カスタマーサクセスとLTVの関係性を解説|LTV向上の施策も

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  • LTVとは、1人の顧客が生涯で自社にもたらす利益を表した数値のこと
  • カスタマーサクセスを行うことが、LTVを最大化させることに繋がる
  • LTVを向上させるには、オンボーディングや定期的な顧客フォローなどの施策を行う

顧客の成功を自社の利益に繋げるカスタマーサクセスの考え方に、LTVの向上は深く関係しています。カスタマーサクセスの実施がLTVを最大化させる鍵となります。本記事では、カスタマーサクセスとLTVの関係、また、LTVを向上させる具体的な施策やポイントを解説します。

目次

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  1. カスタマーサクセスとLTVの関係性
  2. LTVの計算方法
  3. LTVの向上に起因する要素
  4. カスタマーサクセスにおけるLTV向上のための施策
  5. カスタマーサクセスでLTVを向上させるポイント
  6. まとめ

カスタマーサクセスとLTVの関係性

カスタマーサクセスとは、プロダクトを通じて顧客に成功をもたらすことで、自社の利益や売上につなげる手法です。顧客に対して能動的にサポートを提供し、自社プロダクトの継続的な購入を促します。

カスタマーサクセスの代表的なメリットとして、LTVの向上が挙げられます。本記事では、カスタマーサクセスとLTVの関係性や、LTV向上のためのカスタマーサクセスの施策について解説していきます。

カスタマーサクセスとは?メリットや施策例、成功のポイントも解説

カスタマーサクセスとは、すでに商品やサービスを購入している顧客に能動的に働きかけ、顧客を成功へ導くことです。解約率の減少やLTVの最大化といった効果が期待できます。この記事ではカスタマーサクセスの概要やメリット、成功のためのポイントなどを解説します。

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そもそもLTVとは

LTVとは「Life Time Value」の略称で、日本語では「顧客生涯価値」となります。1人の顧客と取引開始から終了するまでの期間において、企業が得られる利益を表わしたものです。つまり、高単価でのリピート購入が多い顧客ほど、LTVが高いといえます。

LTVが重要視される理由

LTVが重要視される理由には、新規顧客の獲得にかかるコストの増大が挙げられます。一般的に、「新規顧客の獲得には既存顧客維持の5倍の労力がかかる」といわれています。

つまり、新規顧客獲得数を増やすよりも既存顧客の維持に努めることで、効率的な売上に期待できます。LTVの向上を図ることで、企業は安定的な収益を見込むことができます。また、マーケティングや営業活動にかかるリソース・コストの節約にもつながります。

カスタマーサクセスでLTVを最大化

前述のように、企業の売上や利益を効率的に上げるには、顧客のLTVの向上を図ることが重要です。LTV向上のための施策として、カスタマーサクセスが挙げられます。

カスタマーサクセスとは、顧客の悩みやニーズに伴走し、自社プロダクトの効果的な利用方法などを提案することで、その課題解決に寄与する考え方です。

顧客にとって価値の高いサポートを提供することで、満足度を向上させることができ、自社プロダクトの継続的な購入を促すことができます。結果として、LTVの最大化につながり、自社の収益向上に期待できます。

LTVの計算方法

LTVには複数の計算方法があります。代表的な計算方法は以下の通りです。

【基本的な計算式/リピート商材】

LTV=平均顧客単価×購買頻度×継続期間

【BtoB製品】

LTV=顧客1人当たりの年間取引額×収益率×継続年数

【サブスクリプション製品】

LTV=平均顧客単価×粗利率÷解約率

【顧客全体のLTV】

LTV=(売上高-売上原価)÷購入者数

このように、LTVの計算方法はビジネスモデルや目的によって異なります。自社に即した計算方法でLTVを求めましょう。

LTVの向上に起因する要素

LTVの向上に起因する要素として、顧客1人当たりの単価・顧客の購入頻度・継続率や継続期間の3つが挙げられます。それぞれの要素について解説します。

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顧客一人当たりの単価

顧客1人当たりの購入単価が上がることで、顧客と自社の取引における利益が増大し、ひいてはLTVが向上します。購入単価の向上は、短期的な収益増大が見込める点が特徴的です。

購入単価を向上させるための代表的なアプローチは、値上げです。また、上位商品の購入を勧める「アップセル」や、関連商品とのセット購入を提案する「クロスセル」も効果的です。

顧客の購入頻度

顧客の購入間隔を狭めて、購入頻度を高めることで、自社の収益が増大しやすくなります。購入頻度を高めるには、顧客に積極的な追加購入や買い替えを促すような施策が重要です。

例えば、対面での営業活動のほか、ステップメール・DM・メルマガの配信などが代表的です。また、ポイントカードの導入もおすすめです。一般的に、購入が増えるほど顧客にとって魅力的な特典が付与されるため、購買の間隔が早まる効果に期待できます。

継続率・継続期間

継続率や契約期間を延ばすことで、LTVの向上に期待できます。顧客との取引期間が長くなるほど、クロスセルやアップセルといった営業活動のチャンスが増えるためです。たとえ

顧客単価や購買頻度が低くとも、取引が継続している期間中は挽回の余地があります。

反対に、購入単価が高くとも一度の購入で解約されてしまうと、継続購入を促すためのチャンスがなくなります。LTVの向上を狙うには、継続率や継続期間を伸ばして、解約を回避することが重要です。

継続率や継続期間を伸ばすには、継続期間が長くなるほどお得な特典を用意するなど、顧客が取引を継続したくなるような仕組みを整えることが大切です。また、解約や乗り換えが起こりやすいタイミングで、キャンペーンを実施するのも効果的です。

解約や乗り換えを予測する際に重要な指標とポイント

解約や乗り換えを防ぐために重要な指標やポイントとして、チャーンレート(解約率)や利用頻度の変化、問い合わせの増加などがあります。

チャーンレートは、特定の期間内に解約した顧客の割合を示します。解約率の高いタイミングを特定し、原因を分析することで改善策を実施できます。利用頻度が急激に減少する場合や、問い合わせが急増する場合も解約の兆候があるため注意が必要です。

これらの指標をモニタリングし、適切なタイミングでアクションを起こすことで顧客の満足度を高め、長期的な関係を築けます。

カスタマーサクセスにおけるLTV向上のための施策

カスタマーサクセスにおけるLTV向上を目指すには、さまざまな取り組みの実施が必要です。ここでは、LTV向上のための具体的な施策例をご紹介していきます。

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オンボーディングを行う

オンボーディングとは「導入支援」のことです。具体的には、自社のプロダクトにできる限り早く慣れてもらうために、基本的な利用方法や効果的な活用の仕方などをレクチャーします。

適切なオンボーディングにより、顧客に自社プロダクトの利用価値を伝えることができます。その結果、継続的な購入に期待できるでしょう。反対にオンボーディングが不十分な場合、顧客が自社プロダクトの魅力を実感できず、解約につながる恐れがあります。

顧客の継続利用を促すには、丁寧なオンボーディングが必要不可欠です。なお、プロダクトに関する知識や習熟度は顧客によって大きく差があり、これに伴って解決すべき課題やニーズにも違いが出てきます。

顧客に寄り添ったオンボーディングを実施するには、一律のサポートではなく、個別の課題やニーズを深く分析し、これに合わせてサポート内容を変化させることが大切です。

カスタマーサクセスのオンボーディングとは?重要性や流れを解説

カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは、ユーザーが商品やサービスを初めて使う際に、いち早く使いこなせるようサポートすることを指します。この記事では、カスタマーサクセスにおけるオンボーディングの重要性や実施の流れ、ポイントを解説します。

定期的な顧客フォローを行う

顧客が自社プロダクトの利用に慣れたあとは、定期的なフォローを行いましょう。定期的に接触することで、顧客との良好な関係を構築しやすくなり、自社への愛着の向上に期待できます。ひいては、LTVの向上につながるでしょう。

具体的な施策としては、電話やメールでのヒアリングがあります。DMやメルマガ配信、新機能の追加、自社プロダクトの利用に役立つコンテンツの配布といった施策も有効です。

顧客の声をサービス改善に活用する

LTVを向上させるには、顧客にとって利用価値の高いプロダクトを提供して、利用を続けてもらうことが大切です。つまり、顧客にとって満足度の高いプロダクトを提供しなければなりません。

例えば、使いにくいプロダクトは顧客にとって利用価値が低く、短期間で見限られる可能性があります。このようなリスクを回避するには、顧客の不満やニーズを定期的に拾い上げて、リアルタイムでプロダクトの改良・改善に反映させることが大切です。

具体的には、アンケート調査や電話・メールでのヒアリングといった施策が重要です。また、ユーザーコミュニティの運営もおすすめです。

顧客の状況に合わせたアプローチを行う

顧客によって置かれている状況は異なり、これに伴って、対応すべき優先度や対応方法も異なります。例えば、購買意欲が低い顧客に対して、購買意欲が高い顧客と同等のアプローチを行っても、リソースやコストの無駄につながる可能性が高いです。

自社の資源を有効活用するには、以下のような「タッチモデル」の活用が望ましいです。タッチモデルは、顧客を想定されるLTVやポテンシャルでセグメントし、対応方法やリソース配分などをモデル化したもので、それぞれに応じたアプローチを行うことが大切です。

概要
ハイタッチ売上貢献度高い顧客に1対1で手厚いサポートを提供する
ロータッチ売上貢献度が比較的高い顧客に1対少数でサポートを提供する
テックタッチ売上貢献度が低い顧客にデジタルツールを活用して、1対多数でサポートを提供する

カスタマーサクセスのハイタッチ・ロータッチとは?ポイントも解説

カスタマーサクセスには、ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチ・コミュニティタッチといったタッチモデルが存在します。顧客の状況やニーズに合わせて、これらを使い分けることが重要です。この記事では、各タッチモデルの特徴や実施時のポイントを解説します。

アップセル・クロスセルを提案する

アップセル・クロスセルとは、上位商品やセット商品の購入を提案する手法です。アップセル・クロスセルにより、顧客の継続利用期間を伸ばすことができます。同時に、購入単価・購入頻度の向上にもつながるため、効率的なLTVの向上に期待できるでしょう。

なお、アップセルやクロスセルを行う際は、成功の見込みが高そうな顧客を見分けることが大切です。いわゆる「ロイヤリティ」の高い顧客は、自社への信頼や愛着が高い傾向にあるため、このような提案が成功しやすいでしょう。

また、日頃のコミュニケーションから顧客の潜在的なニーズや課題を読み取り、その解決につながるようなアップセル・クロスセルを提案することも重要です。

ユーザーコミュニティを運営する

ユーザーコミュニティとは、自社のユーザー同士が交流できる場です。例えば、会員専用のコミュニティページや交流イベント、一般向けセミナーなどが含まれます。ユーザーコミュニティの運営により、顧客間での主体的な情報発信が活発化しやすくなります。

これによって、顧客が互いに課題の解決方法を教え合ったり、新しい利用方法を顧客自ら創出したりする効果に期待できるでしょう。さらに、交流を通して顧客同士に連帯感が生まれることで、自社のプロダクト・ブランドへの愛着が高まりやすくなります。

結果として、顧客満足度が向上しやすくなり、LTVの向上に貢献するでしょう。

戦略的なコンテンツマーケティングを行う

自社プロダクトの認知度を高めるために、戦略的なコンテンツマーケティングを行うのもLTV向上のために有効です。コンテンツマーケティングとは、Webサイト・SNS・動画・メルマガなどのコンテンツを通じて、顧客にとって価値のある情報を発信する手法です。

例えば、自社が狙う顧客層について、よくある課題を分析して自社プロダクトを利用した解決法を提示するケースが代表的です。課題解決法という有益な情報を顧客に提供できるとともに、自社プロダクトを効果的にPRできます。

このような取り組みにより、幅広い顧客に自社プロダクトの認知や利用価値を広めることができ、ひいては売上につながりやすくなるでしょう。

なお、顧客が求める情報は、フェーズによって異なります。「新規顧客」「初回購入済み」「長期継続」などのように顧客のセグメント分けをして、各フェーズに応じた訴求方法を考案する必要があります。

チャットボットを導入する

チャットボットは、顧客と会話を行うコンピュータープログラムです。チャットボットを導入できれば、自動で24時間顧客対応できる体制が整うため、顧客満足度の向上が期待できます

顧客からの問い合わせやサポート要求を自動で処理できるため、人的リソースの節約にもつながります。また、チャットボットは顧客との対話を記録し、過去の購入履歴や行動パターンに基づいてパーソナライズされたメッセージを送信することも可能です。

導入コストはかかりますが、適切な設計と運用を行っていくことで、LTV向上のためのさまざまなメリットを得られます。

カスタマーサクセスでLTVを向上させるポイント

カスタマーサクセスでLTVを向上させるには、これまでご紹介してきた施策に加え、次のようなポイントを踏まえることも大切です。ここからは、カスタマーサクセスにおけるLTV向上のポイントをご紹介します。

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KPIやヘルススコアなどの指標を活用する

KPIやヘルススコアなどの指標を活用することで、カスタマーサクセスの効果を測定しやすくなります。例えば、自社のカスタマーサクセスの進捗状況を可視化できます。

これにより、カスタマーサクセスにおける課題や改善点の早期の発見が可能となり、迅速な対応を取りやすくなります。顧客の解約を未然に防止することで、利用継続期間を延ばすことができ、LTVの向上につながるでしょう。

KPIとは

KPIとは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」のことで、カスタマーサクセスにおける中間目標の達成度を測る指標です。

カスタマーサクセスにおけるKPIの要素としては、チャーンレート・リテンションレート(解約率)やオンボーディング完了率、アップセル・クロスセル率などが代表的です。自社のビジネスモデルや目的に応じたKPIを設定しましょう。

ヘルススコアとは

ヘルススコア(health score)は「顧客の健康状態」を意味します。ヘルススコアが高い顧客ほど取引における健康状態が良好で、自社プロダクトの長期的な継続を見込めます。反対にヘルススコアが低い顧客は健康状態が悪く、短期での解約の可能性が高いです。

ヘルススコアの算出方法は明確に決まっていません。したがって、セミナーへの参加率・ログイン頻度・メールの開封率・メッセージの返信率など、企業が独自で指標を設定する必要があります。

カスタマーサクセスのKPIとは?活用ポイントや設定の流れも解説

カスタマーサクセスで成果を上げていくには、KPIの設定が重要です。適切なKPIの設定は、顧客の課題解決や成功に繋がります。この記事では、カスタマーサクセスで設定すべきKPIや活用するためのポイント、また設定の流れなどを解説します。

カスタマーサクセスのヘルススコアとは?メリット・必要な指標を解説

ヘルススコアとは顧客が自社のサービス利用を継続するかどうか示す指標で、カスタマーサクセスにおいて重要とされています。この記事では、カスタマーサクセスにおけるヘルススコア活用のメリットや必要な指標、導入手順などを解説します。

チーム編成や他部署との連携体制を見直す

カスタマーサクセスを通してLTVの向上を目指すには、専任チームの編成や他部署との連携体制の見直しが重要です。一般的にカスタマーサクセスは、営業部門やマーケティング部門が独自に行っていることが多いです。

しかし、方針や方法は、各部門または担当者に一任されているケースも少なくありません。この場合、部門や担当者によって、カスタマーサクセスの質に差が出る可能性があります。

したがって、専任チームを編成することで、責任の所在を明らかにできます。これにより、カスタマーサクセスを組織だって提供しやすくなり、質の向上に期待できるでしょう。

また、全社をあげてカスタマーサクセスに取り組む体制を整えることで、各部門間の円滑な情報共有に期待できます。例えば、SFA/CRMを導入し、営業・マーケティング・カスタマーサポート部門に分散している顧客情報を一元管理するケースが代表的です。

これにより、部門を横断した情報基盤が整い、各部門が個別に顧客に対応する場合でも一貫したサポートを提供できます。

カスタマーサクセスツールを活用する

LTVを向上させるには、カスタマーサクセスツールを活用するのもおすすめです。カスタマーサクセスツールとは、顧客情報を一元管理することで、顧客との良好な関係の構築に寄与し、継続率や売上の拡大につなげるツールです。

カスタマーサクセスに必要な機能は一通り揃っているため、初めてカスタマーサクセスを行う企業でも戸惑わずに取り入れやすいでしょう。

まとめ

自社の継続的な利益の獲得には、カスタマーサクセスを通じて顧客のLTVを向上させることが重要です。LTV向上のための施策としては、オンボーディング・定期的な顧客フォローが代表的です。

また、直接的なヒアリング・アンケート調査・ユーザーコミュニティの運営を通して、顧客の隠れた不満やニーズを拾い上げるような取り組みも重要です。

顧客のプロダクトの改善に活かすことで、利用価値の高いプロダクトを提供でき、継続率やリピート率の向上につながるでしょう。

コンテンツマーケティングやKPI・ヘルススコアなども上手に活用しながら、顧客にとって利用価値の高い商品やサービスを提供し、LTVの向上に取り組みましょう。

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