マニュアル作成に適したフォント・書式とは?使い分け方を解説

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- マニュアル作成時は、タイトルにはゴシック体、本文には明朝体を使うのがおすすめ
- フォントサイズは読み手に合わせて設定し、その際に行間や文字間も調整する
- 強調したい部分は太字にしたり色をつけたりするのが有効だが、多用しないよう注意する
マニュアルは業務内容や手順を伝えることが目的であるため、読みやすく作成する必要があります。読みやすくするには、適切なフォント・書式を使用することが重要です。この記事では、マニュアル作成におすすめのフォント・書式設定や注意したいポイントなどを解説します。
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適切なフォント・書式で読みやすいマニュアルを作成しよう

業務マニュアルは、仕事の手順やポリシーを明確に伝えるための重要な文書です。マニュアルは業務内容や手順を明確に伝える目的があるため、誰もが理解しやすい形式でなければなりません。
そのためには、適切なフォントと書式を選択することが欠かせません。この記事では、マニュアル作成におすすめのフォント・書式設定や注意したいポイントなどを解説します。

マニュアル作成とは?メリット・デメリット、ツールの選び方を解説
マニュアルを作成することで、教育コストを削減し、業務の効率化や属人化防止に効果的です。またマニュアル作成ツールを導入することで、マニュアル作成に関する課題の解決に役立ちます。本記事では、マニュアル作成の手順やマニュアル作成ツールの選び方などを解説しています。
マニュアル作成におけるフォント・書式の基本ポイント

マニュアル作成においては、以下のようなポイントに気をつけてフォントや書式を使い分けるのがおすすめです。ここからは、フォント・書式についての基本的なポイントについて詳しく解説します。
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マニュアル作成におけるフォント・書式の基本ポイント
タイトルには視認性の高いフォントを使う
マニュアル作成において、タイトルや見出しには視認性の高いフォントを使用することが重要です。視認性の高いフォントとして、ゴシック体がおすすめされます。
ゴシック体は、シンプルな形状と明快なデザインによって、目につきやすく、読み手に内容を強調して伝えることができます。たとえば、マニュアルのタイトルや章立ての見出しにゴシック体を使用することで、重要な情報を強調し、読み手に目を引く効果が期待できます。
視認性の高いゴシック体をタイトルや見出しに使うことで、マニュアル全体の使いやすさと理解しやすさを向上させることができます。
長文には可読性の高いフォントを使う
長文を読む際に、文字の見やすさは非常に重要です。読みやすいフォントは、長文を読む際に目の負担を軽減し、理解しやすくする役割を果たします。そのため、本文には明朝体がおすすめされます。
明朝体は、その整然とした形状やバランスの取れた文字デザインによって、長文に向いています。文字の繋がりやすさや読みやすさがあり、読み手にストレスを与えずに情報を伝えることができます。
たとえば、仕様書や手順書における詳細な説明部分など、長文の部分には明朝体を使用することで、読み手は内容をスムーズに理解できるでしょう。
強調したい部分はフォントのウェイトを上げる
マニュアル作成において、特定の部分を強調する際にはフォントのウェイトを上げることが効果的です。「ウェイトを上げる」とは、「文字を太くする」ことを指します。これにより、重要な情報やポイントを読み手に強調して伝えることができます。
たとえば、重要な手順や注意事項、覚えておくべきポイントなど、マニュアル内で特に重要な部分にウェイトを上げることで、読者の注意を引くことができます。また、ウェイトを上げることで、文書全体の視覚的なバランスも調整することができます。
特に長い文書や複雑な手順が記載されたマニュアルでは、重要な部分を太字にすることで、読み手がすばやく目を引くことができます。
読み手に合わせてフォントサイズを設定する
マニュアル作成におけるフォントサイズの設定は、読み手のニーズに合わせて調整することが重要です。特に、印刷して書類にする場合には注意が必要です。一般的には8〜10ポイントが推奨されていますが、読み手の特性や状況に応じて柔軟に対応しましょう。
たとえば、高齢者向けのマニュアルでは、視力の衰えを考慮して、12ポイント以上の基本サイズよりも大きなフォントサイズを使用することが望ましいです。これにより、テキストがより見やすくなり、高齢者が内容を理解しやすくなります。
フォントサイズに合わせて行間・文字間を調整する
マニュアル作成において、フォントサイズだけでなく、行間や文字間も重要な要素です。フォントサイズに合わせて行間や文字間を調整することで、文書全体の読みやすさを向上させることができます。
行間が狭すぎると文字が密集して見え、読み手が文字を見つけるのに手間がかかります。一般的に文字サイズが10ポイントの場合、行間を6〜10ポイント程度とることが推奨されています。また、文字間も重要です。
文字間が狭すぎると、文字同士がくっついて読みにくくなりますが、広すぎると単語がばらけてしまいます。適切な文字間を設定することで、文字列がまとまり、読み手がスムーズにテキストを読むことができます。
それぞれのフォントの書体が与える印象

フォントにはさまざまな種類があり、それぞれのフォントは読み手に与える印象が異なります。フォントを適切に使い分けることで、より効果的なマニュアルを作成できるでしょう。ここからは、フォントが与える印象について詳しく解説します。
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ゴシック体
ゴシック体は、くっきりとした文字の特徴から、読み手に安心感や信頼感を与える印象を持たせます。この書体は文字が太くはっきりとしており、情報を強調するのに適しています。
そのため、ビジネス文書や広告など、重要な情報を伝える際によく使用されます。また、書体の特徴上スッキリとした印象を与えるため、ビジュアル面でもすっきりとした印象を持たせられます。
これは、デザインやレイアウトを引き立たせ、視覚的に情報を明確に伝えるのに役立ちます。読み手にすぐに内容を把握させることができ、情報を強調する際に有効なフォントと言えます。
丸いゴシック体
丸いゴシック体は、通常のゴシック体と比較してより親しみやすく、ポジティブでかわいらしい印象を与える特徴があります。この書体は、縦横の太さが均等で、文字の先端や角が丸くなっています。
丸いゴシック体は、丸みを帯びたフォルムからポップで軽快な雰囲気を持ち、親近感を与えると同時に、若々しさや活気を感じさせます。そのため、広告やポスター、キャッチコピーなど、明るく楽しいイメージを表現したい場面でよく利用されます。
明朝体
明朝体は、読み手に落ち着きや伝統的な雰囲気を与える書体です。独特の形状は、縦線が細く、横線が太い特徴があります。この書体は、和の美しさや高級感、繊細さを表現するのに適しています。
伝統的な書体であり、文字の形が筆記体から派生したものであるため、独特の味わいや品格を感じさせます。明朝体は和風のデザインや、医療・福祉、ホテル、美容などの分野でよく見られます。
このような特性から、明朝体は読み手に和やかな雰囲気をもたらし、文章をより親しみやすく感じさせます。また、伝統的なイメージがあり、信頼性や高級感をアピールする際にも効果的です。
それぞれのフォントの色が与える印象

マニュアルの特に強調したい部分には、色をつけることも有効です。色によってもそれぞれの印象が異なるため、ここからは、それぞれの色が与える印象について詳しく解説します。
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赤色
赤色のフォントは、生命力や情熱、活気を象徴し、ポジティブな印象を与えます。マニュアル制作では、赤色は目立つ色であるため、重要な部分を強調するために使われます。
赤色は情熱的で活気があり、読者の関心を引く効果がありますが、過度に使用すると読み手にストレスを与えることもあります。そのため、マニュアル作成においては、文章の理解を優先し、注意深く赤色を用いる必要があります。
重要な情報を目立たせるために赤色を用いる際は、適切なバランスを保ち、読み手の負担を考慮することが必要です。
青色
青色のフォントは、赤色とは対照的に穏やかで冷静な印象を持ちます。企業のロゴやブランドカラーとしても人気があり、誠実性や知的さを象徴する色として広く使用されています。
マニュアルでは、見出しや機能の説明などに青色のフォントが使われることがあります。青色は冷静さや安全性をイメージさせるため、読者に信頼感を与える効果があります。
また、知的な印象も与えるため、専門的な情報や説明文でもアクセントとして使われることがあります。
黄色
黄色のフォントは、明るく活気に満ちた印象を与えます。一般的にはポジティブなイメージを持ち、気分を明るくする色として知られています。文字が黄色であると、テキスト全体が明るく浮き立ち、目立つようになります。
そのため、広告やポスター、注目を集めたい情報などを強調する際に使用されることがあります。また、黄色は警告や注意を促す色としても機能するため、警告や注意書きにも使用されます。
しかし、フォントの色を黄色にすると、他の色とのコントラストが低くなり、読みにくくなる場合があるため、下線やマーカーなどでの使用がおすすめです。
マニュアル作成におけるフォント・書式設定の注意点

マニュアル作成において、フォント・書式設定にはいくつかの注意点があります。以下では、その注意点について詳しく解説します。
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マニュアル作成におけるフォント・書式設定の注意点
強調する部分は絞る
マニュアル作成において、文字を太くしたり、色を付けたりすることは、目立たせるための効果的な手段です。しかし、あまりにも多くの部分を強調すると、全体が混乱しやすくなるため、控えめに使うことが大切です。
強調すべき内容や重要なポイントを選んで、その部分にのみ太字や色を使うなどの強調方法がおすすめです。これにより、読み手にとって重要な情報をより明確に伝えることができます。
使う色は2〜3色にとどめる
マニュアル作成において、色の使用は慎重に行う必要があります。色を過度に使用すると、読み手は色の違いが分かりにくくなり、重要な情報や強調すべき箇所が見落とされる恐れがあります。
1ページあたり2色か3色に色のバリエーションを抑えることで、情報の整理がしやすくなります。たとえば、重要なポイントや強調したい箇所には目立つ色を使い、本文や補足情報には控えめな色を使用することで、情報の階層化や視覚的な整理が行いやすくなります。
使うフォントも2〜3種類にとどめる
マニュアルを作成する際は、使うフォントの種類を2〜3種類にとどめましょう。フォントの種類が多すぎると、読み手にとって情報を理解する際に混乱を招く可能性があるためです。
特にマニュアルのような技術的な文書では、明確な情報伝達が求められるため、フォントの統一性は非常に重要です。
たとえば、見出しには1つのフォント、本文には別のフォントといったように種類を絞ったうえで適切に使い分けることで、視覚的な整合性を保ちつつ情報をわかりやすく伝えられます。
環境依存や有償のフォントは使わない
PCで使う文字やフォントの中には、環境依存のものや有償のものもあります。環境依存文字は特定の機種やOSでしか正しく表示されない文字、有償フォントはユーザーが独自にインストールする有料のフォントです。
こういった文字やフォントは、作成者と閲覧者それぞれの環境で異なる形で表示されることがあります。そうなると、マニュアルデザインの統一性が損なわれ、その部分が化読できない事態にも陥りかねません。
また、マニュアルを更新する際に、最初に作成した環境と違う環境で作業する場合、フォントのデザインが変わってしまうこともあります。したがって、マニュアルは基本的に標準フォントで作成すべきだと言えるでしょう。
フォントや書式以外に気をつけるべきポイント

読みやすいマニュアルを作成するためには、フォントや書式設定以外にも気をつけるべきポイントがあります。ここでは、読みやすいマニュアルを作成するためのポイントについて解説します。
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フォントや書式以外に気をつけるべきポイント
写真やイラストなども用いる
マニュアルを作成する際は、テキストだけを用いることは避けましょう。フォントや文字色に適切に配慮できていても、テキストだけのマニュアルは視覚的に内容を伝えにくく、読み手側が作業手順などをイメージしにくいデメリットがあります。
そのため、写真やイラスト、図などを用いることで、文字では分かりにくい情報を視覚的に伝えられます。また、動画も活用するとシステムの操作方法などの流れを直感的に理解できます。これらのメディアの適切な利用により、読み手が理解しやすいマニュアルになります。
内容を詰め込み過ぎない
1ページに伝えたい内容を詰め込みすぎると、情報量が多くなって読みにくくなります。その結果、あまり活用されないマニュアルになる恐れもあります。したがって、読みやすいマニュアルを作成するためには、1ページにおける情報量と文章量を調整しましょう。
具体的には、1ページに記載する情報は、「料理の出し方」や「書類の送付手順」など1つの業務に絞ることが望ましいです。これによって、1ページの情報量が多くなり過ぎず、読み手側はパッと見ただけでどんな内容が書かれているかを把握しやすくなります。
ページの構成にも配慮する
マニュアルに使うフォントのデザインはもちろんですが、ページ全体の構成、つまり各要素の配置にも配慮しなければなりません。フォントが適切で、画像などを用いてわかりやすく解説されていても、配置が整っていなければ理解しにくいマニュアルになってしまいます。
ページの構成を考える際に役立つのが、「Zの法則」です。何かを見るとき、人の視線はZの文字を描くように左上から右上、そして左下、右下へと移動すると言われています。これを意識しながら作成すると、読み手がスムーズに理解できるレイアウトに近づけやすいです。
まとめ

マニュアル作成において、フォントの選択や書式設定は非常に重要です。マニュアルでは、業務内容や手順を明確に伝えるために読みやすさが欠かせません。
そのため、タイトルや見出しには視認性の高いフォントを使用し、長文には可読性の高いフォントを選ぶことなどが大切です。また、フォントの種類や書式だけでなく、色の利用も効果的です。
本記事で紹介したポイントを押さえ、読み手にとってわかりやすく、効果的なマニュアル作成に繋げましょう。
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