種類別のおすすめRPA5選|それぞれの特徴や選び方も解説
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- RPAの種類は、導入形態によってサーバー型・クラウド型・デスクトップ型に分類される
- サーバー型は全社を横断した一括管理ができ、クラウド型はWeb上の作業を自動化できる
- デスクトップ型はITの知識がなくても管理しやすく、個人や部門単位で導入できる
RPAは、サーバー型・クラウド型・デスクトップ型に分類されます。RPA導入の際は、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社に合った種類を選ぶことが重要です。この記事では、RPAの種類ごとの特徴や、おすすめのRPAを紹介します。
目次
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RPAは導入形態によって3種類に分けられる
RPAとは、決められた手順で行う定型のパソコン作業を自動化するツールです。人が行ってきた作業をRPAで自動化することで、人員を削減して人件費を抑制したり、自動化によって余裕の出た人員をコア業務に従事させ、企業の生産性を高めたりすることができます。
現在では、RPAの導入は業種を問わず多くの企業で進んでいるとともに、今後の導入を考えている企業も多いです。そこで企業にとって重要な検討事項の1つとなるのが、導入形態です。
RPAの導入形態には大きく分けて、サーバー型・クラウド型・デスクトップ型があります。この3種類の違いがよくわからず、どれを選べばいいか迷っている企業も少なくないでしょう。本記事ではそのような企業のために、種類ごとの特徴などについて詳しく解説します。
RPAとは?メリットや向いている業務、ツールの選び方などを解説
RPAとは、定型業務をロボットを活用して自動化・効率化するシステムのことを言います。RPAを導入することで、業務処理の迅速化などに繋がりますが、対応が難しい業務もあるため注意が必要です。本記事では、RPAのメリット・デメリットや導入手順などを解説しています。
RPAの種類別の特徴
サーバー型・クラウド型・デスクトップ型にはそれぞれ異なる特徴があるため、その特徴を理解して自社に最適なRPAを選択することが大切です。自社の状況やニーズにマッチした種類を選ぶことで、費用対効果の向上にもつながります。
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RPAの種類別の特徴とは
サーバー型
サーバー型RPAは、自社で用意したサーバー上で稼働するRPAで、サーバーとつながった複数パソコンの自動化が可能です。以下では、サーバー型RPAの主な特徴について詳しく解説します。
全社を横断した一括管理ができる
サーバーには各部署で利用しているさまざまなシステムと、それらのシステムで蓄積した大量のデータが管理されています。サーバー型RPAは、サーバー上にあるデータへのアクセスが容易で、部門を問わず全社を横断した一括管理ができます。
ローカル環境で稼働しているシステムやクラウドサービスなど、RPAが作業する範囲も限定されず、また大量のデータを処理できるので、部門やシステムをまたいだ全社的なプロジェクトを推進しやすくなったり、より正確な業務分析が可能になったりします。
そのため、多くの既存システムとの連携を図り、幅広い業務の自動化を全社的に進めたい企業におすすめの導入形態と言えます。
一度に大量のロボットが稼働できる
サーバー型RPAでは、サーバー内で同時に100以上のロボットの稼働が可能です。扱うデータ数が多く何度も繰り返して行う作業ほど、RPAの費用対効果は高まることからも、業務を大規模に自動化したい企業には、サーバー型RPAの導入が非常に効果的です。
また、導入形態によっては、RPAが稼働しているとパソコンの処理能力が落ちて動きが遅くなってしまったり、パソコンが使えなくなったりする場合があります。
しかし、サーバー型RPAはサーバーがRPAの管理や実行指示を行うため、複数のロボットが稼働したとしても、パソコンの動作に支障が出ることはありません。
社内環境に合わせて導入範囲を拡大しやすい
サーバー型RPAは自社内で運用する形態であるため、多くの場合、自社の環境に合わせてRPAのカスタマイズが可能です。導入時、あるいは運用途中で機能の縮小や拡張ができるように設計されています。
専門スキルを持った人員やカスタマイズのための時間は必要になりますが、将来的な適用業務の拡大や業務変更などにも対応できるので、長く使い続けやすいのが特徴です。導入費用は高額になりがちなものの、長期的に見れば費用対効果は高いでしょう。
セキュリティ性が高い
RPAが取り扱うデータの中には、取引先や顧客の個人情報・従業員の個人情報のほかに、企業内の機密情報なども含まれている場合があります。こうしたデータの漏えいは、企業の信用と収益に大きな損害を与えます。
したがって、RPAの選定ではセキュリティ性の高さが重要なポイントの1つになります。サーバー型RPAなら、自社サーバーで運用・管理するため、自社のセキュリティポリシーに合わせた強固なセキュリティ対策を施すことが可能です。
クラウド型
クラウド型RPAは、インターネットを介してクラウド上にあるRPAにアクセスして利用する形態です。サーバー型やデスクトップ型とは異なり、Webブラウザを利用して、Web上の作業を自動化するためのRPAです。以下では、クラウド型RPAの主な特徴を解説します。
低コスト・短期間で導入できる
クラウド型RPAの最大のメリットは、導入コストを抑えて業務の自動化を実現できることです。クラウド型RPAでは、ベンダーのサーバーを利用するため、自社サーバーの用意は必要なく、自社サーバーを保有していない企業でも手軽に導入できます。
ランニングコストとして月々の利用料が発生しますが、初期費用が安く、既にインターネット環境が整っていれば契約から日単位で運用開始ができます。導入準備にかかる人件費などもかさまずに済むでしょう。
サーバー型の場合は、運用開始までに最低でも1カ月程度はかかるため、短期間で利用を開始したい企業にはクラウド型がおすすめです。
We上での作業自動化と他の作業を同時にできる
クラウド型RPAは、Webブラウザを通してベンダーのサーバーにアクセスします。したがって、自動化できるのはWebブラウザ上で行う定型作業です。各種クラウドサービスやSaaSとの連携がしやすいため、近年のクラウド化の波に伴って多くの企業で導入されています。
たとえば、Web上の自社評価の収集・管理や、ECサイトの商品登録や画像のアップロードなどによく活用されています。また、設定した時刻での自動メール配信や、交通情報サイトなどから情報を取得して、交通費申請書との相違をチェックする作業などにも利用されます。
クラウド型RPAはクラウドサーバー上で稼働しているので、RPAがこうした作業を行っている間もパソコンでは別の作業を行うことができます。パソコンの台数が限られていても運用しやすい形態です、
保守運用をベンダーに任せられる
クラウドサーバーはベンダーが所有しており、管理もベンダーが行います。したがって、サーバー型やデスクトップ型のように、RPAのシステムを自社で管理する必要はありません。また、RPAのバージョンアップに関しても、多くは無料でベンダーが対応を行います。
そのため、クラウド型RPAはサーバー管理の知識や技術を持った人材がいない企業でも導入しやすい形態です。ただし、セキュリティもベンダーが管理しているので、ベンダーのセキュリティ環境に依存するかたちになります。
デスクトップ型(クライアント型)
デスクトップ型RPAは、従業員が使う各パソコン端末にRPAソフトウェアをインストールして運用する形態です。パソコン1台単位でインストールするため、自動化ができるのはそのパソコンで行う定型作業のみです。以下で、デスクトップ型RPAの特徴を詳しく解説します。
個人や部門単位で導入しやすい
デスクトップ型RPAは、各パソコンにRPAをインストールして運用するため、1台のパソコンへの導入から始めらることができ、また、価格も比較的安価に設定されています。そのため、個人事業主や小規模事業者でも導入しやすいです。
また、全社的な導入を考えていない企業では、部門単位で必要なパソコンだけに導入することで、コストパフォーマンスを高めることができます。デスクトップ型RPAには1ヶ月単位で契約できる製品もあるため、本格導入前にRPAの効果検証で導入する企業もあります。
ITの知識がなくても運用しやすい
一般的にRPAは、自動化したいパソコン業務の手順を記録したシナリオを作成し、そのシナリオを覚えさせて実行させることで、業務の自動化を行っています。したがって、シナリオの作成しやすさは、RPAの使い勝手を左右することになります。
デスクトップ型RPAは小規模な導入を想定しているので、専門知識がなくても、直感的に設定・管理できる製品が多くなっています。組織的な管理はほとんど必要なく、担当者自身がRPAを導入した各パソコンを管理すれば良いので、それほど高度なIT知識は求められません。
デスクトップ型RPAは、サーバー型・クラウド型に比べて、コストと管理の両面で導入ハードルが低く、初めてRPAを導入する企業でも気軽に導入できます。
情報漏洩のリスクが低い
デスクトップ型RPAは、端末上で動作が完了するため他のパソコンと連携する機会がありません。稼働範囲が狭く閉鎖的な環境で動いているため、それだけ情報漏えいのリスクも少ないのが特徴です。
また、パソコンがインターネット回線に接続されていなくても利用が可能で、インターネットに接続しない環境での利用であれば、さらにセキュリティリスクは低くなります。セキュリティ体制構築のためのリソースが割けない企業でも、ある程度の安全性を担保できます。
RPAの種類|比較表
ここでは、3つの種類の特徴・メリット・デメリットをとともに、おすすめの企業を表にしてわかりやすくまとめました。自社に合うのはどの形態か、慎重に検討しましょう。
サーバー型 | クラウド型 | デスクトップ型 | |
---|---|---|---|
特徴 | 自社サーバーにインストールして運用 | ・クラウドサーバーにアクセスして運用 ・Webブラウザを自動化 | パソコンにインストールして運用 |
メリット | ・システムを横断した一括管理が可能 ・カスタマイズや拡張。セキュリティの強化が容易 | ・低コストで導入可能 ・自社メンテナンス不要 | ・導入・運用が低コスト ・パソコン1台から導入可能 |
デメリット | ・初期費用が高額 ・メンテナンスが必要 ・運用開始に時間がかかる | ・月額利用料が必要 ・自社でセキュリティ対策ができない | ・システム連携が難しい ・RPA稼働中は他の作業ができない |
おすすめな企業 | ・自社サーバーがある企業 ・活用範囲が広い企業 ・機密性の高い情報を取り扱う企業 | ・自社サーバーがない企業 ・初期費用を抑えたい企業 ・サーバーを管理する人材がいない企業 | ・個人事業主の企業 ・スモールスタートしたい企業 ・IT知識が浅い企業 |
RPAの種類別の費用相場
サーバー型の場合、自社サーバーが必要なため、自社サーバーの有無で導入費用は大きく異なります。レンタルサーバーを利用する方法もありますが、その場合月々のレンタル料が発生します。また、導入費用のほかに、メンテナンスのための人件費もかかります。
クラウド型は、サーバー型に比べてコストを抑えた導入ができ、機能の制限はありますが、無料で利用できるツールもあります。有料プランの場合も月々の利用料は発生しますが、メンテナンス費用はかかりません。
デスクトップ型はパソコン1台から導入できるため、低コストでの導入・運用ができます。月々の利用料が発生しますが、買い切り型のソフトウェアを導入すれば利用料は発生しません。
以下に種類別の一般的な費用相場を紹介します。
費用相場 | |
---|---|
サーバー型 | 初期費用:約10~数百万円 メンテナンス費用:月額50万円程度から |
クラウド型 | 初期費用:0~50万円 月額利用料:10万円 |
デスクトップ型 | 初期費用:0~20万円 月額利用料:10万円程度から |
RPAは社内の定型的な業務をロボットによって自動化できる便利なツールですが、導入には費用がかかります。この記事では、RPAにかかる費用相場を種類別に解説し、知っておきたい注意点や導入時に利用できる各種補助金を紹介します。
【種類別】おすすめのRPAツール5選
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【サーバー型】おすすめのRPAツール2選
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【クラウド型】おすすめのRPAツール2選
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- プラン・サポート料金や詳細機能・命令方法などは問い合わせで確認
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【デスクトップ型】おすすめのRPAツール
その他のRPAの選び方
RPAの種類から自社に合ったツールを導入することが大切ですが、同じ種類でも多くのベンダーからさまざまなRPAが提供されています。その中から選択する場合には、以下のようなポイントに注目するのがおすすめです。
【重要なポイント2つ】
- 必要な業務を自動化できるか
- 利用しているツールと連携できるか
【その他の比較ポイント】
- サポート体制は充実しているか
- 費用対効果が高いか
- 誰でも簡単に操作できるか
- セキュリティ対策は十分か
RPAを導入する前に要件を明確に
RPAの導入形態別の特徴や、上で挙げたような選定ポイントを軸にRPA製品を選ぶには、まずさまざまな角度から自社の要件を明確にする必要があります。以下のような内容を整理して、要件を洗い出しましょう。
- どの業務を自動化したいのか
- RPAの導入でどのような目標を達成したいのか
- 予算はどのくらいか
- 誰がRPAの設定や管理を行うのか
- 自社のセキュリティポリシー
自社の状況やニーズをできるだけ細かく洗い出しておくことで、製品とのミスマッチを防ぎ、RPAの導入失敗を避けることができます。
まとめ
パソコンで行う定型業務を自動化できるRPAには、サーバー型・クラウド型・デスクトップ型の3種類の導入形態があります。RPAを選ぶ際には、この3種類の特徴やメリット・デメリットを理解して、自社に合った形態を選ぶことが重要です。
サーバー型は全社を横断した一括管理ができ、全社的な業務の自動化を図りたい企業におすすめで、クラウド型はWeb上の作業を自動化したい企業に向いているRPAです。また、デスクトップ型は管理が容易で、個人事業主の方でも導入しやすい導入方法です。
自社に合わない形態を選んでしまうと運用が難しかったり、費用対効果が悪くなってしまったりするため、どの形態を選ぶべきか慎重に検討しましょう。