マニュアル作成は誰の仕事?種類や目的による担当部署の違い

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- マニュアル作成における担当部署は、作成するマニュアルの種類や目的により異なる
- スムーズにマニュアル作成を行うには、部署間の協力体制が必要不可欠
- 自社でマニュアル作成が難しい場合、代行会社に依頼することも有効な手段
マニュアル作成を行う際、作成担当部署の決定に悩む企業も多いです。マニュアル作成における担当部署は、作成するマニュアルの種類や目的に合わせて選定する必要があります。本記事では、担当部署の決め方や作成時のポイント、外部に依頼する方法についても解説します。
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マニュアル作成はどの部署が担うべきか

マニュアル作成とは、組織の業務プロセスや手順などをまとめて、従業員や関係者が作業を遂行する際の指針となる文書を作成することです。マニュアルは、業務の効率性と正確性を確保するための手順や基準となる重要な文書です。
しかし、マニュアルを作成するにあたって、社内のどの部署に作成を担当してもらえば良いか迷うケースも多いのではないでしょうか。マニュアルは、作成者によって文書の質や効果に影響を与えることも多いため、担当部署の決定も重要な要素です。
そこで本記事では、マニュアル作成における担当部署の決め方や作成体制を整えるうえでのポイント、また外部に依頼する方法などについて、分かりやすく解説します。

マニュアル作成とは?メリット・デメリット、ツールの選び方を解説
マニュアルを作成することで、教育コストを削減し、業務の効率化や属人化防止に効果的です。またマニュアル作成ツールを導入することで、マニュアル作成に関する課題の解決に役立ちます。本記事では、マニュアル作成の手順やマニュアル作成ツールの選び方などを解説しています。
マニュアルの種類によって作成担当部署は異なる

マニュアルと一口に言っても、その内容はさまざまです。マニュアルの種類によってその内容や特性が異なるため、担当部署もそれを考慮して選ぶ必要があります。ここでは、製品やシステムの操作マニュアルの場合と、業務マニュアルの場合に分けて解説します。
操作マニュアルの場合
操作マニュアルは、特定の製品やシステムの操作方法や手順を詳細に記述した文書です。これには、システムの機能や使い方、操作手順、トラブルシューティングの手順などが含まれます。
多くの場合、操作マニュアルの作成や管理は情報システム部門が担当します。情報システム部門は、システムやソフトウェアの専門知識があり、製品やシステムの運用に関する詳細な知識を持っています。そのため、操作マニュアルの作成や更新に関する責任は、情報システム部門が担当することが一般的です。
業務マニュアルの場合
業務マニュアルの作成は、組織内の業務プロセスや手順を効果的に文書化し、従業員が業務を遂行する際の指針や基準を提供することを目的としています。一般的に業務マニュアルの作成においては、その目的や内容に応じて担当部署が異なることがあります。
ここからは、業務マニュアルを作成する場合の適切な担当部署について、マニュアル作成の目的別に解説します。
業務の見直しや効率化
業務マニュアルが業務効率化や業務革新のための整備を目的とするケースでは、業務改革部門や経営企画部門、経営管理部門などが担当することが一般的です。
業務改革部門は、組織内の業務プロセスや手法を評価し、改善する責務があります。業務マニュアルの作成においても、既存のプロセスを分析して効率化や革新の方法を特定し、改善点を反映させる知識を持っているので、担当部署に適しています。
業務マニュアルが、組織の目標や戦略に沿った効果的な業務プロセスを確立する目的を持っている場合には、経営企画部門が向いています。また、組織全体の効率的な運用やリソースの最適活用を反映する必要がある場合には、経営管理部門が相応しいです。
リスクマネジメントやコンプライアンス維持
業務マニュアルの目的がリスクマネジメントや災害対策、コンプライアンス維持などを目指している場合、業務管理部門や総務人事部門、コンプライアンス統括室などが作成を担当する場合が多いです。
業務管理部門は、組織内の業務プロセスやリスクに関する管理責任があり、リスクマネジメントの専門知識を持っています。そのため、業務マニュアルにリスクを最小限に抑えるための手順やポリシーを明確に記述できます。
総務人事部門は、従業員の労働環境や災害時の安全に関する責任を持っています。そのため、業務マニュアルに、災害時の行動計画や安全対策に関する指針を記述する部署として相応しいです。
コンプライアンス統括室は、組織の法規制や規制順守に関する責任を持っています。業務マニュアルに、コンプライアンスに関する規則や手順を明記する場合の担当部署として適しています。
業務の標準化や品質管理
業務マニュアルの内容が、業務の標準化や品質管理が目的である場合、多くの企業では事務統括部門や営業推進部門、品質管理部門などが作成を担当しています。
事務統括部門は、組織内の事務業務や一般的な業務プロセスの管理責任を持っています。そのため、業務マニュアルに業務プロセスの標準化された手順やポリシーを明記する担当部署として向いています。
営業推進部門は、組織の営業戦略やプロセスを改善する責務があります。そのため、業務マニュアルに、全社ルールや権限規定など、業務運営をスムーズに行うためのマニュアルを作成する部署として適しています。
品質管理部門は、製品やサービスの品質を維持するための責任があります。そのため、業務マニュアルで品質基準や品質管理手順を明確に定義するために相応しい部署です。
スムーズなマニュアル作成には部署間の協力体制が必要

マニュアルの作成には、製品開発における各工程を担当したメンバーや実際の業務を行う部署のメンバーが作成チームに参加する協力体制が必要です。
各メンバーはそれぞれの担当分野に精通しており、実際に製品を使ったり業務を行ったりする際に必要な情報を正確に把握しています。
例えば、実際の業務を担当するメンバーが作成チームに参加することで、現場の声や意見をマニュアルに反映させることができます。彼らは日々の業務において直面する課題や改善点を把握しており、その知識を活用することで、より使いやすいマニュアルが作成されます。
マニュアル作成のステップ
部署間の協力を得ながらマニュアル作成を行うステップを簡単に解説します。実際にマニュアルの形にまとめるのは作成担当部署であっても、情報収集やマニュアル作成後のチェックには他部署も深く関わってきます。
- 誰が何のために使うマニュアルなのか明確にする
- マニュアルの公開時期から逆算して作成のスケジュールを決める
- 情報を広く収集して整理する
- タイトルや見出しなどマニュアルの構成を考える
- 本文や図表などを作成する
- 関係者に確認を取ってブラッシュアップする
- マニュアルを公開する
いきなりマニュアルを書き始めるのではなく、マニュアルの目的設定や作成スケジュールにおける目標設定を行うことで、スムーズに作業が進みます。なお、公開後も適宜更新が必要になるので、作成部署や作成者、更新者の名前などを記載しておくと良いでしょう。

わかりやすい業務マニュアルを作成するためには、伝わりやすい表現を意識する、マニュアルの利用者をイメージする、といったコツを抑えることが大切です。本記事では、マニュアルの基本的な作成方法を交え、作成のコツや運用のコツなどを解説します。
担当部署内の協力体制も重要
情報収集などのために他部署の協力を仰ぐことはもちろん、作成担当部署内でも適切に役割分担をするなどして協力体制を築くことが大切です。
ごく小規模なマニュアルでない限り、1人でマニュアル作成を担うことは少ないでしょう。限られた期間で質の高いマニュアルを作るために、それぞれの役割を明確にしておきましょう。具体的には以下のような役割分担が考えられます。
ポジション | 担当する内容 |
---|---|
ディレクター | マニュアル作成の日程や人員の管理、調整 |
ライター | マニュアル本文の執筆 |
イラストレーター | 視覚的にわかりやすいマニュアルにするため、 本文に合わせて挿絵などを用意 |
UIデザイナー | 読み手にやさしいマニュアルデザインを設計 |
担当部署に悩んだら代行会社への依頼もおすすめ

マニュアル作成や担当部署の選定に悩んだ場合には、代行会社へ依頼することもおすすめです。代行会社は、マニュアル作成に関する専門知識と豊富な経験を持っており、高品質かつ専門性の高いマニュアル作成が期待できます。
また、客観的な視点から業務プロセスを評価して、改善提案を行うことができ、他の類似したプロジェクトや経験を通じて得た知識を活用します。そのため、効率的で専門性の高いマニュアルが作成できます。
さらに、代行会社は契約に基づいた成果物としてマニュアルを納品するため、作成プロセスや成果の品質に関する責任を負います。これにより、自社のリソースや時間を割かずに、専門的で品質の高いマニュアルが入手できます。
マニュアル作成代行会社の選定ポイント
マニュアル作成に課題を抱える企業が多いことから、マニュアル作成代行会社も数多く存在しています。自社にとって適切なサービスを選ぶために、依頼先を選定する際は以下のポイントを考慮しましょう。
委託できる業務範囲
マニュアル作成代行会社には、さまざまな業務を委託できます。まずは、どのような業務を外注したいかを明確にしましょう。
たとえば新規マニュアルの作成、既存マニュアルの更新・リライト、電子化・フォーマット変更、印刷・製本など、依頼したい業務を事前に決めておくと選定しやすいです。
また、会社によってはマニュアルの作成代行だけでなく、経理などの事務代行も請け負っているケースもあります。事務作業も外注する必要がある場合は、まとめて依頼できるかどうかも確認しておきましょう。
得意分野と実績
代行会社によって、得意分野は異なります。特定の業界に特化したサービスや企業もあるため、自社の依頼したい内容に合ったサービスを選びましょう。得意分野がマッチすれば、スピーディーに高品質なマニュアルを作成してもらえる可能性があります。
また、過去の実績や評判を確認することも大切です。他社のマニュアル作成事例を参照したり、クライアントのレビューや評価を掲載しているサイトを確認したりして、信頼性の高い代行会社を選びましょう。
まとめ

マニュアルの作成部署は、業務の性質や目的に応じて適切に選定することが重要です。また、マニュアル作成には、部署間の協力体制が不可欠であり、製品の各開発工程の担当者や実際の業務を行う部門からメンバーを選定して、作成チームに参加することが望ましいです。
部門間の協力により、現場の知見や声を反映させ、より実践的で効果的なマニュアルを作成することができます。また、マニュアルの作成部署の選定に悩んだ場合には、代行会社へ依頼することもおすすめです。専門的で質の高いマニュアル作成が期待できます。
マニュアル作成は、担当する部署によって、文書の質や効果に大きな影響が生じる可能性があります。そのため、部署の選定にはマニュアルの目的を考慮した上で適切な部署を選定し、高品質なマニュアル作成を目指しましょう。
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