しかし、クラウド型RPAのセキュリティは、ベンダーに依存するため、セキュリティ対策がしっかり施されたベンダーを選ぶことが大切です。
ツールへログインするための認証方法やID・パスワードの暗号化・アクセス権限の設定・ログの取得などについても確認しておくのがおすすめです。
税理士事務所への導入実績があるか
他の税理士事務所への導入実績があるRPAを選ぶと、より安心です。税理士事務所への導入事例のある製品であれば、ベンダーが税理士事務所ならではの業務内容やニーズへの理解がある可能性が高く、質の高いサポートを受けられるでしょう。
また、すでに税理士事務所での運用に成功しているRPAであれば、税理士業務にフィットする製品であると考えることができます。導入失敗のリスクも低いと言えるでしょう。
税理士業務におすすめのRPA4選
GOOD
ここがおすすめ!
- プログラミングしなくても自動化でき、完全日本語対応で実務経験がなくても扱える
- Windowsで操作ができるさまざまなアプリケーションに対応
- 高い技術力を持つサポートチームによる導入後のフォローも
MORE
ここが少し気になる…
- サポートは日本語OS上に導入した場合のみ
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ここがおすすめ!
- 自由に設計でき、パソコン上の業務や事業にあわせて活用可能
- 分かりやすい画面上で簡単にロボットに命令でき、大幅に負担を軽減
- 社内システムや外部APIとの連携によりスムーズな構築が行える
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ここが少し気になる…
- プラン・サポート料金や詳細機能・命令方法などは問い合わせで確認
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ここがおすすめ!
- 構築不要・即日の導入が可能で、専門知識がなくても扱いやすい
- 導入後も「チャットサポート」が無料で受けられる
- クラウドのためインストールが不要かつ複数人で使える
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ここが少し気になる…
- Web以外の基幹システムやデスクトップのアプリケーションには非対応
GOOD
ここがおすすめ!
- 専門的な知識がなくても直感的に扱えて、誰でも数分で自動化できる
- 構築済みの「UiPath Marketplaceテンプレート」が活用でき、カスタマイズも可能
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ここが少し気になる…
- 詳細情報や料金プランなどの情報が少なく、分かりにくい
その他のRPAの選び方
税理士業務を自動化するためにRPAを導入する場合は、以下のようなポイントにも注目しましょう。
【重要なポイント】
必要な業務を自動化できるか
【その他の比較ポイント】
費用対効果が高いか
RPAは製品によって機能や仕様が異なるため、自動化したい業務に対応できるかは必ず確認しなければならないポイントです。また、RPAにはある程度のコストがかかりますので、費用対効果についてもしっかりと検証しておくことが大切です。
まとめ
RPAは、パソコンで行う定型的業務を自動化するツールです。税理士業務の中には会計ソフトへのデータ転記や書類作成など、決まった手順で行う業務が多くあり、RPAツールの導入で、大幅な業務の効率化が図れます。
業務の自動化で余裕ができた人材や時間を専門性の高い業務に回せば、収益の向上が期待できます。また、人件費の削減や働き手不足解消にも役立ちます。
なお、PRAを選ぶ際には、操作性やセキュリティ・既存システムとの連携性の確認が大切です。税理士業務の内容や業務規模、予算に適合したRPAツールを導入して、業務の効率化とともに収益の増大につなげましょう。