カスタマーサポートとコールセンターの違い|効率化のポイントも解説

Check!

  • カスタマーサポートとコールセンターは、仕事内容・設置目的・使用ツールなどが異なる
  • カスタマーサポートは既存顧客、コールセンターは既存顧客・潜在顧客の両方に対応する
  • カスタマーサポート・コールセンターの業務効率化には、顧客対応状況の情報共有が重要

カスタマーサポートとコールセンターはどちらも顧客をサポートする業務ですが、仕事内容や設置の目的は異なっています。この記事では、カスタマーサポートとコールセンターの違いや、顧客対応業務を効率化させるためのポイントを解説します。

目次

開く

閉じる

  1. カスタマーサポートとコールセンターの違いとは
  2. カスタマーサポートとコールセンターの比較
  3. カスタマーサポート・コールセンターの業務効率化のポイント
  4. まとめ

カスタマーサポートとコールセンターの違いとは

カスタマーサポートとコールセンターは、どちらも顧客からの問い合わせに対応する業務ですが、その目的・業務内容・対応方法などは異なります。ここでは、カスタマーサポートとコールセンターの違いを解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

カスタマーサポートとコールセンターの違いとは

  1. カスタマーサポートとは
  2. コールセンターとは
  3. ヘルプデスクとの違い

カスタマーサポートとは

カスタマーサポートとは、既存顧客に特化したサポートのことであり、顧客満足度の向上と長期的な顧客関係の構築を目的としています。商品・サービスに関する問い合わせやクレームへの対応など、顧客の課題解決が中心となります​​​​。

対応方法は、電話以外にもメール・チャット・SNSなど、さまざまな方法で顧客とのコミュニケーションを行います。これにより、顧客のニーズに応じた柔軟なサポートを提供します。

また、スタッフは専門的な知識を持っている場合が多く、主にインバウンド業務(顧客のアクションが起点となる受け身の対応)が中心です。

カスタマーサポートとは?意味や業務内容・役割などわかりやすく解説

カスタマーサポートとは、主に電話やメールを用いて顧客からの問い合わせに対応するサービスのことです。商品の説明や販売の促進などの役割を担い、企業の成長には欠かせません。本記事では、カスタマーサポートの業務内容や質・顧客満足度を向上させる方法などを解説しています。

カスタマーサポートの仕事内容

カスタマーサポートは、顧客の課題解決として、問い合わせ・クレーム対応・追加サービスの提案・サービス提供後のサポートなどを行います。

問い合わせ対応は、商品やサービスの使用方法・操作方法・登録方法など、さまざまな質問に対して、情報提供を行います。クレーム対応は、顧客の不満を受けて解決策を提案して、商品に不具合がある場合には、交換や修理の手配を行う場合もあります。

顧客のニーズに応じて、顧客が利用するサービスに関連する追加サービスや商品の提案を行ったり、顧客満足度を確認したりすることも業務に含まれます。

コールセンターとは

コールセンターは、電話窓口対応全般を指し、業務の効率化や営業活動(テレアポなど)を目的としています。対象となる顧客には、既存顧客だけでなく潜在顧客も含まれるため、顧客獲得を目指す活動も行います​​​​。

対応方法は電話が中心です。業務内容は、インバウンドとアウトバウンド(企業が起点となってアクションを起こす対応)に分かれます。顧客からの申し込み受付や問い合わせ対応だけでなく、商品やサービスの案内、アポイントメントの取得などを行います​​。

コールセンターの仕事内容

コールセンターでは、顧客との円滑な各種手続きや営業活動を行うために、申し込み受付・問い合わせ・テレマーケティング・エスカレーション対応などを行います。

申し込み受付は、新規顧客からの商品購入・サービス登録などの申し込みを受け付けます。テレマーケティングでは、顧客(既存顧客・見込み顧客など)に対して、商品・サービスの紹介やキャンペーン情報の提供を電話で行います。

問い合わせ対応は、カスタマーサポートでも行いますが、コールセンターにおける問い合わせ対応は、商品やサービスに関する一般的な質問に回答する内容となります。専門性の高い質問に関しては、専門部門に転送して解決をサポートします。

このように、対応が難しい問い合わせやクレームについて、初期対応を行った上で、専門部門に転送して対応させることをエスカレーション対応と言います。

ヘルプデスクとの違い

カスタマーサポートやコールセンターと似た業務として、ヘルプデスクもあります。ヘルプデスクは、主に技術的な問い合わせやトラブルに対応する部門です。

具体的には、情報システムやソフトウェアの使用方法、システム障害時の対処法などを電話、メール、チャットなどでサポートします。社外の顧客だけでなく、社内からの問い合わせにも対応する点が、カスタマーサポートやコールセンターとは異なっています。

ITインフラに関する専門的な知識が求められますが、調査が必要であったり、より高度な知識を要する問題に対しては、さらに専門性の高いテクニカルサポート部門にエスカレートすることもあります。

カスタマーサポートとコールセンターの比較

企業の視点において、カスタマーサポートとコールセンターは、顧客対応戦略の面で違いがあります。ここでは、カスタマーサポートとコールセンターの違いを、以下の項目ごとに比較して解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

設置する目的

カスタマーサポートの主な設置目的は、既存顧客のサポートを強化し、顧客満足度を高めることにあります。具体的には、顧客の課題解決を図り、顧客ロイヤリティ(企業への信頼や忠誠など)を向上させることが挙げられます。

また、顧客と長期的な関係を築くことも目的に含まれます。この場合、顧客からのフィードバックを積極的に受け入れ、商品やサービスの改善へと繋げます。顧客満足度を高めるために、顧客ニーズに基づいて、追加サービスや新商品の提案をする場合もあります。

コールセンターの設置目的は、顧客からのさまざまな問い合わせに対応することに加えて、営業活動の支援や業務効率化を図ることにあります。

具体的には、一般的な質問・サービスへの申し込み受付・キャンペーンの情報提供など、幅広い問い合わせに対応することが挙げられます。営業活動の一環として、コールセンターを設置する場合もあります。

また、企業における電話対応をコールセンターに一元化することで、他の従業員が本来の業務に集中できます。このように、企業全体の業務効率化を図る目的でコールセンターを設置することもあります。

設置するメリット・効果

カスタマーサポートを設置するメリットとして、問い合わせ対応によって顧客の疑問・不満を解消することは、顧客満足度の向上やリピーターの増加に繋がります。

また、顧客からのフィードバックは、商品・サービスの改善において、顧客ニーズに合致させやすくなります。顧客にとって迅速かつ丁寧な対応は、企業イメージを向上させることにも繋がります。

コールセンターを設置するメリットは、社員の電話対応の負担が軽減されることで、本来の業務に集中できるようになることが挙げられます。

電話営業を通じて、新規顧客獲得・休眠顧客の再活性化・リピート購入の促進など、売上拡大に直結する活動が展開できるのも、コールセンター設置のメリットです。

顧客との関わり方

インバウンド業務は、顧客のコンタクトに対して対応するもので、コールセンターとカスタマーサポートの両方に共通します。アウトバウンド業務は、コールセンターが主に行う活動で、企業から顧客へ積極的にアプローチを行う業務です。

一方でカスタマーサポートでは、既存顧客の課題解決に焦点が当てられ、顧客からのコンタクトに応じるインバウンド業務を行います。

なお、コールセンターはインバウンド業務に加えて、アウトバウンド業務として、商品やサービスの案内・アポイントメントの獲得・アンケート調査などを通じて営業活動を支援します。

使用するツール

企業がカスタマーサポートやコールセンターで顧客と効果的に関わるためには、さまざまなコミュニケーションツールや、業務効率化ツールが必要です。

例えば、カスタマーサポートでは、メール・チャット・電話などが挙げられます。コールセンターは基本的に電話で業務を行いますが、業務効率化を図る目的で他のコミュニケーションツールが使われることがあります。

また、顧客がWebサイトに多くアクセスする場合、チャットボットを設置することで、定型的な問い合わせに対応させることもできます。

コールセンターの場合は、IVRの導入が挙げられます。IVRは、顧客からの着信を自動で受けて、プッシュボタンの入力や音声認識によって顧客のニーズに応じたサービスへ案内するシステムです。

また、カスタマーサポート・コールセンターに共通する便利なツールとしては、問い合わせ管理システム・CRM(顧客管理システム)などが挙げられます。これらのツールによって情報を一元管理できると、人的ミスや業務負担が減り、業務効率化に繋がります。

その他、よくある質問に対する回答の音声を用意することで、オペレーターに接続する前に問題を解決できる場合もあり、業務負担軽減に繋がります。

求められるスキル

カスタマーサポートとコールセンターの業務に共通して求められるスキルは、顧客とのコミュニケーション能力です。顧客へのサポートや問い合わせ対応を、状況に合わせて適切に行えるスキルが必要です。

カスタマーサポートにおいては、既存顧客の課題解決を目的としているため、顧客の要望や課題を正確に把握するための傾聴力や、速やかに問題解決へ導くための問題解決能力が求められます。

一方でコールセンターにおいては、アウトバウンド業務としてサービスの案内なども行うことから、相手が納得しやすい話し方や、共感を得やすい話し方ができるトークスキルが必要とされます。

導入がおすすめな企業

カスタマーサポートは主に既存顧客のサポートに特化しているため、既存顧客からの継続的なサポートや問い合わせ対応が多い企業に推奨されます。

また、顧客満足度の向上や課題解決を目的とするため、製品・サービスのアフターサポートを通じて、顧客ロイヤリティの向上やリピート購入を促進したい場合にもおすすめです。

コールセンターは電話対応に特化しており、潜在顧客と既存顧客の両方に対応することが可能です。そのため、新規顧客の獲得や市場拡大を目指している企業や、大量の問い合わせ対応が必要な企業におすすめです。

申し込み受付・キャンペーン対応・テレマーケティングなど、一時的に電話対応の需要が増加する期間限定のプロジェクトにも役立ちます​​​​。

カスタマーサポート・コールセンターの業務効率化のポイント

カスタマーサポートとコールセンターのいずれの業務においても、業務効率化を図ることは共通の課題です。ここでは、カスタマーサポート・コールセンターの業務効率化のポイントを解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

カスタマーサポート・コールセンターの業務効率化のポイント

  1. 顧客の管理体制を整える
  2. コミュニケーションの手段を増やす
  3. 顧客情報の共有を徹底する

顧客の管理体制を整える

カスタマーサポートとコールセンターの設置において、業務効率化を図るためには、顧客対応状況を把握できる管理体制の整備が重要です。これにより、顧客からの問い合わせや要望に、迅速かつ適切に対応できるようになり、顧客満足度を高めることが可能です。

顧客の対応状況を把握する場合は、問い合わせ管理システムの活用によって、顧客数が多くても効率的に管理できます。これにより、対応漏れや同じ対応を繰り返すリスクが減り、企業にとっても顧客にとっても負担が少なくなります。

また、CRMの活用も顧客の管理体制の整備に寄与します。CRMは、顧客情報・過去の問い合わせ履歴・対応状況などを一元的に管理できるシステムです。CRMの導入により、どのオペレーターも顧客の背景を瞬時に把握して、より適切な対応が可能になります​​。

顧客に関する管理以外にも、カスタマーサポートの担当者やオペレーターの管理も重要で、対応手順やトラブル対応のガイドラインをマニュアル化することも大切です。

対応する人が変わっても一貫性のある高品質な対応ができるよう、ナレッジを管理することも効果的です。

コミュニケーションの手段を増やす

カスタマーサポート・コールセンターでは、コミュニケーションの手段を増やすことも業務効率化につながります。

例えば、コミュニケーション手段を増やすためにチャットツールを導入すれば、メールのように返信を長時間待つことなく、リアルタイムなやりとりが可能になります。

また、自社のWebサイトにチャットボットツールを導入すれば、顧客が自らWebサイト上で問題を解決できます。これにより、メール対応・電話対応などの個別対応の負担軽減に繋がります。顧客にとっても、迅速に問題解決を図れるメリットがあります。

顧客情報の共有を徹底する

カスタマーサポート・コールセンターの業務効率化には、顧客情報をリアルタイムで共有する体制を整えることが重要です。これは、顧客サービスの質を高め、顧客満足度を向上させるためにも不可欠です。

顧客情報がリアルタイムで共有されていれば、誰でも顧客の過去の問い合わせ履歴や対応状況を即座に確認でき、顧客にとって最も適切な対応を提供できます。また、リアルタイムに更新された情報に基づき、個々の顧客ニーズに合わせたサービスを提供しやすくなります。

情報がリアルタイムで共有されていれば、古い情報や誤った情報が伝わるのを防ぐことにも繋がります。

顧客情報のリアルタイム共有の実現には、CRMの活用が効果的です。CRMを使用することで顧客情報を一元管理し、いつでもリアルタイムにアクセスできるようになります。

まとめ

カスタマーサポートとコールセンターは、どちらも顧客からの問い合わせに対応する重要な業務ですが、その目的と業務内容には明確な違いがあります。

カスタマーサポートは、顧客満足度の向上や長期的な関係の構築を目的としています。コールセンターは、電話対応を中心とし、顧客からの幅広い問い合わせや営業活動の支援、業務効率化を目的としています。

顧客対応の質を高めて効率化を図る上で、顧客情報をリアルタイムで共有する体制の整備は両業務に共通する重要な要素です。また、顧客との接点を増やし、顧客サービスの質を向上させることも大切です。顧客対応業務の整備に、本記事の内容を役立ててください。

Share

top