コールセンター運営の費用相場とは?外注費用・内製費用に分けて解説

Check!

  • コールセンター業務を外注する場合の料金体系には、月額固定型と従量課金型がある
  • コールセンター業務を内製すると、システム構築や人件費に多額のコストがかかる
  • コールセンター運営の費用を抑えるには、FAQ作成など問い合わせを減らす対策が有効

コールセンターの導入には、専門業者に外注する方法と自社で内製する方法があります。いずれの場合も、どのくらいの費用がかかるのか把握しておくことが重要です。この記事では、コールセンター運営にかかる費用相場を、外注・内製の場合に分けてそれぞれ解説します。

目次

開く

閉じる

  1. コールセンター運営の費用相場
  2. コールセンターの外注費用に関する注意点
  3. コールセンター運営の費用を抑える方法
  4. まとめ

コールセンター運営の費用相場

コールセンターとは、電話で顧客対応を行う専門窓口のことをいいます。導入方法には、外部の専門業者に業務を委託する外注と、自社内で体制を整える内製があります。

どちらの手法を選ぶかは企業のニーズや戦略によりますが、それぞれに特徴的な費用がかかります。以下では、それぞれの費用相場について詳しく解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

コールセンター運営の費用相場

  1. 委託する場合の外注費用
  2. 内製する場合の運営費用

委託する場合の外注費用

外部へ業務を委託する場合の外注費用は、企業にとって検討すべき重要な要素です。コールセンターの外注費用は、提供されるサービスの内容や契約条件により異なります。以下では、委託する場合の外注費用について、詳しく解説します。

初期費用

コールセンターを外注する場合の初期費用は、通常1万円から5万円程度が一般的です。この契約金は、コールセンター業務を代行してもらう際に発生する初期の費用であり、比較的低額な特徴があります。代行会社によって異なるため、事前に確認が必要です。

初期費用には、業務の現状分析やマニュアルの作成、そしてオペレーターの教育などが含まれます。これらの要素が効果的なサービス提供の基盤を築くために必要です。

外注により初期費用やランニングコストを抑えつつ、プロのサポートを受けて効果的なコールセンター運営が可能です。企業はこれによって、迅速でクオリティの高い顧客対応を実現し、業務の効率を向上させることができます。

ランニングコスト

外注のランニングコストは主に月額固定型と従量課金型の2つの料金体系に分かれます。月額固定型は、1ヵ月間の対応件数に応じて利用料が決まり、処理件数ごとのコースが用意されます。

一方、従量課金型は期間内の対応件数に上限を設けず、1件あたりの料金が決まっています。対応件数と料金が直接比例するため、無駄な支払いが発生することはありません。柔軟性があり、事前に問い合わせ数を予測しにくい場合に利用されます。

どちらの体系もメリットとデメリットがあり、事業の性質や予測のしやすさに応じて選択されます。以下の表に、それぞれの特徴と費用相場について示します。

月額固定型従量課金型
特徴月に一定の金額で支払う形の料金プランコール件数や対応時間に応じて変動する料金プラン
費用相場約10万~30万円約500~1,000円
※1コールあたり

内製する場合の運営費用

コールセンターを内製する場合、運営費用には委託するよりも様々な要素が含まれます。以下では、内製する場合の費用について詳しく解説します。

初期費用

コールセンターを自社で運用する場合、初期費用はシステム構築に重点が置かれます。一般的には20〜300万円程度が相場とされています。この初期費用には、CTIやCRMなどのシステム導入が含まれます。

専用施設での運用を考える場合、建物自体の費用、インフラ整備費、オペレーターの採用と教育費用も必要です。これらを総合的に計算すると、自社運用の初期費用はかなりの投資が必要です。

ランニングコスト

ランニングコストの内訳には、システムの運用費・人件費・インフラの維持費・ライセンス料などがあります。以下の表にそれぞれの費用相場について、記載します。

これらの数字は参考値であり、実際の状況や要件によって変動する可能性があります。運用開始前に詳細な見積もりを行い、予算を確認することが重要です。

システムの運用費約50万円~150万円/年 
人件費約1,200円~3,000円/時給
インフラの維持費約3万円~70万円/月
ライセンス料約4万円/月

コールセンターの外注費用に関する注意点

コールセンターを導入する際、コストを抑えつつ効果的な運用を実現するためには、外注が内製よりもおすすめです。外注のメリットとして、初期投資やランニングコストが低く済むことが挙げられます。ただし、外注費用にはいくつかの注意点があります。

ここからは、コールセンターの外注費用に関する注意点について詳しく解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

対応件数が増えると高くなる

コールセンターの外注費用において重要な注意点の一つは、対応件数が増えると費用が高くなることです。月額固定制や従量課金制であっても、月あたりの対応件数が多いほど料金が上昇します。

これは、増えた対応件数に対応するためにオペレーターの人員が必要とされるためです。オペレーターの負担が増え、人員を増強する必要があることから、利用料が上昇する傾向があります。

特に特定の時間帯に問い合わせが集中する場合、急激なオペレーターの増員が必要になり、追加料金が発生する可能性があります。事前に適切なプランを選択し、予測対応が重要です。

コールオーバー料金に注意

コールオーバー料金は、月額固定型のコールセンター契約において、設定されたコール件数を超えた場合に発生する追加料金を指します。これは、事前に定められた基本的な対応件数を超えてしまった際に、超過した分に対して追加で支払う必要がある料金制度です。

たとえば、契約できるコール数が1,000コールまでとされていて、月間で1,200コールが発生した場合、200コール分がコールオーバーとなり、それに対応するための追加料金が発生します。

このようなシステムでは、事前に予測したコール件数よりも実際にかかるコールが多くなると、追加の費用がかさんでしまうため注意が必要です。

対応時間により割増がある

コールセンターの外注費用には、対応する時間帯により料金が変動する注意点があります。夜間や休日の対応は通常の業務時間外であり、また、急を要する相談や問い合わせが増えるため、これに対応するための人員配置や機能が必要となります。

このような事情から、夜間・休日の対応を提供している業者は少なく、提供している場合でも通常の平日の日中よりも割高な料金設定になっていることがあります。

企業が外部にコールセンターを委託する際には、対応時間帯やその費用体系を確認し、適切な契約条件を検討することが重要です。

対応範囲により追加料金が発生する

コールセンターの外注費用は、委託先のコールセンターが提供するサービスの範囲が広がるほど、その業務の複雑性や専門性が増し、それに応じて料金も変動します。

たとえば、基本的な受付対応や取り次ぎのみならず、専門的な知識や個別の対応マニュアルが必要な業務を委託する場合、追加の料金が発生する可能性があります。

このような業務は通常、高度なスキルや専門的なトレーニングが必要であり、それに対する報酬として追加料金が設定されることがあります。また、アウトバウンド業務も追加の料金が発生しやすい部分です。

顧客へのアプローチやセールスなど、受発注業務に比べてさらに手の込んだ業務が含まれるため、これらを委託する場合は追加の費用がかかることを把握しておく必要があります。

費用対効果も考慮する

コールセンターの外注費用を検討する際には、安さだけでなく費用対効果を検討することが重要です。まず、委託したい業務を明確にして、その業務を外注することでどれだけ生産性が向上するかを具体的に確認することが大切です。

安い料金で外注できる業者があっても、その業者が提供するサービスが本当に必要なものであり、社内の業務にどれだけ貢献できるかを検討する必要があります。業務委託の目的はコスト削減だけでなく、品質向上や生産性の向上にも関連しています。

そのため、外注先が提供するサービスが企業の業務に適しているかどうかを確認し、費用対効果を検討してから選定することが重要です。

コールセンター運営の費用を抑える方法

コールセンター運営の費用を抑える方法は、問い合わせ件数を減らすことやIVRを導入するなど、効率的な運用と適切な戦略の採用が重要です。ここからは、コールセンター運営の費用を抑える費用について詳しく解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

問い合わせ件数を減らす

コールセンター運営の費用を抑えるために、電話問い合わせの件数を削減することで、人件費の節約が期待できます。 具体的な方法として、FAQ(よくある質問)をウェブサイトに掲載することが挙げられます。

FAQにより、顧客は自分の疑問や問題を解決する手段を得られ、電話での問い合わせが不要になります。また、電話以外の対応チャネルを充実させて、メールやチャットなどでの対応を促進することも効果的です。

このような対策によって運用コストを削減しつつ、顧客サポートの質を維持できるでしょう。

IVRを導入する

コールセンター運営の費用を抑える方法は、IVRを導入することです。IVRは自動音声応答システムであり、顧客が電話で問い合わせる際、音声認識やプッシュボタンによる操作で案内を受け、用件ごとに適切な担当者に接続する仕組みです。

IVRを導入することで、よくある質問に対する自動音声応答が可能になり、オペレーターの介在を減らすことができます。これにより業務効率が向上し、オペレーターの負担が軽減されると同時に、運営コストを削減できます。

IVR(音声自動応答システム)とは?メリット・デメリットと選び方を解説

IVRとは、コンピューターによる音声自動応答システムのことです。営業時間外も顧客に応対することができ、コールセンターや宅配便の再配達など幅広い場面で活用されています。こちらの記事では、 IVRシステム導入のメリット・デメリットと選び方のポイントを解説します。

実態に見合ったプランを選択する

コールセンター運営の費用を抑えるためには、月間の問い合わせ件数を予測し、実態に見合ったプランを選択することが重要です。問い合わせ件数を的確に予測することで、コストを最適化できます。

たとえば、月間の問い合わせが多い場合は従量課金型のプランが適しています。対応するべき問い合わせが急増すると、固定費用型よりも従量課金型の方がコスト面で有利です。

反対に問い合わせが比較的安定している場合や、予測が難しい場合は月額固定型が適しています。こちらは安定したコストを確保できるメリットがあります。実態に見合ったプランを選ぶことで、無駄な費用を避けつつ、柔軟に対応できる体制を整えることができます。

まとめ

コールセンターは、電話を通じて顧客対応を行う専門窓口であり、外注と内製の2つの導入方法があります。導入に際しては、費用の把握が重要であり、外注が内製よりも費用対効果が高いことがあります。

コストを抑えつつ運用を効果的に行うには、外注がおすすめです。費用の管理には、外注先の選定や適切なプランの選択が欠かせません。問い合わせ件数を減らす取り組みや、IVRの導入など、効率的な運用と適切な戦略が費用抑制となります。

本記事で紹介したポイントに注意することで、適正な費用でコールセンターを効果的に運営できるでしょう。

Share

top