インボイス制度とは?変更ポイントや対応項目をわかりやすく解説

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  • インボイス制度とは、適格請求書を用いて、消費税の仕入額控除を受ける制度である
  • インボイス制度で、仕入税額控除の適用要件と、区分請求書から適格請求書へ書式が変更
  • インボイス制度に合わせて取引先が課税・免税事業者か確認、会計フロー構築などを準備

インボイス制度とは、インボイス(適格請求書)を用いて消費税の仕入額控除を受ける制度で、取引先から求められたら必ず発行しなければなりません。本記事では、インボイス制度による変更ポイント、課税事業者・免税事業者の対応項目、経過措置および支援措置などを解説します。

目次

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  1. インボイス制度とは
  2. インボイス制度導入後の変更ポイント
  3. インボイス制度導入に合わせてするべきこと
  4. インボイス制度の主な経過措置・支援措置
  5. インボイス制度対応における注意点
  6. インボイス制度へ対応しないとどうなるのか
  7. インボイス制度対応のシステム導入がおすすめ
  8. まとめ

インボイス制度とは

インボイス(適格請求書)は、販売と支払いを明確にするために、商品・サービスの提供と同時に発行する請求書のことです。請求書には売り手と買い手の情報、単価などの情報が含まれますが、税務申告上は正確な適用税率や消費税額を伝えることが重視されます。

特に、インボイス制度については、正確な消費税額と消費税率の把握が主な目的です。全ての消費税の課税事業者と免税事業者に関係するため、企業だけでなく個人事業主やフリーランスの方も知っておく必要があります。

参考:国税庁「インボイス制度の概要」

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インボイス制度は何のためにやるのか

インボイス制度導入の背景として、2019年10月の消費税の軽減税率によって、仕入税額に8%と10%の商品・サービスが混在し始めたことが関係しています。

納税額の計算が複雑になったことで、不正やミスが起こりやすくなり、正確な税額・税率を把握する記録が求められるようになりました

また、これまで消費税を除く売上額1,000万円未満の事業者(=免税事業者)は、買い手から受け取った消費税の納税が免除されていたため、益税として自分の利益にできました。しかし、こうした免税は税法上の不公平と、本来納められるべき税額に差異を生じさせます。

よって、インボイス制度の主目的は正確な消費税額・消費税率の把握にありますが、制度開始後は、これまで益税を得ていた多くの免税事業者から、公平に消費税を徴収する狙いも含まれています。

インボイス制度はいつから始まったのか

インボイス制度は2023年10月1日から開始しました。制度開始からインボイスを発行できる適格請求書発行事業者になるためには、2023年9月30日までに、税務署に登録申請書を提出し、登録を受ける必要がありました。

ただし、適格請求書発行事業者の登録は任意であり強制ではありません。これまで免税事業者だった方は登録すると課税事業者となり、消費税の納税義務が生じます。

これから適格請求書発行事業者の登録を行う場合は、適用開始日と提出期限に注意して申請書を作成するようにしましょう。そして、登録した方が良いか否かは、所得や取引先の状況によって異なります。詳細については、後述する内容も参考にしてください。

参考:D1-64 適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用)|国税庁

インボイス制度導入後の変更ポイント

インボイス制度によって、端数処理の仕方や書式の細かい変更点もありますが、「適格請求書発行事業者でなければインボイスを発行できない」点が特に大きなポイントです。以下で、制度導入後に変わった点について解説します。

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仕入税額控除の適用要件変更

仕入税額控除とは、事業者が得た売上の消費税から、仕入の際に仕入先に支払った消費税額を差し引いて納税する仕組みです。

例えば、税込5,500円の商品売上の消費税は500円ですが、仕入れで消費税300円を含む税込3,300円を支払っていた場合、事業者は仕入税額を控除して200円納税します。

このように、仕入税額は、区分経理に対応した帳簿・請求書の保存や法定事項を帳簿に記載するなどの要件を満たせば、控除を受けられました。しかし、インボイス制度開始後は、適格請求書発行事業者が発行するインボイスがないと、仕入税額控除を受けられません。

従来までと違い、仮に仕入先からインボイスを交付してもらえない場合、事業者は商品売上の消費税をそのまま納税しなければいけません。つまり、仕入先が適格請求書発行事業者(課税事業者)か免税事業者かによって、仕入税額の控除が可能か否かが左右されます。

区分請求書から適格請求書へ書式変更

これまでの、仕入税額控除における要件の1つだった区分請求書とは、消費税率8%・10%と複数税率を対応させた書式の請求書です。

この区分請求書を、インボイス制度導入に合わせて適格請求書へと変更する必要があります。なお、適格請求書においても、税率ごとに税額を区分する点は変わらず、基本的な記載項目も区分請求書とほぼ変わりません。

ただし、適格請求書では、追加の記載事項として適格請求書発行事業者の登録番号の記載が必須です。さらに、登録番号の記載がないものは無効であり、適格請求書発行事業者の登録をしていなければ適格請求書は発行できません。

参考:適格請求書等保存方式の概要|国税庁

インボイス制度導入に合わせてするべきこと

インボイス制度に向けて自分が何をすべきかを検討する前に、自分の立場を明確にする必要があります。例えば、事業者として消費税を納税している場合は課税事業者として、納税していない場合は免税事業者としての対応を検討します。

ただし、インボイス制度の理解を深めるなら、自分に該当する立場だけで対応を検討するだけでなく、他の事業者の立場も確認しておく必要があるため、下記で詳細をまとめます。

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課税事業者が対応・準備するべきこと

自分の立場が課税事業者になる場合は、請求書を渡す側なら買い手として、請求書を受け取る側なら売り手としての対応を検討する必要があります。また、買い手と売り手の両方の立場になるケースもあるため、いざという時に合わせて準備を整えなければなりません。

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買い手・売り手買い手売り手
経過措置を確認取引先が課税事業者か免税事業者か確認適格請求書発行事業者に登録
インボイス制度対応の会計フローを構築適格請求書を発行・保存

【買い手】取引先が課税事業者か免税事業者か確認

自分が課税事業者であり、かつ買い手の立場となる時は、売り手となる取引先(仕入先)が、課税事業者か免税事業者かを確認しておきましょう。免税事業者だった場合は、インボイスを交付してもらえないため、仕入税額の控除を受けられません。

【買い手】インボイス制度対応の会計フローを構築

インボイス制度の細かい変更点として挙げられるのが、1枚の請求書につき、端数処理は合計欄の1回のみに限定されることです。また、インボイス制度は2023年10月1日から全て一斉に変わったわけではなく、一定期間の経過措置が設けられています。

これらの要素は、今までの会計フローのままでは業務が停滞する可能性を孕んでいます。よって、「個別のデータ入力から合計のデータ入力へと変更」「経過措置をシステムにどう反映させるか」など、会計フローを再構築して、制度開始に備えておくことが重要です。

参考:5 経過措置(免税事業者等からの仕入れに係る経過措置)|国税庁

【売り手】適格請求書発行事業者に登録

これまで課税事業者だった場合でも、登録申請をしないと適格請求書発行事業者にはなれません。自分が売り手の立場で、買い手となる取引先にインボイスを発行するためには、適格請求書発行事業者に登録申請する必要があります。

取引先がインボイスの発行を求めても、インボイスが発行できない場合、買い手の消費税納税の負担が大きくなるため、取引を見直されるリスクが高まります。

【売り手】適格請求書を発行・保存

インボイス制度上の適格請求書発行事業者は、買い手となる取引先に適格請求書を交付するだけでなく、適格請求書の控えを保存する義務が生じます。これは仕入税額控除の要件でもあるため、必ず守りましょう。保存期間は7年間です。

参考:5 適格請求書等の写しの保存(適格請求書等の写しの範囲)|国税庁

【買い手・売り手】経過措置を確認

インボイス制度は、導入後の急激な業務への影響や、税負担を緩和する目的で経過措置や支援措置が設けられています。例えば、適格請求書発行事業者以外からでも仕入税額相当額の一定割合を控除できたり、インボイス登録で補助金を加算できたりします。

これらの措置は、買い手にとって消費税納税の負担を抑えられ、売り手にとっても税負担軽減やシステム導入のコスト削減などのメリットがあります。経過措置・支援措置を踏まえ、自社の利益・公共の利益の観点から、インボイス制度に対応するべきかを判断しましょう。

参考:5 経過措置(免税事業者等からの仕入れに係る経過措置)|国税庁

免税事業者が対応・検討するべきこと

免税事業者においても、自分が買い手になるのか、売り手になるのか、またはその両方となるのか、立場を把握した上で対応を検討します。ここでは、免税事業者が検討すべきことについて解説します。

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売り手・買い手売り手
取引先が課税事業者か免税事業者か確認課税事業者になるか検討

【売り手・買い手】取引先が課税事業者か免税事業者か確認

自分が免税事業者に該当する場合は、取引先が課税事業者か免税事業者かを確認しておきましょう。自分が売り手となる場合は、買い手の取引先に課税事業者が多いか免税事業者が多いかが、適格請求書発行事業者になるかどうかの判断のポイントとなります。

その判断の際、買い手が課税事業者の場合、今後のインボイス発行が必要となる取引の量や、インボイスの発行ができない場合には、価格改定などの影響はあるのかを確認しておきましょう。

このように、適格請求書発行事業者になることでの、メリット・デメリットを明らかにしてから判断すると、機会損失を抑えられます。

ただし、単純に目先の金額だけではなく、取引先との長期的な信頼関係も踏まえて判断することが大切です。また、自分が買い手の免税事業者の場合は、仕入税額控除の影響はないため、適格請求書発行事業者になる必要はありません。

【売り手】課税事業者になるか検討

自分が売り手の免税事業者で、買い手も免税事業者の場合は、適格請求書発行事業者になる必要はありませんが、買い手が課税事業者の場合は適格請求書発行事業者になることを検討する必要があります。

例えば、買い手からすると、インボイスを交付してもらえないと税負担が増し、売り手にとっても取引の見直しを迫られるリスクがあります。よって、適格請求書発行事業者になるべきか、交渉・相談しながら、双方の損失を最小限に抑える選択を行うのが賢明です。

なお、免税事業者が適格請求書発行事業者になるためには、まず課税事業者になる必要があります。課税売上高が1,000万円を超える事業者は、自動的に課税事業者になりますが、免税事業者の場合は、「消費税課税事業者選択届出手続き」を行わなければいけません。

参考:インボイス制度において事業者が注意すべき事例集|国税庁

インボイス制度の主な経過措置・支援措置

インボイス制度は、税負担軽減や制度による急激な影響を緩和する目的で、一定期間の経過措置や支援措置が設けられています。ここでは、インボイス制度の経過措置・支援措置について詳しく解説します。

参考:令和5年度改正におけるインボイス制度の改正について|財務省

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売り手・買い手売り手買い手
会計ソフトの導入で補助金適用納税額を売上税額の2割にすることができる1万円未満の仕入れは適格請求書の保存不要
小規模事業者への持続化補助金の加算免税事業者からの仕入れに対する仕入税額控除の適用

【売り手・買い手】会計ソフトの導入で補助金適用

IT導入補助金制度は中小企業を対象としたソフトウェアやシステムの導入を支援する制度です。IT導入補助金自体は以前からありましたが、インボイス制度の支援措置として、安価な会計ソフトも補助の対象とできるように、補助下限額が撤廃されました。

交付申請にあたっては、IT導入支援事業者に申請の招待を受ける必要があり、事業実績の報告も必要なため、計画的に導入しなければなりません。しかし、ソフトウェアやシステムの導入は、業務を効率化し、作業負担を大幅に削減できる可能性があります。

そのため、これまで手作業や表計算ソフトなどに頼っていた場合は、インボイス制度への対応も兼ねて検討する価値が大いにあります。補助金適用の詳細については、IT導入補助金の公式ホームページを参考にしてください。

参考:IT導入補助金|IT導入補助金2023後期事務局

【売り手】納税額を売上税額の2割にできる

売り手の免税事業者を対象とする経過措置として、免税事業者から適格請求書発行事業者になった場合に、売上税額の2割を納税額として納めることができます。これは、2023年10月1日から2026年9月30日までの、3年間における期間限定の措置です。

この2割特例と呼ばれる措置によって、実額で納税額を計算する場合よりも負担額を抑えられ、所得税や法人税の申告書作成も簡単になります。ただし、基準期間における課税売上高が一千万円を超える事業者などの場合は対象外となります。

また、適用時に事前の届出は不要であり、申告時の選択で適用可能です。そして、2割特例を適用して申告した翌課税期間に関しては、継続して2割特例を適用しなければならないといった制限もありません。

参考:2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要|国税庁

【売り手】小規模事業者への持続化補助金の加算

持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や生産性向上のための経費を一部支援する制度で、日本で圧倒的多数の小規模事業者を支援する目的で2014年に始まった制度です。

今回のインボイス制度をきっかけに、免税事業者が適格請求書発行事業者に登録すると、補助上限額が一律50万円加算されるようになりました。

商業・サービスを行う法人、個人事業主、特定非営利活動法人の場合は、常時雇用の従業員が5人以下であること、その他の業種は常時雇用の従業員が20人以下であることなど、対象には違いがあるため、審査にかなう取り組みを計画する必要があります。

参考:小規模事業者持続化補助金<一般型>|全国商工会連合会

【買い手】1万円未満の仕入れは適格請求書の保存不要

買い手の課税事業者の支援措置の1つに、「少額取引のインボイス不要」があります。この措置により、1万円未満の課税仕入れについて、インボイスの保存不要で仕入税額控除が可能です。

適応対象者は、2年前(基準期間)の課税売上が1億円以下、または、1年前の上半期の課税売上が5千万円以下の事業主を対象としており、インボイス制度開始から3年間の経過措置です。

なお、これは取引先がインボイス発行事業者であるかどうかは関係なく、免税事業者であっても同様の措置対象となります。さらに、インボイス発行業者は、課税事業者からインボイスを求められた際にはインボイスを交付しなければなりません。

参考:少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置の概要)の概要|国税庁

【買い手】免税事業者からの仕入れに対する仕入税額控除の適用

インボイス制度開始後は、免税事業者からの課税仕入れの消費税を控除できなくなります。しかし、制度開始から6年間は仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置が設けられています。

制度開始から3年間は仕入税額相当額の80%、2026年10月からの3年間は50%の控除が可能です。ただし免税事業者から受領する区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書の保存が必要になります。

また、8割控除・5割控除の特例を受ける課税仕入れである旨を記載した帳簿の保存も必要です。

参考:5 経過措置(免税事業者等からの仕入れに係る経過措置)|国税庁

インボイス制度対応における注意点

インボイス制度はすでに開始していますが、これからインボイス制度に対応する場合、いくつかの注意点があります。取引先から適格請求書の発行を求められた際に、しっかりと対応できるようにしておきましょう。ここでは、以下の注意点を解説します。

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適格請求書を発行できるのは適格請求書発行事業者のみ

インボイス制度に対応する場合、最初にやらなければならないのは適正請求書発行事業者の登録を行うことです。取引先から適格請求書(インボイス)の発行を頼まれた際、適正請求書発行事業者としての資格がないと、適格請求書の発行をすることができません。

そして、現在免税事業者である場合、まずは消費税課税事業者選択届出書を提出して、課税事業者にならなければなりません。なお、2029年9月30日までの期間は、適格請求書発行事業者の登録申請書を提出するだけで、自動的に課税事業者へと変更されます。

また、適格請求書の発行を適格請求書発行事業者が行ってくれない場合、取引先は仕入税額控除を受けることができず、支払金額によっては大きな損失となってしまいます。よって、適格請求書の発行をする機会があると考えられる場合は、早めに登録を済ませましょう。

参考:D1-4 消費税課税事業者選択届出手続|国税庁

適格請求書発行事業者としての適用開始日に注意する

適正請求書発行事業者の登録を申請し、実際にその効力が発生するのは、提出した場所の税務署長が登録をした日からになります。また、希望の適用開始日を伝えることはできますが、その希望日の設定には提出期限があるため注意してください。

なお、現在免税事業者である者が登録を行う際は、課税期間の初日から15日前までに提出をする必要があります。このように、実際の適用開始日には時間を要するため、準備の段階から早めに行動するようにしましょう。

参考:D1-64 適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用)|国税庁

インボイスの交付義務が免除されるケースがある

下記のケースにおけるインボイスの発行に関しては、国税庁の資料に交付義務が免除されることが記載されています。

  1. 公共交通機関である船舶、バス又は鉄道による旅客の運送(3万円未満のものに限る)
  2. 出荷者が卸売市場において行う生鮮食料品等の譲渡(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限る)
  3. 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の譲渡(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限る)
  4. 自動販売機等により行われる課税資産の譲渡等(3万円未満のものに限る)
  5. 郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る)

適格請求書の発行に関して、これらのような困難な状況がある場合は免除されることも視野に入れておきましょう。ただし、交付義務が免除されても、帳簿などの書類の保存は行う必要があるため注意してください。

参考:インボイス制度が開始されます|国税庁

インボイス制度へ対応しないとどうなるのか

インボイス制度の登録は強制ではありません。しかし適格請求書発行事業者にならない場合、買い手の課税事業者から取引関係を解消されるリスクや、自分が買い手の場合は税負担が重くなるデメリットがあります。

その際、個人事業主やフリーランスも例外ではありません。インボイスを交付できないことで仕事の報酬が下げられたり、インボイスを交付できる事業者に仕事を回されて、自分の仕事がなくなるリスクがあります。

また、免税事業者にとっては、適格請求書発行事業者になることで、これまで得ていた益税のメリットがなくなってしまいます。

しかし、インボイス制度開始後は、益税を得ると、その利益以上に課税事業者が負担を被ることになるため、公平性も踏まえて慎重に判断していく必要があります。

インボイス制度対応のシステム導入がおすすめ

インボイス制度へ適正に対応するためには、請求書フォーマットの必要項目を整えたり、端数処理の変更に対応した設定に整えるなど、準備が非常に大変です。そこで、スムーズにインボイス制度に移行するためには、インボイス制度対応のシステム導入がおすすめです。

会計システム・販売管理システム・経費精算システム・電子帳簿保存システムなど、これらのシステムがインボイスに対応していれば、請求書の管理やインボイスの発行・保存が簡単です。集計・計算も自動化され、所得税・法人税の申告に必要な業務も効率化します。

なお、企業内で既に複数のシステムを導入している場合は、連携することで効率性・正確性をさらに向上させられます。これからインボイス制度に対応する場合は、どのシステムが連携可能かを確認し、業務に支障が出ないように整備を整えていきましょう。

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まとめ

インボイス制度は、自分が課税事業者か免税事業者かによって対応が変わり、買い手か売り手かによっても検討するべき事項が異なります。制度開始後も、取引先との関係性を良好に保つためには、必要に応じて順次対応していく必要があります。

また、インボイスの電子化によって事務作業の負担も軽減できるため、相手先への対応を含めて、自社の利益と照らし合わせながらインボイス制度への対応を検討していきましょう

インボイス制度は、経営にとって重要な税に関することであり、デメリットを取り上げられやすい側面もありますが、実際にどれだけ影響が出るかは準備・対応次第です。制度をうまく活用するために、今一度インボイスへの理解を深めておきましょう。

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