経費精算には手書きの領収書が必要?必須項目や発行時の注意点を解説

Check!

  • 経費精算には手書き領収書は必須ではない
  • 品名や金額など必要な項目が記載されていれば、レシートでも問題ない
  • 電子帳簿保存法の改正により、電子データの領収書は電子保存が必要になる

経費精算には手書き領収書は必須ではありません。品名や金額など必要な項目が記載されていればレシートでも十分な証拠になります。この記事では手書き領収書発行の際の必須項目や注意点、またPDFなど電子データで受け取った場合の対応などについて解説します。

\おすすめの経費精算システムをご紹介/

おすすめ経費精算システム6選(全26製品)を比較!【2024年最新/比較表付き】

経費精算システムは、経費申請・承認業務を効率化してくれるツールです。しかし、さまざまな製品があるため、どのシステムを選べばよいのかわからないというケースも多いでしょう。この記事では、経費精算システム選びのポイントやおすすめのシステムを紹介します。

目次

開く

閉じる

  1. 手書きの領収書は必須ではない
  2. 領収書に必要な項目とは
  3. 手書き領収書を発行する際の注意点
  4. 領収書もレシートもない場合
  5. クレジットカードの利用明細は証明になるか
  6. 領収書・レシートは5〜7年保管する
  7. PDFなどの電子領収書は電子保存する
  8. 経費精算ソフトを利用して領収書管理も楽に
  9. まとめ

手書きの領収書は必須ではない

領収書は経費を計上する際に必要な書類ですが、手書きの領収書が必ず必要という認識を持っている方は多いのではないでしょうか。しかし、実際には領収書がなくても経費計上が可能です。

商品を購入した際に、レシートを受け取りますが、レシート(receipt)は日本語で領収書を意味します。そのため、レシートは領収書として扱うには問題がなく、手書きの領収書を発行してもらう必要はありません。

ただし、企業によっては社内規則でレシートではなく、経費精算を受け付けは領収書のみという場合もあります。レシートでも経費精算が可能かどうかは、会社規則か経理担当者に確認すると良いでしょう。

レシートの信憑性は高い

昔と比べ、現在のレシートには、店名・品名・金額・日付などが明確に記されているため、改ざんしづらく、むしろ信憑性が高いです。そのため、レシートを領収書として扱うのは大変望ましい方法になります。

手書きの領収書には但し書きに、「お品代」だけ記載されるケースがあり、内容が明確ではありません。しかし、レシートには購入した商品名が記載されているため、業務で必要な商品である証拠にもなります。商品名がわかりにくいものでも、店名から推測が可能です。

しかし、レシートには宛名が記載されていません。領収書の宛名は基本的に3万円以下の場合は記載されていなくても問題ありませんが、社内のルールで宛名が必要な場合は、領収書を発行してもらうのがベターです。

領収書に必要な項目とは

領収書には、日付・品名・金額・店名などが記載されていることが必須です。以下の表にて、項目ごとに内容を簡単に解説します。

項目内容
日付実際に支払いが行われた日にち。
銀行振り込みの場合は入金日西暦・和暦いずれも可能
品名「品代」でも構わないが、実際購入した商品名が望ましい
金額金額の先頭に「¥・金」を、末尾には「-・※」を記入金額は3桁ごとに「,」を入れる
店名屋号・住所・電話番号・代表者などできるだけ明確に記入されていて、個人の場合、個人印があると公的として望ましい

「宛名」は必須ではない

領収書は基本的に宛名の記載が必要です。しかし、3万円未満の領収書と、宛名が不要の業種は、宛名部分は必須ではありません。宛名が不要の業種は小売業・バス・鉄道・航空会社などの旅客運送業・旅行に関する事業・飲食業・駐車場業になります。

印鑑がなくても有効

領収書に印鑑の押印は、法律上特に定められていないため、基本的になくても問題ありません。一般的に領収書は、不正を防止するために印鑑を押印しているケースもあります。印鑑があれば信用度が高まりますが、なくても税務上有効です。

手書き領収書を発行する際の注意点

手書きの領収書を発行する際は、いくつかの注意点があります。金額を記入する際や、収入印紙が必要な場合などに注意すべき項目を具体的に解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

金額は改ざんされないよう「¥」「,」を忘れずに付ける

手書きの領収書を発行する際は、必ず金額の先頭に「¥」を、末尾には「‐」を記入します。また、金額は3桁ごとに「,」で区切ることも必要です。これらを金額に記載することにより、領収書の改ざんを防止できます。

税別5万円以上の場合は収入印紙を貼る

領収書を発行する際に、税込み金額が5万円以上になる場合は、収入印紙の貼付が原則として必要です。受取金額によって、収入印紙の金額が増えるごとに異なりますが、5万円~100万円以下の場合は200円の収入印紙が必要になります。

収入印紙の貼付をした際は、再利用防止のために割印を忘れずに押します。収入印紙の貼付に関しては、営利目的の場合に限るため、5万円以上であったとしても営業に関わりがない金銭の受け渡しの場合は非課税となり、収入印紙は不要です。

記入できるのは発行者のみ

領収書に記入ができるのは、お金を受領する側だけです。支払い側は加筆や修正のために記入することは許されません。修正が必要な場合は、販売店に修正を依頼し、二重線で消したうえに訂正印の押印が必要です。

領収書に宛名と品名が記入されていない場合でも、経費として計上できるため、自分で宛名や品名の記入は避けるのがベターです。しかし、金額が大きい場合は、税務調査の際指摘される可能性が高いため、発行してもらう際に必要項目はすべて依頼するのが良いでしょう。

領収書とレシートを両方発行することはできない

手書き領収書を発行してもらった場合、レシートは受け取りできません。その理由は、領収書とレシートの両方を発行すると、領収書が2通発行されたことになり、経費の二重計上が可能になるためです。

万が一、不正に二重計上した場合、違反した本人はもちろん、領収書とレシートを両方発行した販売店側も有印私文書偽造の罪に問われます。領収書とレシートの両方が発行された場合は、同一のものとわかるようにしておくと良いでしょう。

領収書もレシートもない場合

領収書もレシートもない場合でも、経費の精算は基本的に可能です。どのように精算処理を行うのか、2つの方法を解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

出金伝票を使う

領収書もレシートもない場合、出金伝票に必要内容を記入すれば経費精算が可能です。出勤伝票とは、企業から出金される現金支払いを記録する伝票を指します。領収書が発行されない慶弔費や、電車代や自動販売機の飲料代などに適用するのが通常です。

帳簿や会計ソフトに記録しておく

慶弔費など、領収書がもらいにくいケースでは、帳簿や会計ソフトに記載することで経費計上できます。以上で解説した出金伝票や、会社で独自に作成した慶弔費精算書などがあれば、記入のうえ帳簿に詳細を記載しておくのがベターです。

クレジットカードの利用明細は証明になるか

クレジットカードの利用明細は、領収書の必須項目である、発行者名・宛名・金額・日時・購入内容が明確でないため領収書としての代用はできません。特に品名がわからないため業務上必要な購入品である証拠にはならないためです。

しかし、クレジットカードの利用明細があれば、後日帳簿をつけるときに思い出しやすいため、補助的な書類として保管しておくのがおすすめです。領収書がない場合は、出金伝票とともにクレジットカードの利用明細を添付しておくと支払いの裏付けになります。

領収書・レシートは5〜7年保管する

領収書・レシートの保管期間は5年~7年です。白色申告の場合は5年ですが、帳簿の保管期間が7年であるため領収書も同じ期間保管しておくと良いでしょう。また、青色申告の場合は7年ですが、申告した前々年度の所得が300万以下の場合は5年になります。

保管期間の起算日は、確定申告の締切日の翌日からです。しかし、状況によっては白色・青色ともに保管期間が変更する場合もあります。法人の場合は、保管期間が過ぎてもすぐに処分せずに10年間ほど保管しておくのが望ましい方法です。

PDFなどの電子領収書は電子保存する

PDFなどで発行された電子領収書は、従来は印刷のうえ紙ベースで保管されていましたが、ペーパーレス化が進み、現在では印刷が不要です。電子データのまま保存できるため、コスト削減や業務の軽減に繋がります。

2021年度に法改正が行われ、2022年1月1日から電子帳簿保存法が施行されました。電子データで受け取った取引情報は、電子データで保存する制度です。そのため、印刷せずに電子データのまま保存するのが望ましい方法になります。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、従来紙で保存が義務付けられている帳簿や領収書などの書類を、電子データで保存することを認めた法律です。2022年以降は、電子で受け取った領収書は、原則として電子保存が義務付けられました

電磁的記録による保存は、電子的に作成した帳簿や書類をデータのまま保存する「電子帳簿保存」、紙ベースで受け取った帳簿や書類をスキャンして電子保存する「スキャン保存」、電子的に授受した取引情報を電子保存する「電子取引」の3種類に区分されています。

参考:電子帳簿保存法の概要|国税庁

電子帳簿保存法とは?保存方法・要件や罰則などをわかりやすく解説

電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類を電子データで保存することを認める法律です。本記事では、電子帳簿保存法の3つの保存方法と要件や、対応しなかった場合の罰則、電子帳簿保存法に対応したシステムの選び方などを解説しています。

経費精算ソフトを利用して領収書管理も楽に

電子帳簿保存法に対応した領収書管理を行うなら、経費精算ソフトを使うと大変効率が良く、適切な処理が可能です。領収書・レシートの紙ベースのタイプもスキャナ保存を行うことで、入力ミスも起こりにくくなります。

データで受け取った領収書はそのまま保存ができるため、電子取引の要件にもスムーズに対応が可能です。また、電子帳簿のまま保存をすれば、ペーパーレスに繋がりコストの削減にも役立ちます。経費精算ソフトを利用すればさまざまなメリットが得られます。

まとめ

領収書は手書きの領収書は必須ではなく、レシートでも効力が十分にあり、信憑性も高いです。発行の際は、印紙の貼付や領収書とレシートの二重発行などに注意し、適切な領収書の受け渡しを行いましょう。

領収書は受け渡しや経費精算だけでなく、保管期間もあり、確定申告の方式が白色申告なのか、青色申告なのかによって変わってきます。まだ、前々年度の売上金額など状況によっても保管期間は変わるので、適切な領収書管理をするために確認が必要です。

また、電子帳簿保存法に対応した領収書管理を効率よく行うなら、経費精算ソフトを利用すると、領収書の入力ミスなども起こりにくく、業務負担の軽減にも繋がります。経費精算を行う際は、ルールに従い適切な方法で精算処理を行いましょう。

Share

top