サービスデスクで設定すべきKPIとは?活用のポイントも解説
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- サービスデスクの業務を改善し、サービスを向上していくには、KPIの設定が推奨される
- サービスデスクで設定すべきKPIには、応答率・一定秒数内の応答率などがある
- KPIを活用するには、まずは成果指標ではなくプロセス指標を意識することがポイント
サービスデスクとは、社内外からの問い合わせに対応する企業の総合窓口です。サービスデスクの業務を改善し、より良いサービスを提供していくには、KPIの設定が推奨されます。この記事では、サービスデスクで設定すべきKPIや活用のポイントを解説します。
サービスデスクにもKPIが必要
サービスデスクは、企業や組織におけるユーザーや顧客からの問い合わせや要望に対して、効率的かつ迅速に対応する総合的な窓口です。サービスデスクには、商品に関する問い合わせや、サービスに対する確認など、さまざまな問い合わせや要求が寄せられます。
サービスデスクの業務を効率的に実行するためには、定量的な目標や基準が必要となり、KPIの利用が役立ちます。KPIの活用により、サービスデスクのパフォーマンスが把握でき、改善活動に活かすことができます。
本記事では、サービスデスクで設定すべきKPI、サービスデスク業務でKPIを活用するためのポイントなどについて、分かりやすく解説します。
サービスデスクとは?メリット・デメリット、ツールの機能を解説
サービスデスクとは、顧客からの問い合わせ全般に対応する窓口のことです。サービスデスクを有効活用するには、サービスデスクツールの導入がおすすめです。本記事では、サービスデスクのメリット・デメリット、サービスデスクツールの機能や選び方を解説しています。
そもそもKPIとは
KPI(Key Performance Indicators)とは、日本語で「主要業績評価指標」を意味し、組織やプロジェクトの目標達成をサポートするために設定される評価指標です。KPIにより、プロジェクトのパフォーマンスを測定し、業績の進捗状況や品質を把握する際に役立ちます。
また、KPIは組織の特定の目標や重要な業務進捗に関連するさまざまな側面を測定するために使用されます。例えば、売上高、利益率、顧客満足度、生産性、品質指標などがKPIの例です。
これらのKPIは、組織の戦略や目標に直接関連しており、業務の状況や進捗を定量的に把握するために活用されます。KPIは定量的かつ具体的な指標のため、組織内の各部門やチームが共通の目標に向かって進捗を追跡し、成果を評価する場合に役立ちます。
KPIとは?KGIとの違いや設定するメリット、設定方法を解説
KPIとは「重要業績評価指標」を意味し、目標の達成度合いを計測するために用いられます。KPIを定期的に確認することで、目標に対する進捗が把握できます。本記事では、KPIとKGIの違いやKPIを設定するメリット、設定方法、管理のポイントをわかりやすく解説します。
サービスデスクで設定すべきKPI
サービスデスクで設定するKPIはいくつかありますが、中でも「応答率」や「一定秒数内の応答率」は特に重要です。これらのKPIは、顧客満足度や信頼性の向上に直結し、顧客やユーザーとの良好な関係を築く上で不可欠です。
ここからは、サービスデスクで設定すべきKPIとして、これらの項目について解説します。
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応答率
応答率は、顧客やユーザーからの問い合わせやリクエストに対するサービスデスクの迅速な対応度を測るための指標です。顧客やユーザーの待ち時間が短くなることで、応答率が高くなり、問題や要望に対して迅速な対応を受けられて、顧客の満足度が向上します。
一方で応答率が低い場合は、サービスデスクの業務プロセスやリソースの配置に問題がある可能性があります。これを改善するためには応答率を分析して問題を特定し、サービスデスクの効率性や品質向上を目指すことが重要です。
また、1日の平均応答率が高くても、時刻によってばらつきがある場合があります。平均値が高くても、ピーク時の応答率が低いケースでは顧客満足度には繋がりません。そのため、正確な顧客満足度を示すために、時間別のKPI設定などが必要です。
一定秒数内の応答率
一定秒数内の応答率は、サービスデスクのパフォーマンスを評価するための重要なKPIになります。このKPIは、顧客やユーザーが問い合わせを行ってから一定時間内に、その問い合わせに対する最初の応答が行われる割合を示します。
サービスデスクのサービスレベルを測定するKPIには、この一定秒数以内の応答率が用いられることが多いです。一般的な目標としては、着信から30〜40秒以内に80%のコールに応答することが求められます。
顧客への迅速な対応は満足度の向上に直結します。顧客やユーザーは、問い合わせを行ってから迅速に対応されることで、より良いサービスを体験することができます。そのため、高い一定秒数内の応答率は、顧客の満足度向上の重要な指標となります。
サービスデスクにおけるその他のKPI
サービスデスクにおいて設定されるKPIには、上記で挙げた以外にいくつかのKPIがあります。ここでは、その他のKPIについて説明します。
1.解決率
サービスデスクにおいてよく設定されるKPIとして、解決率があります。このKPIは、問い合わせ総数に対して解決できた件数の割合を表します。解決率が高いほど、サービスデスクが迅速かつ効果的に問題を解決していることを示し、顧客満足度の向上に役立ちます。
2.解決までの平均時間
解決時間は、問い合わせを受けてから解決までにかかった平均時間です。解決時間が長いと、顧客は問い合わせがなかなか解決せず、不満を抱くリスクが高まります。反対に解決時間が短いと、対応の高評価や高い顧客満足度へと繋がります。
3.未解決の問題数
未解決の問題数は、特定の期間内に解決されていない問題や要求の数を示します。この指標は、サービスデスクがまだ対処していない課題の規模や重要性を示す際に役立ちます。未解決の問題数が増えると、サービス負荷の発生や業務効率に影響を与えます。
サービスデスク業務でKPIを活用するためのポイント
サービスデスクにおいてKPIを設定し、活用することは、効率性や顧客満足度の向上、業務プロセスの最適化に不可欠です。適切に設定されたKPIは、サービスデスクのパフォーマンスを客観的に評価し、改善の方向性を示す重要な指標となります。
ここからは、サービスデスク業務でKPIを活用するためのポイントについて解説します。
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サービスデスク業務でKPIを活用するためのポイント
まずはプロセス指標を意識する
KPIには、プロセス指標と成果指標の2つのタイプがあります。プロセス指標は、特定の業務プロセスや活動の効率性、品質を測定し、改善するための指標です。一方、成果指標は、最終的な成果や目標の達成度を示す指標です。
業務でKPIを活用するポイントとしては、まずプロセス指標の達成を目指すことが重要です。プロセス指標は、特定の業務プロセスの効率性や品質を評価する指標です。業務プロセスが効率的でないと、最終的な成果や目標の達成が困難になる可能性があります。
そのため、プロセス指標の達成度を評価することで、業務プロセスにおける課題や問題点が特定できるようになり、成果指標も測定しやすくなります。例えば、解決までの平均時間が長い場合、問題の原因が特定され、適切な対策を講じることができます。
定性的KPIを定量的KPIに分解する
KPIは、定性的KPIと定量的KPIに分類されます。定性的KPIは、数値ではなく主観的な評価や質的な観点から測定される指標です。例えば、顧客満足度やプロバイダーの技能レベルなどが定性的なKPIとなります。
対して定量的KPIは、数値や数量に基づいて測定される指標です。例えば、解決率や回答までの平均時間などが定量的KPIの例です。これらのKPIは、具体的な数値や割合として表され、業務の効率性や効果が評価できます。
顧客満足度のような定量化が難しい定性的KPIは、数値に分解して、定量的KPIとして計測すると対応しやすくなります。例えば、満足度を高めるために、回答までの時間を短縮したり、解決率の向上など定量的な数値にすると捉えやすくなります。
サービスデスクツールを導入する
サービスデスクツールは、組織が顧客やユーザーからの問い合わせや要望を迅速に受け付け、効率的に処理するためのソフトウェアやシステムを指します。ツールには、問題解決、ユーザー対応の追跡、レポート作成などの機能が搭載されています。
サービスデスクツールの導入によって、顧客やユーザーからの問い合わせや要望に関するデータが収集されます。収集されたデータは、特定の問題の頻度や解決にかかる平均時間など、さまざまな角度から分析することができます。
また、ツールの活用によって、問い合わせの解決率や解決までの平均時間などの定量的なKPIを簡単に計測することができ、KPI管理に役立ちます。さらに、KPIデータの分析により、問題解決プロセスの改善など、サービスデスクの効率アップにも繋がります。
サービスデスクツールとは、社内外からの問い合わせ窓口業務をサポートするためのツールです。導入により、業務効率化や顧客対応の質向上といった効果が期待できます。この記事では、サービスデスクツールの機能や導入メリット、選ぶ際のポイントなどを解説します。
まとめ
サービスデスクは、顧客からの問い合わせや要望に迅速かつ効果的に対応するための重要な部門です。その業務効率を評価するためにKPIが活用されます。KPIには、解決率や解決の平均時間などの定量的指標や、顧客満足度などの定性的指標も含まれます。
これらのKPIは、サービスデスクの業績や品質を客観的に評価し、改善の方向性を示す重要な指標となります。また、KPIの達成に向けては、明確な目標設定、適切なKPIの選択、定期的なモニタリングと分析、さらに、持続的な改善のサイクルの見直しなどが必要です。
サービスデスクの運用に当たっては、定量的や定性的な適切なKPI指標に加えて、サービスデスクツールの活用なども視野に入れて、効率的なサービスを展開しましょう。
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