エクセル(Excel)でマニュアル作成|作り方・コツを解説
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- 企業の業務マニュアルは、エクセル(Excel)を利用して作成することもできる
- Excelなら関数やマクロ機能が使え、図やグラフの挿入で見やすいマニュアルが作れる
- Excelでマニュアルを作成する際は、1過程ごとに1Sheetを使うのがおすすめ
企業の業務マニュアルは、Excel(エクセル)を利用して作成することもできます。Excelは関数や図の挿入も簡単で、タブによる分類もできて便利です。この記事では、Excelでマニュアル作成をするメリット・デメリットや基本的な作り方、作成のコツなどを解説します。
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Excel(エクセル)で業務マニュアルを作成しよう
業務マニュアル作成は業務を効率的に行うために欠かせません。マニュアルがあることで、誰もが一定の質で正確に業務を行えるようになります。業務の属人化を防ぐことができ、あらかじめマニュアルを作成しておけば新人教育も楽になります。
マニュアル作成の方法はさまざまありますが、企業でよく使われるExcel(エクセル)を利用することもできます。Excelは自由度の高い汎用的なツールであるため、マニュアル作成にも役立ちます。
この記事では、Excelでマニュアル作成をするメリット・デメリットや作り方・コツ・注意点などを解説します。
マニュアル作成とは?メリット・デメリット、ツールの選び方を解説
マニュアルを作成することで、教育コストを削減し、業務の効率化や属人化防止に効果的です。またマニュアル作成ツールを導入することで、マニュアル作成に関する課題の解決に役立ちます。本記事では、マニュアル作成の手順やマニュアル作成ツールの選び方などを解説しています。
Excelでマニュアルを作成するメリット
Excelでのマニュアル作成には、関数・マクロ機能が使えたり、図やグラフを簡単に挿入できたりなど、多くのメリットがあります。ここからは、Excelでマニュアルを作成するメリットについて詳しく解説します。
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Excelでマニュアルを作成するメリット
多くのPCに標準搭載されている
多くのPCにはExcelが標準搭載されており、この点が大きなメリットとなります。Excelは一般に広く普及しており、多くの人がその使い方に慣れ親しんでいます。企業では通常業務においてExcelが活用され、一般的な業務ツールの1つとなっています。
そのため、Excelを活用する方法ならば新たなソフトを導入する手間やコストがかからず、既存の環境で作業が可能です。マニュアルの作成者・閲覧者は、特別なツールの学習や導入の必要がなく、スムーズに利用できるのが特長です。
関数・マクロ機能が使える
Excelを用いたマニュアル作成のメリットは、関数・マクロ機能を活用できる点です。関数・マクロ機能を活用することにより、数値データの自動計算など効率的な作業が可能となります。
たとえば、「SUM」関数を使えば、セル内の数値を自動的に合計して表示することができ、手動での計算作業が不要となります。関数やマクロを利用することで、繰り返し行う作業や複雑な計算を自動化することができます。
マニュアル作成の際に数値を扱う場合や、ある条件下で同じ記述を行いたい場合などは、関数やマクロ機能を使うことで効率的に作成作業が進みます。
図やグラフを簡単に挿入できる
Excelの利点の一つは、図やグラフの簡単な挿入が可能であることです。この機能を活用することで、より分かりやすく効果的なマニュアルを作成することができます。
たとえば、業務プロセスやデータの傾向を視覚的に表現するためにグラフを挿入することで、情報の理解が促進されます。また、業務の流れなどを図やイラストを使用して視覚的に表現することで、手順や業務内容を明確に説明できます。
視覚的な要素を加えることで、情報の伝達が迅速かつ効果的に行われ、より質の高いマニュアルが完成します。
タブで内容を分類できる
Excelを活用することで、タブを使用して内容を分類し、整理することが可能です。Excelでは1つのファイル内に複数のシート(タブ)を作成できます。これにより、マニュアル内の情報を構造的に整理して、利用者が必要な情報に迅速にアクセスできるようになります。
たとえば、業務の各工程を別々のタブに分けて、それぞれに関連する情報を配置することで、複雑な業務においても分かりやすい構造を保つことができます。このタブの特長により、内容が多岐にわたる場合でも利用者が迷わずに、必要な情報を見つけられます。
Excelでマニュアルを作成するデメリット
Excelでマニュアルを作成することには多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。ここからは、そのデメリットに注目して詳しく解説します。
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Excelでマニュアルを作成するデメリット
印刷・凝ったデザインには向かない
Excelは、デザインの自由度が低く、印刷においても特有の課題が生じることがあります。デザイン性に欠ける理由は、元来Excelが電子データの編集に適しており、印刷向けの機能に長けていないためです。
印刷時に手間がかかる主な要因は、印刷レイアウトや用紙サイズの調整がWordやPowerPointに比べて複雑であることです。Excelは表計算ツールとしての特性が強いため、印刷において細かな調整が難しく、作業が煩雑になりがちです。
デザイン性においてもExcelは限られたデザイン機能しか提供しておらず、文字サイズや色分けにおいても制約があります。そのため、もし印刷やデザインに特に重点を置く場合は、WordやPowerPointなどの他のツールが適しています。
スマホからの閲覧・編集はやや困難
Excelを用いてマニュアルを作成する際のデメリットの一つは、スマートフォンからの閲覧や編集がやや困難である点です。スマートフォンの画面サイズは小さいため、Excelが得意とする詳細な情報の確認や編集が難しくなります。
Excelはデータをセル単位で編集し、複雑なフォーマットや計算を行うことができますが、スマートフォンではその機能を十分に活用することが難しい傾向にあります。
特に大量のデータや複雑な計算が必要な場合は、PCやタブレットを使用することが推奨されます。業務を行う現場でスマートフォンを用いて手軽にマニュアルを閲覧できるようにしたい、といったニーズがある場合には、Excelは向いていないと言えます。
タブの見落としが発生しやすい
Excelを使用してマニュアルを作成する際のデメリットは、タブの見落としが発生しやすい点です。タブを活用することで情報を整理しやすく、工程ごとに分類する手軽な方法となりますが、多くのタブが存在する場合、閲覧者が特定の情報を見逃す可能性が高まります。
このデメリットを軽減するためには、適切なタブのネーミングや目次を設けて、各タブの内容を簡潔に示すなどの工夫が必要です。利用者がスムーズに必要な情報にアクセスできるよう、注意深くマニュアルを整備することは重要なポイントです。
Excelでの作成に向いているマニュアルとは
Excelでの作成に向いているマニュアルは、主に手順やデータの整理が中心のものです。たとえば、商品の在庫管理手順や予算作成手法のような具体的な作業手順を説明する場合、Excelは関数やセルの利用で分かりやすく表現できます。
営業成績の分析や予測データのまとめなど数値データが中心で、印刷せずに閲覧される場合もExcelが適しています。さらに、市場動向の可視化やプロジェクト進捗など、グラフィカルな情報が必要な場合、Excelのグラフ作成機能を有効的に活用できます。
このように、手順やデータの整理、視覚的な表現が必要なマニュアル作成にExcelは非常に適しています。
Excelでのマニュアルの作り方
Excelでマニュアルを作るには、以下のような手順で行うとスムーズに作成することができます。ここからは、Excelでのマニュアルの作り方を詳しく解説します。
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Excelでのマニュアルの作り方
目次を作る
Excelでマニュアルを作成する際、シートが増えると複雑になるため、まずは目次を作りましょう。各項目にはセルに分かりやすいタイトルを記入し、これに対応するシートへのリンクを設定します。目次のデザインにも気を配りましょう。
シート名や項目名は簡潔で適切な表現にし、利用者がスムーズに情報を見つけやすくします。この目次によって、ユーザーは必要な情報に素早くアクセスでき、マニュアル全体の理解が円滑に進みます。利用者の使いやすさを考慮した構造化が重要です。
見出しと内容を入力する
次に、見出しと内容を入力します。見出しと内容を入力する際は、見やすさと情報の明確さが大切です。見出しは具体的で簡潔な表現を心がけ、「手順1:データ入力」などユーザーが理解しやすい形にします。
内容に関しても、解釈の齟齬が発生しないように具体的で理解しやすい記述を心がけることが大切です。内容を入力する際は、箇条書きや表を使って情報を整理し、冗長な表現は避けるのがポイントです。
画像を挿入する
作業手順やコンセプトをより明確に伝えるために、Excelでは画像や図解、イラストの適宜挿入がおすすめです。挿入する画像は関連するコンテンツと調和させ、作業手順の一部や重要な画面を強調します。また、画像のサイズと配置にも注意が必要です。
ただし、画像が多くなりすぎると見にくくなり、必要な情報も的確に伝わらない可能性が出てきます。適度に使用することで、読者が理解しやすくなります。
文字・色に一貫性を持たせる
マニュアルの一貫性を保つためには、文字のフォーマットや色の統一が不可欠です。文字のフォーマットにおいては、見出しや本文のスタイルを一貫させることが大切です。
たとえば、見出しには太字や大きな文字を利用し、本文は標準のフォントサイズを守るなど、一貫性を重視しましょう。これにより、読者は情報の階層構造を迅速に把握できます。
色の使用においても、特に重要事項や注意事項には赤色を、正常な手順には黒色を使うなど、色を巧みに活用することで情報を強調できます。簡潔でわかりやすい文字の使い方と、色の効果的な選択によって、利用者がスムーズにマニュアルを理解できるようになります。
また、文字のサイズや行間の調整も忘れずに行いましょう。これらのポイントを意識することで、見やすさを向上させることができます。
改善・共有する
マニュアルの作成が完了したら、他者の視点からのフィードバックを得て、改善を行った後に共有します。利用者の立場に立ち、不明瞭な点や情報の不足を確認しましょう。フィードバックを基に表現を明確にして、新しい情報が必要なら追加します。
誤りや不備があれば修正し、最終的な改善が行われたマニュアルを関係者や利用者と共有します。共有前に利用者が問題なく理解できるか確認し、使いやすい形に仕上げることで、効果的でわかりやすいマニュアルが完成します。
Excelでマニュアルを作成する際のコツ
Excelでマニュアルを作成する際には、文言・用語の表記を統一するなどいくつかのコツがあります。ここからは、Excelでマニュアルを作成する際のコツを解説します。
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Excelでマニュアルを作成する際のコツ
作成の目的を明確にする
マニュアルを作成する際には、作成の目的を明確にすることが重要です。マニュアルはさまざまな目的で利用されるため、具体的な目的を特定することで、必要な情報や手順を的確に絞り込むことができます。
たとえば、請求書を作成する担当者向けのマニュアルでは、正確で効率的な請求書作成が主となります。その場合、必要な情報や手順、特に注意が必要なポイントを明確に整理し、それをマニュアルに盛り込むことで、ユーザーが目的を達成しやすくなります。
目的を明確にすることで、マニュアルが的確で効果的なツールとなり、作業効率向上や誤りの軽減に繋がります。
誰が読むかを想定して作成する
マニュアルを作成する際には、読む人の知識レベルや経験に配慮することが重要です。これによって、効果的で理解しやすいマニュアルが生まれます。初めて作業を行う人を対象にした場合、基本的な手順や用語を丁寧に説明することが求められます。
難解な言葉や専門的な用語は避け、読者がストレスなく理解できるように心がけましょう。反対にある程度の専門知識がある読者層を対象にする場合は、より詳細で専門的な説明を加えることが可能です。
このように、対象読者層を考慮することで、使いやすさや理解度が向上します。読者がどのようなバックグラウンドを持つかを意識して、的確な伝達を心掛けましょう。
文言・用語の表記を統一する
Excelでマニュアルを作成する際、文言や用語の表記を一貫させることは重要です。たとえば、「データ入力」と「情報記入」など、同じ意味を指す言葉が混在すると、読者が紛らわしさを感じる可能性があります。
表記の揺れがあると、利用者が適切な操作を理解するのが難しくなります。そのため、文言や用語の選定は慎重に行い、同じ内容を指す場合は一貫した表現を採用するよう心がけましょう。
1過程につき1Sheetを使う
Excelを使用してマニュアルを作成する際、1過程につき1Sheetを使用するのがおすすめです。1過程ごとにシートを分けることで、利用者は特定の情報を素早く確認できます。作業手順が一目で分かるため、迷うことなく業務を進めることが可能です。
逆に複数の工程を1つのシートにまとめてしまうと、情報量が多くなり見にくいマニュアルになってしまいます。ただし、あまり細かく分けすぎても、見たいシートが見つからないといった事態になってしまうため注意しましょう。
説明文はセル内に記入する
Excelでマニュアルを作成する際、説明文はセル内に記入することが重要なポイントとなります。セル内に説明文を書くと、その情報が検索の対象となり、利用者が必要な情報を迅速に見つけることができます。
一方で、図形やテキストボックスに挿入された文字は検索対象になりません。そのため、図形に情報を入れてしまうと、後で特定の内容を探す際に見落とす可能性が生じます。
使いやすいマニュアルを作成するためには、セル内にわかりやすく詳細な説明を入力し、検索機能を最大限に活かすことが大切です。
テンプレートを利用する
インターネット上には、マニュアル作成用のExcelテンプレートが多数提供されています。これらのマニュアルテンプレートを利用することで、手軽に見やすいマニュアルを作成することが可能です。
テンプレートの種類は多岐にわたり、様々な業界・業務に特化したものもあります。たとえば、プロジェクト管理や会計処理、事務作業、レポート作成など、自社のニーズに合ったものを選ぶことができます。
これらのテンプレートは、一般的な構成やフォーマットがあらかじめ設定されています。そのため、具体的な内容や手順を追加するだけで、手間なく質の高いマニュアルを完成させることができます。
編集されたくない場合はPDFで保存する
Excelでマニュアルを作成する場合、他の人に修正されたくない情報が含まれる場合は、PDF形式で保存することが非常に重要です。
特に複数の人が閲覧する場合、誤った操作や不適切な変更を避けるためには、ExcelファイルをPDFに変換して公開するのが有効です。PDF形式は編集が難しく、内容の変更が容易にできない特長があります。
そのため、作成者が意図したままの情報を保護して、他の利用者による不必要な修正を防ぐことができます。
定期的な更新を行う
マニュアルは、一度作成したら終わりではなく、定期的な更新が欠かせません。これは、業務プロセスやソフトウェアのバージョンアップなど、環境や要件が変化する可能性があるからです。
定期的な更新を行うことで、作業者が最新の情報を確認できるようになります。また、定期的な更新は業務の品質向上にも繋がります。最新の手順の反映により、作業者はより適切な方法で業務を遂行でき、全体の効率も向上するでしょう。
更新作業を怠らず、常に最適なマニュアルを維持することが重要です。
Excel以外で無料でマニュアルを作成する方法
Excelで一から自作する以外にも、無料でマニュアルを作成する方法はあります。以下では、その方法について詳しく解説します。
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無料でマニュアルを作成する方法
Word(ワード)を活用する
Excelと同様に企業で広く利用されているツールにWordがあります。Wordは文書作成を目的としたツールです。そのため、先に少し触れましたが、印刷を前提とした業務マニュアルを作成するのであればExcelよりもWordが向いています。
文字中心の手順書などはWordに向いているマニュアルで、テキストの編集性が高いため文章量が多くても見やすいマニュアルを作成することができます。誤字脱字のチェック機能があるのも大きなメリットです。
PowerPoint(パワーポイント)を活用する
PowerPointも日常的に利用している人は多いでしょう。PowerPointはプレゼンテーションなどの資料作りによく使われるツールで、視覚的な効果を高めやすいのが特徴です。
図表や画像、動画などを挿入しやすく、レイアウトの自由度も非常に高いので、パッと見てすぐに内容を理解することができます。
また、PowerPointは「スライド」式なので、スライド=ページの入れ替え・削除・追加も自由にできます。追加の手順や手順の変更が合った場合にも編集しやすいです。文字ではなく、図画像や動画などを多用したいマニュアルにはおすすめです。
パワーポイント(パワポ)でマニュアル作成|作り方やコツを解説
企業の業務マニュアルはパワーポイントで作成することも可能です。パワーポイントは、画像や表などを挿入しやすく、スライドごと移動できるなど編集の柔軟性にも優れています。本記事では、パワーポイントでマニュアル作成を行う手順やコツを解説します。
無料のマニュアル作成ツールを利用する
マニュアル作成ツールは、マニュアルを効率的に作成するためのソフトウェアで、無料で利用できるものもあります。これらのツールは通常、テンプレートや直感的な編集ツールを提供し、デザインのスキルがなくても見栄えの良いマニュアルを作成できます。
基本的な機能が揃っており、初心者でも取り組みやすい特長があるため、デザインやフォーマットに悩むことなく、効果的かつ使いやすいマニュアルを手に入れることができます。
また、写真付きマニュアルや動画マニュアルも作りやすく、マニュアル作成に特化している分Excelなど他のツールに比べて役立つ機能が豊富です。
おすすめのマニュアル作成ツール10選|選ぶ際の比較ポイントも解説
企業のマニュアル作成には、マニュアル作成ツールの利用がおすすめです。マニュアル作成ツールを使えば、業務や操作の手順書はもちろん、動画マニュアルも容易に作成できます。この記事では、おすすめのマニュアル作成ツールや選ぶ際の比較ポイントを解説します。
まとめ
企業にとって重要な業務マニュアルの作成ですが、Excelを活用して作成することもできます。Excelの特長的な機能として、関数や図の挿入が容易であり、タブによる分類が可能なため、効率的で使いやすいマニュアルが実現できます。
また、関数やマクロ機能の活用により、より高度な操作や図表の挿入も可能です。ぜひ、本記事で紹介した内容を参考にして、Excelを駆使して効果的な業務マニュアルを作成してみましょう。
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