マニュアル作成時の言葉遣いの注意点|読みやすくするポイントも解説

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- 一貫性のあるわかりやすいマニュアルはミス・混乱を減らし、読み手の理解を促進できる
- マニュアル作成時は要点を簡潔にまとめ、ら抜き言葉・い抜き言葉などに注意する
- 読みやすいマニュアルを作成するには、Zの法則を意識し、見出しをつけるのがおすすめ
業務マニュアルの効果的な活用には、読み手の立場に立って読みやすく・伝わりやすい文章で作成することが重要です。本記事では、マニュアル作成における文章・言葉遣いの注意点、読みやすいマニュアルを作成するためのポイントを解説します。
適切な文章・言葉遣いでマニュアルを作成しよう

マニュアル作成では、手順や指示を明確にまとめることで、作業や操作の効率化と品質向上を図れます。一貫性があってわかりやすいマニュアルは、新規スタッフの教育やトレーニングに役立つだけでなく、ミス・混乱を減らすことも可能です。
ただし、作成時には言葉遣いや文章の構成に注意が必要であり、わかりやすい表現・図解を用いることで読み手の理解を促進できます。その結果、効率的な業務の遂行につながり、組織の生産性や信頼性を向上させることが可能です。

マニュアル作成とは?メリット・デメリット、ツールの選び方を解説
マニュアルを作成することで、教育コストを削減し、業務の効率化や属人化防止に効果的です。またマニュアル作成ツールを導入することで、マニュアル作成に関する課題の解決に役立ちます。本記事では、マニュアル作成の手順やマニュアル作成ツールの選び方などを解説しています。
マニュアル作成における文章・言葉遣いの注意点

マニュアルを作成する際は、適切な文章・言葉遣いに注意しましょう。ユーザーが簡単に理解し、正確に業務を実行できるようにするために、明確で一貫した表現が重要です。ここでは、マニュアル作成における文章や言葉遣いの注意点を解説します。
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マニュアル作成における文章・言葉遣いの注意点
要点を簡潔にまとめる
マニュアルを作成する際は、簡潔さと明確さに注意しましょう。長くなりすぎないように要点をまとめ、読者が混乱しないように配慮することが重要です。冗長な表現や繰り返しを避け、必要な情報を的確に伝えましょう。
また、複雑な言葉や専門用語を避けつつ、一般的な語彙を使うことで幅広い読者に伝わりやすくなります。さらに、文や段落の構造を整え、見出しと箇条書きを活用しながら情報を整理しましょう。
視覚的な要素も活用し、図や表を使って情報を補完することで、読者は理解しやすくなります。これらの注意点を踏まえてマニュアルを作成することで、読者が迅速に必要な情報を理解しやすくなり、作業効率が向上します。
読み手は誰かを考える
マニュアル作成時は、読者が誰であるかを考え、その読者に合った言葉や表現を選ぶことが重要です。特に、専門用語や業界固有の言葉を使用する場合には、読者が理解できるような解説を入れる必要があります。
例えば、医療用語を使用する場合、一般の人々には馴染みが薄い場合があります。患者やその家族が読む可能性があることを考慮して、わかりやすい説明を加えることが大事です。
さらに、読者の背景や知識レベルに合わせて、言葉の選び方や文章の構造を調整しましょう。読者が情報を理解しやすくなると、マニュアルの有用性が高まります。
ら抜き言葉・い抜き言葉を使わない
マニュアル作成において、会話と書き言葉は異なります。そのため、普段使うような言葉をそのまま記載するのは避けましょう。特に、「ら抜き言葉」や「い抜き言葉」に注意が必要です。
例えば、「見れる」「付いてる」などは会話でよく使われますが、文章表現では「見られる」「付いている」と省略せずに正しく表記します。
また、自分にとっては馴染み深い表現でも、読み手にとっては理解しにくい場合があります。読者の立場に立ち、相手が理解しやすい言葉を選ぶように心がけましょう。
表記を統一する
マニュアルは表記を統一しましょう。例えば、「研修」「トレーニング」「指導」といった類似した意味の言葉がある場合、一貫して使用する言葉を決めておくことが大事です。
表記が統一されていないと、読者はそれぞれの言葉に意味や用法の違いを求める可能性があり、混乱と誤解につながることが多いです。
その他、常体と敬体も統一しましょう。マニュアル全体で一貫した文体を使うことで、読みやすさを向上させるだけでなく、文書の品質を高められます。
常体・敬体とは
常体は「である調」、敬体は「ですます調」と呼ばれています。表現の違いであり、どちらにも正解・不正解はありませんが、両者の与える印象は異なります。
例えば、「使用後は施錠する」と「使用後は施錠します」という文章を比較すると、前者の方がやや威圧的で堅い印象です。後者は柔らかい印象ですが、厳守して欲しい事項を記しても、受け手の意識に残りにくいかもしれません。
1つのマニュアルに常体・敬体を混在させてはいけませんが、作成するマニュアルの種類や重要度などによって、常体・敬体を使い分けても良いでしょう。
接続詞を使いすぎない
マニュアル作成では、接続詞の使用に注意しましょう。接続詞は文章と文章のつながりを示す役割を果たしますが、使いすぎると冗長になり、読み手にとって理解しにくくなる可能性があります。
例えば、「そして」「しかし」「また」などの接続詞は、連続して使用すると煩雑になります。接続詞を使いすぎないことで、文章がシンプルでわかりやすくなり、読者が迷うことなく手順や指示を理解できるようになります。
読みやすいマニュアル作成のポイント

読みやすいマニュアルを作成するためには、Zの法則や5W1Hなどを意識しましょう。ここでは、読み手が迷うことなく情報を理解できる、読みやすいマニュアル作成のポイントについて解説します。
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Zの法則を意識する
マニュアル作成において、読みやすさを向上させるためには、Zの法則を意識することが重要です。Zの法則とは、文章や資料を横書きで読む際に、左から右、上から下へとZ字型に視線を移動させる傾向があるという考え方です。
Zの法則に基づいて、読者がZ字型に読めるようなマニュアルの構成を考えましょう。まず、ページの上端から左上にタイトルと重要な情報を配置し、その下に本文や図表を配置します。最後に、左下から右下にかけて視線を移動させ、まとめや補足情報を配置します。
このようにZ字型に情報を配置することで、読者が自然な流れでページを読み進められます。
5W1Hを意識する
5W1Hは、誰に(Who)・いつ(When)・どこで(Where)・何を(What)・なぜ(Why)・どのように(How)という、情報を明確に整理するための基本的な要素です。マニュアル作成では、これらの要素を意識しましょう。
5W1Hの要素を含んだ説明は内容が把握しやすく、読者は情報の理解から実行までが容易に行えます。5W1Hを意識した情報整理によって、読者にとってわかりやすい資料を提供することが可能です。
装飾は適度に抑える
マニュアル作成における読みやすさを考える際、装飾は適度に抑えましょう。適切な装飾は視覚的な興味を引きつけますが、過剰な装飾は逆効果になり、読み手の注意を散漫にさせます。
主に、装飾は情報の補完や強調が目的であるため、必要最低限の使用に留めて読み手の理解を助けることを意識するのが大切です。
見出しをつける
マニュアルに見出しをつけることは、読み手が情報を整理しやすくするために重要です。見出しをつけることで、どこに何が書いてあるかが明確になり、読者は必要な情報に素早くアクセスできます。
さらに、階層構造によって情報の関連性や重要度を示し、読者は情報を段階的に理解しやすくなります。見出しがあることでマニュアルの使いやすさが向上し、効果的な情報伝達が可能です。
図や画像を入れる
図や画像は、言葉だけでは伝えにくい情報を視覚的に表現するのに役立ちます。特に、複雑な手順や機械の構造、プロセスなどを理解するのに効果的です。読者は情報を視覚的に理解しやすくなると、作業効率が向上し、ミスや手戻りの削減にもつながります。
さらに、図や画像は言葉だけでは不十分な情報を補完し、異なる言語・文化を考慮する際にも有用です。ただし、適切かつ適度に図・画像を使用することがポイントであり、過剰な使用は逆効果になるため、正しく挿入しましょう。
レイアウトを統一する
マニュアル全体で、レイアウトを統一することも大切です。1ページの上下左右にどの程度の余白を設けるか、文章は何行で改行するか、行間はどの程度空けるかなどをあらかじめ決めておき、一貫したレイアウトで作成しましょう。
また、フォントサイズや強調する箇所も、ページごとにバラバラだと読みづらいため統一すべきです。レイアウトを決めるのが難しい場合は、インターネット上でダウンロードできるテンプレートを利用するのもおすすめです。
マニュアル作成にはツールの活用がおすすめ

WordやGoogleドキュメントなど、マニュアル作成にはツールの活用がおすすめです。見出し・箇条書き・強調表示といった要素を簡単に使いながら、読み手が内容を理解しやすい文章を作成できます。
さらに、誤字脱字チェック、文法提案についてもツールが自動で判断し、正確な文章として読みやすく簡潔な表現を提案してくれるため、確認や修正における手間の削減が可能です。業務内容の変更があった際にも、ツール上で編集すれば即座に最新版が反映されます。
効率的な情報共有・運用がしやすいクラウドのツール
クラウドのツールは、インターネット環境があれば社内・在宅・出張先といった場所を問わず、閲覧と編集が可能です。特定の場所に縛られずにマニュアルを確認できるため、複数人での同時編集と最新情報の共有など、効率的な情報共有にも最適といえます。
また、変更履歴が自動で保存されることから、履歴管理から復元までが簡単に行え、誤って内容を消してしまった際にも素早く以前のバージョンに戻せます。ツールによってはアクセス権限も細かく設定でき、継続的な更新・共有が多いマニュアル作成に向いています。
まとめ

マニュアル作成の際には、まず読み手の立場に立って考えることが重要です。読者が誰なのかを意識して、適切な言葉遣いや表現を使いましょう。「ら抜き言葉」や「い抜き言葉」、接続詞の過剰な使用を避け、丁寧な文章を心がけることもポイントです。
読みやすいマニュアルを作成するためには、Zの法則に基づいて情報を整理しながら配置します。さらに、誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように、といった5W1Hを意識した各要素の配置で読者は理解しやすくなります。
その他、適度な装飾や必要に応じて図や画像を挿入したり、見出しを付けて階層構造を明示したりすると、視覚的にも内容を把握しやすいです。さまざまな要点を意識することで、読み手にとってわかりやすく、使いやすいマニュアルを作成できます。
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