RPA導入時の課題・問題点とは?導入を成功させるポイントも解説

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  • RPA導入時には、対象業務の選定が難しい、運用できる人材がいないなどの課題がある
  • RPA導入を成功させるには、具体的な目標を決め、RPAに向いている業務に適用する
  • 効果的に活用するには、運用知識を持った人材の採用や研修の実施なども重要である

RPAは労働力不足を解消する手段として注目されていますが、対象業務の見極めや効果的な運用が難しく、導入が進まない企業も多いようです。この記事では、RPA導入時によくある課題・問題点や、導入を成功させるためのポイントを解説します。

目次

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  1. RPAの導入は上手く進まないことも多い
  2. RPA導入時によくある課題・問題点
  3. RPA導入後によくある課題・問題点
  4. RPA導入・運用を成功させるためのポイント
  5. まとめ

RPAの導入は上手く進まないことも多い

RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、パソコン上の作業をロボットソフトウェアで自動化する技術、およびツールです。RPAにより単純な作業を自動化し、労働者をより重要な仕事に専念させることができるため、労働力不足を解消する手段として注目を集めています。

しかし、導入が進んでいる企業もある一方で、まだ手を付けていない企業も少なくありませ。導入が進まない理由は、導入時のハードルの高さと運用の難しさにあります。適切な準備と運用体制の構築ができていないと、RPA導入は失敗に終わってしまいます。

そこで本記事では、RPAの導入が進まない理由となっている課題・問題点と、導入・運用を成功させるためのポイントについて解説していきます。

RPAとは?メリットや向いている業務、ツールの選び方などを解説

RPAとは、定型業務をロボットを活用して自動化・効率化するシステムのことを言います。RPAを導入することで、業務処理の迅速化などに繋がりますが、対応が難しい業務もあるため注意が必要です。本記事では、RPAのメリット・デメリットや導入手順などを解説しています。

RPA導入時によくある課題・問題点

まず、RPAを導入する際によく見られる課題・問題点について解説します。RPAは運用を開始する前の導入準備の時点から、さまざまなハードルが見られます。

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適用すべき業務がわからない

RPAを導入するにあたって、企業が直面する最も一般的な課題の1つは、どの業務にRPAを適用すれば効果的かを特定することの難しさです。RPAはールベースのり返し発生するタスクに適用することが一般的に推奨されています。

しかし、実際には適切なプロセスを選択することは難しいです。企業が適用すべき業務を特定する際には、プロセスの標準化のしやすさや業務の定量的なボリュームを評価する必要があります。

製品の選び方がわからない

RPA製品の選定も、企業が悩みを抱えやすい問題の1つです。RPA製品はさまざまあるため、自社に最もマッチする製品を選ぶのは簡単ではありません。機能や強み、価格、導入形態など、あらゆる角度から総合的に判断する必要があります。

しかし、一体どこを重視して選べば良いのかわからない、という企業も多く、製品の選定は難航しがちです。判断ポイントを間違えてニーズに沿わない製品を選んでしまうと、期待にそぐわない結果に終わってしまうリスクもあります。

設定が難しい

多くの企業がRPAの導入を検討するものの、実際には設定方法の理解が追いつかず、最終的には導入を諦めてしまうケースがあります。

自動化を実現するためには、業務プロセスを詳細に分析し、それをRPAソフトウェアで再現可能な形で定義する必要があります。しかし、これが予想以上に複雑であると、導入の障害となりかねません。

また、RPAにはプログラミングの知識が必要ないと言われることも多いものの、実際に自社の理想を実現しようとすると高度なプログラミングスキルが必要となるケースもあります

運用知識を持つ人材がいない

RPAを導入したあとにその運用を継続的に管理できる知識を持つ人材が不足していることも、多くの企業で見受けられる課題です。

導入後に効果を最大化するには、々の運用、メンテナンス、トラブルシューティングを行える専門的なスキルが必要です。しかし、企業内にこのような専門知識を持った人材がおらず、効果的な運用が難しいことがあります。

そのため、企業は社内で人材を育成するか、外部から専門人材を確保する必要があります。

費用負担が大きい

投資の回収という観点から見ると、RPAの導入初期には高いコストがかかり、その結果として得られる効果が見合わないと感じる企業も存在します。

RPAの導入と維持にはソフトウェアのライセンス費用、システムのカスタマイズや統合に関わる開発費用、運用に必要な継続的なサポートやトレーニングのコストが発生します。

特に、自動化プロジェクトの計画段階でリアルな成果予測を立てられなかった場合、期待した効果が得られず、投資コストが大きな負担となることがあります。

RPA導入後によくある課題・問題点

RPAは導入後にも課題・問題点が浮上することがあります。無事に導入できても、その後の運用が上手くいかないといったケースもあります。ここでは、よくある例について解説します。

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予期せぬトラブルが発生する

RPAの導入は、業務の自動化と効率化を実現します。しかし、正しく設定されていない場合や予期せぬ環境の変化がある場合、トラブルが発生して作業負担が増加することがあります。

RPAは、設計されたシナリオの範囲内でのみ効果的に機能します。そのため、外部からの予期せぬ変更やシステムの更新により、プロセスが中断される可能性があります。

また、自動化されたタスクが未解決のエラーを生成した場合、修正するためには追加の時間とリソースが必要になることがあります。このように、予期せぬトラブルによって作業の増加を招くことがあるため、定期的な監視とメンテナンスが重要です。

社内に浸透しない

RPAの導入が完了しても、社員の間での理解と受け入れが不十分であると、社内浸透が進まない大きな要因となります。特にITリテラシーのレベルが低い従業員にとっては、新しい技術を受け入れ、日常の業務に組み込むことは困難です。

また、従業員がRPAの概念や利点を十分に理解していない場合、その導入に対する抵抗感が生まれ、技術の利用が限定的になることがあります。RPAの必要性やその導入によるメリットが社員に伝わっていないと、導入の意義を見いだすことは難しいです。

効果測定が難しい

RPAの導入効果は、一つの効果指標のみでは正確に測ることはできません。作業時間の削減率、人件費の削減率、ミスの削減、従業員の精神的負担やモチベーションの変化、他の業務での生産性など、定性的・定量的な複数の指標から判断する必要があります。

また、RPAの効果はすぐに出ないことが多く、中長期的な視点が必要であると言われています。そのため、導入直後の効果測定では費用対効果が低い結果になることもあります。

こうした特徴から、効果測定が難しく本当に効果が出ているのかわからない、正確な費用対効果を算出できない、将来性を予測できないというケースも見られます。

RPA導入・運用を成功させるためのポイント

以上のような課題・問題点を克服し、RPA導入を成功させるためには、いくつかのポイントを踏まえる必要があります。特に重要なポイントを以下にまとめました。

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具体的な目標を定める

明確な目標を設定することは、自動化を適用する業務を決定する際の指針となり、期待する成果や効果を形にするためにも重要です。この目標設定を通じて、企業はRPAによって解決したい具体的な問題や、どのような結果を求めているのかを明確にできます。

例えば、特定の業務プロセスの処理時間を短縮したい、エラー率を低下させたい、従業員の生産性を向上させたいといった具体的な目標が挙げられます。このような具体的な目標を定めることで、RPAに向いている業務を選定しやすくなります。

業務ごとRPAへの向き不向きも理解しよう

対象業務を決める際は、RPAに向いている業務に適用することも重要です。具体的には、ルールに基づいて処理を行うタイプの業務がRPAに最も向いています。このような業務は、自動化することでエラーの発生を減らし、効率と生産性を向上させることができます。

RPAに適している業務の例には、請求書処理やデータ入力と集計、報告書の作成、顧客データの更新などがあります。これらの業務は、明確なルールと手順に基づいており、自動化により一貫性と速度の向上が見込まれます。

一方、不向きな業務には、高度な意思決定が必要な業務、対面での顧客対応、創造性を要する業務などがあります。

向いている業務・データ入力と処理
・請求書や給与の処理
・レポートの自動生成
不向きな業務・戦略的意思決定
・カスタマーサービス
・創造性を必要とする作業

RPAにできること・できないこと|対象業務を選ぶ際の注意点も解説

RPAはバックオフィス業務をロボットにより自動化するツールですが、得意な業務と不得意な業務があります。RPAを効果的に運用するには、向いている業務に活用することが重要です。この記事ではRPAにできること・できないことや、対象業務を決める際の注意点を解説します。

サポートが充実したベンダーを選ぶ

RPAツールの選定にあたって企業が特に重視すべき点の1つが、ベンダーから提供されるサポートの充実度です。設定に自信がない企業や運用経験がない企業にとって、充実したサポート体制は、導入から運用までをスムーズに進めるために欠かせません

サポートが充実しているベンダーを選ぶことで、技術的な問題や運用上の疑問が生じた際に迅速かつ効果的な課題解決につなげることができるため、導入後の運用効率も大幅に向上します。

ベンダー選定の際には、トレーニングプログラムや技術的なサポート、カスタマーサービスの質、アップデートとメンテナンスの方針などを詳細に確認することが重要です。

運用スキルがある人材を採用・教育する

RPAエンジニアや経験豊富なRPAオペレーターなど、運用スキルを持つ人材を採用、あるいは教育することは、導入後のスムーズな運用と継続的な効率向上に不可欠です。

RPAの運用担当者は、自動化プロセスが予定通りに機能するか監視し、必要に応じてメンテナンスやトラブルシューティングを行います。また、RPA技術の進歩に合わせてシステムを更新し、改善する役割も担います。

そのため、RPAエンジニアやRPA経験者の採用・教育は、技術投資の回収と業務プロセスの継続的な改善を実現するためにも必要です。

費用対効果の算出方法を理解しておく

導入がもたらす効果を定量的に把握することで、投資の価値を評価することができます。そのため、まずはRPAによってどれほどの工数削減に繋がったか算出する方法を理解しておきましょう。

工数削減の算出では、自動化する業務プロセスを実施するのにかかる時間とコストを評価し、RPA導入後にこれらがどれだけ減少するかを見積もります。

さらに、タスク実行に必要な人的リソース、エラー発生時の追加コストやプロセス遅延による機会損失など、必要に応じて複数の要因を効果測定指標として追加しましょう。

小規模な業務から導入する

いきなり大規模な導入を試みると、トラブル発生時のリスクが大きくなります。小規模なプロジェクトから始めることで、RPAの効果を検証して組織内での理解を深め、徐々に導入の範囲を広げることが可能になります。

優先順位を決めてスモールスタートすることで、問題が発生した場合でもその影響を限定的に保つことができ、対応策をより容易に見つけることができます。さらに、初期の成功体験は組織全体の自信に繋がり、RPAに対する支持を増やす効果もあります。

全員で活用できる体制を整える

全従業員が活用できる体制を整えるためには、まずマニュアルや運用ルールを明確に作成し、全員がRPAツールを理解し効果的に使用できるようにする必要があります。

また、定期的な研修やワークショップの実施により、RPA技術に関する理解を深めて従業員のスキルを向上させることも重要です。研修では、RPAの基礎から応用までをカバーし、実際の業務プロセスにRPAをどのように適用するかを実践的に学べるようにしましょう。

このような取り組みにより、全員が活用できる体制を整えることで、RPA投資の価値を最大化することができます。

まとめ

RPAの導入は、企業にとって大きな利点をもたらしますが、導入にあたっては様々な課題が浮上します。RPAの導入を成功させるためには、適切な業務の選定や費用対効果の明確な理解、運用スキルを持つ人材の確保、全員が活用できる体制の整備が欠かせません。

また、充実したサポートと継続的な研修を提供するベンダーの選定は、導入後のスムーズな運用と継続的な改善のために重要です。さらに、運用スキルを持つ人材の採用や育成は、RPAの効果を最大化し、企業が自動化を通じて長期的な価値を実現します。

このように、RPAを導入する際の課題や問題点をあらかじめ理解して対策を講じることで、効果的にRPAを運用することができます。

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