RPAツールとは？できること・導入メリット・選び方を解説

RPAツールとは、定型的な業務をロボットで自動化できるツールです。ルーティン業務を自動化することで従業員はコア業務に集中でき、飛躍的な生産性向上に繋がります。この記事では、RPAツールでできることや導入のメリット、選ぶ際のポイントなどを解説します。

目次

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1. RPAツールとは
2. RPAツールでできること・活用例
3. RPAツールを導入するメリット
4. RPAツールを導入するデメリット
5. RPAツールの種類
6. RPAツールを選ぶ際の比較ポイント
7. RPAツールの導入ステップ
8. まとめ

RPAツールとは

RPA（Robotic Process Automation）ツールは、繰り返し行う定型的な業務を自動化できるツールです。ルーティン業務を自動化することで従業員はコア業務に集中でき、飛躍的な生産性向上に繋がります。

この記事では、RPAツールでできることや導入のメリット、選ぶ際のポイントなどを解説します。

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AIとの違い

RPAツールとAIの違いは、主に自律的な判断能力の有無にあります。AIは自律的な判断や学習能力を持ち、データの解析やパターンの発見など、与えられた課題に対して柔軟に対応することができます。

AIは、トラブルや予期せぬ事態が発生した際にも、新たな情報や状況に応じて適切な行動を取ることが可能です。一方でRPAツールは、あらかじめプログラムされた手順に従って、特定の作業を自動化することができます。

つまり、指示があればそれに従って業務を遂行しますが、自らの判断や学習能力はありません。

VBAとの違い

VBAは、Microsoft Office製品に組み込まれたプログラミング開発環境であり、ExcelやWord、PowerPoint、Accessなどで利用されます。VBAを使用すると、これらのOffice製品で様々なタスクを自動化できます。

しかし、VBAを使うにはプログラミングの知識が必要です。対してRPAツールは、定型的な業務をロボットによって自動化するためのツールです。

RPAは、ExcelなどのOfficeドキュメントだけでなく、さまざまなアプリケーションやWebページ、データベースなど、幅広い業務を自動化できます。

RPAツールでできること・活用例

RPAツールでは、競合他社の価格を調査したり、SNS上の口コミを収集したりなど、さまざまな活用が可能です。ここからは、RPAツールでできること・活用例について詳しく解説します。

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競合他社の価格を調査する

RPAツールを活用すると、企業は競合他社の価格調査を効率的に行うことができます。通常、価格調査は手作業で行われ、時間と労力がかかりますが、RPAを使用することで自動化されます。

具体的には、RPAツールをプログラミングして、競合他社のウェブサイトやオンラインショップから価格情報を収集し、それを自社のデータベースに記録する作業を自動化します。 

このようにRPAツールを活用することで、価格調査作業をより効率的に行うことができます。従業員は手作業での価格調査から解放され、より重要な業務に時間を割くことが可能です。

SNS上の口コミを収集する

RPAツールを活用することで、SNS上の口コミやコメントを自動的に収集することが可能です。企業は、顧客の意見や感想を把握し、自社や自社商品に関するSNS上の投稿やコメントを監視する必要があります。

RPAツールを使用すると、定型的な口コミ収集のプロセスを自動化できます。収集したデータは、ポジティブな評価とネガティブな評価に分類することもできます。RPAツールを活用することで、口コミ収集作業の効率化と顧客満足度の向上が実現できるでしょう。

ECサイトの日次レポートを作成する

RPAツールを使うと、ECサイトの日次レポートを自動的に作成することができます。通常、ECサイトや広告媒体の管理画面から、売上データや広告の成果などの情報を取得し、レポートを作成する作業は手作業で行われます。

しかし、RPAツールを活用すると、このような繰り返しの作業を自動化することができます。

たとえば、RPAツールに指示すると、毎日特定の時刻にECサイトの売上データや広告のクリック数、購入数などを取得します。それらのデータを集計して日次レポートを作成することが可能です。

顧客情報を登録する

RPAツールを活用すると、顧客情報を複数のシステムに効率的に登録することができます。従来、顧客情報を複数のシステムに登録する際には、各システムに手動でログインし、同じ情報を再入力する必要がありました。

しかし、RPAツールを活用すると、この作業を自動化することが可能です。たとえば、顧客の氏名や住所などの情報を一度入力するだけで、それを顧客管理システム、会計システム、在庫管理システムなどに自動的に反映させることができます。

請求書・契約書・見積書などを発行する

RPAツールを利用することで、請求書や契約書、見積書などの文書の発行を効率化することができます。従来はこれらの文書を作成するために、手作業での繰り返し作業が必要でしたが、RPAを活用することでこれらの作業を自動化することができます。

また、自動化により作業時間や労力を大幅に節約することができます。これにより、業務の品質が向上し、迅速な対応が可能になります。RPAツールはルーティンな業務を自動化することで、組織全体の効率性を高めることができる強力なツールです。

定型メールを送信する

RPAツールを使えば、毎日送る報告メールや週次の更新通知などの定型メールを自動的に送信できます。

たとえば、毎週金曜日に部署全体に送る週報メールをRPAで自動化すると、事前に指定されたメールテンプレートを使って、特定の送信先リストから情報を取得し、自動的にメールを作成して送信します。

この自動化により、従業員は毎回同じメールを手作業で作成する手間を省くだけでなく、送信先やメールの内容に関するヒューマンエラーを減らすことができます。

また、定型メールの送信作業に費やす時間と労力を大幅に削減できるため、他の重要な業務により多くの時間を割くことが可能になります。

RPAツールを導入するメリット

RPAツールを導入することで、人的ミスを防げたり、人件費の削減に繋がったりなど、さまざまなメリットがあります。ここからは、RPAツールを導入するメリットに注目して、詳しく解説します。

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人的ミスを防げる

人が業務を行う場合、疲労や集中力の低下など、さまざまな要因によってミスが発生する可能性があります。しかし、RPAツールは、あらかじめプログラムされたルールに従って作業を実行するため、正確に業務を行うことができます。

たとえば、定型的な業務やルーチン作業をRPAツールに任せることで、データ入力のミスや情報漏れ、手順の抜けなどの人為的なミスを効果的に防止できます。RPAツールは常に同じ方法で作業を行い、確実に指示に従うため、業務の品質向上や効率化につながります。

人件費の削減に繋がる

従業員の給与や福利厚生などの人件費は、企業にとって大きなコストとなりますが、RPAツールを導入することでこれらのコストを削減することができます。従業員が手作業で行っていた業務をRPAツールが自動化することで、人件費を削減することが可能です。

また、RPAによって業務が効率化されることで、従業員が残業や休日出勤をする必要が減ります。これにより、残業手当や休日出勤手当などの割増手当も削減ができます。

サービスの品質を向上できる

RPAツールは決められたルールに従って作業を行うため、従業員の個人差による作業手順の違いがなくなります。たとえば、同じ作業を複数の人が行っても、RPAツールを使えば常に同じ方法で作業が行われるため、品質の一貫性が高まります。

また、RPAツールは一貫して高い精度で作業を実行するため、作業のミスやエラーが減少します。つまり、RPAツールを活用することで、作業の品質が向上し、安定した高品質なサービスを提供することが可能となります。

コア業務に集中できる

RPAツールがルーチン作業を自動化することで、従業員はより創造的で生産的な仕事に集中できます。従業員がコア業務に集中できることは、組織全体の生産性と効率性を向上させます。

たとえば、繰り返しのデータ入力やファイリングなどの単調な作業をRPAツールが担当することで、従業員は新しいプロジェクトの立ち上げや顧客との関係構築など、より戦略的で付加価値の高い業務に集中できます。

テレワークを推進できる

RPAが担う単純で定型的な業務は、通常、オフィスでの作業が必要なく、リモート環境でも実行できます。そのため、従業員は自宅やリモート場所から業務を行うことができ、テレワークを推進することが可能となります。

従業員がリモート環境で作業を行うことで、通勤時間の削減や柔軟な働き方の実現が可能となります。さらに、テレワークの推進は、従業員のワークライフバランスの向上やストレスの軽減にも繋がります。

従業員は自宅での作業が可能となるため、家庭や個人のニーズに合わせた柔軟なスケジュール管理が実現します。

RPAツールを導入するデメリット

RPAツールを導入することには、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下では、そのデメリットについて詳しく解説します。

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業務停止のリスクがある

RPAツールは便利な反面、システム障害やバグなどが発生すると業務が停止するリスクがあります。たとえば、RPAが作業中にシステム障害が起きた場合、業務が滞る可能性があります。これは企業にとって深刻な問題です。

特に、RPAツールが重要な業務プロセスに組み込まれている場合、業務の中断が企業全体に影響を及ぼすことも考えられます。そのため、RPAツールを導入する際には、システム障害やリスク管理に対する適切な対策が必要です。

情報漏洩のおそれがある

RPAツールの導入にはセキュリティ上の懸念が伴います。たとえば、サイバー攻撃によってRPAが乗っ取られ、機密情報への不正なアクセスが行われる可能性があります。また、誤作動によって意図しない情報の流出が発生するリスクも考えられます。

特に、RPAツールがネットワークに接続されたサーバにインストールされている場合、セキュリティリスクは増加します。企業が取り扱う機密情報や個人情報が漏洩すれば、それに伴う信頼喪失や法的な問題が発生する可能性があります。

そのため、RPAツールを導入する際には、十分なセキュリティ対策が必要とされます。

誤作動の可能性がある

RPAツールは、事前に設定されたシナリオに従って作業を自動化するため、正確な指示が重要です。そのため、誤った指示や設定を行うと、RPAツールはそのまま作業を続けてしまいます。

RPAは自己判断ができないため、誤った指示があっても誤作動が繰り返される可能性があります。このような誤作動は、業務の効率性を損なうだけでなく、時間やリソースの無駄遣いにつながる可能性があります。

そのため、RPAツールを導入する際には、正確なシナリオ設定や検証作業が欠かせません。

RPAツールの種類

RPAツールには、デスクトップ型・サーバー型・クラウド型の3つの種類があります。以下では、それぞれの種類について詳しく解説します。

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デスクトップ型

デスクトップ型は、個人のパソコン上で稼働する特性を持ちます。これにより、部門や個人単位での利用が容易であり、導入が比較的簡単です。たった1台のパソコンからの導入が可能なので、小規模企業にも適しています。

メリットとしては、導入コストが比較的低く、利用する環境が柔軟であることが挙げられます。また、個人や部門ごとに必要な業務を自動化できるため、効率的な業務遂行が可能です。

一方で、デスクトップ型のRPAツールは管理が属人化しやすいというデメリットがあります。特定の担当者や部署に依存する管理体制では、その担当者が異動したり不在になったりした際に業務の継続が困難になる可能性があります。

サーバー型

サーバー型は、自社で用意したサーバー上で動作するため、機能性に優れたシステムです。このタイプのRPAは、複数のパソコン末端を自動化したり、部門をまたいだ業務を自動化したりすることが可能です。

特に、複数のシステムや部門をまたいだ作業が求められる場合や、データ量が膨大な企業に適しています。また、セキュリティリスクが少ないのもメリットです。ただし、サーバー型RPAツールの導入には、高額な初期費用がかかる場合があります。

さらに、カスタマイズには専門知識が必要であり、専門人材を確保することが課題となります。そのため、企業がサーバー型RPAを導入する際には、コストや専門人材の確保などを考慮する必要があります。

クラウド型

クラウド型は、ベンダーのクラウドサーバー上で動作するRPAシステムです。自社のサーバーを用意する必要がないため、初期導入コストを抑えることができるのが特徴です。このタイプのRPAは、Webブラウザ上の作業を自動化することができます。

メリットとしては、自社でのサーバー設置が不要なため、導入が容易であることが挙げられます。一方で、クラウド型RPAにはいくつかの制限があります。たとえば、自社のシステムやデータベースへのアクセスが制限される場合があります。

また、インターネット接続が必要であるため、ネットワークに依存することになります。そのため、ネットワーク環境が不安定な場合やセキュリティ上の懸念がある場合は、適切な対策が必要です。

RPAツールを選ぶ際の比較ポイント

RPAツールを選ぶ際は、必要な機能を搭載しているかや、サポート体制は整っているかなどいくつかのポイントを比較することで、自社に適したシステムを選ぶことができるでしょう。以下では、その比較ポイントについて解説します。

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必要な機能を搭載しているか

RPAツールは様々な機能や特性を持っており、それぞれ異なる業務ニーズに合わせて設計されています。自社の自動化したい業務や目的に沿った機能を備えた製品を選定することで、効率的な業務自動化が実現できます。

たとえば、業務で複雑なデータ処理が必要な場合、その機能を十分にサポートしているRPAツールを選択する必要があります。適切な機能を備えたRPAツールを選択することで、業務効率化や生産性向上につながることが期待できます。

サポート体制は充実しているか

RPAツールを選ぶ際に重要な比較ポイントは、サポート体制が充実しているかどうかです。トラブルが発生した際や製品の操作に関する疑問や課題が生じた場合、ベンダーから適切なサポートを受けられるかが極めて重要です。

トラブル解決までの対応時間や対応言語、サポートスタッフの専門性や経験なども大切な要素です。また、ベンダーが定期的に製品のアップデートやパッチを提供し、セキュリティの脆弱性やバグの修正などに対応するかどうかも確認しましょう。

良好なサポート体制があれば、安心して業務を遂行することができます。

費用対効果を得られるか

自動化を行う主な目的は生産性の向上であり、導入したツールが投資に見合った価値を提供するかどうかを検討する必要があります。RPAツールの導入コストは、導入する業務の規模や範囲に応じて変動します。

大規模な自動化プロジェクトほど高額な導入コストがかかる傾向がありますが、それに見合うだけの効果を得られるかどうかを考慮することが重要です。

また、RPA導入によって生じる効率化や品質向上、人的ミスの削減などの効果を事前に評価し、費用対効果のバランスを検討することが重要です。

誰でも簡単に操作できるか

現場で業務を行う従業員がRPAツールを使いこなせるかどうかは、導入後の効率化や生産性向上に直接影響します。従業員が使いこなせる簡単なRPAツールを選択することで、導入後の効果を最大限に引き出し、生産性を向上させることができます。

そのため、RPAツールを選ぶ際には、現場の従業員が使いやすいかどうかを十分に考慮しましょう。

RPAツールの導入ステップ

RPAツールの導入は、以下のステップに従うことでスムーズに進行します。以下では、RPAツールの導入に関する各ステップについて詳細に解説します。

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自動化する業務を決める

RPAツールを導入する際は、まず自動化する業務を決めましょう。シンプルな単純業務だけを自動化するのか、より高度な処理や複雑な業務も含めて自動化するのかを明確にする必要があります。

また、自動化する業務の範囲を決定する際には、自動化にかかるコストとその効果をバランスよく考慮することが重要です。導入後の効率化や生産性向上を見据えて、自社のニーズや目標に合った業務を選定しましょう。

シナリオを作成する

自動化する業務が決まったら、シナリオを作成します。シナリオとは、RPAツールが自動化する業務の手順や手法を記述したものです。シナリオを作成する際には、業務の実際の流れや手順を詳細に把握し、正確に記述する必要があります。

業務の現場で起きるさまざまなケースや条件を考慮に入れて、シナリオを作成することが重要です。また、シナリオの作成には、業務の改善や効率化に向けた視点が必要です。

業務の自動化によってどのような効果が期待できるかを考え、それに基づいてシナリオを作成しましょう。シナリオの作成はRPAツール導入の中心的な作業の一つであり、その質が導入後の効果に大きく影響を与えるため、慎重に進める必要があります。

テスト導入する

テスト導入を行う際は、十分な時間をかけてシステムの動作の確認を行いましょう。シナリオ作成時には考慮していなかったケースや条件が発生する可能性があるため、実際の業務にRPAツールを導入してから、その動作を徹底的にテストする必要があります。

導入前後の業務効率や品質、従業員の業務負荷などを十分に評価し、導入の効果を客観的に把握することが重要です。また、テスト導入中に問題が発生した場合は、それを解決するための対策を迅速に講じる必要があります。

テスト導入は、導入後の業務運用に影響を与える重要な段階のため、慎重に計画し、問題点を洗い出して改善を行いましょう。

導入・マニュアル作成

RPAツールの導入後は、誰もがRPAツールを簡単に操作して運用できるようにするために、マニュアルを作成しましょう。マニュアルは、RPAツールの基本的な操作方法や業務フロー、トラブルシューティングなどを詳細に記載したものです。

マニュアル作成により、従業員が必要な情報を手軽に確認し、問題を解決できるようになります。新入社員や他の部署からの異動者にとっても、マニュアルは貴重な参考資料となります。

そのため、分かりやすく詳細なマニュアルを作成し、運用をスムーズにすることが重要です。

まとめ

RPAツールは、定型的な業務を自動化するためのソフトウェアであり、人の作業負荷を軽減し、生産性を向上させることができます。適切なRPAツールを選ぶ際には、必要な機能が備わっているか、またサポート体制が整っているかなどを確認することが重要です。

本記事で述べたポイントを踏まえて、自社に最適なRPAツールを選択することで、業務効率の向上や競争力の強化につなげることができるでしょう。